菅さんとの金沢タウンミーティング

平成11年1月30日(土)


対話記録


主催者挨拶 Page Top

下口(司会):
 定刻より早いようですが(11時56分頃)これから菅さんを囲んで炉辺談義を始めたいと思います。最初に、主催の悠々会を代表して中谷さんからご挨拶をお願いします。

中谷:
 皆様、足場の悪いなか、ようこそお出で下さいました。昨日までの雪が嘘のように晴れわたりました。本当に良い天気になりました。
 菅さん、このような雪の中を東京からお出でくださいましたこと、心より感謝いたしております。有り難うございます。
 本日は党首選挙を終えられたばかりの菅さんをお迎えし、新しい菅さん「ニュー菅」の姿を見られるのではないかと期待しています。最初のスタートの地に金沢を選んでいただき、ますます素晴らしい政治家への道を歩むものと楽しみにしています。
 最初に、悠々会のことでありますが、先程下口さんより私を代表と呼んで下さいましたが、私は代表でもなんでもなく、この会は皆が一市民でありまして、たまたま今日は菅さんをお招きするにあたり、主としてお世話をしました関係でこのような挨拶をしているだけであります。
 さて、タウンミーティングであります。米国ではこのような市民のレベルで語り合う会は珍しくも何ともないそうでありますが、ダイアローグ(対話)の文化の浅い日本ではなかなかこの同じ目線で語り合う場が機能しにくかったように思います。ですから、これから私たちで実験をやってみたいわけであります。
 日本型タウンミーティングの最初の試みに挑戦しましょう!
 皆さんも参加者であります。この今日の会合が成功するかしないか、それは皆さんが決められることであります。どうかよろしくお願いいたします。
 さて、会を始める前に一言だけ、菅さんが何故金沢に来られたか、私の呼びかけに応じられたか、述べさせていただきます。
 大学時代に「世界情勢研究会」という政治好きの若手の大学関係者や官僚や労働組合員などが集まって会合を持っていましたが(菅さんの母校の東京工業大学の永井陽之助教授の話を聞いたりしました)そのときに菅さんに初めてお目にかかりました。
 菅さんは当時「農地の宅地並課税要求」という東京のサラリーマンの住宅事情の改善のための方策に取り組んでおられました。その論旨が大変にユニークで、政治学の教科書に全く書いてないことを話されるものですから、おもしろい方だと思っていました。
 卒業後に金沢に来ていただき、犀川を見ながら、市民運動のあり方について話し合ったこともございます。学習会をやったこともあります。そんなことでやがて30年になろうかというお付き合いであります。
 本日はこのような細い個人的なつながりが、菅さんと金沢との太い線になりますことを期待しています。それでは始めましょう。(拍手)


菅さん挨拶 Page Top

下口(司会):
 それでは最初に菅さんから簡単な挨拶をお願いいたします。

菅:
 今日はお招きいただきましてどうも有り難うございます。
 雪になると小松に下りられないのではないかとちょっと心配しておりましたが、たいへん良いお天気になりまして、予定通りやってまいりました。
 いま中谷さんの方からお話がありましたように、もう本当に30年近いお付き合いなんですが、いろいろ一緒に勉強会などをやっていたこともありました。
 それとまあ、金沢といえば、わたし個人的にはもうちょっと前なんですが、昭和45年の11月の終わりに金沢を訪れたことがありまして、大変な雪で、兼六園の雪つりがたいへん美しかったことを覚えています。その旅行は新婚旅行でありまして(意外という驚きの声あがる)名古屋から高山を通って、金沢から京都へ出た旅行であります。本当に兼六園が素晴らしかったことが今でも目に焼きついています。
 その道中で大酒を飲みまして夫婦喧嘩の第1号をやったことを覚えています。(笑い) まあ今日は、皆さんと一緒に型式張らないでいろんな話をしてみたいと思っています。特に用意してきた話は無いのですが、最近ちょっと感じていることを二三申し上げてみたいと思います。
 今週の月曜日に予算委員会でいろんな問題を取り上げたのですが、その中で一つ具体的な問題を、軽くですが、取り上げてみました。
 昨年の暮れに熊本県の五木というところにちょっと行ってきました。例の五木の子守歌で有名な五木村であります。これは球磨川という大きな川の支流に川辺川という川がありまして、その川の上流に五木村があるわけですが、今のままでいくと数年後には川辺川ダムが出来まして五木村が川底に沈んでしまう。こんな計画が進んでいます。
 いろいろ周辺の人々に話を聞きましたら、今更ダムをつくったって水がそんなに足らない訳でもないし、防災用の必要もあまり感じないし、人吉市のための防災用だというのですが、以前の洪水のときは(もう一つの支流にある)ダムが溢れそうになってそれを流したために一挙に水位が上がって逆に危なくなったという経緯があって、川辺川ダムなんて作らなくてもよいのではないかという議論も多くある。しかし来年度予算を見ますと、ちゃんと150億円あまりの工事費がついている。
 視察しておもしろかったのはですね、ちょっと話が細かくなりますが、ダムが出来ている方の流れは汚いのですが、ダムが出来ていない方の流れは非常にきれいで、ものすごく鮎釣りの名所になっている。
 有名な長良川もですが、昔は鮎が沢山捕れていたのですが、今はなかなか捕れない。下流で養殖して産卵させて上流に上げているようですが、皆さんもご存じのように、鮎というのは自分のテリトリーがありまして、そこに入ってくる他の鮎がやってくると押し退ける習性を持っている、だから友釣りというのが出来るわけです。友釣りというのは糸に生きた鮎を付けて水中に放つとテリトリーを侵されたと思ってガンとぶつかってくる鮎を鉤にかけて捕まえる方法ですが、長良川の鮎は初めから養殖しているものですから友釣りが出来ないわけです。川辺川の鮎はですね、手が掛かっているんですが、いったん受精させて一度海の近くで放して、卵がやっと孵ったばかりのときに放すと一年魚ですからいったん海に戻って、それからこれくらいの1センチとか2センチの魚になって戻ってきたときにもう一回捕まえて、川辺川にはダムが何箇所もあるものですから、きれいな流れのところに持っていって、そうするとこれくらいの魚が一日1グラムづつ大きくなっていって、そのときテリトリーができまして、そうすると釣り人がきて友釣りをすると、まさに自然の鮎と全く同じような釣りの醍醐味が味わえるというわけです。いまや人吉とかその地域の観光資源となっていまして、だから漁協の皆さんはダムをつくるのに反対しているのです。そんな現場を見ていると、日本の中で今までいろいろと当たり前だと思ってやられていたことが根本から間違っているのではないかと、つくづく感じました。
 本当に大きな何千億円もかけてダムをつくるよりは、鮎釣りの方が地元経済にとっても場合によっては潤うのではないかと、そんなことを現場を見て感じたところです。
 そんなことで、この今日のレジメにはウォルフレンさんの本の『人間を幸福にしない日本というシステム』、中谷さんのお得意とするところのようですが、と書いてありますが、まさに日本というシステムは明治から130年間、ある意味では日本を経済的に発展させる上では非常に有効だったシステムが、今や人間を幸福に出来ない、場合によってはもう無駄を承知でいろんなおカネを使って、将来に残るのは借金だけ、環境破壊だけという、そうなっていることを皆んな知りながらそのシステムを変えることが出来ないという状況に陥っているのではないか。
 勿論、民主党という政党もいろいろな人で成り立っているわけですから、いろんな側面はありますが、私が思いますのは、自民党という政党がやってきたことは、全てが悪いわけではないですが、力があるぶんだけ今の仕組みを守るという方にどうしても重点がおかれるのではないかと思いますので、私としましては今のシステムを一回壊す必要があるのではないか、と考えています。
 昨日の毎日新聞でしたか朝日新聞でしたか「本」の欄を読んでいましたら、四五人の作家というか歴史家というか学者が集まって、今の時代に最も相応しい歴史上の人物は誰なんだという話をしていましたが、二人名前が出ていました。一人は織田信長で、もう一人は徳川吉宗でした。いま織田信長にやってもらいたいことは何か、「霞が関を焼き討ちしたらいいんじゃないか」とかなり過激な意見が出ていました。(笑い)
 私は焼き討ちとまでは言いませんが、前の選挙で「霞が関の解体と再生」というスローガンを掲げて闘ったものとしましては、別にお役人が全部嫌いだという意味ではなくて、そういう古いシステムをかって比叡山が守っていたものを信長が焼き討ちをかけて壊したという当時としましても常識をはるかに越えていた行動だったわけですが、いまもそれは霞が関がいろんなことをやってくれているわけですが、しかしやってくれている分だけ古いシステムが続いているわけで、日本が変わらないわけですから、ですからそこを出来るものなら少し焼き討ちをかけてですね、あるいは織田信長でも呼んでくるか、まあそれが出来なければ、私が信長の代わりにやれるかどうかですね。(笑い)そんなことを考えながら金沢にやってきて、いま皆様の前にいるわけです。今日はどんな会になるかわかりませんが、ざっくばらんに話をさせていただきたいと思います。

(拍手)

下口(司会):
 ええ、なんか最初から過激な発言が飛び出しまして(笑い)どうかマスコミの方、うまく書いてもらいたいと思います。(笑い)


辰巳ダム建設の中止について Page Top

下口(司会):
 今、あのー、折角ですが、いろんな切り口があるかと思うんですが、ダムのお話がありましたので、実は私も世界に誇る石川県の伝統芸能文化工芸品の代表であります古九谷、その実は窯元である九谷に私も生まれて育ちました。その九谷が九谷ダムということで20何年間、ウチの親父なんかも実は反対の先頭に立って闘っておりましたが、とうとう負けまして去年の暮れに着工ということになりましたけれども、その九谷の釜跡を変則的な形でダムと共存するために残すということになっております。
 九谷のことを言うまでもなく、この金沢では兼六園に水を引っ張ってきている一番もとである辰巳用水。その取り込み口が辰巳ダムによって、また変則的な形になっていくということで、皆さん方も大変、問題意識を持っておられるという風に思うんですが、辰巳ダムの問題からいっぺん、入っていければどうかな、という風に思います。
 そこに今までの日本の政治のもっているいろんな体質と、そして現在それをどう考えなきゃいけないのか、ということが象徴的に表れているんじゃないかな、という風にも思いますので、辰巳ダムの問題、どなたか発言される方、おいでましたら・・・。
宮江先生、じゃー。

宮江:
 私、宮江と申します。私は以前に辰巳用水を調べていまして(水路の)暗渠の天井に穴が空いているので何だと言ったら「ここにいずれダムができるから試掘調査のためのボーリングをしているのだ」と。「とんでもない天下の兼六園の水源になっている辰巳用水の取り入れ口を壊してダムを作るなんて」と言うことで私が真っ先に提言しまして以来延々と続いているわけです。
 何分にもあの地域の対岸の谷の向う側の町からこちら側に谷越えで通うのに難儀しており、冬には若い者は町に泊まって帰って来ない。そこで「谷越えの橋を架けて欲しい」というのが本音だったわけですが、県道から市道への橋は市がやらねばならん、ところがダムならば国が半分補助してくれる、これならいいだろうと自民党のある先生が票が欲しいばかりに「よっしゃ、よっしゃダムを造る」と、まあこれが本音の経緯です。
 そこへ都市河川の安全度を高めるための見直しがなされた。そこでダムを造るために犀川の上流だけに過剰な雨がふるようにして計画されたのが辰巳ダム計画です。
 金沢には犀川と浅野川があります。(犀川には犀川ダムが造られていたが)浅野川にはダム適地がないために浅野川の水を犀川に負担させ、犀川の支流の内川にダムを造って犀川を守ろうとしたわけです。さきほどのお話しと同様に浅野川は雨が降れば水が出ますが晴れれば水が引きます。ダムができないために浅野川には自然な川相が残っている。ところが犀川はこの前の長雨で土砂崩れしてダムは真っ赤に濁りまして3月も4月も濁りっぱなしになった。その下流にまた無用なダムを造るわけです。
 とにかくいま兼六園は世界遺産にも登録しようかとしており、金沢大学が移転した後の金沢城跡を整備して、兼六園と金沢城祉をセットにして文化遺産としようかと、日本ユネスコ協会でも世界文化遺産への登録しようとの構想をもっているわけですが、その兼六園へ水を供給している辰巳用水の水がダムからの水であり、しかも県の文化財保護審議委員会が「取水口を潰してもやむをえない」と言ったことは文化遺産に対する県の姿勢が問われるのではないか。
 県は「文化財審議委員会が壊してもよい」と言ったからダムを建設するのだと、私どもがいくら文化財として大切だと声を大にしましても一部の者らだ、と。現に推進しているのは、橋欲しさの地元の人々と県の河川課と極一部の方で、逆にダム建設を推進している方が一部なのです。市民側がアンケートをとりますと、ほぼ8割方の方が「ダムは要らんのでないか」、「まだ他にやることはいくらでもある」。(高見裕一元代議士からの質問に対して)「犀川大橋の河道を改修すれば水を流すことはできる」と、「県が書いたものもあるわけだから」。
 そのようなことで、辰巳ダムをいま一度見直して頂きたい。この前、公共事業の見直しがなされたが、土木部会では辰巳ダムだけが審議未了となっています。是非ともこの地域に残る文化遺産として(辰巳用水を)保全したい。全てのダムが要らないと言うのではないが、「辰巳用水を壊すようなダムは要らない」と言うのが私の願いです。どうかよろしくお願いします。

中谷:
 いきなり陳情になりましたね。

下口(司会):
 今、お話になられた・・・、何かこう、質問とか発言される時、簡単な自己紹介と言いますか、それをされてからお話いただければと思います。
 今、お話されました方は、金沢大学の教授でございます。

宮江:
 昨年3月に・・・

下口(司会):
 あ、もう定年で・・?

