component


ここでは、マイクロ波帯でよく利用されるコンポーネントについて紹介します。
コンポーネントと言うとなじみがない方も居られるかも知れませんが、大意にパーツと言うふうに理解しても良いと思います。


dummy

ダミーロードは、誰でも良く知っておられると思います。終端器とも呼ばれますが、使用方法はHF等とも何ら変りません。
ただ、マイクロ波では、同軸系の物と、導波管系のものが有りますが、24GHz程度までは同軸系のダミーも手に入れやすくなったのか、よく見られます。

 良く見かけるヒロセの601SMA小型ダミー 1/4W    機器に付いているダミー

業務機器に付いてる事があるダミー、通常は1〜2W程度の電力まで、良く見かける物でSPCやNMD・TDCの表記の物が有りますが、これらは国産のもので、それぞれ島田理化・ノーブル・多摩川電子の物です。
HRSと表記された物はもちろんご存知ヒロセ電機ですょ。

 ヒロセのSMAの5Wタイプダミー 1個あると便利

出来れば、小型の物と大型の物と各1個有れば良いですね。


coupling

結合器と呼ばれる物で、方向性結合器して良く知られています。しかし、あまり「自分で測定はしないょ、」と言う方には必要ないかも知れません。
しかし、広帯域の物が1個有っても邪魔には成らないでしょう。

結合器を介しての電力測定や、反射波(SWR)の測定には欠かせられないでしょう。マイクロ波帯まで計測できるSWR計等はちょっと市販されてませんから、これを利用してOMさんはいろいろとやってられるはずです。
1個手に入れて、OMさんに使い方を習いましょう。(そんなに難しくは無いはずです。)

良く手に入るHRSの1GHz方結  結合値に注意

ヒロセの5GHz帯方結  ナルダの10GHz帯方結

上記の方結は同軸系ですが、やはり高い周波数などは、導波管系も有ります。


att

アッテネーターも良く利用する物です。大電力を減衰させるパワーATTと通常の計測などに利用するATTとが有ります。

50GHz程度まで使用できるコネクタ仕様の特殊同軸系ATTも有りますが、大変高価です。アマチュアでは3・6・10・20dbの4種類でSMAとN型が揃っていれば十分です。できれば使用周波数も18GHz程度の物がFBです。
最近はジャンクでSMAやN型のATTも1本/3K円程度で入手出来るでしょう。
また、パワーATTは20W程度で20〜30dbの物が有れば欲しいところです。
通常、測定器はその入力の最大値が10mW〜1W程度ですから、保護の為にもATTを介して測定するようにしましょう。

良く見かけるSMAタイプのATT、HRSやワインシェル・ミッドウェスト・ナルダ等

N型は周波数が低い物も有りますので、注意しましょう。通常は表示があります。

導波管タイプは、最近はあまり見かけなくなりました。しかし、高い周波数では今も利用してます。

減衰値が可変出来るステップATTは大変便利ですが、固定ATTに比べると高価です。
NECのステップATT可変値が10dbと1dbが有ります。

ステップATTを電気的に切り替える、プログラムATTと言う物も有ります。


relay

リレーと言えば、通常は同軸リレー(コアキシャルリレー)だと思いますので、これについて紹介します。
電波の出入り口のアンテナと送信部・受信部の切替は同軸リレーで行なうとひじょうに便利です。アマチュアマイクロ波の黎明期では、マイクロ波帯で使用できる同軸リレーも大変高価で、もっぱら手動で切り替えるか、送受別々機器で実験をしました。

しかし、近年になり、国産・外国製を問わず比較的安価にマイクロリレーを手に入れることで出来るようになりました。10GHz程度までの中古物でしたら上手くすれば、5K以下でも手に入れれるでしょう。ただ、20GHzを超えるような周波数で使えるマイクロリレーは高価には変わらず30K位が中古相場のようです。

