平成27年度・図書館学課程@富山短期大学《情報資源組織演習II》オンライン・ドキュメント
[作成:吉田惠吉(「高屋敷の十字路」管理人)]
カード目録から機械可読目録(MARC)へ、図書館の書架に並べられた蔵書を調べるOPAC(「図書目録:オンライン目録」ウィキペディア)が稼働している裏では、図書館が受け入れたほとんどの資料について、コンピュータによる目録作業が維持されている。
図書館などのコレクションに含まれる個々の資料のタイトルや著者、出版年そのほかの書誌事項の記録を「目録」といい、それを作るのが「目録作業」になる。資料ひとつひとつの記録である「目録レコード」は、対応する資料を「1次資料」とすれば、その「2次資料」ということになる。目録レコードの集まりである目録情報は、ひとつのコレクションとしての1次情報の次数を高めた2次情報になる。目録は文献のリストである書誌とは違って、コレクション内に目録レコードに対応する資料が必ずある。
図書館流通センター(TRC)社が作成している書誌データTRC MARCでこれまでに「東日本大震災(2011)」(「―写真集」も含む)という件名がつけられた本は、「TRC データ部ログ」の2012年3月13日付けの記事で、604冊あったと紹介されているが、JAPAN/MARCが採用している国立国会図書館件名標目表(NDLSH)では「東日本大震災 (2011)」、LC MARCの米国議会図書館件名標目表(LCSH)では“Tohoku Earthquake and Tsunami, Japan, 2011”という件名が設けられている。それぞれの件名を使って、国立国会図書館や米国議会図書館の東日本大震災関連図書の所蔵冊数を調べてみましょう。東日本大震災に関する文献を見つけだし、目録や文献データーベースそのほか、既存の書誌的なシステムのなかに取り込んでいる「書誌コントロール」の働きを実感できます。
国立国会図書館の『日本全国書誌』
日本の刊行物の書誌である『日本全国書誌』を作成し、その書誌情報を広く役立ててもらうため、また、所蔵資料を組織的に管理し、利用に供していくための書誌情報と目録の整備・提供は、国立国会図書館の業務の大きな柱の一つ。
・「書誌情報」は、資料のいろい ろな特性を記録した1件ごとのデータ
・「目録」は、多くの書誌情報や所蔵情報等を検索できるようにした仕組み
1 目録検索と書誌情報
1.1 カード目録からOPAC端末へ
1.2 書誌情報の整備ーデータベース化と遡及入力
2 インターネットと書誌情報・目録のサービス
2.1 Web-OPACからNDL-OPACへ
2.2 さまざまなサービス
(1)日本全国書誌
(3)総合目録
(4)電子図書館と書誌情報
3 書誌情報のこれから
3.1 目録の仕組み
3.2 新しい方針
(1)書誌データの開放性を高め、インターネット上 での提供を前提として、ユーザが多様な方法で容易に入手、活用できるようにする。
(2)情報検索システムを一層使いやすくする。
(3)電子情報資源も含めて、多様な対象をシームレスにアクセス可能にする。
(4)書誌データの有効性を高める。
(5)書誌データ作成の効率化、迅速化を進める。
(6)外部資源、知識、技術を活用する。
「この文書が想定している読者は幅広い。第一に、この文書は全国書誌サービスの管理に責任を有する人々、特に、新規に全国書誌を立ち上げる人々に向けたものである。第二に、この文書は、新しい技術や媒体によってもたらされた機会や課題に対応しようとしている、すでに確立された全国書誌の管理者、スタッフに関心を抱かれるだろう。
この文書が規範となる意図はないことを強調しておこう。書誌コントロールは、国によって大きく異なり、ローカルな要件は、財務、法的または運用上の制約に影響されることがある。状況によって応用や取捨選択のレベルを変えられるよう、多くの潜在的選択肢が用意されている。事例は、様々な全国書誌作成機関が採用した手法の範囲を説明するためのものである。」(序)
全国書誌データをAPIやRSSなどさまざまな方法で提供している。
