吉本隆明1992年著作リスト


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刊行形態 Book Section
著者 吉本隆明
著者 佐藤正英
刊行年 1992
標題 親鸞の<信>と<不信>
掲載誌(紙・書)名 親鸞の核心をさぐる : 徹底討議 
出版社 青土社
出版地 東京
区分 対談
掲載頁 
キーワード 親鸞/信/善/悪
注記 親鸞関連年表:p326-329

刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 海の流線の方位 掲載誌(紙・書)名 柳田国男:新文芸読本 出版社 河出書房新社 出版地 東京 区分 柳田国男論 掲載頁 134-149 キーワード 柳田国男 注記 初出:『國文学』1984年7月号
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 大情況論:世界はどこへいくのか 出版社 弓立社 出版地 東京 区分 情況論 キーワード 情況論/日本 見出し・語録 序.現代を読む―日本・ソ連・アメリカ問題  1「現代」と「現在」の違い (1)消費支出 選択消費が50パーセントを超える意味/「現在」に入った時期/わ かりにくい「現在」 (2)昭和四八年前後の転換 先端の分析/「現在」の公害問題/消費税の妥当性 (3)中流意識 (4)老人問題  2ソ連 (1)政変 (2)新連邦条約案 国家の理想型 (3)所有・農業・軍事 3アメリカ (1)中東戦争 半世紀前と変わらぬアメリカ/日本の対応 (2)日米構造協議  日本の今の限界/バブル崩壊の意味/現在は第二の敗戦期  I 中東湾岸戦争私論―理念の戦場はどこにあるのか  「夢」としての日本国憲法第九条/「夢」は現状と衝突する/日米構造協議の米国に よる日本改造計画案/ソ連邦の内部で進行しつつある事態  〈註〉中東戦争についての声明  こんどソ連で起こったこと  国家を開くこと/農業・土地問題 世界転向論 1「転向論」の現在化 2中野重治「敗戦前日記」  七0年代のアメリカまで―さまよう不可視の「ビアフラ共和国」  善悪を超えた「資本主義」の遊び方―〈対談〉吉本隆明×フェリックス・ガタリ 1国有化政策と社会主義 国家か資本か 2資本主義は、現在の最高の作品 3それぞれの国の資本主義  第三世界の飢えをどうするか II 日本の現在・世界の動き 1現在の日本の社会像 2社会像の転換点はどこか  社会像転換のシンボル/産業の転換と人口の減少 3日本国家の敗北  公共投資/土地利用・流通問題 4国家規制力と国家のイメージ  ソ連・東欧の問題と国家のイメージ/飢えの中の高揚5労働〈組合〉運動の課題  もっとも進んだ理念的国家、ポーランド/国鉄の民営化/社会主義の三つの理念  昭和天皇とその時代―〈対談〉吉本隆明×山折哲雄  二つの時代を体験した天皇/天皇制の基礎と命運/天皇の権威  日本人の「場所」―象徴天皇制と高度資本主義社会 1象徴天皇制と農業問題 象徴天皇制を頭にいただいた高度資本主義社会/農耕社会 と天皇制/シンボルとしての天皇/象徴天皇制と農地改革/社会ファシズムと農本 ファシズム/保守系ラジカリストと進歩的反動/象徴天皇制はどこで終わるか 2高度資本主義社会での日本人の場所 産業構造/労働組合の組織率と中流意識  一九七0年代の光と影 1一九七0年代の意味 七0年代の団塊の世代/七0年代の戦中派の世代 2七0年代に始まった眼にみえぬ戦争 ニクソン・ショックと石油ショック/「反物 語」を創る 3七0年代以降の文化・都市問題 都市問題/アンチカルチャーは可能か 4九0年代以降の課題 住宅問題と土地問題/「はじまり」の兆候がでてきた  いまの社会とことば 1新語と流行語 新語/流行語/大衆賞をうけた『愛される理由』 2新語・流行語の共通の背景 消費社会/老人度と青少年度/合計特殊出生率/未婚 率の増加/女子の就職率・就職先/日曜の夜をどうすごすか 3『ちびまる子ちゃん』とは何か 『ちびまる子ちゃん』が受ける理由/再現性のみ ごとさ 4白井麻子はどんなOLか 抜群の風俗感覚/段階をもとにした倫理観/欠乏をもとに する倫理観の終焉/言葉の社会の変わりかた   注記等 「この本に理念があるとすれば、一般の大衆を歴史の無意識から生み落とされ た受身な存在という場所から、じぶんに根拠をあたえる理念を一般の大衆自身がもつ 場所に出てゆくことが、現在の世界史のいちばん先端の課題だということだ。それが 激動を判断するばあいの、わたしの基準母型になっている。もうひとつ付けくわえて おくと、わたしはたれでもが手易く読んだり視たりできる新聞・雑誌・テレビなどの 情報のほか、どんな資料や情報もつかっていない。いいかえれば大衆のたれもがもっ ている判断可能性のなかで、わたしの判断は成りたっている。」