宮江:
 国家公務員の首がとれましたので・・・(笑い)

中谷:
 菅さんにお願いですが、例えばいま決めているのは県で査定してやるわけでしょう。例えば利害関係がない、例えば東京の研究機関あたりが環境アセスメントを別の人がやるシステムにしないと地元の人がアセスメントをやっていると初めから答えが分かっているアセスメントになってしまうわけで、民間とかそんなシステムができないので すかね。いきなり細かい話になって・・・。

菅:
 いま宮江先生が言われたようなことをあちこち見て来ました。吉野川の第十堰は2000億円ほどかけて可動堰を造ろうとしていますね。まあ、いま徳島県で住民投票すべきかどうか、という住民投票があってほぼ有権者の6割集まった。いろんな例がありますが、原因はただひとつ、つまり「無駄であるか、無駄でないか」というのを国民にとって無駄であってもやるんですよ。役所にとっては大変有効なんです。つまりもうひとつ例を上げますと、諌早湾の例の埋立地、ギロチンで有名になりましたが、ギロチンは海のかなり沖に外堤防を築いているんですか、さらに内堤防を築いて埋め立てをして何をするかと言うと畑を作るんです。さすがに田圃にはしないと言ってますが。長崎県でもいま減反、減反ですぐ隣の田圃は空いているわけですよ。何でこんなもの作るんだ。結局は、いま知事は代わりましたが当時の高田知事は、簡単に言えば、もし長崎県が2700億円自由に使えると、まず間違いなく老人施設を作るか、下水道を整備するか、都市再整備をするか別のことにするでしょう。
 しかし、農林省の予算は他へ回せないんですよ。その老人施設とか下水道とかの、農林省の予算ならつくわけです。日本に残っている国営干拓事業は事実上ひとつですね。さきほどのダムで言うと河川局というのは建設省の中では道路局に次いで力のある局で予算をもっている。予算を使ってくれなきゃ困るんですね。なぜ困るか、それは役所にとっては皆さん考えられるのは県とか現場から見られるんですが実は日本は中央集権と言いますが、中央はまた分権なんですよ。分権というよりも一つの役所が一つの国なんですよ。農林省にとっては自分のとこの予算がちょっとでも減るということは北方領土を取られるようなもんですよ。(笑い)領土が減ることなんですよ。建設省にとっちゃ、ちょっとでも削られることは駄目なんですよ。同じ建設省の中でも例えば都市局が「都市再開発のためにもう少しカネよこせ」と、この間、参議院で私は必ずしも都市と農村とは考えていませんが、もう少し「人の住んでいるところの再開発にカネよこせ」と都市派の議員が言ったんですが、来年度の予算で全く変わっていないんです。
 河川局も建設省という国の中の河川局という独立国なんで絶対にこれを減らせないんです。一番典型が道路局です。道路局には特定財源というものがある。ガソリン税は道路にしか使えない。この間、国鉄再建のために、あれだけの大赤字をだして、どうやって返そうかという時に、ドイツなんかは鉄道が駄目になっている原因の一つにモータリーゼーションがある。逆に自動車から上がってくるガソリン税をつぎ込むということをやっているわけですが、日本の場合はですね、道路財源の特定財源(道路税)が年間5兆円位あるが1円たりとも他へは渡せない。
 話を戻しますと、ですからこの間の予算委員会でやったばかりですが、よく言われる政財官という癒着構造ですが、変に汚職があるなしということではなく、つまり農林省にとっては自分のところの仕事を減すことは関係天下り先も減るし、族議員からすると応援団も減るし、そしてその業界からすると自分のする仕事も無くなる。だから何としてでも頑張って自分の仕事をしなきゃならない。建設省河川局から言うと現地が反対だろうが賛成だろうがとにかくダムを造り続けない限りは建設省の河川局がなくなってしまう。
 だから原因は非常にはっきりしている。ただそれ一つです。で、それがそろそろ厳しくなってきた。それは勿論地域のいろいろな反対運動もありますが、財政難です。実はついこの間、我々も余りに景気が悪いから取り敢えず止めようってんですが、例の財政再建法を作ってそれによって公共事業の頭を少し下げようとしたんですが、あんまり景気が悪いんでそれは外しました。
 来年度予算は80兆円というバブル時代よりももっと大きな予算を組んだ。そうすると旧来型の事業全部に予算を付けた。ですから何故あれだけ大きな予算を組みながら日本の株価が上がらないか。つまり日本の経済にとってあれだけの予算を付けるということはカンフル剤にはなる。1日くらいは効く、あるいは痛み止めにはなる。しかし2日目、3日目、4日目は効かないことが分かっているから株は上がらない。
 そんな構造ですから、話を元に戻しますと、地元で中谷さんにいわれたようにアセスをどうするか、県の動きとかいろいろあると思います。それぞれの県がそれぞれやっています。しかし、最後の最後は簡単に言うと霞が関焼き打ちじゃないですけど霞が関にとっては無駄ではないんですよ。これはもう一寸言うと、なかなかヤヤコシイんですが、土木建築には技官の力が強いんですよ。で日本の公共事業というのは建設省と農林省とそれから運輸省が殆ど握っているんですが、技術屋さん技官が実権を握っている。ぜんぶ現地事務所をもっているでしょう。土木事務所とか農業事務所とか。大体技官がその分野を握っているんです。だから一番元をたどれば、例えば東大の農業土木なんていう学科があるからで、そこを出てきた人が農林省に入り、いろんな土建屋に入って、そこに人がいるから予算をもってきて、予算があるから仕事を作って、実は需要があって予算が付いているのではなくて、人がいるから予算が付いている。そういう構造ですからこれを変えるには、非常に変な言い方に聞こえるかも知れませんが、勿論、現地で頑張って頂かねばなりませんが、矢張り政治そのもので仕組みを変えねばならない。
 どうしたらいいかということで、実はこの間の予算委員会でもやったんですが非常に単純化して言えば、日本みたいに箇所付けまで中央でやってる国は殆どありません。ですから丸投げしたらいいんですね。変な言い方ですけど、例えば石川県に必要な年間公共事業費が例えば1兆円なら1兆円を何とか省、何とか省なんて言わないで石川県で1兆円でやって下さい。その1兆円を老人施設に使うのがいいのか、金沢の都市整備に使うのがいいのか、それとも辰巳ダムに使うのがいいのか。それはその中でやりましょうと。こうなると力学は全然変わってくる。今まではどこの県に行っても県議会は殆ど土建屋さんです。市議会もかなりありますが、何故かというと、あれ隣の県にもって行くなら自分の県に持って来いと互いに競い合うんですよ。だから代議士さんも、自民党に限りませんが、隣に行くくらいなら自分ところへ持ってくることが良いことだと思っている。だが結果において個別に良いことであってもシステム全体としては全くおかしなことになりますから、ですから私は中央がやるべきことは全部限定して、外交とか、防衛とか、通貨とか、いろんな基準作りはやるけれども、あとの実践はぜんぶ県なら県、市なら市。
 そのときに県の大きさが47都道府県でいいのか、市の大きさが、まあ金沢は大きいのでいいのですが、2000人の村でいいのか、についての話は別にあるのですが、仕組みそのものを根底から変えて行けば今のような無駄を承知の公共事業というのは根っこのところでなくなる。まあ一種の革命なんですけどね。(笑い)

下口(司会):
 そうですね。よくお判りになられたと思いますが、辰巳ダムに細かく入っちゃうと問題なので、・・・・・


公共事業について Page Top

下口(司会):
 その他の問題で・・・

関:
 ちょっと一つ、質問があるんですけど。

下口(司会):
 どうぞ。

関:
 片山津に住んでいる関と申しますけども、要するに地方分権とかですね、それから単・・・、国の単年・・・、要するにお役所の予算が単年度予算だということの関係がなく、あっ、関係があるのかな。要するに今、先生の仰ったように、その土地の人は「これが欲しいんだよ。これだけのおカネが要るんだよ」と言った場合にね、そのーまあ、地方に力があれば、それにおカネをつけられるんだけども、その場合に自分の内緒の、要するにおカネが、その、あるタックスファンドで幾らかかるというんで、で、それを自分の所の税金で払っていくためには何年かかるかと言うような感じでですね、えーっその、プロジェクトによって投下するおカネ・・・、おカネは短期間に要るんですけど、それを穴埋めしていくというところで単年度じゃなくてですね、ある期間に、しかも地方分権で地方に、そのー予算、予算ってのか、地方のおカネが中央より潤沢になればですね、それの配分をまたその中で考えていくと、全部、地元(不明)・・

菅:
 あのー、単年度予算の問題とですね、今申しあげた問題というのは確かに若干関連は、絡みは、ただ本質的にはちょっと違う話しなんですが、まあ、今の仕組みはですね、ですからさっきも言いました縦割りで、かつ単年度ですから、面白い現象が起きてるんですよ。大体、普通の予算でいうとですね、もうすぐ、まあ、今、予算審議をやると、そしたら4月の初めに出来ると、そうすると、それから箇所付けを大体やって発注するわけですね。そうすると年度の前半、忙しいのはですね、設計屋さんが忙しいんですね。それで段々こう、ジワジワきて年度の後半になると、いよいよ工事の・・・、実際に工事をやっている所が忙しくて、大体そういう工事だと3月というのはですね、普通の暦は3月は31日ですが、3月45日とかですね、3月55日とかですね、つまり、年度内に上げなければいけないと言うことになってますから、実は若干延びても年度内に上がった形をとるようなんですね。便宜的なことをやったりして、ですからまたその後でですね、また今度は新しい年度で、また今度は設計が忙しくて何とかという変なことになってんですよ。ですから、本来ならもう少しこのー、単年度会計でない形の方が良いという考え方はあります。ただ自治体では実質上の単年度でないやり方は勿論とっています。
 あのー、ダムなんてのは勿論、1年間で出来ませんから、全体としてこの位かかって、今年これだけ、今年これだけ・・・。ただダムとか土木工事は当初の見積もりに対して殆どが少なくとも倍。ヒドイところは5倍とか10倍とかですね、当初予算からいうとなってます。ですからとにかく、最初の予算さえ作ってしまえば、後は出来る所までは何とか、何としてもカネをもってくるというような仕組みなんです。
 それで、いろいろありますが、結局のところはですね、何と言いますか、単年度であるかないかの問題以上に、まさに例えば石川県なら石川県に、さっき言いましたように年間1兆円になるか5000億になるか知りませんが、例えば5000億の費用がこの何年間に使われているとすれば、財源ごと移してしまえばいいんです。そうすればもう国がですね、どのダムにどうしろなんて言う権限はゼロになりますから、あのー、そう言う意味ではもう建設省も農林省も、実は仕事が3分の1ぐらいになってしまうんです。ですから今、一所懸命、橋本さんがやったですね、中央省庁再編法で、建設省と国土庁と運輸省を一緒にして国土交通省ていうのを作ってですね、公共事業の7割くらいをやるようになってますが、あのー、役所を渡り廊下でいくら繋いだってですね、それは全然実は中身は変わらないんで。一番、変わるのは、今言ったようにですね、中央に、もうその財源と権限を無くしてしまうと、それさえやれば状況はガラッと変わります。

関:
 それとー、何か見てますとね、5年で出来るものを15年ぐらいかけてって言うような(不明)・・ですよ。ですから、それが今言ったような予算オーバーに繋がっていくんで、技術的、設計は兎も角として技術的なレベルに関しては(不明)・・短期間に、あのー、まあ、(不明)・・でやっていくという風にせんと・・

