cable(ケーブル)


ここでは、高周波ケーブルについて取り上げます。
マイクロ波領域においては、その伝送の手段として、同軸線路と立体回路とが利用されています。

同軸線路には、一般的な2V系の同軸からセミリジッドケーブルや同軸管等も当てはまるでしょう。また、導波管などもまだまだ高い周波数では、一般的に使用されており欠かせる事は出来ません。

しかしながら、最近は50G程度はでは、同軸(コアキシャル)でも取り扱う事が普通に出来るようになった事から、一般的な同軸ケーブルについて、記述します。


私たちアマチュアは、同軸ケーブルというと10D−2Vや太くても23D等が思い当たるのですが、これらはせいぜい2GHz程度までしか使用出来ないと思いましょう。(しかし、まったく使えないと言う事では決して有りません。)

なぜ、太い同軸ケーブルを使っているマイクロ波局が少ないのでしょうか?

1. 太いケーブルはコスト高である
2. 取扱いが不便である。
3. 太くてもロスが大きい。
4. 使用したい周波数のマイクロ波が伝送できない。
5. その他。

が上げられます。この中でも問題なのは、3と4です。1や2を解決できる大金持ちの局もいらっしゃるでしょうが、電波が通過してくれなくてはどうにもなりませんネ!

ご存知の方も多いでしょうが、同軸ケーブルには左図の様に特性インピーダンスの式があります。
これが50Ωから外れていると問題ですし、太さに関係する遮断周波数という物があり、太いケーブルほど遮断周波数が低くなります。同軸管では、芯線の外径と外装の内径の比が2.3の時に50Ωになります。
(これは絶縁体の誘電率による;空気は1.0)

10Dクラスの同軸ケーブルは、5GHz程度ならば短い距離での使用は十分に出来ます。
しかし、これを24GHzに使用するのはナンセンスという事になってしまいます。
同軸は、細くても(細ければやはりロスは大きいが)短い距離をうまく利用するのが、マイクロ波の鉄則です。

と言うわけでです。

それでは、マイクロ波で使用する高周波同軸ケーブルは、どのような物が良いのでしょうか?
そこで知られているのが、通常セミリジッドやテフロンと呼ばれているケーブルです。

セミリジッドケーブル

セミリジットケーブルとの呼び名で親しまれているケーブルです。見た目は銅線の様ですが、ちゃんとした高周波ケーブルで、よく見られる物です。太さも髪の毛程度から3Dクラスまで色々ですが、使用目的により利用すれば良いでしょう。
フレキシブルタイプもありますので、自作機のケーブルの引回し等には大変便利です。

テフロンケーブル

絶縁体がテフロン系の樹脂で出来たケーブルです。高周波特性も良いのでマイクロ帯でもよく利用されています。
通常の同軸ケーブルより硬く少し曲げづらい感がありますが、数本持っていると良いでしょう。

ジュフロンケーブル

一般にジュフロン(メーカー名がそのまま呼名になっている)と呼ばれる測定器等に利用されるテフロン系ケーブルです。長いものと短い物を各1本欲しいところですが、高価でかつ余り見られません、外皮は写真のように青い物が多い様です。ジャンクで見かけたならば手に入れておきたい一品です。
ただし、コネクタの特性で性能が発揮されてない物も有りますから、その時は、コネクタを付替えましょう。(ちょっとした技量が要る)