・全国書誌データ提供
・書誌情報提供サービス
大学図書館等が所蔵する図書・雑誌の目録システムの統計情報から、「総合目録データベース」と「参照MARC」のファイル名を調べ、それぞれの収納合計件数や、接続機関数や図書所蔵登録件数の推移から、ビブリオグラフィック・ユーティリティ(書誌共同事業体、BU)としてのおおよその規模を想像してみましょう。
講習会テキスト1.目録システム概論[PDF]
・目録システムと総合目録データベース(1-1)
・ファイル構成(1-2)
・総合目録データベースのレコード(1-3)
・総合目録データベースのレコード間の関係(1-4)
・参照ファイル(1-5)
・データー登録の基本的流れ(1-6)
・検索のしくみ(1-7)
富短のOPAC(オンライン目録)で個別図書館の所蔵データがヒットしない場合は、同じ検索条件で国立情報学研究所のWebcatで総合目録(大学)を検索することができます。
現在は年に7万タイトルほど出版されていますが、このサイトでは、ISBNを付けて出版された244万7818点[2015年9月9日現在]の図書が、書名、著者名、分類順に並べられていて、それぞれの図書のオンライン書店販売書誌情報や図書館OPACの書誌・所蔵情報を横断検索できる。あたかも書店や図書館の書架を眺めるみたいにして、自分の興味のある本を調べて、その本が買えるかどうか、どこの図書館で所蔵しているかを、マウスのクリックだけで検索できる。ある特定のジャンルの図書が、ある図書館でどの程度所蔵されているかを比較的簡単に調査したり、いろいろな使い方を考えてみよう。
インターネットで公開されている、日本国内の図書館の目録サービス(OPAC)の一覧リストによって、知りたい図書館の所蔵情報を調べることができる。
OPACを公開している富山県内の複数の図書館の所蔵情報を、一度の検索でまとめて調べられる。
2012年度までに1,258 の機関が参加し、1985年にサービスをはじめてから、約1千万件の書誌レコード、約1億2千3百万件の所蔵レコードから成る書誌・所蔵データベースが形成されてきた、国立情報学研究所の総合目録データベース。ただし、慶大の所蔵はほとんど更新されておらず、早稲田大学にいたっては含まれていない。平成24(2012)年度末を以てサービスを終了し、後継サービスとして,検索機能をより拡張したCiNii Booksが稼働している。
国立情報学研究所によって、目録所在情報データベースを基にした図書・雑誌の書誌・所在図書館情報を検索できるWebcatサービスが1998年から行われており、CiNii Booksは、検索機能・性能を大幅に強化し、使い勝手を向上させた「次世代Webcat」となることを目指して開発されたサービス。
演習で使用する目録システムのデータベース構造、コマンド体系、画面遷移などは、国立情報学研究所のNACSIS-CATに準拠している。演習システム「BIBLAS」(MBA)の、操作については取り扱い説明書を、画面操作やコマンドの使い方については使用テキストをしっかり読んで、演習課題に進みましょう。
「国立国会図書館が収集整理した出版物について、標準的な書誌情報を、広く国の内外に速報するものです。対象資料は、法定納本制度に基づき納本された国内出版物と、納本以外の方法により収集した(寄贈、購入等)国内出版物及び外国刊行日本語出版物です。」
この電子版『日本全国書誌』と図書館にある冊子体の『日本全国書誌』と、記載項目にどのような違いがあるか調べてみよう。なお、「冊子体については、平成19年6月26日刊行の2007年22号をもって刊行を終了すること」(「「全国書誌」への収録及びその提供について」)になった。
・「NDL書誌情報ニュースレター」の前誌『全国書誌通信』を公開(国立国会図書館デジタルコレクション)2014-08-13
・「NDL書誌情報ニュースレター」の前々誌『印刷カード通信』を公開(国立国会図書館デジタルコレクション)2014-08-13