(あとがき)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1992 標題 おもろさうし 掲載誌(紙・書)名掲載誌(紙・書)名 沖縄いろいろ事典 編集 ナイチャーズ 垂水健吾 出版社 新潮社 出版地 東京 掲載頁 27-28 叢書名 とんぼの本 区分 歌謡論 キーワード おもろさうし/琉球/思び歌(神歌)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 おもろさうしとユーカラ 掲載誌(紙・書)名 ユーカラ・おもろさうし 出版社 新潮社 出版地 東京 通号 別巻 掲載頁 2-16 編集 木挽社 キーワード おもろさうし/ユーカラ/琉球・沖縄・南島文学・歌謡/アイヌ文学・叙事詩 見出し・語録 おもろさうしとユーカラ=吉本隆明/おもろさうし=池宮正治/ユーカ ラ=村崎恭子、児島恭子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 「書評」を書く難しさ 掲載誌(紙・書)名 リテレール 号 1 掲載頁 45-46 区分 批評 キーワード 書評/書物/作品 見出し・語録 「書評はむつかしい。」「理由をかんがえてみると、どうしても書物と いうものの多様な形をさばききれないことに帰する気がする。」「書評とは書物を対 象にして公正な作品を作ることだ、といってよさそうな気がする。もうすこし注釈を 付けくわえれば、公正なということが作品を作ることであるような作品をつくること だ。」「書評のむつかしさの心理的ないちばんの根拠は、縫い子になりきることのむ つかしさだという気がする。」「何かといえば書評はときとして批評がやる懺悔のよ うなものではないかということだ。書評にこころが動くのは、殺傷したり、切り裂い たりせずに批評をやってみたいという無償の均衡の願望のような気がする。」
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 贈与論:ハイ・イメージ論1 掲載誌(紙・書)名 リテレール 号 1 掲載頁 216-[233] キーワード 贈与/交換/遅延
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 中田平 著者 石塚雅人 刊行年 1992 標題 消費資本主義の終焉から贈与価値論へ 掲載誌(紙・書)名 FiLo 号 15 録年月日 1991年12月21日 区分 鼎談 キーワード 消費資本主義/贈与価値論/ロシア/社会主義/旧ソ連/高度資本主義/ 公害/天皇制/日本語 注記等 ハイパーカード・スタックによる電子雑誌
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 中田平 著者 石塚雅人 刊行年 1992 標題 文化の翻訳を巡る諸問題 掲載誌(紙・書)名 FiLo 号 16 録年月日 1991年12月21日 区分 鼎談 キーワード 『共同幻想論』/フランス語/翻訳/ミシェル・フーコー/文化 注記等 HyperCardによる電子メディアマガジン
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1992 標題 良寛 出版社 春秋社 出版地 東京 区分 仏教論 キーワード 良寛/詩文/墨書/僧侶 見出し・語録 序 I 良寛 思想詩 僧侶 隠者 1自然のなかの自然 2自然のなかの生活 3自然のなかの倫理 4自然のなかの宗教 5書の自然性としての良寛 注記 II「良寛」以後 仏教者良寛をめぐって 野づらゆく行乞の思想  対談者 水上勉 漱石のなかの良寛 良寛書字 無意識のアンフォルメル エロスに融ける良寛 あとがき 注記等 初出メモ 思想詩(原題「良寛詩の思想」)雑誌「修羅」同人主催による新潟県長岡市中越婦人会館における 講演[1978.9.16]『良寛異論』(修羅出版部)/『言葉という思想』(弓立社)所収 僧侶(原題『僧としての良寛』同、長岡市中央公民館における講演[1981.10.25]『僧としての良 寛』(修羅出版部)/「海」1982.1 隠者(原題「隠遁者としての良寛」)同、出雲崎町光照寺における講演[1984.4.1]以上、三回の 講演は『隠遁の構造―良寛論』[1985.1]として修羅出版部より刊行され、後、『吉本隆明全撰集 6古典』(大和書房)に収録 仏教者良寛をめぐって「別冊墨」第1号1982.7『素人の時代』(角川書店)所収 漱石のなかの良寛 本郷青色申告会・本号青色大学主催による本郷青色申告会館における講演[19 84.9.13]『超西欧的まで』(弓立社)所収 良寛書字「季刊墨スペシャル」第6号1991.1 エロスに融ける良寛「新潮」1991.5 ☆本書の成立にあたって、今回、著者による加筆訂正と若干の用字の統一がおこなわれた。とくに Iの「思想詩」「僧侶」「隠者」は大幅に手が加えられた。 ISBN4-393-33140-0
