菅 直人さんとの金沢タウンミーティング
- 主 催−「世界の視点でローカル・イッシューを考える」
悠々会
- 日 時−平成11年1月30日(土)12:00−14:00
- 場 所−里山の家(金沢市民芸術村)
- 参加者−約80人
前日の雪も嘘のような快晴にめぐまれ、金沢市内にある旧民家を利用した「里山の家」に菅さんをお迎えしました。当初50人位の参加者を予定していたのですが、県外の参加者や当日の参加者も含め80名を超える方々が参加されました。
主催の「悠々会」ならではの外国人参加者もアメリカ、オーストラリア、スコットランドから4人。同行のヴィデオ・クルー(後日、民主党公報の宮崎さんと判明)も含めた5人がインターナショナルな雰囲気を醸してくれたほか、民主党フォーラムでお馴染みの
masayoshiさん、TERAさんに加え、KASAさんに至っては、つくば市から駆けつけてくれました。地方政治に関わる現職市議3名、市長選に挑んだ経験を持つ元市議2名も市民として参加しました。今回の司会進行役・下口氏もその一人です。
囲炉裏には炭が焚かれ、参加者は囲炉裏を囲みながら、ある者は板の間に座布団、ある者は畳に座ってお茶を飲みながら、市民と政治家が同じ目線で語り合う、まさに「囲炉裏端談義」となりました。その模様は写真集をご覧ください。
まず、主催者側を代表して中谷氏が今回のタウンミーティングに至った経緯、菅さんとの交友の一端を披露して菅さんが挨拶され、その中で新婚旅行で金沢を訪れ最初の夫婦喧嘩をした思い出が紹介されました。今回、タウンミーティングの実験の地として金沢を選はれたのも偶然ではないように思われます。最近の成田離婚ならぬ金沢離婚に発展せず、今回の来沢となったことは同慶の極みです。
次いで下口氏の司会のもと、概略、以下のようなテーマで菅さんとの対話が行われましたが、詳細は会員・参加者が分担してテープ起こしをし、対話記録として公開しております。(敬称略)
- 辰巳ダム建設の中止について−−宮江
- 公共事業について−−関さん、高井
- 薬害エイズ問題について−−岩崎
- 精神障害者の人権の尊重と社会防衛について−−住吉
- 民主党と統一地方選について−−伊藤(masayoshi)
- 民主党と労組の関係について−−中川
- 政党への個としての参加について−−高井
- 政党への個人献金の推進について−−TERA
- 情報公開(政党、政治家、行政)について−−佐野
- 情報公開、政策の実現、定住外国人の参政権について−−C. Dale
- 地方選挙の不正の実態、珠洲の原発反対運動について−−落合
菅さんの基本的な考え方や民主党の基本政策としては、経済は市場原理に基づく経済構造改革を目指し、経済的規制は原則廃止(イギリスのサッチャーの経済政策)するということであり、それと同時に、国民生活において公平な機会が確保され、「安心、安全、ゆとり、豊かさ」を実感できる政策(イギリスのブレアの福祉政策)を目指すことになると述べられました。
最後に、菅さんの政治家としての基本理念として、民主主義の原点を示され、民主主義は上から与えられるものではなく、市民が積極的に自ら作っていくものであり、その例として−−収穫された食べ物や女を略奪していく盗賊から自らの生活を守るため侍を雇う−−という黒沢明監督の映画「七人の侍」と、その対極にある「水戸黄門」の−−印籠を出して解決してくれるという話は日本では通用しても世界では通用しない。やはり、これからは与えられる民主主義から自ら参加する「積極的な民主主義」を目指していきたい−−という話をして、参加者の中に、何人かの侍がいるという励ましの言葉を頂き、タウンミーティングも終わりとなりました。
この「積極的な民主主義」と言う菅さんの締めくくりは、「悠々会」で語り合ったドイツの「闘う民主主義」に通ずるものを感じさせてくれたものです。今回の「金沢タウンミーティング」において、菅さんの政治家としての今までの経験を直接お聞きし、また菅さんの基本理念や民主党の基本政策をお聞きして、非常に共感を覚えた参加者が多かったと思われます。
また、参加者からローカルな問題ではあるが、政治の基本政策に関係する事柄に対しても、菅さんから誠意ある回答がありました。菅さんには、「金沢タウンミーティング」に参加した人々に「勇気」と「希望」を与えて頂き、成功裡に終えることができました。
ただ情報公開の関連では、オンブズマンへの呼びかけにまで気が回らず、失礼したことを後日、当地のオンブズマンの「顔」である塩梅弁護士に詫び、今後のネットワークを約束したものでした。また、今回、発言の機会がタイムアウトとなったもので、主催者側に寄せられたものも別途リンクしますので、菅さんからの回答・意見などが得られれば、更に更新したいと思っております。
なお、同様の催しを計画されたい方には参考までに、記者発表に配布した資料と、会計報告も公開しておきます。
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