国内の公共図書館における図書館資料資源の共有化ならびに書誌サービスの標準化と効率的利用を図るとともに、公共図書館の県域を越える全国的な図書館相互貸借等を支援することを主たる目的として国立国会図書館が行っている総合目録ネットワーク事業の概要を見ておこう。
国立国会図書館における目録の状況からどのようなことが分かりますか?どのような形で書誌データの整備や提供が行われているか確認しよう。
目録データベースにおけるネットワーク情報資源(WWWページや電子ジャーナル等)の記述法についてどのように検討されているか、「メタデータ」の重要性や、目録規則の改定を含めた動向を見ておこう。
新刊書の登録が早く、1980年1月以降に出版された日本の新刊書籍を「hontoネットストア」を利用して検索でき、表紙の画像と数行の内容紹介と著者紹介もある。「ネットストア詳細検索」機能を使って、どのように流通書誌情報が調べられるか確かめましょう。
総合目録データベースの特色、オンライン共同分担入力方式、総合目録データベースの仕組みをよくみて、参加館から見た「新規入力」、「流用入力」、「所蔵登録」の三つのパターンを含む目録作業の流れ図(フローチャート)を理解し、目録作成課題のそれぞれがどのパターンの演習に当てはまるかを判断しましょう。
講習会テキスト3.目録検索[PDF]
・検索の目的(3-1)
・検索の種類(3-2)
・検索の実際(3-3)
・検索対象ファイル(3-4)
・検索キー(3-5)
・検索上の注意点(3-6)
・書誌レコードの同定(3-7)
新刊書の検索には弱いが、明治以降の日本語の図書約260万件,洋書30万件,和雑誌と新聞約11万件,洋雑誌と新聞約6万件を収録している。書誌データは信頼性のあるデータベースを基盤にしていて、日本語の本や雑誌を探す際に、最初に使われることが多い。
どのような検索機能を備え、著者標目、分類、件名からのリンクが整備されている例を確認しましょう。
出版業者が作成している書誌データベースを検索してみて、図書館や取次店が作っている書誌データベースとどのような違いがあるか比較して簡単な表にまとめてみましょう。
目録はコレクションごと、あるいは図書館ごとに作られるが、複数のコレクションの目録を統合したものを総合目録[union catalog]といって、それぞれの図書館の所蔵状況を付加した目録レコードで構成されている。
講習会テキスト2.目録情報の基準[PDF]
・「目録情報の基準」の目的(2-1.1)
・図書書誌レコード(2-2)
・典拠レコード(2-3)
・所蔵レコード(2-4)
図書館相互の共同分担目録作業で資料を組織化するとはどういうことか、「目録システム:NACSIS−CAT」のこれまでを振り返って、おさらいしておきましょう。
データ提供館がセンターのシステムにオンライン接続し,共同分担目録の手法により総合目録データベースを構築する書誌ユーティリティ方式の代表例、NACSIS-CATの品質問題と大学図書館の目録業務の変化について。(一橋大学附属図書館の目録業務)
紀元前1000年から現在に至る4,800万件以上の情報を書誌レコードとして蓄積した、洋図書の目録作成サービスといわれている、OCLCの概要と歴史についてレポートしなさい。
世界最大の書誌ユーティリティとして、オンライン総合目録・書誌データベースであるWorldCatを提供してきたOCLCは、インターネット情報資源の共同目録作成のために始められた研究プロジェクトCORC(Cooperative Online Resource Catalog)との統合によってインターフェースを変更し、こうして新しい目録作成サービスとして生まれ変わったConnexionは、どのようにその資料組織能力を高めようとしているのか?。
ここでは、「図書館情報基盤」を「資料+書誌情報+レファレンスサービス」としてとらえ、「整理技術から情報技術へ」という考え方が示されています。
(1)資料を組織化する技術として必要なものとして4つあげられているのは何ですか?
(2)文献情報をひき出す手法は何と呼ばれていますか?
(3)資料を組織する新しい動きとして4つあげられているのは何ですか?