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 瀬尾育生 刊行年 1992 標題 世界観権力の終焉と言語―湾岸戦争、ソ連東欧問題、共同倫理とは何か 掲載誌(紙・書)名 現代詩手帖 巻 35 号 3 掲載頁 10-36 録年月日 1992年1月30日 区分 対談 見出し・語録 湾岸戦争をめぐって/憲法九条と「文学者」の反戦声明について/ソ 連・東欧問題をめぐって/全体観に動かされることについて/正義・スターリニズ ム・ポストモダン/マルクス主義と構造主義/普遍言語・普遍喩について/宮沢賢治 の言語観・詩観/言葉の問題と精神の問題
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 源氏物語論 叢書名 ちくま学芸文庫 出版社 筑摩書房 出版地 東京 区分 作品論 キーワード 源氏物語/古典 見出し・語録 母型論/異和論/厭離論/環界論/わが『源氏』/あとがき/文庫のた めの註/初出一覧 注記等 『国文学・解釈と鑑賞』(至文同刊)1981年5、7、9、12月号に掲載。〈附 録〉新装版1985年9月30日刊)挿み込み。大和書房版(1982年10月30日刊)収録 に当り、大幅な加筆訂正が行われ、各部にあらたにタイトルが附された。また、文庫 版に際しても著者の手が入った。
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 町沢静夫 刊行年 1992 標題 成熟を阻むもの:連続幼女殺人事件と女子高校生コンクリート詰め殺人事件を考 える 掲載誌(紙・書)名 成熟できない若者たち 編集 講談社出版研究所 出版社 講談社 出版地 東京 掲載頁 189-240 区分 対談 キーワード 詩春期/青年期 見出し・語録 「生きる意味がない」と訴えるボーダーラインの患者/乳・胎児期と母 親の「死の物語」/死を覚悟した犯罪/冷淡な母子関係/思春期の教育と落ちこぼれ /とりあえずの解決策/消費社会は衝動的人間を生む/ポスト消費社会の経済的イ メージ/心的領域の新たな課題/マルクスと現代/加速された社会の時間と生理的時 間のギャップ/閉じこもる青年と情報/若者たちの成熟拒否/乾いた感性への傾斜/ 自分をまっとうすることのきつさ/対人関係障害と「軒遊び」の消失/コントロー ラーとしての文学殺害から先の行為のわからなさ/ポスト消費時代の精神への糸口 注記等 1990年3月19日収録
刊行形態 Journal Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 情況への発言:さまざまな死 掲載誌(紙・書)名 試行 号 71 掲載頁 2-14 区分 情況論 キーワード スターリニズム/高度資本主義経済/ソビエト連邦の消滅/土地制度/農 業経営形態/マルクス主義/大衆 見出し・語録 小山俊一批判/バブル経済破綻論批判/ソ連邦解体革命の世界史的意味 /共同討議『近代日本の批評』批判 注記等 1992年2月2日
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 資質をめぐる漱石(1):『こころ』 掲載誌(紙・書)名 ちくま 号 250 掲載頁 4-12 収録年月日 1991年7月30日 区分 作家論 キーワード 夏目漱石/『こころ』 見出し・語録 漱石的な三角関係/妄想形成としての神経症/パラノイア的関係づけ/ 同性愛的関係づけ/乳幼児体験としての資質形成 注記等 本稿は、日本近代文学館主催、読売新聞社後援により、読売ホールで開催され た、「大正から昭和へ・作家と作品」における七月三十日の講演「夏目漱石―「ここ ろ」「道草」「明暗」―」のテープ・リライトを整理・加筆したもので、三回に分載 の予定です。次回は三月号。―編集部注
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 資質をめぐる漱石(2):『道草』 掲載誌(紙・書)名 ちくま 号 252 掲載頁 4-11 録年月日 1991年7月30日 区分 作家論 キーワード 夏目漱石/『道草』 見出し・語録 日常生活に分布した心の孤独な姿/壮年時代の家庭生活/ヒステリーと 幼児体験・性的体験/行動的な文体/パラノイア的追跡妄想と乳児期の体験/人生上 の出来事に対する壁あるいは閾値の形成 注記等 本稿は、日本近代文学館主催、読売新聞社後援により、読売ホールで開催され た、「大正から昭和へ・作家と作品」における七月三十日の講演「夏目漱石―「ここ ろ」「道草」「明暗」―」のテープ・リライトを整理・加筆したもので、三回に分載
