■4月29日
続いて第2曲のキリエに入る。
いきなり歌詞から入った。
この曲はテンポの速い曲だ。16分音符の4連符が繰り返し続いて出てくる。
ピアノの音がコロコロコロコロと転がっていて実に難しそうに聞こえる。
いつものように、短く区切ってパート練習が繰り返される。
テンポが速くても言葉をしっかりと、レガートではなくマルカートのように歌いなさいと先生はおっしゃる。
私は、またいつものように録音のカセットを回すだけである。
短いフレーズを反復練習するので、覚えたてのメロディーを口ずさむことは可能だが歌詞は分からない。
いずれの曲も、第一回練習は、ほとんど聞いているしかない。
そしてまた、明日からキリエのテキスト楽譜作りである。
テキスト楽譜を書き、録音テープを聞き返した後の第2回目以降が私の本格的練習となるのである。
■4月30日
キリエのテキスト楽譜を書く。
キリエ エレイソン クリステ エレイソン。
第2曲に出てくる言葉は、たったのこれだけだ。これが何度も繰り返されている。
そして、エレイソンの「レー」の音が、長い箇所で23音も伸ばされている。
♪エレーエ エ エ エ エ エ エ エ エ エ エ エ……エイソンと歌うわけだ!
エレイソン エレイソン エレイソン エレイソンと同じ言葉の繰り返しだが決して「えらい損」するわけではない。大変に神聖な歌なのである「爆笑」
ちなみに、キリエ エレイソンとは主よ憐れみたまえ。クリステ エレイソンとはキリストよ 憐れみたまえ。という意味であるらしい。
G,Wの1日を利用してテキスト楽譜を全て書き終えた。
モーツァルトのレクイエムは全部で14曲から構成されている。
それらの中でも、このキリエが特別に難しい歌のようだ。
キリエはバッハを思い出させるような古典的なイメージの曲にも感じる。
弦楽器の細かく刻むような音がバロック調でもある。
同じ様なメロディーラインが一音ずつ違えて何度も繰り返し出てくる。
4声が追いかけっこしながら合唱する。
そして「エレイソン」と言う言葉が長く伸ばされている所がキリエの特徴であるが、この速いリズムに言葉をはっきり刻むことが難しい。
リズムが速くて音が細かい。4声が美しく合唱するにはかなりの練習が必要にちがいない。
M先生も、キリエ「憐れみたまえ」に関しては2ヶ月程度の期間をみておられるようだ。
同じメロディーの繰り返しのため、歌っている途中で、どのフレーズを歌っているのか判らなくなってくる。
リズムが速いので1カ所つまずくとパートに乗り遅れてしまう。
あれよあれよと言う間に曲が終わってしまうといった感じである。