現在では、図書館所蔵の資料(情報)を調べるのにOPAC(Online Public Access Catalog)を用いることがあたりまえになってきている。だが実際のところ、歴史の古い図書館では、OPAC検索可能な蔵書は全体の数分の一にすぎない。所蔵を網羅的に調べるには、OPACだけじゃなく、凍結された目録カードを用いて検索する必要がある。というわけで、これらの情報を機械可読化するための遡及入力が、全国図書館の協力の下に進められて来ているが、その完了までにはまだまだ相当の年月がかかりそう。
各図書館等が保有している目録カード等の情報 (カード目録、冊子体目録、及びローカルシステムに蓄積されている図書ファ イル等の機械可読目録のデータ)を総合目録データベースに入力する場合に、気をつけねばならないことや問題点を列挙しなさい。
アメリカにおけるアンケート調査の結果、目録を学ぶにあたって忘れてはならない事柄とは何だったでしょう?6項目をとりだし、それぞれについて説明しなさい。
コピーカタロギング作業の元締めとも言うべき、書誌ユーティリティのネットワーク化を含めた技術的問題を眺めておこう。
資料(情報)の整理技術は、目録作業、分類作業、件名作業という書誌的な技能によって構成される。
インターネットの普及によって情報を得るための手段が、文献や図書を探すことからネットの検索へと移行してきている現在、インターネット環境も含めて情報にアクセスする利用者が求める情報にたどり着けるようにするには、どのようなデータをいかように提供しなければならないか。そのために蔵書目録規則としての「AACR2」が情報資源へのアクセス規則として改訂された「RDA」への世界的な適合が検討される中で、「日本目録規則」や「NACSIS-CAT」など今後の対応が注目される。
演習用教材「BIBLAS」が準拠しているNACSIS-CATの仕組みとそのデータ作成の原則的な拠り所の図解。
講習会テキスト4.登録総論[PDF]
・登録の種類とリンク形成(4-1〜2)
各館が資料(情報)の組織化作業を分担処理することから、国家(際)的な規模で標準的な書誌的記録を作成し、共同利用するための仕組みに及ぶ全体が書誌コントロールなんだね。書誌ユーティリティと呼ばれるのは、形成される総合目録によって所蔵を含む書誌情報を利用者に供給する社会的な事業としての役割を果たしているからだよ。
NACSIS-CATでは書誌レコード作成を支援するための参照MARCが用意されていて、MARCレコードを国立情報学研究所の仕様に合うようにフォーマット変換されているということだが、MARC作成機関の使用する規則の違いなどがあって、必ずしも国立情報学研究所の基準や規則に合致していない。
ということは、参加館のカタロガーが流用入力をする際に、国立情報学研究所の基準・規則に合うような処理作業をしないと、重複書誌が増えたり、書誌の修正作業を誰がやるんだということになりかねないね。
データベースの品質を維持するための、具体的な修正作業がどんなものか、例えば各参照マークの流用入力時の注意書きなどから、オンライン目録現場における書誌流用作業の一端がイメージできるかな。
ネットワーク情報資源(リモートアクセス資料)のような新しい媒体のみならず、旧来の紙資料も含め、目録が扱うすべての資料をどのように定義し区分すればよいかを、構造的・原理的に把握し直す必要性が認識され、利用者の観点から「書誌的記録が果たす諸機能を、明確に定義された用語によって記述」し、目録の機能要件のモデル化を図った動きが、目録規則や目録(OPAC)作成においてどのように具体的に適用できるかが問われている。
「欧米をはじめとして世界中の図書館で広く使用されているAACR2は,2010年に改訂されてRDAとなった。名称が変更になったのは,図書館の所蔵目録を作成する規則から,資源にアクセスするためのツールを作成する規則へとその役割が変わったためである。内容としては昨今の資料種別の多様化に対応するため,従来の資料種別ごとの章立てから,FRBRの各実体を中心に据えた構成へと大きく変貌を遂げた。さらにその規定の対象は記録するデータそのものに限定され,データの格納や表示の仕方はそれぞれのシステムに委ねることにより,多様なシステムに対応するようになった。」(抄録)
本のように固有のタイトルで単独に刊行される単行資料[monograph]、新聞・雑誌のように一つのタイトルのもとに終わりを予定しないで継続刊行される逐次刊行物[periodicals]、そして頻繁に更新のある法令集みたいにバインダーなどで綴じて改変のたびに追加、入替、削除する加除式資料[loose leaves materials]と、同じように書き変えられがちなデータベース[dagabase]やウェブページ[web pages]のような更新資料[integrating resources]とを合わせた継続資料[continuing resources]など、目録の作業対象には様々なものがある。
パソコンを使ってコンピュータ目録演習を行う書誌ユーティリティ目録演習用ソフトウェアは、国立情報学研究所のNACSIS-CATシステムに準拠しています。目録情報の基準や、マニュアル類その他を、演習の際の必要に応じて「ドキュメント」を参考にします。
*目録システムの講習用教材やセルフラーニング教材も、演習の参考にしよう。
「日本目録規則1987年版」で導入された書誌単位と書誌階層によって、目録を対象とした階層構造が想定され、講座や全集などが「集合書誌単位」、論文集に掲載されている個々の論文などが「構成書誌単位」と呼ばれている。書誌単位は、固有のタイトルや著者などによって書誌的に他と区別できる単位であって、上、中、下巻として継続刊行されて同じ書誌単位でも出版物理単位が変化する場合もある。
“コピーカタロギング”演習の第1歩は、目録システムの適切な検索のやり方の習得から!
