■5月6日
キリエが未だ仕上がっていないうちに第3曲のディエス イッレ「怒りの日」に入った。
それもいきなり、ピアノに合わせて歌い始めた。私としては、いつものように先ず階名から入ってくれた方が判りやすいのだが…
ディエス イッレ。この曲は映画「アマデウス」で流れていた曲とのことで有名のようだが私はそれすらも知らなかった。
♪ディエス イッレ ディエス イッラ その日は怒りの日。
「怒りの日」とあるように、第1小節の第1音にモーツァルトの心の叫びが感じられるようだ。
何者カニ対して激しい想いをぶつけるような強い音に思える。
歌い出しからクライマックスとなり、そのままの雰囲気で歌いきってしまう。
ここでも繰り返しのフレーズが何度も使われていて興奮状態をより一層盛り上げてくれる。
この曲を初めて聴いたとき、私はじっとしていられない気持ちだった。
何かをしなければ、今すぐに立ち上がらなければ、そしてそいつを殴りに行かなければ…と言ったような強い衝撃を受けたのである。
もしかすると、私はモーツァルトの音楽を間違って解釈しているのかも知れない。
ディエス イッレでは太鼓とバイオリンの音が特徴的に使われているように聞こえる。
太鼓は怒りを、バイオリンは心の動きを表現しているかのように聞こえてくる。
■5月11日
モーツァルトは素晴らしい!ディエス イッレは何と言ってもかっこいい!
テキスト楽譜にディエス イッレを追加する。
第2曲のキリエは別として、その他の曲は比較的に読みやすいメロディーのようにも思える。
メロディーの流れが自然で、耳になじみやすくて歌いやすい。
私のパートのバスはベースとも言うように通常は低音部をうなってばかりで目立たないのだが、「怒りの日」はベースが主役かとも思えるようにかっこいいのである。
ドラマチックというか、劇画的というか、たたきつけるような叫ぶような歌だからメロディーがわかりやすくて一度聞いただけで覚えられそうな曲だ。
私はベースでありながら低音部が少し弱い。どちらかと言えば高音部が出しやすい。
ディエス イッレでは高音部の「ラ」の音から思いっきり強く叫ぶように歌い始める。
一拍子のリズムで動くので自然と気分が高揚してくる。とにかくメロディーが自然でかっこいいので主役のように歌えるのだ。
練習では大きな声で歌う様に心がけている。そうすることで自分の声も聞こえる。自分の声が聞き取れないと音階を正しく合わせることはできない。また、パートのメンバーとの音の違いも良くわかる。
自分の声が小さいとパートとの音の違いさえも分からなくなってしまう。
ディエス イッレはストレスを解消するにはもってこいの曲である。 歩いている時にも、この曲をいつの間にか口ずさんでいる。 歩幅も少し広く、歩くリズムも知らぬ間に速くなり、思わず肩で風を切るように歩いてしまう。 ディエス イッレはそのような曲でもある。