菅:
 いゃ、ですからね、それはね、何故そんな無駄をやってるかとか、さっき言った、皆さん無駄だと思うでしょ。一番あれが有効だと思ってる人がいるわけですよ。・・(笑い)・・
 例えば防衛庁がそうでしょ。防衛庁でも10億円で買えるものをワザワザ30億円で買うわけですよ。その変わりにOBはちゃんとですね、天下った時には個室がついて、車がついて秘書さんがつくわけですから、これほど有効なことはないと思ってるわけですよ、・・(笑い)・・。ですからあのー、無駄という概念がですね、決して皮肉を言ってるわけではないんですよ。無駄という概念が国民にとって無駄なのか、お役人にとって無駄なのかと言うと、お役人にとってはそれ程有効なことはないわけですよ。あんまり早く下水道をやりすぎたらですね、次に仕事が無くなるからですね、永久に下水道は続くようになってますし、永久に河川改修は続くようになってますし、例えば吉野川の第十堰は150年に1回の洪水を想定して作るわけです。で、今度作った後また300年に1回の洪水を想定して作ってですね、いや、そんなの要らないじゃないかって言ったら、300年に1回て言ったって来年来るかも知れませんよ・・(笑い)・・。こう脅すわけですからね・・(笑い)・・。
 ですから、そう言う意味で実はそのー、国民にとっての有効性ではないんですよ。役所にとっての有効性で物事が動く。ですから私は最初に、明治以来と言ったのは、右肩上がりの時代は決してそんな役所が全部悪いことしたわけではなく、それはそれなりに機能したシステムが、ある時期から今度はシステムを守るために、つまり、それまでは例えば東京大阪の新幹線とかですね、或いはあのー、いろんな工事は必要だったと思うんですよ、日本が発展していくためには。そう言う時代から、あるところから、事実上、見えないところで逆転しちゃったんですね。
 つまりはそのー、国民のために予算を使うことから、役所を守るために予算を使う。まあ、今日は岩崎さんもおいでますが、それはもう薬害エイズの問題も全く同じでして、その、今、もう無くなりましたけど、薬務局というのは本来は良い薬を認可して、危ない薬はチェックするのが仕事なんですが、薬務局は前の薬務局長が天下りした、そのミドリ十字のですね、安全を守るのが薬務局の仕事になっちゃってたわけですね。だからそこの政治のメカニズムが違うんで、何でこんな馬鹿なことをやるんだと、あらゆる新聞が書いてます。その立場によっちゃ馬鹿なことじゃないんですよね。それが一番あのー、リタイアした後の再就職先さがしには、これ程深刻な話しはないからですね。
 それでこの間の予算委員会で私が言ったのは、天下りは全部禁止すべきなんですが、再雇用制度が無かったんで、今度65歳までの官僚の再雇用制度を作るんだったら、もう、その代わり天下りは絶対禁止だと。再雇用だけ作って天下りを禁止しないなんておかしいからですね。だから再雇用制度と天下り禁止を一緒にしてやるべきだと言うことを、ま、この間も申し上げたんですが、実は遠くに見えてですね、話しが全然離れているように見えて、実はそう言う問題で日本の予算の私は最低3割は無駄遣いされていると思いますね。だから防衛庁も日本の安全よりもOBの安全を守るというんですね。薬務局も患者の安全よりもOBの安全を守るし、ですね・・(笑い)・・。そのことが日本の予算の大体3分の1は無駄になる。しかも、それが環境破壊に繋がったり、場合によったら、それこそ薬害に繋がったり、公害に繋がったりということに相当部分繋がっていると思いますね。

高井(悠々会):
 今の話に関連してですが、辰巳ダムの問題で、最初は橋を架けたかったわけなんですね。交通の便を良くするために橋を架けたい。そしたらその予算をどうするんやと、言うような形で今度はダムの話しに変わっていったり、そう言うところが矢張りね、本当の市民が求めているものは何だと。これを達成することがおカネを作るために別の考え方で物事がドンドン変化していくと言う、矢張りこの問題点が可成り大きいんじゃないかな、と言う風に感じているんですけども。

菅:
 ですからね、正にそうなんですよ。つまり、道路だけ作るとですね、国道なら同じ建設省でも、あのー、道路局なんです。それから、普通の道路だったら県とか市のおカネなんです。で、ダムの付帯工事だったら河川局の話しです。河川局はもうダムを作れないもんだから、作ってくれというところがあったらドンドンやるわけです。で、この間、毎日新聞に出ていた長崎と熊本のある島で120戸しか家がないんですね。120しか家がないところに、123億円かけてですね、橋を架けたんですよ。その橋が農免道路というんで、農林省の予算ですよ。農林省の構造改善局の予算で、ま、その橋を作ってるわけですよ。で、何故かと言うと、農林省に独特の予算がありまして、そのさっきのガソリン税と同じなんですが、あのー、トラクターなんかに使うですね、そのー、ガソリンなり灯油の税の一部をですね、農林省が道路予算で持ってるんです。使わなきゃいけないんです。どっか使う所ないかって言うから、じゃー手を挙げた所があったからですね、とうとう作っちゃったっていうんですね。
 ですから、これも言いますと、この間、五木村に行ったらですね、現地の人が言ってんですよ、似たような話しを。「や本当はもう、やめて貰っていいんだ」ってんですよね。どう言うことかと言うとですね、五木村ってのはもう離れてますから、良い道路が無かった。で、今、工事をやるために良い道路が全部できてですね、ダム工事をやるためにもう、いろんな道路が人吉までできてる。「だから、もう道路が出来たからやめて貰っていいんだ」と。(笑い)たかだか1000万円のですね、無利子で融資を受けてるんで、それを返すのに何て言うか、補償金を当てにしてるから「補償金だけ呉れるともっと良いけど」って。(笑い)補償金と言ったって精々100億か200億なんですよ。工事費はあと2000億くらいかかるんですよね。だから私はまあ、迷惑料としてそのくらい払ったらどうか、と。
 だから今、仰ったように、あのー、有能な町長さんとか知事さんは逆にそう言うやり方をするんです。つまり、ここに道路が欲しいと言ったらですね、道路予算になるとなかなかとりにくいけども、農林省の予算だったらとりやすいとか、ダム付帯工事ならとりやすいとか、自衛隊が来たらとりやすいとかですね、いろんな手があるわけですよ。だから、そう言うことが出来る市長さんてのは、ある意味で有能なんですが、しかし、話しはドンドンおかしな方向に行っちゃうんですね。


薬害エイズ問題について Page Top

下口(司会):
 じゃー今、あのー、菅さんの方からお話が出ました薬害訴訟の問題。加賀市の岩崎さんどうぞ。

岩崎:
 加賀市から来ました岩崎です。えーっと96年ですね、2月に菅さん、本当に心から詫びてくださった事がずっと私の中にありまして、でもあの時はなんで今なのかというか、あの和解を境に、医療のすごい進展があって、患者さん、ほとんど、死ぬ事っていうのは遠い話になって、先に死んでいったものは何でなんだっていうのが、矢っ張り、すごく悔しく思っていますので。で、私は今地元で、それこそ行政と一緒に、NGOの一員として動いているんですけれども、今日はちょっとパンフレットを持ってきましたので是非見ていただきたと思って、こういうのをやってます。(パンフレットを示す)

下口(司会):
 岩崎さんは、息子さんをですね、薬害エイズで亡くされて、それで、この問題と取り組んで、随分、長い間、闘ってこられた方です。今、皆さん、理解しやすいようにってんで、参考資料をどうぞ。

岩崎:
 北陸三県の患者さんに対して、自分たちが何を出来るかというと、矢張り、自分の経験という部分でいろんな形で患者さん達の支援をやりたいと思って動いております。昨日、大阪の、一緒に動いていた代表が民主党のほうで今、衆議院の、あのー、代議士に・・・

菅:
家西君?

岩崎:
 はい。家西と言いますけど、昨日、ちょっと電話で話してて、最近、菅さんがレッドリボンを付けてくれないんで是非・・(笑い)・・付けるように岩崎さんからも是非、また言って下さいって言うことで。で、このレッドリボンはヨーロッパで生まれたもんなんですけど、死を悼む心を表すものとして今世界中に広まってて、HIV感染者に対して本当に偏見差別という部分を、自分たちは持たないよ、という形で、この病気も含めて、障害を持った人とか、いろんな形で偏見を持たないという心を自分の意思表示のために付けている方が沢山おいでますので、もし、よろしかったら、このレッドリボンをよろしくお願い致します。

菅:
 は、はい。(貰って上着に付ける)

岩崎:
 で、あのー、本当に今、そう言う形で、石川県のほうから委託を受けて3県の医療機関を回ったり、保健所を回ったりやってまして、矢張り、あのー、医療の地域格差がすごくありましたので、どうしても私はそれをね、無くしたい。東京に出向けない本当に体の弱った患者さんが矢張り地元で医療が受けられるというところをやりたいと思って今、あの、拠点病院の方と協力しながらやっております。

菅:
 拠点病院はどこが中心になるんですか。

岩崎:
 今は、石川県立中央病院が中心になって下さいまして、そして北陸三県の方と協力しながらやっています。
 ただ、私は原告として、本当に和解が、前の厚生大臣でおられた時に迎えられた事を本当にうれしく思っておりますけど、去年も大臣交渉があったんですけど、なかなか、役所は、厚生省はきびしいですし、遺族の問題ていうのはどうしても尻ごみなさってて進展が全く無いんです。矢張り・・・。

菅:
 あの、碑の問題なんか・・?

岩崎:
 碑の問題もそうです。で、碑の問題を片付けないと、と言うか、碑の問題が終わらないと資料館というのが・・、私、個人的に一番思っているのが、その資料館なんですよ。で、自分達のこういう、あの、薬害を受けた者の悲しみとかを伝えていく場が、どうしても欲しいって思ってまして、忘れて欲しくないのは、本当に心底思っておりますんで、家西さんとも昨日、話していたんですけど、民主党としても押してくださるということで、力強い言葉を菅さんから頂いているって言ってくださいましたんで、また、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

下口(司会):
 はい。どうも。特に(菅さん)、よろしいですか?

菅:
 ええ。今、岩崎さんからいろいろ、昔の話、今の話を聞いて・・・、ご承知のように私が厚生大臣になったのが1996年の1月だったんですが、もう裁判が8年ぐらい続いていて、私もその前からいろんな関係でお話は聞いていたんですが、ある意味での行政の当事者になったもんですから、そのままいろんな皆さんの力で、あるところまでは進展してきたわけですが、で、ちょっと話は少しそれるかもしれませんが、今国会でやっと情報公開法の審議がまた・・、何とか今回の国会で通したいということでやってますが、矢張り、行政が持っている情報を隠すというのはありとあらゆる所であります。逆にいうと隠すだけでなくて都合の言い所だけをですね、先ほど宮江先生も言いましたが、それこそ150年に1回おきるようなことでもですね、明日起きるかも知れないみたいに言うときは言って、ダムを作るときの理由にはするけれども、客観性のあるデータというのはほとんど、極端には出してきません。
 つまり、役所は自分がやりたい事については、やるべきだという資料は集めますし、やりたくない事はやりたくないと言うか、やるべきで無いという資料を全部集めます。ですから、この薬害エイズの問題なんかもですね、後から出てきた資料がまだ最後になってですね、テ−プが出て来たり、いろいろ私の辞めた後まで残りましたけど、少なくとも、そう言うものが早い段階で出てればですね、状況はもっともっと早く展開したことは間違いないんで、ま、行政を変える時の情報公開の持つ力ってのは、これはもう決定的ですね。圧倒的と言ってもいい。
 それに加えて今、岩崎さんが言われたことで、ちょっと話は違うかも知れませんが、今年になって、鹿児島のハンセンの療養所にですね、

岩崎:
 あー、はい。ええ。

菅:
 ちょうど私が厚生大臣になって直後に、最初に、偶然なんですが、そう言う風に居合わせた最初の仕事がライ予防法の廃止だったわけですが、これもですね、歴史をズーット調べてみると、少なくとも、昭和20年代、30年代に廃止をしてても、当然良かった筈なんですね。もう当時、良い薬が出来て、いわゆるライの菌なんかが出なくて治癒も可能になって居たにもかかわらず、それから約40年間、強制収容のですね、システムが残ったと言うことで、まあ予防法が無くなってから、従来に比べればかなりですね、偏見て言ったものも薄らいでは来ました。たとえば従来は、(ライ患者さんには)眼が悪くなる患者さんが多いのですが、一般の目医者さんに行って治療を受けようと思うとですね、なんとなく他の患者さんが嫌がるとかいうような事が、かってはあったんですが、私が行った所で聞きましたら、それは、その所では殆どなくなったとか言われていましたが、私、そのー・・、一緒にやってる家西って代議士が、療養所の中に、外から来た人が泊まれる施設があるんですよ。で患者さんと言うのは、元患者さんなんですが、皆さんと一緒に折角だからデカイ風呂に入ろう、って言うから、九州の新聞に私のヌードがですね、・・

会場:
 ワァーッ!(笑い)

