10&10.4GHz Band


10GHzと10.4GHzは、もともと一つのBandだったのを削られて2つの離れたBandに成ってしまった経緯から、ここでは一緒に記述します。5.7GHzがHFでいう7MHzならば10GHzは、さしあたり21MHzと言った所でしょうか。
                                           
10GHzはSHF帯の中核Bandで、マイクロウェーブの特性が良く現れます。なんといっても、語呂が良いじゃなすですか!10000MHz(一万メガ)・・・hi
SHFは多少自己満足の世界も有るのですが、一万をやっていると言う自己陶酔が出来ます。(しかられそう・・・・)
 
これも、一言でいうならば、5GHz帯の延長のような伝播ということで済ませられますが、実際に運用してみると5GHzに比べ少しだけ難しく感じられ、「俺もマイクロウェ−バーの仲間入りか・・・」と思えるでしょう。                                                
一言でいうと「実験の一万メガBand」と言えます。

どこが、「実験!!」なの?
5GHzに比べると単純に波長が1/2になり、Antも小さくて利得が6db近くupします。

      真剣なJR9PIY

この周波数は、Xバンドと呼ばれる周波数帯に属しています。近年Xバンドの商用衛星等の格安のデバイスがジャンクなどで出回り、10GHzもぐっと身近に成ってきました。
それまでの、10GHzは立体回路などの取扱いのしずらい物に比べ、ストリップラインで構成した、すっきりした物に変化しました。
ストリップライン基板の普及で、局発からアンテナまで全て同軸系で構成することが出来るようになり、それこそ局発からアンテナまで全てが机上で「実験」出来るBandに成りました。
マキ電機の10G 1ボード基板

 セブロン 10G HPA 基板

@アンテナを実験しよう。
このバンドでの空中線は、ほとんどパラボラ系のアンテナが標準的になり、現実的な運用においてもそのほとんどを占めています。
10Gともなると、小さい径でも高い利得を得ることで、5Gと変わりないQSOを楽しむことが出来ます。
ただ問題は、波長がより短くなることで、給電部等のバランスにそれまで以上の精度と熟練?が必要になり、市販されているANTをそのまま使用して良い結果が得られると思うと、大誤算になる事も度々です。
その原因は、ほとんどがいわゆる調整ずれで、チョッとした熟れで解決できますから、もしあなたのローカルにマイクロのOMが居られましたら、そのノウハウを聞いて見ましょう。
最近は、市販のBSやCSのセンターフィードタイプ(TDK製)のパラボラやオフセットのANTが非常に安く出回っており(実勢価格は35cmで7K以下となっています。)、面精度も高くこのBandにはちょうど良いと思われます。
また、これらのANTには給電部にフィードホーンやバズーカマッチのシュペルトップ放射器が利用されており、ビーコンや簡易の信号発生器を利用して十分に調整することが出来ます。
色々なANTの制作実験をしましょう。

A反射等がさらに面白い
このバンドは5G以上に効率の高い電波の反射を体験できます。
ともすれば、直接波と同等レベルの信号で反射波が聞こえることがあります。この反射波を利用すれば思わぬ所とQSOが可能で、春山などの残雪が残っている季節には思わぬ伝播ルートを見つけることが出来ます。
夏にQSO出来なかったからと諦めず、年間通しての伝播実験を行うことで、ルートを開拓しましょう。
しかし、この場合も出来れば、やはり径の大きな、さらに高利得の空中線を利用することによって、その機会は大きくなると思われます。
山岳回折・反射(ビル)・雲回折・散乱・ダクト伝播
Over Horizonといわれる、OH伝播も5Gと変わらずこのBandにも意外と多く発生し、これによる伝播を体験できることがあります。
発生頻度自体は、5Gとそう変わらないと思いますが、大気の伝播ロスや降雨等の影響も大きくなることから、長距離のQSOを行うことは5G以上に困難ですが、経験上5Gで59程度の信号がきていたら10GでもQSOは可能なはずです。
根気良く信号を探してみましょう。積重ね実験が大切です。
また、最近では10GHzがQSO可能でも5GHzはNGというレインスキャッターも良くありますから、5GHzがNGでも10GHzにチャレンジしてみるのも良いかも知れません。
B意外に伝播路の減衰が多いのかも
周波数が高くなるにつれて、減衰量が多くなるのですが、このバンドでの減推量は比較的書籍に書いてある量より多いのかもしれません。
前述に5GがQSO出来れば、10GもOKということを言っておきながら、現実は厳しくなかなかうまく行かず、5Gが59+++で来ていても10Gが全くダメという事も有ります。  (TYKさんアンタの書く事コロ・コロ変わるなぁ・・・M(__)m)
この現象は今の所なぜか500kmを越えるような長距離の伝播で良くあります。
わたしとしては、5Gが59+++で来ているのに10Gが聞こえないのは何故なのか、今もってよく分かりません。誰か解明してください・・・・・・・hi
ただ、この現象は200km程度までの伝播では余りありません。5GがOKなら10GもOK
マイクロ波の長距離伝播は、いろんな要素が組み合わさっての事であり、知られていない事も有るのかも知れませんネ。
逆にレインスキャッターなどは、5GHzより反射効率の関係から10GHzの方が良いリポートを交換できる事も有りますから、5GHzがダメでも、ダメもとでトライしてみることが大切でしょう。
いろいろなフィールド実験を行いましょう。

C10.4Gは狙い目
10.4Gは前述のように本来10Gと一緒のBandでしたが、分かれてしまい10Gと伝播自体は一緒です。しかしながら、10Gやこの上の24Gに比べ運用される方が非常に少なく、このままでは更に没収の憂き目にも合いかねない状況だろうと思われます。
24Gは大変難しいバンドですが、元々10Gだったこのバンドは使い勝手も良くもっとQRVしたい物です。
しかし、残念なことに47Gまで市販されている状況の昨今でも、このバンドの市販トランスバーターは有りません。10Gを改造するか、自作に頼らなければ成りませんが、基板などの供給はスムーズな現在では、自作することも全くたやすくなりこれからに期待しましょう。
また、記録的にもQRV局が少ない関係から直ぐにでも新記録を作れる可能性のあるモードのものが多く、記録ハンターには狙い目のバンドです。  

   

   JS1UVH              JA2PP            JA1AKA
            北陸マイクロ主催のミーティングに参加してQRVの各局