多少のロスさえ気にしなければ、下記の写真のHRSやDKYのリレーでも24GHzの使用は出来ます。安く見つけたら手に入れておきましょう。

DowKeyのマイクロリレーヒロセのマイクロリレー

※ これらのリレーの使用電圧は色々有りますから、出来れば12Vタイプに越した事は有りません。

また、最近は多極のリレーも良く見かけますが、余り人気がないようです。しかし、このリレーなどは使い様によっては大変便利で、当方では、5・10・24GHzのトリプルトランスバーターなどに利用しています。

ナルダの多極マイクロリレー多極リレーを使用したTRX

同軸リレーは、どんなにがっばっても現在50GHzが限界のようで、アマチュアでも47GHz以上での使用例は見る事が出来ません。
それ以上になると、導波管切替器(導波管リレーが)を使用することに成ります。ただし、大変高価ですし、中々見る事が出来ません。
そこで、全国各地のマイクログループの中では、自分たちで、モータードライブさせた導波管切替器を使っているのが現状のようで、興味のある方は問い合わせて見ると良いでしょう。

しかしながら、これらのバンドでの切替は、リレーに頼らず、むしろ手動で切り替えたほうが賢明かと思います。

導波管リレー手作り47Gスイッチ


amplifier

早い話が、アンプ・・・増幅器です。
高出力のマイクロ波を発射するには、以前(昔)は通常マグネトロンやサイクロトロン・TWT管ていどしかなかった様ですが、最近の半導体技術はすばらしく、10GHz程度の周波数でも数百Wの半導体素子が有るようです。

我々アマチュアも最近その恩恵に預かっています。10GHzでWオーダーの出力は、TWTにしか得る事が出来なかったのですが、ジャンクでキャラメルと呼ばれるようなパワーFETが出回るようになってからは、これらを使用することで一気にアマチュアマイクロ波のハイパワー化が進んだようです。

10G amp  10Gで5W

10Gで20Wのジャンク利用のアンプ EME等に利用出来ます。

しかし、注意も必要です。Wオーダーのマイクロ波を直接体に照射することは避けましょう。科学的にもいろいろ言われていますが、Wオーダーのマイクロ波は、少なくとも過熱作用がある事は間違いなく、頭部(特に目)を電子レンジ的に熱してしまう事は、絶対に避けなければ成りません。(白内障になりますょ。)
パラボラの前に電波を出しながらの放射器の調整などは、もってのほかと言って良いでしょう。
ハイパワー送信中のパラボラ前面には配慮が必要です。
ただ、これらの事を知ってチョッと工夫して運用すれば、全く問題は無いはずで、正しい運用のしかたをマスター出来ないようなら、むやみなハイパワー化は避けるほうが無難です。
mWオーダーでも十分楽しいマイクロ波が楽しめます。(当局は固定から5.6GHzで60mwで8エリアとQSOした事が有ります。)

アンプの製作も同様に、ハイパワーの物は短時間で要領よくが原則で、御身大切には変わりないでしょう。

最近の内部整合タイプのデバイスは、回路さえしっかりしていれば、全く無調整といっても過言で無いほどすんなりとパワーが出てきますから、これらの危険性もグッと抑えられました。(長時間送信しながらスタブたてをしなくて良い。)

また、下の写真のようなユニットタイプのアンプも出回っていますから、そのまま利用しても十分ハイパワー化が出来ます。
ただ、高価ですから十分検討してから導入すべきです。

ジャンクの7G 38dbmamp 2Gのampユニット


osc

発信機は、自作に欠かせることの出来ない部品の一つです。基本波を数十倍・数百倍の高次逞倍をして使用することも多く、高温槽等を持って安定度の高い発信を行わせているユニットを使用することも多々有ります。
オシレーターは、水晶をそのまま使用したものや、VCOに基準周波数で比較ロックを掛ける、PLL方式の発信機がそのほとんどを占めますが、それ以外にも測定器などに使用されているYIGやYTOなどの発信機も有ります。

発信機については、自作コーナーにも若干紹介してありますから、参照してください。

1GHzのVCO 高温槽を持つ発信機 測定器のYTO