菅:
 コレ(ヘソから上を指しながら)から上ですけど、風呂に一緒に入ったのが(新聞などに)出たりしたんですが、そういう意味では、いろんな問題がですね、いろんな所の運動で少しずつは良くなった面もあるだろう。ただ最後に言われた、私も実は、あのー、この薬害エイズの問題ってのは、勿論、その後もいろんな、旧体質の問題が残っておりますし、HIVの原告団の団長だった家西さんってのが今、我々の仲間で国会におられますので、そこは頑張らなければいけないと思っておるんですが、資料センターっていうのは、私も本当に重要だと思ってます。
 実は、お聞き及びでしょうが、私の厚生大臣を辞める少し前に、何故こんなですね、事件て言うか、こんな事になったのか。誰が悪かったっていう話は東京地裁なりが今、やってますが・・・、前の局長とか阿部先生がどうだとか。システムとしてどこがおかしかったんだっていうのが、医薬研究所に2年がかりで研究をお願いして報告書が去年出たんです。で、いろんな項目があります。たとえばインフォームドコンセント。つまり患者さんにどういう治療をやってるかと言うことを知らせるべきかどうか。
 それがさらに入っていくと今度はカルテですね。カルテというのは、あれはお医者さんの持物なのか、患者の持物なのかということですね。つまり、たとえば私のカルテっていうのは私にどういう治療をしたか書いてあるわけですね。それは、ある意味では私の持ち物なんです。書いたのは向こうであっても、ですね。そう言う問題。
 それに加えて実は非常に大きいのは、さっき言ったことに重なるんですが、矢っ張り天下りなんです。矢っ張り政策判断をする時に天下りて言うのがいかにお役所の皆さんにとってですね、頭ん中にあるか。だから矢っ張り、最近で言うと、石油公団の何兆円の大赤字とかですね、ある時期までは会計検査院が結構、うるさいこと言ってたけど、途中からあまりうるさく言わなくなった。「な、何んだ」っていったら、「イヤ、毎年2人ほど天下りで来ちゃうんで、会計検査院のOBがですね・・・」(笑い)・・。
 だから、まさにそう言うところがありまして、ですからこの天下り問題て言うのは財政の無駄使いであると同時に、本来は緊張関係にいなきゃいけないところが、ですね、逆に相手側の、そのー何て言うか、失敗を隠すと言うことに、もの凄く・・。これはもう金融も全部そうですから。住専から今おきてるいろんな金融も大蔵省のOBが全部絡んでいることを「隠そう隠そう」といってドンドン積もりに積もったのが今の金融問題ですから。ですからこの天下り問題ってのは単に「いい目に会ってるからね、ちょっと怪しからんじゃないか」って言うようなレベルではなくて、日本の財政の3分の1ぐらいを無駄にして、しかも本来ならチェックすべきことがチェック出来なくしているって言う、日本のシステム上のもの凄い大欠陥なんですね。ま、そんな事も実は、そのー、あの研究所の報告書にありまして、何でしたらまたお届けいたしますけども・・。

岩崎:
 ええ。お願いします。

菅:
 まあ、そう言うことを考えればですね、何故こういう事件がおきて、何百人の方が、500人近い人でしたかね、亡くなったかと言うのをですね、キチンと資料館に保存するって言うのは、私はいろんな意味で大変重要だな、と思ってますんで、お手伝い出来ることは是非したいと思います。

岩崎:
 力貸してください、お願いいたします。


精神障害者の人権の尊重と社会防衛について Page Top

下口(司会):
 富山から、お医者さんが、お越しでございまして・・・(笑い)

住吉:
 私、大学病院に勤めている一精神科医として、今日質問させていただこうと思います。今日、こちらに来させていただけることになったことについてですが、実は、今日お世話されている中谷先生が主催されております英語のタイムという雑誌の講読会に、私が金沢の大学で医学部の学生であった時より今に至るまで、かれこれ数えてみると13年ぐらいになりますが、通っております。その縁があって、こちらに・・・

菅:
 (私、タイム誌の)表紙になるんですよ、今度・・・。

中谷:
 あ、本当?タイムの表紙になるんですって。

住吉:
 では、今度是非とも(菅代表の)サインを(表紙になったタイムの号に)もらいたいですね(笑い)。
 今日はここにもありますように、ローカル・イッシューということを言われてるので、現場で医療に携わっている者としてお伺いしたい訳です。私、菅代表が厚生大臣をされている時に、この精神保健指定医という資格の認定を菅代表の名前でいただいたきました。実は偶然ですけどそういう縁がありまして・・(笑い)・・今日質問させていただくのは、この精神保健指定医というものを定めている、精神保健福祉法に関連することなんです。最近、一部の精神科関連の医療機関においていろいろ問題となる事例がありまして、このことからこの精神保健福祉法が本来目指す、精神患者さんの人権の尊重ということが、特に一部のメディアでかなり強い論調で言われていると思われます。一方で、こういう精神科的疾患をもっている人々が、その病気ゆえに起こしてしまう事件、いわゆる精神鑑定が焦点となるような事例も報道されています。そうした場合、反対に精神病院などの施設の管理が問題になる場合もあろうかと思うんです。そこで質問ですが、ちょっと専門的なことなんですけど、精神科的疾患をもっている方々の人権の尊重という点と、一方で社会防衛という点のバランスを・・・。

菅:
 うん、うん、うん。(と頷く)

住吉:
 いかにとっていくかということについて、厚生大臣をされていた菅代表のざっくばらんな御意見・御感想なりを伺わせていただければと思います。

菅:
 先ほどのハンセンの問題も、ですね、必ず、社会防衛の問題と隔離の問題とですね、常に何て言いましょうか、緊張関係がですね、まあ、ライについてはある戦前の有名な学者て言うか、お医者さんがいて、ある意味ではライの父と言われたと同時に、社会防衛のためには完全隔離をやるべきだ、と言うことを戦前、ずーっと進めてですね、それが非常に厳しい政策となって続いたという面がある。だから、つい先日もそういう方から、40年、50年施設におられる方と話しをしてて、見ようによっては終身刑よりももっと残酷な刑だったと。所内で結婚されている方もおいでますが、必ず子供が出来ないような措置をですね、そういうことを強制的にやっておられますし、それから、その時も非常に感じたんですが、精神障害も、私も多少、いろんな運動グループとか、関連の方と話す機会があるんですが、まあ、難しい問題は沢山ありますが、この精神障害の方の社会復帰問題というのも、非常に難しいですね。ある意味で、外から見える障害の方ていうのは、それはそれで大変ですが、まだ、お互いに分かり合えますけど、精神障害ってのはわからない、見た感じではわからない分だけ、非常に、何て言いましょうか、考え方として非常に難しくて、これも専門家の先生を前にして何ですが、中間施設の問題がなかなかうまく行かないケースが多いですね。
 ですから、私は人権ていう問題は極めて普遍的な問題ですから、社会防衛の名で人権が過大に抑圧されることは絶対に許されないことだと思ってます。ただ、それが同時に、よくですね、ま、覚醒剤もあるかもわかりませんが、よく路上で、それこそ関係のない人を刺したとかですね、そういう事件が起きるとどうしても、それは、一般の人からするとですね、なんでそんな患者さんを放置してたんだという話になりますんで、そこをどういうですね、仕切りをするのか。まあ、よく、北欧なんかは解放病棟で、必ずしも隔離しないでも、ある種の管理はキチンとして、中間施設的な所でですね、いわば[暴露]しないようにするとかですね、そういう何かこう、ソフトな形の、そういう患者さんがリハビリで社会復帰できる、あるいは若干、悪くなった時にはまた、一挙に隔離じゃなくてですね、そういう何か中間的な所で[引き取る]というような、そういう事が社会の仕組みの中に、どう作れるのか、という事かな、と抽象的には思っているのですが・・

住吉:
なかなか、ちょっと専門的なことなので、お答えし難いことかと・・・

菅:
 あまり難しい問題なので、まあ感想でいえば、そんな事かと・・・

下口(司会):
 ハイッ、あのー、宜しいですか?


民主党と統一地方選について Page Top

下口(司会):
 そしたら、時間の制約もありますので、話題を少し変えたいと思いますが、今、本当に菅さんの考え方というのがよく具体的な問題を通じて、お判り頂けたと思うのですが、これ、菅さんお一人で今の国益・国民の利益よりも省益を代表する、そちらを優先する、このシステムを変えていくのは、なかなか大変だろうなと。
 やっぱり民主党という大きな組織と言いましょうか、勢力と言いましょうか、これを通じて、本当に国のありかたと言うのを変えて行かなきゃいけないなというふうに思うのですが、今、自々連立が成立した、この状況の中でですね、民主党がどんな方向に進んだらいいのか、民主党のありかたということについて皆さんのいろんな意見を聞かせて頂きたいなというふうに思います。
あのー、七尾の伊藤さん、もし何でしたらその辺りちょっと・・・

 
伊藤:
 七尾の方で党の公認をいただいております伊藤正喜と申します。実はここで私、今、思っていたんですけど、この中で党籍をもっているのは菅代表と広報の宮崎さんと私だけではないかと思っておりまして、特にこの石川県のような所で、金沢を除きまして、いかに民主党がウイングを広げていくか。特に石川3区のような能登の保守の牙城のような所でいかに勢力を広げていって細川連立政権のような(一過性と言う意味で)いい加減なものではなく、きちんとした自々連立政権に対峙する勢力として民主党が成長していくことが、凄くこれから民主党にとって大事なことだと思うのですけれども、これについての理念というかヴィジョンというものが今一、見えてこないというふうに実は党内にいて思っております。(菅さん苦笑)
 で、よく支持者の方から言われるのは、何故、民主党を名乗ったんだ、せめて無所属で民主推薦にできなかったのか、ということをよく言われるのですけども、私は民主党を名乗ることに意義があったということで公認の申請を致しました。で、ここにいらっしゃる市民のような方々に本当に民主党を支持していただいて、それで民主党がキチンとした、時代に政党政治を果たしていくヴィジョンというものを是非党首である菅代表にお聞きしたいと思いました。