初心者向けに、目録システムの概要や検索・登録の基本的な操作方法を説明している。
講習会テキスト8.図書登録実習4[PDF]
・書誌修正の手順(8-1)
・書誌修正(8-2)
活版印刷の発明以前というか、出版活動が普及する前の本の1冊1冊は、たとえ著者や書名が同じであっても差異があって、個別に目録レコードを作らなければならないが、現在の図書館の蔵書のほとんどが大量に印刷された刊本の複数館所蔵になるから、目録規則の標準化が整っていれば、個別に目録をつくらなくても、一ヶ所で作成された目録レコードを入手して複製すればよいことになる。
第4版までの「登録編」と「検索編」を1冊にまとめ、新CATシステムにあわせ、目録システムにおける検索や目録・所在情報の登録(目録登録)について解説している。
演習課題の目録作成中に、どんな疑問でも生じたら、迷わないでオンラインマニュアル[索引]として参照しよう。
HTML版が公開され、演習課題の目録作成の途中でもオンラインマニュアルとして、[索引]を活用したりして参照できる。
講習会テキスト:附録1〜8[PDF]
・目録画面を構成するフィールドとデーター記述文法
メディアの多様化が進み、同じ内容をもつ資料が、印刷版と電子版のように異なるメディアで提供されるようになるにしたがい、そのメディアの種別を記述する必要性が高まってくる。図書館の利用者にとっても、冊子体あるいは電子書籍のいずれで読めるのかを知ることも必要になってきている。
4.1 図書書誌レコードの構成と記述規則
4.1.1 ID & コードブロック
4.1.2 記述ブロック
4.1.3 リンクブロック
4.1.4 主題ブロック
・所蔵登録の手順(5-1)
・所蔵登録(5-2)
「メタデータとは、「データに関する構造化されたデータ」と言われていて、情報資源の組織化、アクセス手段の効率化や保存・管理に寄与するものである。例えば、従来から図書館で作成・利用されているさまざまなデータ(図書や雑誌を対象とした目録、索引、抄録等の二次情報)は、すべてメタデータである。図書や雑誌はもちろん、インターネット上に存在する情報資源(静止画像、動画、音声、ホームページ、電子ジャーナル等の各種コンテンツ)もメタデータの対象になる。メタデータは、実際にはインターネット上の情報資源を発見するツールとして語られる場合が多い。特に、全文検索に適さない情報資源(文字情報を持たない静止画像等)を探し出すためには欠かせない。」
「「メタデータ・データベース共同構築事業」は,主として国内の大学・研究機関等が,インターネット上において発信している学術情報資源のメタ情報(二次情報)をデータベース化することにより,学術情報の円滑な流通を図り,各大学の研究成果を広く世界に発信することを支援するものです。集積されたデータは,国立情報学研究所の学術コンテンツポータル"GeNii"を通じて内外へ提供され,その利用者が大学側の機関サーバや学内コンテンツにアクセスする手がかりとして機能します。」
*NII、学術コンテンツ・ポータル(GeNii ジーニイ)の終了ほかサービスの一部を見直し(カレントアウェアネス・ポータル)
「「メタデータ」とは,広くは一般に「データについてのデータ」を指すが,昨今では, WWW コンテンツなどをはじめとした,ネットワーク上の情報資源を対象に,その情報を 標準的な形で記録したデータをとくに指して「メタデータ」と呼ぶことが多い。
本データベースが扱うのもこの意味での「メタデータ」で,ネットワーク上の情報資源 を対象とし,ダブリン・コア記述要素(Dublin Core Metadata Element Set1)に準拠した 記述を行う。ダブリン・コア記述要素は,DCMI(Dublin Core Metadata Initiative2)に より,メタデータ記述の標準化を目指して,整備が進められている規格である。」
「NII メタデータ・データベースにおいて作成されるメタデータは,Dublin Core Metadata Initiative (DCMI)の定める記述要素(Elements)に準拠した標準的なデータ形式を基本とし,必要に応じて NII 独自の限定子を採用するなど拡張したものである。」
書名や著者名を一定の規則に従って記録する書誌記述の目的は、目録対象資料の書誌的情報の抽出と同時に他の資料と区別することによって、1次資料を識別できる2次情報を提供することである。