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 資質をめぐる漱石(3):『明暗』 掲載誌(紙・書)名 ちくま 号 254 掲載頁 4-13 収録年月日 1991年7月30日 区分 作家論 キーワード 夏目漱石/『明暗』 見出し・語録 作品形成における相対視線の獲得/偶然の積み重なりと必然と意志/人 間の運命や宿命/女性のエロスの意図的な型/主格の不連続あるいは移行/宿命は反 復を強いる 注記等 本稿は、日本近代文学館主催、読売新聞社後援により、読売ホールで開催され た、「大正から昭和へ・作家と作品」における七月三十日の講演「夏目漱石―「ここ ろ」「道草」「明暗」―」のテープ・リライトを整理・加筆したもので、三回に分載
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 イメージ論1992:現在への追憶;荻野アンナ、小川洋子、村上春樹を現代社 会の中に位置づけると― 掲載誌(紙・書)名 新潮四月臨時増刊:最新日本語読本 掲載頁 116-128 区分 イメージ論 キーワード イメージ/現在/文学/批評 見出し・語録 現在/作品/歴史からの脅迫された自由と「現在」への追憶/「現在」 の定義としての遅延された生産(消費)/消費が浮遊してしまう境界性と「現在」の 像(イメージ)/境界性をめぐる病気と健常/境界性のフィクション/病気のボー ダーラインスケール 注記等 「『現在』の文学は病気と健常のあいだの境界性の近傍に多様で多 な世界を造 形することはできるにちがいないが、生と死の境界性のあたりに触手をのばすこと は、まだできない。それができるためには健常(すこやかで明るいこと)の概念が 「現在」とまったく次元のちがうところに移動しなくてはならないとおもえる。わた したちはまだ「現在」を追憶するための兆候を手に入れてはいないのだ。」
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 イメージ論1992:反現代の根拠 掲載誌(紙・書)名 新潮 巻 89 号 6 掲載頁 210-218 区分 イメージ論 キーワード マス・カルチャー/古井由吉『楽天記』/丸山健二『千日の瑠璃』/村上 龍『イビサ』 見出し・語録 現在のマス・カルチャーの視線を人工的に設定/作品の像と現在のア ジール/自己資質のイメージと作品の言葉の焦点/現在の関係性と関係の説話化/登 場人物を精神の両棲類に変えたお伽話/意志と幻想を融合してつくられたお伽話/ポ ルノと暴力のはてしない欲動からできあがった反現代的なお伽話
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 「距り」を記述すること:色川武大『私の旧約聖書』 掲載誌(紙・書)名 新潮 巻 89 号 2 掲載頁 222-225 区分 書評 キーワード 旧約聖書 見出し・語録 旧約聖書/小説観/宿命観/距り 注記等 世紀末読書術’92
刊行形態 Journal Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 国男と花袋 掲載誌(紙・書)名 国文学 巻 37 号 2 掲載頁 130-143 区分 講演 キーワード 柳田国男/田山花袋 見出し・語録 自然主義文学としての『蒲団』と国男の評価/主体が行動していること を主体が描いている文体としての『田舎教師』/『遠野物語』の行動的文体/花袋の 地勢・地形小説と紀行文/国男の地誌の描写/記述の仕方としての昔話のスタイル/ 初期の抒情詩時代の二人の文語体スタイル 注記等 1990年9月8日、群馬県邑楽町で行われた、第八回常民大学合同研究会の記念講演
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 『遠野物語』の意味 掲載誌(紙・書)名 遠野物語 叢書名 新潮文庫 出版社 新潮社 出版地 東京 区分 作品論 キーワード 柳田国男/遠野物語 注記等 平成4年3月
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 前登志夫の呪術性と野性 掲載誌(紙・書)名 短歌 巻 39 号 7 掲載頁 168-171 掲載年月日 1992.7 区分 歌人論 キーワード 前登志夫 注記等 大特集=吉野の山人・前登志夫の世界
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 井上光晴の声 掲載誌(紙・書)名 新潮 巻 89 号 8 掲載頁 192-193 収録年月 1992年8月号 区分 追悼文 キーワード 井上光晴/戦中派/左翼/ハンガリー事件(1956)/前衛 見出し・語録 戦中派がはじめてたどりついた左翼性とは何か/民衆の良心のあらわれ 方/否定や拒絶をふくまない体制も反体制の世界史の現在には存在しえない