菅:
 ちょっと逆説的に聞こえるかも知れませんけどね、私、こう考えてるんですよ。
 民主党って言う政党はですね、日本で初めての国民政党になりうる可能性をもった政党だと思っているんですよ。つまり、「俺も民主党、多少好きだから応援してんだよ」ってんで割と気軽に言える政党。それじゃ他にそういう政党があるかと言えば、たしかに自民党があるんですね。で、自民党って政党、よく見ると、あれは「与党」という政党なんですよ。つまりイギリスの場合はですよ、保守党と労働党、これ両方とも国民政党なんですよ。野党になっても、「いやー、俺は保守党が好きなんだから応援するよ」って。
 しかし日本の自民党ってのはですね、自民党を応援しているんじゃない。「与党」であるということで、「与党」というのは当然、税金をいわば配分する予算を持っていますから、その配分する構造の中に、その集票構造をくっつけている。だから1回だけ、この間、野党になりましたよね。細川政権の時に。たった8ヶ月ですよ。もうボロボロになりかけた訳ですよね。だから私はあの自民党っていうのは一見、国民政党に見えて、実は「与党」であることを前提とした政党で、多分、野党になったときには、もう一回なってもボロボロになるでしょう。
 その点、民主党は今、野党ですが、野党であってもそれなりにですね、活動をキチンとやれるという意味も含めて、私はその可能性として民主党っていうのは国民政党になりうる政党だと思っている。それからまた、あんまり第三者的に言っても変かも知れませんが、データで言うとですね、支持率はイロイロこうなるんですが、拒否率というのは非常に低いんですね。民主党が絶対に嫌だという人はですね、大体ね5〜6%なんですね、あのデータ見ると。だから、例えば自民党なり自々連立がですね、うまいことやれば、いいことやれば向こうに票は行くけれども、これまでの、橋本さん時みたいに、「橋本総理、格好いいことばかり言うけれど、景気は全然よくならなかったじゃないか。プラスだ、プラスだと言うけれどプラスになったのは失業者ばっかりじゃないか」とかですね(笑い)。そうなると、じゃー自民党に対して、懲らしめてやろうと思うとですね、一番行きやすいところはどこかというと、まあ共産党にもチョッピリ行きますが、意外と民主党なんですね。だからまあ、今言ってるのは積極的な意味での民主党という話ではないから不満そうな顔を伊藤さんしてますけどね・・・、それであとのことは今から言いますが、つまりね、民主党という党は、私はそれこそベイスターズが好きだとかね、あるいは広島カープが好きだと言うのと同じように、気楽に「この党が好きだ」と言える政党の意味での国民政党になりうる可能性を持っていると思うんです。
 それでですね、あとまあ、対立軸ということですけど、これも最近いろいろ党内で、ギャーギャー議論しているんですが、もし興味があったらお届けしますけれども。熊谷さんがね、ご本人ないしその知り合いの書かれた論文がありまして、業績投票制度ということを言われまして、で、「野党の仕事は何か」ということなんですね。それについて、我々、私なんかもそうなんですが、「将来、民主党が政権とったらこうする」と言うわけですよ。で、小渕さんもこうするって言うわけですよ。どこが違うんだ、良いところ全部、取っちゃうから段々似てくるんですね。どうも野党の仕事はね、将来の日本を争うのは勿論あるんですよ。さっきもそのこと言ってますが。実はしかし、その前がある。今の政権をとっている与党なり政権そのものが、この間やってきたことが国民に本当にプラスになってんのかなってないのか、ということを徹底的に検証することだと。それを明らかにすることだと。例えば小渕政権がこの6ヶ月間にやったことと言うと、いわば2つしかないんですよ。金融と予算しかないんですよ。実は金融は、うまくいっているのは金融再生法で、あれはウチの党が出したのを丸飲みして、うまくいったんですが、もう1つの健全化法は丸飲みしなかったから未だに貸し渋りが止まんないんですね。で予算の方は確かに大風呂敷、大盤振る舞いしたから、さっき言ったように、あの、カンフル剤にはなっているけども、ついでにそのー環境破壊のカンフル剤にもなってですね、そして長期的に見れば全然、良くない。ですから、こんな政権が、あと半年、あと一年続いていていいんですか、と言うことなんです。それをキチンと言い切ることが矢っ張り議会制民主主義における野党の第一義的役割はですね、今の政権がやっていることが本当に良いのかどうか、そこをキッチリ言うことだと。で、ややですね、民主党は、これは私の戦略が間違いかどうかは別ですが、やや、そっちよりもね、将来のことを言っている。で、将来のことを言うと、ですね、あのー、さっき言ったように、あのー、真空ポンプみたいな人ですから、今の総理はですね。良い話しは全部吸い取って行っちゃうんですからね、あまり差がないわけですね。
 その中で敢えて言えばですね、私は、自々連立と民主党の内容的な違いはイロイロありますけど、一言で言えば、「やれるかやれないか」だと思っているんですよ。例えば行政改革という言葉は橋本さんも言いました。小渕さんも言いました。あるいは、無駄な予算は変えましょうということも言いました。しかし、じゃー、自民党が、これまでやれなかった自民党が、これから先やれるのかどうか。さっきの辰巳ダムの問題でも個別問題ではなくてですね、そういう仕組みの中で予算を組んでる仕組みを変えられるのかどうか。最近、政府委員制度の廃止とか副大臣制の問題ってのは、我々も提案してるんですが、実はあれのもう一つの本質はですね、予算の組み方を変えなきゃいけない。で今の、例えば一つだけ例をあげますとイギリスではですね、どういう風に予算を組むかと言うと、先ず来年度の税収の見込みを立てて、まあ60億入ってくる、60兆入ってくるから、じゃー、ちょっと10兆借金して、まず70兆なら70兆で組むことを閣議で決める。それで70兆の内から厚生省に15兆、防衛庁に5兆、何とか省に何兆と。まあ、枠を第二段階で決める。そして防衛庁が貰ったカネの中で何に使おうと、厚生省が貰ったカネで何に使おうかと、こう決めるんです。当たり前のことでしょう。
 日本の予算、どうやって作る。先ずは厚生省何とか局何とか課が去年、幾ら貰ったのか。「イヤ、俺ん所、500万もらった。じゃー、5%増しで550万、請求しよう」。全部、課から積み上げるんです。それで各役所の中でいろんなシーリングとかあって大体きまってる。その役所を全部調整したのを、今度は大蔵省の主計局が決めるんです。で、最後にね、政治調整枠というのがある。私が「さきがけ」時代にはですね、4000億ぐらいでした。「政治調整枠とは何だ」って聞いたら、「イヤ、これは政治家の皆さんが、どうぞ自由に決めて下さい」って言うんです。70兆の内、69兆6000億まで自分たちで決めておいてですよ、あと4000億だけは政治調整枠。で、このベースのところを決めるのは全部、下からの積み上げで、積み上がるところに族議員とか何とかとか、先ほどの河川局とか労働局とか、全部、力学がもうそん中に煮詰まっていて、びた一文、動かせないようにして上げてくる。こんな予算を組んでいる限り、5年たっても、10年たっても日本のこんな予算の構造は変わりません。
 自自連立はじゃー、それを変えようとしているか。小沢さんは格好いいこと言うけれど岩手県でやっていることは全く自民党そのものですから、変わりっこない。ですから実は一見、同じ言葉で語られても、「やれるか、やれないか」というところが、それは勿論、民主党もやって見なければ判らないんですよ。実は、まだやってないんだから。しかし、「やれるか、やれないか」。それが一番の差で、実はこれは、なかなか言っても難しいんですが、よく鳩山さんも言われているんですが、民主党ってのは、割としがらみが無いところが、良いところで。まあ、霞が関を焼き討ちできるかどうか、織田信長のようなことをやれるかどうかは別として、そこがポイントなんです。それに加えて言えば、いろんな表現はありますけども、「自由であって安心できる社会」とかですね、安全保障の問題もいろいろいってますが、民主党が目指すべき社会ていうのは、私は欲張りなせいもありますが、イギリスで言えばサッチャーさんがやったことと、ブレアーさんがやろうとしていることを両方あわせてやらざるを得ない。で、サッチャーがやったことというのは、相当な経済における改革です。それは血が流れました。それだけやったんでは弱肉強食になりますから、矢張りブレアー流のやり方が必要になる。
 で、もう一つが最初に申し上げた、分権連邦国家。これも実は、自民党は言葉では分権と言いますが、矢っ張り自分の選挙をですね、これまでやってきた行動は、いかに俺が建設省に顔がきくか、厚生省に顔がきくか、何とか省に顔がきくかということをベースに、与党という立場で選挙をやることが自民党の集票構造ですから変わりません。本当に分権にしたらですね、だって知事さん、相手にしなくなりますからね。だって、相手にする必要がないんですから。そうなると本当に国の、つまり、外交とか防衛とか、まさに教育の基準とか、そちらだけ考えれば良いけれど、今の場合は代議士になったとして、矢っ張し地元が気になるわけですよ。相手候補はね、一所懸命、何か役所に行ってると言ったら、こちらもやらなきゃいけないとか。
 私は民主党の大きな枠組みは、そういうその国の形を、「日本の国の形を分権連邦国家に変えていく」ということと、そういった「経済における自由」と、「福祉における安心」と、最後に言ったのは、「本当に変えられるか変えられないか」。そこは、是非、伊藤さんも、変えられる政党だと、みずから、やる気を含めて選択されたのじゃないですかね。

伊藤:
 そうなんですけど、現実の地方議会の議員の少なさですとかじゃなくて、今回の統一地方選挙の候補者の少なさですとか地方に関しての取り組み無さですとか感じてるんですけど・・・。

菅:
 あのー、私もいろんな所へ行きまして、たくさん選挙をやりましたから、そう言う心配は良く判りますし、それはそれで正しいと思う。ただ、政権ということで言うとですね、小選挙区を中心とする今の制度っていうのは、従来の中選挙区制度とは基本的に違います。つまり、2回前の選挙までは中選挙区制で、野党第1党は当時、社会党でした。社会党は定数512に対して何人候補者を出したか。この20年、30年の中で一番最高に出したときで170人です。全員通ったって過半数にならないんですから、政権交代なんてありっこない。いくら、かっての土井さん、今も土井さんが委員長ですが、あるいは、その前の人がですね、社会党が政権作ったって、過半数の候補者出していないんですから変わりっこないんですよ。
 しかし、小選挙区制になって、勿論、今度の民主党も300の小選挙区で、一応、目標として250を公認。50人を他党ふくめて推薦で、比例も出しますから、そうするとですね、勝つときは場合によっては一挙に勝ちます。負けるときは壊滅的に負けるかも知れません。それが小選挙区制の持っている一つのダイナミズムです。
 ですから確かに、この石川県はもともと保守王国ですし、いろんな地盤がカッチリありますから、だから、簡単に勝てる、と言ってるんじゃないんですよ。簡単に勝てるんじゃ全然ない。ただ、状況によっては、ですね、非常に大きく動きます。たとえば、この間の参議院選挙で石川では候補者が良かったせいもあって勝ちましたが、たとえば、岐阜では自民党候補者が2人落っこって、我が党の公認と推薦の2人とも通りました。愛知でも3人区で2人出てですね、公認公認で共倒れになるから何とか調整しようって、調整できなくって、「お前、調整能力ないな」って言われてたら、2人とも当選しちゃった。神奈川でも3人区で2人通りました。それから埼玉も1人公認1人推薦で、2人通りました。で勿論、そん時は民主党に積極的に票を入れる、というよりも、自民党にレッドカード入れるのには、とにかく、自民党でない中で言うと、まあ、「民主党と書いてあるから名前は誰でもいいから、こっちに入れよう」って言ったわけですが、ですから、さっき言った実績投票主義を含めてですね、勿論、選挙ですから、固有名詞の伊藤さんなら伊藤、菅なら菅というのと、相手候補とどっちを選ぶんだ、とこうなりますが、それと同時に、今の政権、たとえば小渕政権がこのまま続いたらですね、同じ選挙区で小渕さんをこれ以上政権に留まらせたいんだったら、どうぞ自民党公認候補に入れて下さいと。辞めさせたいと思ったら、矢っ張り、変わりうるのは民主党しかないんだから、まあ共産党やナントカ党やカントカ党に入れたって、どうせ変わりっこないんだから矢っ張り民主党に入れて下さいって言えば、ここに居られる皆さんぐらいは全部、入れて下さるんじゃないですか。(笑い)

民主党フォーラムの関連会議室: 「民主党地方支部は自民と対決しろ!」
「統一地方選挙かく戦えり(地方選挙レポート)」


民主党と労組の関係について Page Top

中川(悠々会):
 ただね、矢っ張り、地方はね、我々は・・・、労組主体から上がってきた連中が牛耳ってるでしょ。我々はどうしても、そいつらに入れられないんですよ。
(この異論の背景

菅:
 まあ、これはですね、さっき言ったように国民政党っていうのは一つの幅がありますから、労働組合の運動もあれば、あるいは羽田さんや鳩山さんのように全然違うのもあれば、まあ私ももっと変わり種かも知れませんが、いろいろ違いがあって、私は幅としてそれくらいあっていいと思うんですよ。逆に言うと自民党もさっき言ったようにですね、労働組合とは別の意味の固い固い利害構造からできてますから、変えられないという意味では労働組合以上に変わらないのが自民党かも知れません。私が見てる限り。労働運動というのはですね、いろんなところを見られるかも知れませんが、産業界で言うとですね、一番はやく自由化が進んだ産業界と言うのは電機と自動車ですよ。その次は今のNTTぐらいですよ。ですから電機なんかの労働組合の言ってることは、自民党のグローバルスタンダードで一番激しく言っている人間より、もっと激しいぐらいなんですよ、自由化に・・・。

中川:
 んー、ところが、地方に行けば行くほど官公労が強いんですよ。(一同笑い)

菅:
 官公労もですね、ついでに労働組合の話が出たので言いますとね、つい10年、15年前までの官公労の中心は3つだったんですよ。国鉄、それから当時の全電通、それから郵政、それともう一つ、全然別の意味であるのが自治労です。国鉄は事実上JRになって全く変わりました。それから全電通は10年前からNTTになって、相当、変わりましたですから。全郵政も黒猫ヤマトで全郵政と黒猫ヤマトの競争で可成り従来と比べると変わりました。ですから、皆さんがって言うか、一般的に官公労ってイメージが持ってんのはですね、かって全部親方日の丸で、競争もしないで賃上げから労働時間短縮で、あとは政治運動だけやってるイメージが強いんですが、実態を見て貰えばもの凄く変わっています。
 だってJRなんて見て下さい。トイレだって綺麗になったじゃないですか。ねー。先ずは。ですからJRも変わりましたし、NTTも、もう今や、また分割になりまして変わりましたし、まだ国営が残っている郵政事業だって相当変わった。で、自治労という組織は、これは地域ごとに非常に自立性がありましていろいろです。でこれは上の方はですね、まあ、上の方なんていうと怒られるかも知れませんが、かなり開明的なんですよ。つまり地方分権をやる中で、自治体で「ある程度、自治体改革は必要だ」と言うところは非常に強いんですが、現場レベルの市役所とか県議会・県の職員になると、これは地域ごとにいろんな差があるんですが、割と古い、まあ、社会党系の活動家の人が多い地域もありまして、これは今でも民主党にさえ応援して貰えない所も沢山あるんです。しかし、トータルして言うと、連合で言うとですね、例えばさっき言った自動車とか電機なんて言うのは、もう保護なんて言ったって、全然なりっこない訳ですよ。ソニーを保護してくれなんて誰も言いませんし、トヨタと日産は世界中で競争してる訳ですから。そう言う意味では、実は今言われた官公労、労働組合イコール官公労、で、それが支援している民主党はどうも今一だという話はですね、よく見て貰うとそんなに強くないんですよ。

1階

2階

里山の家・見取り図

民主党フォーラムの関連会議室: 「民主党再生案.....。」


政党への個としての参加について Page Top

高井:
 鳩山さんとぃね、私らはね、あのー・・・。

会場:
 (笑い)、鳩山さんじゃないね。菅さんっ。

高井:
 いや、菅さん。鳩山(由紀夫)さんと最初に話したときはね、いわゆる個の参加。ね、組織での参加でなしに、民主党を個の参加で作ってほしい、と。で、そういうようなイメージで話しをしてる訳なんですよ。そこへ団体としてドーンとした入り方をするとね、考え方を同じくするような考え方の人が集まるような党を作っていただきたい、と言うような。それなら我々も応援しますよ、と。そこで話しがね、コロッと変わって、ね、今の言われる、まあ、違いは無いのかも知れないけど、その成り方が一番大事じゃないかなというふうに私は思ってたんですよ。

菅:
 これはね、あのー仰ることはその通りなんですよ。ただそれと私はやってきたんですよ、ずーっと。いろんなことで。だから、あのー、社民連てのは私16年おりましたが、そのかわり5人以上増えたことがないんですね、国会議員としては。どこへ行ったって組織なんか何もないから、いくら言ってることが良くったって。
 あのー、個人的には中谷さんに30年近く前から応援して貰って、昔、あのー、金沢で参議院選で・・・

中谷:
 イヤーッ・・、昔の話しは止そうよ。(笑い)