書誌記述において大切なのは「転記の原則」といって、記述対象図書に表示されているままに記録すること。明らかな誤りは、角かっこ([ ])を用いて正しく訂正を施してもよいが、その場合は注記に訂正したことを記録する。
講習会テキスト6.図書登録実習2[PDF]
・書誌流用入力の手順(6-1)
・書誌流用入力の概念(6-2)
・書誌流用入力(参照ファイル・階層なし)(6-3)
・書誌流用入力(参照ファイル・階層あり)(6-4)
・書誌流用入力(参照ファイル・出版物理単位) (6-5)
・書誌流用入力(総合目録データベース)(6-6)
個々の目録レコードのことを記入[entry] といって、その見出しとなる標目[heading]が排列ならびに探索の手掛かりとなっていたカード目録や冊子体目録と違って、排列が問題とならないOPACでは探索の手掛かりをアクセスポイント[access point]と呼んでいる。
統制されたアクセスポイントでは、個人名、団体名、統一タイトル、シリーズ名、件名などの統一形が定められ、それらが一貫して使用され、維持管理される働きが典拠コントロール[authority control]になり、目録データベースにおける検索漏れを防ぐとともに重複レコードの発生を防ぐ手段としても有効で、目録データベースの品質管理に欠かせない。
講習会テキスト:補講1〜4[PDF]
・書誌レコード修正の指針
・書誌レコード修正作業の流れ
・リンク先レコード作成
・所蔵レコードの削除
・書誌レコードの削除
・参加組織情報
各種資料の目録作成とその維持管理のために作成・蓄積されてきた各国の典拠ファイルを参照したり、ダウンロード利用が可能になってきている。
図書館では分類を、書架に資料を体系的に並べる手段として、また、資料の検索手段として用いている。
開架式の普及とともに、似通った内容の資料が隣り合わせに並ぶ分類順配架が利用者の利便性を優先した配架方法として認められるようになり、資料そのものを書架上に体系的に排列するための書架分類が定着した。
記入すなわち目録レコードをリストの形で体系的に排列するための書誌分類では、資料は、そこから抽出された記入あるいは目録レコードという2次的情報で表すので、複数箇所に散らばって出現してもさしつかえがない。
講習会テキスト7.図書登録実習3[PDF]
・書誌新規入力の手順(7-1)
・書誌新規入力(7-2)
分類記号ではなく、ことばから図書館目録を使って主題検索をするときに用いる統制語を、件名あるいは件名標目といって、用いる統制語の一覧表である件名標目表[subject headings]には、主題のほか、「全集」や「辞書」などといった形式を表す語も含まれる。
主題からの検索に分類が用いられがちだった日本のカード目録時代には、医学系図書館などを除いて件名目録が作られることは稀だったが、OPACによる検索が主流となった現在、語句から探せる件名が重要な探索手段となりうるが、すべての図書館資料に件名が付与されていないなどの理由でオンライン検索項目として普及しているとはいえない。
4.2.1 書誌単位
解説(物理単位,出版物理単位,書誌単位)
4.2.2 書誌構造
解説(書誌階層と書誌構造)
解説(書誌構造とレコードの作成単位)
4.2.3 図書書誌レコードの作成単位
解説(書誌単位の判定基準)
解説(書誌構造の番号等と出版物理単位の呼称)
解説(固有のタイトルでないもの)
解説(固有のタイトルでないものと書誌単位)
520万件のレコードがあるという米国議会図書館[LC]件名標目表[LCSH]について任意の語からブラウジングできるウェブサイト。
著作者名を入れて検索すると、全著作物数(Total Works)、ジャンル、件名などの基本情報のほか、著作者に関連するデータがWorldcatから検索されて表示される。
「このページは、雑誌の所蔵を付けたことはあるけれど書誌を作成したことのない人、図書の書誌は作ったことがあるけれど雑誌の書誌を作ったことのない人を対象にしています。
コーディングマニュアルだけを頼りに雑誌の書誌を作るのは大変です。しかし実は、詳しく書かれたテキストや役に立つ例がNIIのサイトで公開されているのです。このページでは雑誌書誌を作るときに参照すべきそれらの資料を紹介し、アドバイスをしています。
図書の書誌については作成館に責任がありますが、雑誌の書誌についてはNIIが調整等を担当しています。作成した書誌が間違っていればNIIがきちんと指摘をしてくれます。なので勇気を出して書誌を作成し、そしてNIIにきちんと報告をしましょう。