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 イメージ論1992:(二)物語のゆらぎ 掲載誌(紙・書)名 新潮 巻 89 号 8 掲載頁 301-309 収録年月 1992年8月号 区分 イメージ論 キーワード 現在/善/悪/通俗化/切実/反切実/制度/物語/ゆらぎ 見出し・語録 必然の追い込みを畳み込む現実とそこをめくりかえし生き抜く呼吸や意 志の発現/「善」の通俗化の限界で亡びる物語の切実さとそれを阻む重畳された必然 /切実の不在あるいは「善」の拡散/「善」の日常化とゆらぎとしての反切実の強制 力/ぼんやり日常を過ごせない反切実としての切実の対極への強制/「悪」の通俗化 が通俗化された「善」と均衡を保ちつつ人間や事物や制度を切実さから遠ざける働き をする/ぼんやり放置を許さない未知のいやおうなしの強制力/切実さを禁じる力と しての現在の強制力/通俗化された「善」からも通俗化された「悪」からも限界に近 づくことを禁じられている強制力/反危機反不安反平穏反平静としての振舞難さと破 滅や死を思いみることの不可能/精神の型とそれを根底で統御する制度の型の乖離し た現在/九割の民衆が抑圧からの解放と自由を逆に強制されているという制度の型/ 解放と自由の状態を理念にまで根拠づけることを求められている/個々の反切実のゆ らぎ体験/中上健二『軽蔑』/岡本かの子論/大江健三郎『僕が本当に若かった頃』
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 女の究極は母性である。:吉本隆明、女性を語る 掲載誌(紙・書)名 自由時間 巻 3 号 15 掲載頁 6-10 収録年月 1992年8月号 区分 インタビュー キーワード 女性/乳胎児期/母性/男性/母子関係
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 古井由吉 刊行年 1992 標題 漱石的時間の生命力 掲載誌(紙・書)名 新潮 巻 89 号 9 掲載頁 168-186 録年月日 1992年9月号 区分 対談 キーワード 夏目漱石 見出し・語録 ”漱石”というパスポート/『こころ』は漱石の資質の内のドラマ/小 林英雄世代との差異/漱石と藤村にとっての一神教/ 注記等 江藤淳『漱石論集』
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 作家・中上健次氏をしのぶ:比類ない文学思想;差別・非差別の壁を解体 掲載誌(紙・書)名 北日本新聞(共同通信社配信) 出版地 富山市 掲載頁 9 区分 追悼文 キーワード 中上健次/差別・非差別 見出し・語録 「だが彼が平気な顔をして、あたりまえのようにしずかに達成した文学 思想は、どんなに評価しても、しすぎることはない比類のないものだった。非差別と 差別の問題は中上健次の文学によって理念としては終わってしまった。あとは現実が 彼の文学のあとを追うだけだ。」
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 『無能の人』その他。:消費の中の芸(6) 掲載誌(紙・書)名 Cut 号 13 掲載頁 118-119 区分 書評 キーワード つげ義春/マンガ
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 『日本語の真相』って何?:消費のなかの芸(7) 掲載誌(紙・書)名 Cut 号 14 掲載頁 118-119 区分 書評 キーワード 日本語
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 『生死を超える』は面白い:消費のなかの芸(8) 掲載誌(紙・書)名 Cut 号 15 掲載頁 118-119 区分 書評 キーワード オウム心理教/宗教/ヨーガ/修行
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 『男流文学論』は女流ワイダンでしょう:消費のなかの芸(9) 掲載誌(紙・書)名 Cut 号 16 掲載頁 118-119 区分 書評 キーワード フェミニズム/女流 注記等 上野千鶴子・小倉千加子・富岡多恵子『男流文学論』筑摩書房、’92年1月刊
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 上田紀行『スリランカの悪魔祓』徳間書店 上田紀行『トランスフォーメーショ ン・ワークブック』Jicc:消費のなかの芸(10) 掲載誌(紙・書)名 Cut 号 17 掲載頁 118-119 区分 書評 キーワード イメージ療法/心身症/神経症/ヒステリー/欝病/治療