菅:
 (笑い)・・。つまりは、全国展開できないんですよ。だから仰る原理は重要だと思うんすよ。だから私がさっき言った国民政党になりうると言うのは、そういう個人個人の意見の人も入れるし、ある程度いろんな組織も入れるけども、しかし、組織が全部を埋め尽くしたんじゃ、それはもう小さな小さな政府が逆になりますから、そこは何時も喧嘩ですよ。それは民主党本部だってそうですよ。そりゃ連合からいろいろ言って来ますよ。そりゃ自民党だって同じで医師会から言ってくる、農協から言ってくる、何とかから言ってくる。それでそれの通りにやってたら、私がこの間の選挙で言ったタックスペイヤーとタックスイーターの戦いだと。つまり、「納税者と税金を食べる人との戦いだ」と。
 参議院というのは非常に良く判るんですよ。参議院の比例区を見たら、確かに民主党も労働組合の支援を受けた人が4番目から9番目ぐらいまで並んでいました。しかし、じゃ、自民党のリストを見て下さい。農林省から2人、建設省が国土庁から出た人を含めて2人、運輸省から1人、郵政省から1人ですか。どういう訳か外務省も経済企画庁も1人もいないんです。何故だか判ります。公共事業が無いからですよ。公共事業の、そう言う例えば農林省構造改善局から出て通った人が毎回2人ずつほど通ってる訳ですよ。何をやるか。埋め立ての予算を取る訳ですよ、諫早湾の。建設省から出た人は何やるか。河川局のその何とかダムを取る訳ですよ。だって、その人たちの権力基盤てのは、それしか無いんだから。ですから労働組合が良いとか悪いとか言ってるんじゃなくて、そう言う構造は全国区というか比例区が一番ハッキリしてるんですよ。役所代表ですよ、あれ全部、自民党の場合ほとんどが。ですから、それ、それに比べればって言ったらちょっと変だけど、労働組合の方がまだですね、あの、直接、税金を貰う労働組合ってそんなに無いですからね。ごく、そりゃ、一部の官公労だけでね、あとはだって何?例えば小松製作所の仕事してるからったって、別に税金を貰うんじゃなくて、働いて税金払ってんだし、NTTに仕事してるからったって税金、仕事を働いてんだし。トヨタ自動車に働いてる方は税金払ってんですからね。別に農林省予算をここへ持ってこいみたいに、トヨタ予算を持ってこいなんて言う人なんか1人もいませんよ。そこはね、良ーく見てください。勿論、労働組合のある種の独特の過去のね、いろんなものがあって若干、折り合いが悪いってのは判らないことはないんですが、しかし、構造から言うと自民党の方がもっと激しいです。・・(笑い)
 そう言うことはですね、逆の意味で言うと、ついでに言うとですね、そういう議論を、それぞれの現場でやって貰わないとですね、日本には政党は永久に育ちません。それならもう共産党か公明党かですね、与党である自民党以外か労働組合党しかない。で、その新自由クラブも育ちそうで育ちえなかったし、日本新党も育ちそうで育たなかったでしょ。私が長い間、属した社民連も良い政党だったんですが、なかなか育たなかったんですよ。そりゃ、無い物ねだりをすれば無限にあるんですが、無い物ねだりじゃなくて、相対的にどの党を育てるか、という発想で言えば、まあ、(笑い)まあ、比較的良い党ですから、(笑い)、伊藤さんも自信持って下さいよ。やってる方が自信がなくては、(笑い)まわりはますます自信が無くしてしまう。(笑い)

伊藤:
 わかってはいるんですけど、旧民主党から所属してますんで。

平成8年9月11日「民主党設立委員会」の「基本理念」「基本政策」


政党への個人献金の推進について Page Top

下口(司会):
 あとどうですか、民主党に対する提言とか。ハイ、どうぞ

TERA:
 私は金沢に住んでいて民主党フォーラム出身と言っていいかどうかわからないものです。いまの個々の参加ということとも関係があると思うんですが、政治資金に関して民主党は個人献金をもっと集めたほうがいいんじゃないかと前々から思っていました。自自連立という点において、自民党も自由党もどちらかというと企業サイド、企業献金という姿勢ですから、そういうところで差を出していったらいいんじゃないかと思うんですが、如何でしょうか?

菅:
 あのう、2年後ぐらいになりますか、もう1年後になりますか、政治資金規制法が変わりますので、変える予定(強調!)なんで基本的には企業からの個人に対する献金は禁止の方向ということで我が党もそういうことになればそれで行こうというふうには言ってるんです。ただまあ、実際にそこまでいけるかっていうのはまあいろんな動きがあります。今言われたですね、個人献金というのは、まあ、私はあのう、もともとが市川房江さんの選挙の時から手伝ってましたから、そういう個人献金のこととか長い間いろんなことをやりました。私自身も今でも、主には個人献金ですが、中谷さんも買ってもらったかも知れませんが菅直人株というのを昔発行しまして、配当はどうなるか、世の中がよくなれば・・・

中谷:
(配当は)もらってない、出世払い?石川県には何も配当はないよ。(笑い)

菅:
 まあ、そういういろんな個人献金の運動をやってきて、今も続けています。で、ただまあアメリカなんかに比べるとですね、これは政党に限りませんが、個人献金というのは非常に日本では集まりにくい。集まるのは宗教団体と町のお祭りには集まるんですね。しかしその、例えば全国的なアメリカにはコモン・コーズとかですね、コンシューマー・ユニオンとかいろんな全国規模の200人ぐらいのスタッフを持った市民団体やNPOとかがたくさんありますが、日本ではそういうところにおカネがなかなか集まらないんですね。
 それでできた制度が、今ちょっと評判が悪いですが、政党助成金なんです。これは考え方はですね、全員から強制的に年間300円寄付して下さいということなんです。それをあなたが投票したところにまあ単純にいえば300円あげましょうということなんです。ですから、投票の数とか当選した数にだいたい比例して、たとえば民主党は65億円に増えました。300円ということはだいたい年間300億・・、350億ですかね。それを分配するわけです。でまあ自民党が半分ぐらいもらえば150億となって、うちが5分の1だったら60億もらってという、ですからこれもまあ使い方でこないだ中島洋次郎さんが捕まったりしていろいろ評判が悪いんですが、使い方はきちんとしなければいけませんが、ある種、変な言い方ですが、強制的個人献金に近い、これをみなさんが投票した政党、投票した人に比例して配分する。
 アメリカでは大統領選挙で納税の時に、共和党か民主党に丸をつけるとですね、1ドルをその党の大統領選挙費用にあてるというふうになっています、今から10年ぐらい前に調べたところはですね。ですから、個人献金は私は大いにやるべきだし、努力もするべきなんですが、私も長い間30年ぐらいいろんなことやってきましたが、選挙の時にはまあまあなんとか集まるんですが、平時はなかなか集まらないんですねぇー(感慨深く)、お願いしてもね。へたをすると、郵送料とトントンぐらいになることが多いですね。私のレポートなんかもレポートカンパっていうのもやってるんですが、だいたいまあ2万人ぐらいに送ってですね、返ってくるのは2千人ぐらいで、だいたい郵送料2万人分がやっとでるというぐらいなんですね。なかなかやってみると、なかなかそう簡単ではないです。言われることは、正しいけれども、実際のところは今言ったように政党助成と個人献金でやれないかなと思っています。

TERA:
 一度献金された方はずっと応援し続けることが多くなると思いますので、たとえ集まりにくいとしても、今はインターネットを使って呼びかけることもできますので、始めてもいいんじゃないかなと思うのですが。

菅:
 そうですね。あのー、例のダイアルQ2とかを使ってのやり方とかですね、いろんなことがあるんですがね、それは始めたいと思います。ただ、まあ使うほうが政策を作って法案を出そうと思うと霞が関には全公務員じゃなくても、少なくとも各役所に数百人全部役所を加えると数千人のスタッフが政策づくりに携わっていますから、我が党の政策政調は20人ですから、あといろんなスタッフ含めて70人ぐらいいます。個人の秘書は国で面倒をみてくれるのは3人です。まあそれでも多い少ない言われていますけが、私は10人ぐらいいますけど、あとの7人はいろんなカンパでやってるわけですが、やっぱり、国会議員の数は増やしても減らしてもかまわないんですが、アメリカは下院議員で最低18名ぐらいスタッフを持っています。公費で。上院議員は州の大きさによって違いますけどもっと多いですし、たとえば上院の外務委員長なんていうのは50人ぐらいのスタッフを持っています。自分が選んで。
 今の民主党の持ってる全体スタッフが持っているスタッフを一人の議員がもてる構造になっている、そのかわりアメリカは役所から一本も法案は出せないことになってます。全て法案は議員が出すことになって、年間2000本ぐらい出しています。ですから、気をつけないと安かろう悪かろうになってしまう。だから、いいスタッフを集めようと思うとそれなりのおカネがかかるということです。

民主党フォーラムの関連会議室: 「いつになったら民主党は個人献金の募集を始めるのですか?」


情報公開(政党、政治家、行政)について Page Top

「当日の質問の表現は稚拙ではずかしいのですが、よかったらホームページの内容に準じて訂正もしくは注釈を加えて下さい」と仰る佐野さん。
下口(司会):
 はい、どうぞ。

佐野:
 菅さんに2つ聞きたいことがあるんですけども、その前に自己紹介ですけれど、ペンライト’21の、「石川ペンライト’21」という会がありまして、これは、大前研一さんの「平成維新の会」の名残みたいな会ですけれども、そこの佐野と言います。
 まず第一に、今の政治資金に関して、(これは自分の見識として聞きたいんですけれど、)頂いたおカネに関してどういった風にして使ったかという、あのう、使い道ですけれど、それに対しての会計報告というのは、どの政党もキチンとなされているのかどうかということをお聞きしたいと言うことと。
 もう一つ、先ほど、あのう、薬害エイズの話がありましたけれど、これは非加熱製剤を使えば非常にあのう、危ないということは今までの報道の中でハッキリしてきた。ですから、ああいう会議の内容がキチッと情報公開されていれば、ああいうことは起きなかった。ええ、あのう、今度、あのう、情報公開の法案が通ると思うのですが、私から見て不十分に思っています。
 自分はあのう、情報公開をいま、非常に、重要視しているんですけども、基本原則としては、まず原則公開にする。要するに、国や自治体は国民や市民の税金で運営されているわけですけれど、それで役人を雇っていろいろやっているわけですから、そういう事は原則公開にしなくてはいけない。だけど、先ほど、出たかも知れませんけれど、国防とか個人のプライバシー等は非公開にしなければいけないのですが、なにを非公開にし、なにを公開にするかは、国が非公開にする時は、こうこうこういう理由から非公開にしますということを、裁判でもってキチンと明らかにする。それ以外は全部、ぼかしたり、私たちがいちいち聞きたいことを裁判に掛けて、おカネをかけて払って、国から説明を受けるという考え方は、根本的に間違っている。まず御上ありき。そういう考え方がおかしい。
 その次に、知りたい事は、キチンとデータベース化して、検索できるようにする。これは、今のコンピュータ技術を使えば簡単にできると思います。で、こういう会議の内容を録音しておいて、ドキュメント化する。ドキュメント化したものは、データベース化して(簡単にできる)、いま(コンピューターは)容量が大きいですからインターネットで簡単にアクセスできるようにする。情報公開は、そこまで行かなければ国民のものにならない。
 で、これは、情報公開に関する、私の意見ですけれど、菅さんの意見を聞きたいと思います。その二つです。

下口(司会):
 はいっ。はい、有り難う。

菅:
 会計報告については、政治資金規制法という法律に基づいて、全員、政治団体を持っている人はですね、報告する義務があって、それは、自治省に報告したり、東京都に、ま、東京だったら東京都、ここでは石川県に報告して、一定のルールで公開をされてます。
 ただそのときに、何万円、だいぶ低くなりましたが、今いくらでしたか、何万円以上の寄付の場合は相手を公開しなくちゃいけないとかですね、例えば、パーティの場合は、事業費だから公開しなくて良いとかですね、パーティも何万円以上のときは公開するけど、それ以下は公開しなくても良いとか。まあ、かなり厳しくなっていますが、そういう、公開しなくてもいいところがあります。ですから、かっては、ええ、なんといいましょうか、100万円以下がいいということになったらですね、99万円を100箇所から貰ったようにするとすれば、結局、1箇所も公開しないでもすんだというみたいなことがあったんですが、それは、今はできません。ですから、全員公開はしています。公開が完璧かどうかと言えば、今言ったように、若干、まだ、5万円以上でしたか、それ以下は良いということになってます。

