第39回小矢部市美術展
特別企画
加賀谷 武展
クロスランドおやべ セレナホール ホワイエ
展示 2001年5月18日(金)〜20日(日)
「情報空間」制作リポート
加賀谷 武 Kagaya Takeshi

1932年 富山県小矢部市生まれ 空間造形作家 東京在住
1954年 金沢美術工芸大学卒業
1967年 国際青年美術展 ストラレム優秀賞受賞(作品は米シンシナティ美術館収蔵) 現在に至るまで一貫して空間の存在を追求し続ける。
東京シロタ画廊はじめ企画展多数。
1999年ウィーンでの個展は現地制作を行い、壁面からより立体へと移行した新たな空間表現が注目される。2000年、ベルリン、富山でシリーズ展。
2001年5月、出身地である小矢部市で初の作品展。「情報空間」と題しインスタレーション作品を試みる。
 加賀谷さんが「空間」を意識するようになったのは、富山から東京に移り住んだ30歳のときだと語る。広い居住空間が都会の生活で一気に狭くなった。空間は「から」ではなく「ある」ものとして自分にのしかかって来た。この目に見えない強い存在は何か?アートのためのアートを形にするのではなく、自分の精神を突き動かすものへの真摯な問いかけが自由な表現者に向かわせた。
 今回小矢部で行う初めての展覧会は今年の3月に決まったという。丁度政治不信で憤る日々、人々の間を通りすぎる「情報」自体を造形したいという思いにかられたと話す。クロスランドおやべのセレナホール・ホワイエを展示スペースとするインスタレーション制作が5月16日、17日の両日に渡り行われた。その様子をリポートする。
2001年5月16日(水)
展示スペース。
造形の中心素材として選んだのは加賀谷さんはじめての試みとなる新聞紙。
人々が読んだ跡が感じられるものがほしいと、各家々などから
続々と集められた。
新聞は東京では政治、経済、
スポーツなどの記事を。
富山では地方紙の文化、社会面
からセレクトした。
その他チラシや広告、中には「あゆ」の顔写真の入ったCD・ビデオショップの小冊子も。人々の関心を集めた情報達がどのように作品を構成するのか?