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 新・書物の解体学 出版社 メタローグ 出版地 東京 区分 書評集 キーワード 書評/書物/本 見出し・語録 「書評もまた書物を読み、それを論評する。だがひとつの世界としてで もなく、ひとりの作者の流れとしてでもない。ただ書物として読むのだ。書物を世界 としてでもなく、作者としてでもなく読むことは、書物そのものを擬人化するほかに は成り立ちそうにもない。書物は喋る、おれは世界ではないし、作者でもないぞ、と いうように。言葉や文字があるように、そして言葉や文字は一刻も無言であることが できないように、拡大してゆくものを文化と名づけても、そのほかの言葉でも呼んで も、書物は卒伍としてその拡大に参加しているものを指している。これを論評するこ とが書評ということだ。そこで書評というとき批評一般とちがった特性をひとりでに もつことになる。」「閉じられた一冊の書物の世界は、開かれると世界を解体し作者 を無名化する。またひとりの作者をもつ一冊の書物は開かれると、作者を喪い書物の 外の領域に握手をもとめるための連結手をさしだすことになる。つまりは書評によっ て一冊の書物を開いてしまうことができたら、それが書評の快楽だといっていい。」 注記等 「本書は、1986年12月号〜1991年3月号まで『マリ・クレール』に連載され た『新・書物の解体学』を中心に編んだものだが、単行本にするにあたり雑誌論文、 文庫解説など十編を増補した。」編集部
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 人にも読んでもらいたい、オーソドックスな十冊 掲載誌(紙・書)名 リテレール 号 2 掲載頁 22-23 区分 書評 キーワード 本/読む/思想 見出し・語録 『聖書』/『エックハルト説教集』/マルクス『資本論』/『歎異抄』 /『百人一首』/『標注 一言芳談抄』/『諸国物語』/『海上の道』/新編『銀河 鉄道の夜』/『妣が国へ・常世へ』
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 定義論(上):ハイ・イメージ論(2) 掲載誌(紙・書)名 リテレール 号 2 掲載頁 222-233 キーワード 産業/段階論/高次産業化/対外債務/贈与
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 四方田犬彦 刊行年 1992 標題 比類のない”物語”の力 掲載誌(紙・書)名 新潮 巻 89 号 10 掲載頁 200-212 区分 対談 キーワード 中上健次 見出し・語録 神話性の濃度/二つの系譜について/『軽蔑』をどうとらえるか/『破 戒』と中上文学/彼は答を出したのか問を発したのか/カーストからトーテムへ
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 見えだした社会の限界 出版社 コスモの本 出版地 東京 区分 短章集 キーワード 情況論/時評 見出し・語録 1移り変わる街/上野公園の冬10/月島の思い出14/少年の日の界隈18/現在の東 京21/ 2決然たる男たち/夢を追う冒険家28/世界チャンピオンの生涯32/ 3近代日本政治/国際連合平和協力法案と憲法第九条38/即位礼と大嘗祭の副産物42 /土井社会党の失点46/ 4青年期の痕跡/「父の像」52/国語の教科書56/米沢の生活61/泥酔の思い出63 /軍国青年の五十年66/ 5観戦・鑑賞/辰吉の試合と『愛される理由』72/一九九0年、巨人の椿事76/古典 作品の解釈79/映画『山の焚火』82/ 6時評 湾岸戦争/アメリカの勘違い88/一月十五日に向けて91/中東戦争と太平洋 戦争95/ 7モノと生活/タクシーに乗る100/一眼レフのカメラ104/写真修行108/表現機 械としてのワープロ112/ 8日本文化の現在/衝撃の映像118/芸能人122 「二十世紀末の日本文化を考える」126/ 9老齢との対話/老人の意識調査138/健康への関心142/入歯の不安145/ 10作家の心に潜む世界/ラフカディオ・ハーンとマルチニーク島150/賢治童話の 風土155/「銀河鉄道の夜」に匿されているもの161/ 11見えだした社会の限界/動機なき親殺し166/エイズの伝播169/幸あれ、父母 の郷土熊本172 「いい文章を書こうなどという気ばりもなく、自由に書くという状態を手にして感銘をうけていた。 時あたかも中東湾岸の戦争がはじまったので、この緊急の主題に何回か文章を費やすことにはなっ た。断言して間違いないとおもうが、こんどの中東湾岸戦争に即座に反応して自分の判断を公開し た文章は、ここに収録された私の文章のほか、わが国には存在しない。