佐野:
 支出は・・・。

菅:
 支出も一応のルールがありますが、確かに支出の方がアバウトです。例えばかって自民党はですね、国会対策費5億円とかですね、いったいこれがどこへ行ったか、野党のどっかへ回ったんじゃないかと良くうわさ話に出ましたが、政治活動費3千万円とかですねえ、ああ、そこは若干曖昧なところがあります。ちょっと、わたしも細かくは知りませんが、政党助成法はまたそれで、いろんなルールがありまして、一定の報告義務があって、この間の中島事件では、その報告するときの領収書がニセだったということで問題になったんですが、一定のルールはありますが、必ずしも十分かどうか若干の問題はあります。
 それから情報公開は、わたしも全く同じ、基本的には同じ考え方であります。ええ、情報公開には二つのルートがあると思います。一つは今、審議をしている法律によるルートで、こりゃまあ、今衆議院で修正が議論がされていますが、私の考え方では衆議院でギリギリやって、早いこと参議院に回して、参議院はいま野党が多いですから、参議院でもう一回きっちとした修正をして、衆議院に戻したときに自民党が飲めるか飲めないかが最後の勝負だと思っています。ですから衆議院で、まあ順調にいけば2月半ばに通過しますが、それが最終案ではないということです。参議院で再修正がききますから、そこで、どこまで頑張るかであります。
 そこでもう一つ情報公開は、それは私が厚生大臣をやってみて分かったのは、大臣が命じればできるんです。私が一つだけやってみたのは、あのう、薬に関するもう一つのことで、丸山ワクチンという薬があるんですけれど、昔やったときに、フレッシングという薬がですね、当時、年間1千億ぐらい売れまして、10年間で1兆円ぐらい売れたんですが、ほとんど効かなかったという有名な薬があるんですね。で、その認可申請書を全部見せろ見せろ言ったんですが、議員の間は見せることはなかったんですが、永久秘密だったんですが、それで厚生大臣になって同じ事を聞いたらですね、厚生省で大臣が見せろと言って見せないという書類は1件もありません。それはルールがない。見せないと言ったら首だと言えばいいですから。(笑い)で、何処にあるんだと聞いたら、それは国立公文書館に永久秘密で入っているというんで、持ってこいといったら、(ジェスチャーを混じえながら)こんなのひとつの薬でこんなの持ってきました。私は、まあ、認可して5年ぐらいたったら全部オープンにすればいいんじゃないかと思ったんですが、もう3年ぐらい厚生大臣やったらやっているかもしれませんが、10ヶ月だったんでそこまでいきませんでしたが、だから、役所のいろんなデータの中で、勿論、そりゃあ、大臣が思いつきじゃいけませんけど、あのそれから勿論、その病気に関するデータですから固有名詞が入っちゃいけませんけどですね。そうでない限り、あるルールで全部オープンにするというやり方はできる筈です。
 アメリカはそれがもの凄く進んでいるんです。なぜアメリカが進んでいるかというと、政権交代したときに、ある意味で日本で言う局長クラスまで全部入れ替わりますから、後から入ってきた人間がですねえ、「おまえなんだ、前の局長こんなことインチキやっていたんじゃないか」と全部バレテしまいますね。バレルのが怖いから、そのときから一生懸命ですね、あのう、「全部、いや、俺がもう局長のときからチャンとみんな知らせて、知らせた上でこう決めたんだ」と言っておかないとですね、後になって「おまえ隠して決めたんじゃないか」と。
 この間も変なことを宮沢さんが言ってましたよね。あのう、日債銀のことでねえ、ほんとうは大蔵省が検査して全部知っていたはずなんですよ。まあ、当時、大蔵大臣は三塚さんだったかも知れませんが、そう知っていたのに、「いやあ、この日債銀は大丈夫な会社だから」といって奉加帳を回して2900億もカネ集めてですね、「いやあ、あれは、大蔵省の失敗でした」と宮沢さんが言ったのに、今度、私が質問したら、「いや、裁判にかかったときに故意過失なんていわれるとそれはまた違う」みたいな話をですねえ、かって厚生省が言ったような話をまたしてましたけど、結局、隠し切れると思っているんですよ。いくら政権交代をしたからといって、事務次官以下はですね、簡単に変わりませんから。ええ、ルールが同じですから。
 そういう意味では、政権交代したときにですね、そういうまあ、人事を全部をヨカスことはできないまでも、あのう、ルールそのものまでも変えちゃえばいいんです。例えば厚生省で言えば薬については認可後5年後に全部それをオープンにするとか、何とかはこれからオープンにするとか。そうすると法律を作らなくとも、全部できます。内閣がやる気があるかないかだけです。
 その二つのルートでやれば、日本の情報公開はかなり進むはずです。民主党が(政権を)とったらやるつもりですけど。(笑い)

下口(司会):
 さあ、どうですか、あのう、じゃあ、少し話題を変えて。どうぞ手を挙げて。


情報公開、政策の実現、定住外国人の参政権について Page Top

デイル:
 いいですか。あのー、どんどん話聞きながらどんどん質問が増えつつですけど。大体三つ聞きたい。一つは最初から聞こうと思った。あと二つは話聞いて。一つは、さっきの情報公開ですけど、法律のベースはあるですよね。どこまで公開しなくちゃいけないの義務がある、どうして・・・?

菅:
 今、法案を作っている、あの法案を審議しています。

デイル:
 あの、もう出してある?

菅:
 政府も出しましたし、野党、民主党も出しました。

デイル:
 で、それはいいけど、自らそれを超える公開はしていますか?

菅:
 あ、私自身ですか?

デイル:
 あのー、自身か党ごとでも。あのー、公開する義務がなくても公開すべきだから公開してますよって国民にアピールはしてるでしょうか?・・(笑い)・・それで、相手側にそれを批判できるんじゃないか。
 もう一つは、えーっと、やはり政権を取ったらいろんな目標というか目的があるでしょう?それは最低何年かかって成功できると思っているでしょうか?これはなんでかってていうと、イギリスあるいはオーストラリアの制度では入れ替わると、さっき菅代表がそう言った。だから、ある程度自分の考えを実行して、社会が進んで、そして相手側が新しい考えを、で、また、まあ逆戻りもあるかもしれないけど、大体それで社会がどんどん進んでいく。だから、最低何年間で、自分のやりたいこと、あの何年間かかるか?
 で、最後は個人的な質問ですけど、私の300円はどっちのほうへ行ったでしょうか。

会場:
 (笑い)・・

菅:
 (笑い)・・投票権の問題ですか?

デイル:
 実は今、私、投票権、持っていない。・・(笑い)・・オーストラリアなんだけど、日本に住んでいるから、オーストラリアの投票地区には住んでいないから、そっちのほうの投票できません。こっちのほうは税金払っているなんだけど・・・。

会場:
 (笑い)・・

菅:
 あのー、それぞれ大変するどい質問ですが。まあ、最初の情報公開の問題は、制度の基本は行政です。基本は行政情報です。ですからその行政の情報を公開するというのが、基本的目的です。ですから、もちろん政党の場合は、行政そのものではありませんが、ある程度の社会性はありますから、さきほど言った政治資金規制法とか一定のルールでは公開しています。もちろん株式会社は別の意味で、商法で、ですね、いわゆる財務諸表の公開とかいろいろ義務づけられています。今、我々がメインに議論している問題は行政情報の公開です。ですから、そういう意味で、政治家として、あるいは政党として十分に情報公開しているかといえば、まあホームページを作ったりしてですね、いろんなことはやっていますが、じゃあ昨日のラーメン代がいくらだったかまで情報公開しているかというとですね、まあそこまではしていないところはあります。だけど、まあ比較的、あのー、情報公開を民主党なり私もしているほうではないかと思っています。
 それから、何年かといういう話ですが、端的に言えば4年です。何故かっていうと、選挙で勝って政権を取った時は、私は4年間やるべきだと思っているんです。つまり、日本はですね、選挙でなくて政権交代をするもんだから、総理大臣の任期という認識がないんですね。しかし、アメリカ大統領の任期は、皆な4年だということは知っているんです。任期は8年までしか延びないわけですね。で、日本も本来は、解散して選挙で多数派を握ったらですね、それが多数派が与党として内閣を作って、少なくとも4年間やるべきだと思うんです。よほど途中でおかしなことになった時には、与党が壊れてリタイアすることはありますが、基本的には4年だと思っています。ですから、4年間でやりたいと思います。で、その途中で、例えば、情報公開を徹底的にやろうとか、行政改革を徹底的にやろうというふうにやったら、多分与党のなかは壊れるんです。それで解散して、もう一回やらせてくれるかどうか聞いて、勝ったらまた4年やればいいと、そう思っているんです。基本的には4年で。例えば、今のブレア・イギリス政権は、多分600人のうちの400人くらい取ったでしょう。だからもう法律をどんどん通してですね、もう1年、2年の間にどんどん進める。用意しておけばどんどんやれるわけです。ですから、用意しておいて、過半数を取って、安定政権を取ったらやって、与党で「そんなんじゃ困ると、そんなやりすぎちゃ危ない」と言ったら、仕方がないからもう一回解散して、もう一回新しい与党を作って、それで勝てばやります。

中谷:
 菅さん、今の話はあと何年で菅政権ができるかという質問だったように聞いたんですけど。

菅:
 いや、そうじゃないでしょう。

会場:
 (いや、ちがう。いや。)

中谷:
 じゃあ、私があらためて質問。あと何年で菅政権ができるんですか?

菅:
 ですから、あのー、・・(会場:笑い)・・もう日本はですね、さっきの伊藤君も言ってたけどー、さっきの話のようにですね、選挙で政権を変えるていう経験とか意識がないんですよ。この間選挙をやった時はですね、「自社さ」政権で橋本さんが選挙をやってですね、「自社さ」でかろうじて過半数取ったんですよ。あの時取った自民党の議席てのは239ですからね。それで野党から一生懸命一本づりしてですね、500番目になったのが北村直人という私と同じ名前の人がですね、500番目で花束を加藤紘一幹事長から貰ったりしてね、ワアワアしてましたけど、あれはね、選挙によらないで過半数を取っただけですよね。だから、選挙で過半数を取ったところが政権を握って4年間やるというのが基本ルールなんであって、途中で変なことになったら、それが不信任が通った場合は、それでも頑張るんだったら、選挙をもう一回やって過半数を取れば、やればいいんだから。で、過半数を取って、目一杯やったら、4年間ですから、衆議院の場合はですね。
 ですから、とにかく話をするとあれですが、この間言っていましたけど、この10年で総理大臣が何人代わったって言ったかな、8人くらい代わってるんでしょうかね。大体長くて、総理2年、大臣1年の使い捨てなんですよね、この国は。なぜ、そんなに使い捨てるか。それは、基本的な政治行政は役人に任せて、あとは順送りでいかないといけないから、もう小渕さんの次は俺もやりたい、俺もやりたい。この県にもいますよね、何とか幹事長がですね。俺だってやりたいんだから、まあ1年くらいは付き合ってやるから2年はいいだろうってね、あとは加藤紘一と何?、小渕さんと山崎さんと、何とかさんとかんとかさんがあと10年くらいの間にやんなきゃいけなかったら、最低、長くたって2年以上やられちゃあ困るから、もう1年半くらいたったら、どうやって足ひっぱろうかという、こういう話になるんですよ。で、少なくとも、ヨーロッパの国でね、あの、大きな政変で時々、短期間で倒れることはありますが、基本的には任期いっぱい4年間をやりますよ。ですから、私は政権を取ったら4年間のプログラムでやっていって、やれることは全部やるし、途中でひっかかったら、それでもやるべきだと思ったら解散してもういっぺんやってみるし・・・。
 で、最後の300円はですね、民主党は、在日外国人の定住者の地方参政権の法律は出しました。前の国会で。まだ通っていません。国政への参政権の法案にはまだなっていません。だけど、まあ、民主党が過半数を取ったら、少なくとも地方参政権の法案は通しますから。それで300円がこっちにくるかどうかは・・(笑い)・・。ややこしいんですよ。あのー、政治資金規制法は基本的には確か外国人からの寄付は禁止になっているんです、政党助成の場合はですね。本を買ってもらったりするのはいいんでしょうけども、寄付は確か禁止になっているんです。そういうちょっと国籍規定があります。そんな状況です。

下口(司会):
 ハイッ、ありがとうございました。


地方選挙の不正の実態、珠洲の原発反対運動について Page Top

下口(司会):
 あ、どうぞ。

落合:
 私、石川県の一番端の市からやってきました。雪の中を、ここは綺麗なんで・・・

菅:
 ん・・?

下口(司会):
 珠洲市。

落合:
 すっごい雪ふってまして、遅れて申し訳ございません。

菅:
 (珠洲市)の・・?

