ことしはまだすずしいが
田んぼもようやくにぎやかになってきた
かえるの兄弟たちも
ようやくおとなになって
ケロケロゲロゲロと
ひとにとってはちょっとうるさい
でもなくてはならない
夏の音のひとつだ
2005.6.18




とうちゃんは酒を飲むもん
こどもごころにそうおもった
さけをのんで
じぶんだけきぶんよくなって
ねっころがるもんだと
こどもごころにそうおもった
にてくるなあと
おやじになったおれは思う
もういやだなあとはおもわない
おれ
2005.6.20



あつい
あつい
あつい
なんでこんなにあついんだろう
たしょう水でふくらんだカラダだけど
からっからだ
のどもからっからだ
水のなかは冷たくて
きもちいいだろうな〜
2005.6.26




なぜだろう
この大雨にも
こころはしずかでいられる
やねをうつ雨を
みあきない
みちをうつ雨を
みあきない
いそぎあしでとおりすぎるひとを
みあきない
じぶんがぬれることさえ
この雨にも
しずかでいられる
2005.6.30



赤いかさ
黄色い長靴
どんよりとした雨の日に
あざやかに映える
雨の日はまたカラフルだ
雨が色を切り取るんだ
2005.7.4



かお
こわいかお
じしんなげなかお
たのしいかお
おこってばかりだと
こわいかお
ふまんばかりで
じしんなげなかお
くったくがないから
たのしいかお
いつもこころを
ゆったりとしていたい
2005.7.9



あり
アリ

みんな仲間なのか
ぞろぞろ
たくさんいる
梅雨になると
いつもこうだ
それにしても
この混雑ぶりはどうだ
まるではじめて経験した
新宿のようだ
2005.7.12





ひさびさのつき
青い夜空にくっきり
ちょうどはじまった
夜店の喧騒と
ライブ帰りの
ハッピー気分に
この月が
似合う
2005.7.17



いっしょうけんめい
せみにむかって
のぼってく
けっして近づけない
いっしょうけんめい
セミにむかってく
とうさんむかしと
かわらないぞ
けっして
ちかづけないかもしれないけど
2005.7.23



ねえ
おれたち
おとなになれなくてよっかたな
獲れたかずはじまんしたけど
ごまかそうなんて
かんがえたこともないよな
ただ楽しかったよな
2005.7.31



夢中でみつめた
線香花火
こぼれおちそうな
火の玉の中に
すべての夏があった
夏のにおい
花火のにおい
草生すにおい
かすかな石鹸のにおい
いまにもこぼれおちそうな
火の玉を
夢中でみつめてた
2005.8.12



帰省
お盆にみんなかえってくる
ご先祖様も
生きてる現役も
プールへ行ったり
花火をしたり
海へ行ったり
川へ行ったり
キャンプも
ラジヲ体操も
そしてみんな帰ってく
つまらない
明日からまた遊べないんだ
急に学校へ行きたくなった
きゅうに
みんなにあいたくなった
2005.8.17