あとから体裁をととのえた 事後論理を述べた文章はたくさんあるし、ご丁寧な声明文を共同でだしたものは幾種類かある。だ が一個の物書きがじぶんの責任で、事態の渦中にあって即座に反応し、じぶんの見解を述べた文章 は、この本の短章のなかにしか存在しない。」(あとがき) 注記等 資料・吉本隆明『見えだした社会の限界』初出一覧 宿沢あぐり[「猫々便り」47のII(2005.11)] ●上野公園の冬(原題「渡り鳥、東都を去る」もしくは「動物との擬人化した関係」『熊本日日新聞』 平成3年5月23日付け『ニッポンの現在』連載第10回) ●月島の思い出(原題「少年の日の夏 月島界隈の話」『うえの』1990年8月号) ●少年の日の界隈(原題「少年の日の記憶の中に住みにゆくと、埋もれた掘割の水辺が匂う。」『週刊 住宅情報』昭和61年5月21日号) ●現在の東京(初出不明) ●夢を追う冒険家(原題「気球の夢」もしくは「無謀承知の軽やかさ」『熊本日日新聞』平成3年2月 12日付け『ニッポンの現在』連載第7回) ●世界チャンピオンの生涯(原題「海老原博幸の死」もしくは「時代の悲劇 強烈に投影」『熊本日日 新聞』平成3年4月27日付け『ニッポンの現在』連載第9回) ●国際連合平和協力法案と憲法第9条(原題「戦争放棄の「憲法第9条」もしくは「理想の旗今こそ世 界に」『熊本日日新聞」平成2年10月18日付け『ニッポンの現在』連載第3回) ●即位礼と大嘗祭の副産物(原題「「象徴」の即位礼と大嘗祭」もしくは「護憲派の玉串料25億円」 『熊本日日新聞』平成2年12月13日付け『ニッポンの現在』連載第5回) ●土井社会党の失点(原題「土井社会党の功罪」もしくは「市民・女性運動への活力“湾岸”では理念 ゼロ」『熊本日日新聞』平成3年7月11日付け『ニッポンの現在』連載第12回) ●「父の象」(『うえの』1991年6月号) ●国語の教科書(原題「別れ路」『月刊国語教育』昭和61年10月号) ●米沢の生活(原題「米沢時代のこと」『白い国の詩』1987年12月号) ●泥酔の思い出(原題「「今だから」できる話」もしくは「学徒動員先の工場で泥酔。なんとか家にた どり着いたが、重大な落とし物を・・・。」『Miss家庭画報』1991年4月号) ●軍国青年の五十年(原題「五十年目の真珠湾」『うえの』1991年12月号) ●辰吉の試合と『愛される理由』(原題「溜飲が下がる話」もしくは「辰吉の試合と二谷の本」『熊本 日日新聞』平成3年10月17日付け『ニッポンの現在』連載第15回) ●1990年、巨人の椿事(原題「プロ野球日本シリーズ」もしくは「優等生倒した個性派たち」『熊本 日日新聞』平成2年11月15日付け『ニッポンの現在』連載第4回) ●古典作品の解釈(原題「西行の歌」『三田文学』1987年秋季号) ●映画『山の焚き火』(原題「傾面の映画」『山の焚き火』パンフレット 1986年8月上映 配給・ シネセゾン) ●アメリカの勘違い(原題「イラク軍侵攻後の世界情勢」もしくは「古い構図」に注視を」『熊本日 日新聞」平成2年8月21日付け『ニッポンの現在』連載第1回) ●1月15日に向けて(原題「中東の切迫」もしくは「無償贈与で撤退説得」『熊本日日新聞』平成3 年1月15日付け『ニッポンの現在」連載第6回) ●中東戦争と太平洋戦争(原題「戦争は終わった」もしくは「オリエントの迷妄 苛酷なアメリカ」 『熊本日日新聞』平成3年3月19日付け『ニッポンの現在』連載第8回) ●タクシーに乗る(原題「私とタクシー・なぜタクシーに乗るのだろう」『’87日本のハイヤー・タ クシー』昭和62年1月1日 交通界速報新春特別号別冊) ●一眼レフのカメラ(原題「写真術のはじまり」『FROG Film ROund Gazette』1990年1月1日  第2巻第1号(通巻第13号)吉本さんの撮影した写真が添えられている。) ●写真修行(原題「魔術師からおくれて」『FROG Film ROund Gazette』1990年3月1日 第2巻 第3号(通巻第15号)吉本さんの撮影した写真が添えられている。なお、『FROG Film ROund Gaze tte』1990年2月1日 第2巻第2号(通巻第14号)に、「魔術師のうしろから」と題された吉本さ んの文章があり、やはり吉本さんの撮影した写真が添えられている。