下口(司会):
 市会議員。

落合:
 次元の低い話で申し訳ないんですけどね、半島の先に居ますとですね、やっぱり政治の見え方が随分違ってくるわけですよね。
 一般の人の選挙している意識ってのは、政治家を選んでいて選んだ政治家が何かをやってくれると、そんな事は全然思っていなくて、やっぱり、自分たちの利益共同体の・・ま、それが大きくなったものが日本の政治だと思うんだけど・・利益共同体の親分を決めるというね、その延長線上に国の政治があるっていう当たり前の構造になっていると思うんです。
 それで、皆さんどう思っていらっしゃるか知らないんですけど、先っちょに居ると選挙ってのは、もちろん皆さん意識としては少しはあると思うけど、実態は知らないと思うんだけど、そんなにね、選挙ての、一票がねぇ、ちゃんと清き一票なんて存在するようなきれいなもので全然ない訳です。
 モノと、カネと、ハハ(笑い)とにかくすさまじいばかり、私も議員の一人ですけれどもネ、本当にすさまじいのが選挙ですね。だから、私ね、そこにね、痛いかもしれない、自民党はやりたがらないのは、皆それで上がっているのを知っている訳ね。だから瓦さんとか、坂本さんの地盤ですけど、彼等の選挙風土っていうのは、日本の選挙風土だと思うんですよ。だからね、とにかくね、モノやカネでね、人の票をね、釣るような事をね、した時には、即その人は駄目なんだよって事をね、もっと徹底してやらないとね、絶対に私、日本政治は良くならないと思いますよ。
 だって、もしもそういう事をきちんとすれば、民主党に入れるという人達がもっと出てくるわけだけど、やっぱりね、ビール券3枚に変わったり、一万円に変わったりね、・・(会場笑い)本当に、笑っているけどねぇ、日本の政治ってのはね、そんなレベルなのよ。何もね、そんなね、こういう話しは確かに素晴らしい話なんだけど、それは頭の上の話であってね、実際の政治感覚と言うのは、ビール券3枚で一票が動くというね、そういうことをいかに上手にビール券を安くまきながら、その票を取るかというのが実態で、警察なんかも殆ど、全く野放し。
 私なんか一遍ね、録音テープをもってってね、警察に持ってったんですよ。明らかに票のやり取りが入っているの。それでも動かない。政治権力につながっているから動かない。だから、いっそのこと、そういう選挙に対する組織だけは全く別にして、総理府管轄か何かにしましてね、各地区に貼り付けて、実際そういう人間関係持たないような人達にね、きっちり監視させると言うぐらいに、カネを使わない限り、私は日本の政治は良くならない。そういう意味では日本は後進国のね、アジアの中のねぇ、要するにいろんな所に起こっている選挙は、あれは私達の事ではないと思っているけど、やっぱり、そういうのが日本のね、まだ現実なんですよ。
 珠洲市なんか16票がどこに行ったか未だに(笑いながら)わからない。無効選挙が起きましたけど、あれは氷山の一角でね、そういうことに対する認識をもっとね、政治の中心に関わっている方々しっかり持っていただきたいという風に思います。

菅:
 ハイ(笑いながら)

落合:
 それが一つと、もう一つは、なぜ政治にそんなに興味を持つかといえば、珠洲には原発がありまして、そういう事なかったときには、私等もそんな1票どうでもいいと思っていたんです。現実にね。しかしね、自分の入れた人によって原発が建つか、建たないかとかいう問題が起こったときに、本当に何でもないおばあちゃんまで、もう目の色を変えて政治に一生懸命になったんですよ。だから、その16票のね、目茶苦茶が表にでたわけですけれども、そういう状況を考えて、で、そういうね、環境問題の終わった話を遅れてきて申し訳ないんですが、そういうね、過疎地にね、夜8時に寝てしまう人がたくさん居るような所にね、時代の帳尻合わせをさせるような、CO2の問題をどうとかこうとかって言っているけど、CO2を出しているのは私達ではないんでね、電力使うのも私達ではない!。そういう私達が隣近所の人とね、未だにいがみ合ってね、お正月にも行けないとかね、そういう本当に息苦しい生活、皆さん本当に想像を絶するものがありますよ。
 そういう生活をね、もう10年も私等してきているんですよ。どっこに行っても、これはもう、本当にしようもない状況なんでね、だから、そういう事をね、やっぱり中心にいる方々は、どういう風に考えられておられるのか。原発は都会に作れないもんなら、田舎にもいらない!(笑い)そしてぇ、そして、その代わりにね、地域振興策を無理矢理にね、カネ代わりに押し付けてくるのをやめて、もっと私達の手で故郷を考えられるような、税制のしくみも含めて、考えていただきたいと思います。この二点です。(拍手)

下口:
 拍手が出ました。

菅:
 あー、何か、小渕さんの代わりに答弁しなきゃならない(会場爆笑)
あのー、最初の話は非常に実感がこもっていて・・・、両方とも実感がこもっていましたが、良くわかります。
 まぁ、ただ私も長い間見ててですね、もしかしたら少しずつ変わってきているんじゃないかと・・

落合:
 それは、言えますね。

菅:
 つい、5〜6年前まではですね、国会議員で選挙違反で辞めた人というのは一人もいなかったです。調べたら。と言うのはですね、裁判さえ長引かせておけば、次の選挙終わったころ判決なんですよ。そうすると、前の判決が出た時には、次の選挙に通っているからいいというのが、従来の法律です。
 最近は、法律を変えまして、どこで判決を得ても5年間はもう、立候補出来ないとかですね、かなりきつくしました。それから連座制もかなりきつくしました。それで、この国会でも、もう隣の部屋の、えー、野田なんとかさんも辞めちゃいましたし、中島さんは自分で辞めましたが、4、5人辞めたですね。ですから、今の言われた、そのー、ビール券を3枚配ってですね、やってるのがその候補者の秘書とか家族だったら、法律からいうと本人に連座でひっかかります。ですから、自民党はもうちょっと緩めようと、また言ってますが、少なくとも法律上は従来はそれくらいやっても本人までなかなかいきませんでしたが、今回は法律上はいきます。ですから、そろそろヒヤヒヤして撒いてんじゃないでしょうか。前は堂々と撒いてたんですけどね。そこは変わるかも知れません。
 それから原発の問題は本当に重い重い問題ですね。ま、ドイツは今度、緑の党と一緒に原発の縮小廃止計画を出すようですが、じゃ、その後のエネルギーどうするかというのはまだ案が出ていません。
 デンマークなんかだいぶ減らしましたが、原発の国のフランスから電力を買っているんで、ですね、自分の国だけ減らしてフランスから買うのも変だなと思わないわけではないですが、まあ日本の場合も今、だいたい電力のエネルギーの30%ぐらいが原発になっていますので、確かに、これをそのー、全てですね、今日来る途中で3本羽根の1本が折れた風車が止まっていましたが、だいたい私も風力ってのが好きでだいぶ調べた事がありますが、大体、エネルギー総量でクリーンエネルギーといわれるものがまだ日本では1%いってません。ですから、なかなか代わるべきエネルギーがないという状況があるんです。
 まあ、そう言う一方の状況とですね、今言われたまさに地元で原発を作るためにありとあらゆる、まあ、措置が取られることがコミニティを破壊しているという問題は大変重いんですね。
 かってある人が『新宿に原発を』という本を書いたんですが、考え方としては原子力発電所も、いろんな産業廃棄物もですね、含めてそれぞれの地域が本当に必要だと思えば、それを分担してそれは、基地もそうですが、日米安保で本当に必要ならば、ある程度分担していく、沖縄だけに押し付けないでという風にという、基本的にはそう言う考え方に立つべきだとは思います。
 ただ実際に東京に移せるかという話になると、なかなか厳しいんで、これはとりあえず言われっぱなしですが、まぁ、言われっぱなしで、こうすればいいという言い方はなかなか出来ないですが・・・・・・

落合:
 例えば、新規立地だけは今の時代の流れから言ったら、処女地に新規に立てることはもう、絶対得策ではないと思んですよ。将来の放射能のあれを考えてみても、新しいところに出れば、電力会社の守備範囲が一つ増えるわけで、それを将来また潰して、更地にして、ずっと放射能管理する事を考えれば、やっぱり、今ある所にどうしても出来なければ、今あるところにもう一つ作るというやむを得ない。勿論縮小方向であろうと信じて疑わないのですが、そう言う方向の中で、必要悪と認めてね、やるなら新しい所にね、あの、能登半島の先にですよ一本一億の送電線を300本も作らなければ間に合わないような地区に作るのはね、もうやめて、出来たらそういうリスクのね、比較的低いようなね、所に、商業的リスクですよ、そういう所に立地していくような方向に変えるとか、私等も、何も明日から全部やめろと言っている訳じゃないいんでね、それから作っていくプロセスの中でもう少しさっきの情報公開もいいけど、見えるようにね、していく。一人16回もですね、タダの旅行に連れて行ってねぇ、それで、あの作らせようとかね、本当に札束でねぇ、頬っぺたをたたくようなね、やりかたでね、何にも見せない、知らせない、嘘ついて、いつのまにか多数派工作をしていくような、そう言う暗い進め方?少なくても民主主義のルールに乗っとって、誰が考えても常識的に通用するルールに乗っとって進めていく、という最低それだけだったら、国の政治で出来る事です。今でも。新規立地はしないというそれくらいの覚悟ぐらいは、やっぱり菅さん言って貰いたい。そうでないと私、民主党、絶対、支持できない。(爆笑)

中川:
 武村さんが参議院(選挙)の時来て、彼女(落合さん)に聞いて、片町(正しくは香林坊交差点)で新規立地しないって、街頭(演説を)・・・

菅:
 あのー、正義さんですか?

中川:
 そ、そそそそそ。(笑)

菅:
 「さきがけ」の・・

下口(司会):
 だいぶ、あのー、カッカしてきました。(笑い)
やはり、こういう人に霞が関を焼き討ちしてもらわんならん。(大爆笑)

落合:
 しかし、こういう政策をはっきり答えられないというのは、私、嘘だと思うよ。政治の中心にいて。

菅:
 まあー、そのー、政治というのは言った以上はやらなければいけませんから、だから、新規立地を全部やめるということになると、じゃあ、今ある所の人に、じゃあ、同意を得なければなりませんから、そこまで今この場で言い切るあれはありません。残念ながら。
 だけど、エネルギー問題というのは本質的な問題ですから、如何にエネルギーの消費をこれ以上増やさないで、ある意味で、生活の在り方を変えていくという事が基本にありますから、全体のエネルギーの消費量を増やさないという展望の中で新規立地を止めてということが見えてくれば言えますし、考え方はわかるんですが、ただ、言った以上やらなければいけませんから・・・(笑い)・・あのー、だいぶ、あのー、何かこう、あれされてますけど・・・(笑い)・・今の段階では言えませんから・・(笑い)・・その代わり、言ったときにはやるようにしますから・・・(笑い)

落合:
 方向性としては縮小・廃棄の方向にっていう事で・・?

菅:
 まあ、脱原発の方向にいくべきだと思っていますが、今言ったようになかなか展望が見えないんですよね。だから、一番良かったのは、私ある時期10年ほど前に、低温核融合というのが掲載された時に、核融合だと水素と水素とくっつけてヘリウムが出るだけで、原理的には廃棄物が出ないんで、あ、これで解決したかなと思ったら、あれがインチキだったもんですからね。(笑い)まだ展望がないんですね、エネルギー問題にはね。だけど、これは極めて本質的な問題だと思っています。

下口(司会):
 はい、ありがとうございます。


菅さんの締めくくりの言葉 Page Top

下口(司会):
 えー、お約束の時間にもう実は参りましたんで、2時間、本当にあっと言う間でございました。まだ、いろいろ、こうね、折角だから質問があったと思うんですけども、司会の不手際で、あの野郎っということでお許しいただきたいというふうに思います。私は矢っ張り、近くにも、先ほど菅さんのお話に出ましたように、我々が選んでしまった、何とか幹事長という人がおりますが、あの人だけは総理大臣にしたくないな、と。・・・(会場大爆笑)・・・菅さんは矢っ張り、本当にクリス(デイル)さんの質問の答えにあったように、少なくても4年間、総理大臣をやっていただきたい方だなと改めて思いました。政治をどっかで諦めかけていたんですが、焼けぼっくりに火がついたようでありまして、いくらか、本当に日本の国、日本の政治に対して希望が持てるなという、そんな感想を持たせていただきました。これからいよいよ菅さん、本当に御活躍いただけるように御祈念申し上げて、もし最後に何か一言ありましたら、仰っていただいて締めくくりとさせて頂きたいと思います。

菅:
 最近、時々、出す話しとして、「七人の侍」という話しを時々してるんですね。えー、対照的なのが「水戸黄門」なんですが、結局矢っ張り、何かゴタゴタしててもですね、偉い人、水戸黄門がやってきて、「この印籠が見えないか」で解決してくれる。ま、これもスッキリするんですよね。
 しかし私は、ちょっとそれ違うんじゃないか。「七人の侍」、このあいだ改めてビデオで見ましたけど、小さな村がですね、毎年、収穫期になったら、盗賊がやってきて、いろんな物を持って、場合によっては女の人をさらっていくと。そこで強そうな侍を雇って、そしてその七人の侍と一緒になって闘って村を守っていくと。あるいは民主主義っていうのは、原点はそこにあるんじゃないか。どうも日本の民主主義ってのは、こう誰かが与えてくれたルールの中で、あのー、ルールが公平だったらそれでいいって言ってますが、そうじゃなくて、民主主義ってのは矢っ張り自分達の町なり自分達の国を自分達も一緒になるけれども、ちょっと、まあ、盗賊が来るんならそれに対抗できる人間、もし政党が必用なら政党の人間、何とかなら何とかの人間をですね、自分がやるか、やらないとしたら、雇って一緒になってやるというのが、私はあの「七人の侍」っていうのが世界に通用したのはですね、「水戸黄門」は矢っ張り世界に通用しなかっただろうと。矢っ張り民主主義の原点はあそこにあるのかなって、そんな話しをしています。
 ま、最後の落合さんの言葉も一番、「七人の侍」の最も有望なケースじゃないかと思いましたが、民主党という名前をこの党はつけていますが、そう言うあの、何て言うか「積極的な民主主義」っていうものをですね、目指していきたいなと思っています。今日は大変、良い機会を有り難うございました。

(拍手)


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