雑誌書誌作成をためらっているあなた、一歩踏み出して雑誌の書誌を作ってみましょう!」(はじめに)
1.所蔵登録の手順
2.所蔵データ記入法
目録作業[cataloging]よりやや広い表現として、前世紀半ばから資料組織化[organization of materials]という用語が定着してきている。資料を容易に探しだせるように、あらかじめ資料を識別できる2次情報として一定の秩序を与えておく作業が資料の組織化になる。本以外の資料も本と同じような方法でで管理するようになり、本となじみの深い「目録」から「資料組織化」へシフトし、さらにデジタル化資料も組織化の対象とする「情報資源組織化」も用語として定着しつつある。
目録にカードを用いた演習における資料組織化では、カードの排列や相互参照などが編成の要だったが、目録がデータベース化された現在では、編成作業にかわって目録レコードの作成とその検索方法が重要視される。
「データについてのデータ」である、たとえば印刷物から電子版までを含む情報資源の書誌事項による2次情報化記録などがメタデータ[metadata]と呼ばれている。図書館が所蔵している資料については、その蔵書目録がメタデータの役割を果たし、Webページの「HTML文書の全体構造」(HTML 4仕様邦訳計画補完委員会)では、TITLE要素やMETA要素がメタデータになる。
インターネット上に発信されている学術情報資源を対象とし、その情報を標準的な形式で記録したメタ情報[二次情報]として、データベース化するための入力マニュアル。
概要[PDF]
・メタデータとは?
・NIIのメタデータ・データベース
・データ作成に当たって
・データの扱い
記述要素[PDF]
・記述要素の概要
・限定子
・記述要素の詳細
データ作成例[PDF]
例1:研究成果ー論文
例2:研究成果ー論文以外
例3:逐次刊行物
例4:プロジェクト関連情報
例5:学術的なシンポジウム,講演会,研究会,公開講座等の内容記録・予稿集
例6:ソフトウェア
例7:電子的な辞書,データセット
例8:研究室トップページ
例9-1:研究者個人のページ
例9-2:研究者個人のページ
例10:研究者情報リスト
例11:講義情報リスト
例12:図書館・室トップページ
例13:図書館資料・コレクション等の案内・紹介・リスト
例14:データベース
例15:リンク集・電子ジャーナル集
例16:メーリングリスト
例17:機関のトップページ
例18:下部組織
例19-1:機関広報資料
例19-2:機関広報資料
例20:OPAC
国立情報学研究所メタデータ語彙集[PDF]
・NIIメタデータ語彙付与例
「2013年7月1日、改正国立国会図書館法の施行に伴い、国立国会図書館は「オンライン資料収集制度」(愛称:eデポ)を開始しました。収集したオンライン資料は、当館でメタデータを作成し、当館施設内(東京本館、関西館、国際子ども図書館)において、来館者に対して国立国会図書館デジタルコレクションにより閲覧サービスを提供しています。作成したメタデータは、全国書誌(電子書籍・電子雑誌編)にも収録し提供します。」
図書館情報学に関係の深いインターネット情報資源についてメタデータを付与し、データベース化することで、効率よく有効な情報を利用できるように、との目的で、愛知淑徳大学文学部図書館情報学科伊藤特殊演習ゼミの研究として、各年度のゼミ生により運営・管理されている。
ランガナタンの『図書館学の五法則』の第四法則に“読者の時間を節約せよ。”とありましたが、「情報資源組織演習II」で体験したように、書誌ユーティリティに基づいた共同分担目録システムが「目録担当職員の時間の節約」を具体化したといえます。ところで第二法則の“いずれの本[情報資源]にもすべて、その読者を。”を実現するにはどういう課題があるか、和洋の図書目録作成や雑誌の所蔵登録、インターネット情報資源のメタデータ登録の演習のしめくくりに考えてみましょう。
所蔵登録画面フィールドの入力項目:LOC: 本館 RGTN: WE0001〜3
登録番号 | 和図書データ |
WE0001 | ![]() |
WE0002 | ![]() |
WE0003 | ![]() |
所蔵登録画面フィールドの入力項目:LOC: 本館 RGTN: YE0001〜3
登録番号 | 洋図書データ |
YE0001 | ![]() |
YE0002 | ![]() |
YE0003 | ![]() |