これは、単行本には収録された ことがない。) ●表現機械としてのワープロ(原題「ワープロとワタシ」『Bug News』1986年9月号) ●衝撃の映像(原題「真夏の挿話」もしくは「テレビ映像の衝撃」『熊本日日新聞』平成3年8月20 日付け『ニッポンの現在』連載第13回) ●芸能人(原題「芸能人の話」もしくは「自己肯定の演技のずれ」『熊本日日新聞』平成3年6月20日 付け『ニッポンの現在』連載第11回) ●「二十世紀末の日本文化を考える」(『代理店通信』1991年2〜3月号) ●老人の意識調査(原題「老齢ということ」もしくは「芯を細くしてゆく難しさ」『熊本日日新聞』平成 3年9月19日付け『ニッポンの現在』連載第14回) ●健康への関心(原題「健康に関心をもったきっかけ」もしくは「健康について」『労働衛生』1991 年4月号) ●入歯の不安(原題「歯について」『Dental Diamond』1986年12月号) ●ラフカディオ・ハーンとマルチニーク島(原題「ハーンにかかわる話」もしくは「マルチニーク島の 示唆」『熊本日日新聞』平成3年11月26日付け『ニッポンの現在」連載第16回) ●賢治童話の風土(『うえの』1990年2月号) ●「銀河鉄道の夜」に匿されているもの(原題「「銀河鉄道の夜」の人たち」『ちくま』1989年9月号) ●動機なき親殺し(原題「動機なき犯罪の時代」もしくは「カギは必然の成りゆき」『熊本日日新聞』 平成2年9月13日付け『ニッポンの現在』連載第2回) ●エイズの伝播(原題「エイズと日本人」(『OMNI 日本版オムニ』1987年6月号) ●幸いあれ、父母の郷里熊本(原題「ちいさな熊本論」もしくは「対立未成熟な都市と自然」『熊本日 日新聞』平成3年12月17日付け『ニッポンの現在』連載第17回最終回)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 中田平 著者 石塚雅人 刊行年 1992 標題 世界思想と批評の条件 掲載誌(紙・書)名 FiLo 号 17 録年月日 1991年12月21日 区分 鼎談 注記等 HyperStack Magazine
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 「ドゥ マゴ文学賞」授賞式選考理由報告 掲載誌(紙・書)名 週刊読書人 出版地 東京 掲載頁 8 収録年月日 1953 区分 選考理由報告 キーワード ノンフィクション 見出し・語録 「三田さんの作品はたくさんの鶴岡政男についての芸術批評や著作にあ たって、伝記的な事実をあたうかぎり正確に取り入れている。事実の微妙な点はいち いち関係者にインタビューをし、談話で正確なニュアンスを再現している。私たちは 誰も生活人として近親とか知り合いとか、他人の心、気持ちを傷つけたり、逆に惜し みなく自分の心を浪費したりして生活している。それが生活になり、芸術になり表現 になったりしている。三田さんのこの作品はほとんど限界すれすれまで触手をのばし て、鶴岡政男に触れた著作、思想家たちについて、公平かつ厳正、一片の悪意も批判 も加えずに画家・鶴岡政男の人柄、生活を描きだしており、ノンフィクションの描き 方としては最良のものだと思う。最後にもう一つ受賞理由は、ノンフィクションの作 品は本当はノンフィクションというフィクションなんだ、つまり文学作品だというこ とができる。画家の鶴岡政男さんは戦後の日本の絵画を代表する数人のうちの一人 で、同時に生活人としてユーモアとか、広い旺盛な好奇心とかを存分に発揮した破格 な性格者、生活者で、三田さんはそれを精密に再現して読むものに解放感を与えてく れる。昨年の八月から今年の七月までの私の選考委員としての担当期間に公刊された 小説・評論・戯曲・詩歌の目ぼしいものを目についたかぎり片端から読んで対象を絞 り上げた結果、それらはいずれもこじんまりと纏まっている印象が強く、それに比べ て三田さんの作品は解放感と力に溢れていた。」 注記等 第二回Bunkamuraドゥ マゴ文学賞の授賞式(九月二十二日)における、当 年度の選考委員としての報告(受賞作=三田英彬著『芸術とは無慚なもの―評伝・鶴 岡政男』山手書房新社刊)
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 甦えるヴェイユ 出版社 JICC出版局 出版地 東京 区分 思想家論 キーワード シモーヌ・ヴェイユ/思想 見出し・語録 I初期ヴェイユ/1ドイツの光景/2ドイツの三つの党派/3社会国家主義と国家社会 主義/ II革命と戦争について/ III工場体験論/IV痛みの神学・心理・病理/V労働・死・神/VI最後のヴェイユ/あ とがき 注記等 「この本のもとになったのは大和書房版の『全集撰』の月報のかたちで書きつ いだシモーヌ・ヴェイユについての覚書だった。それに空白な時期について新しい補 稿をつけくわえた。それと一緒に覚書ふうの文体を全体に批評の文体らしく改訂した。 ただどうしても覚書の特色がすて難くおもえたところは、そのままに保存している。 ヴェイユは生きた同時代のいちばん硬度のおおきい壁にいつも挑みかかり、ごまかし や回避を忌みきらったため、壁にそって必然の曲率でねじまげられた。だがこの曲率 は比類のない正確な歴史曲線をかたちづくっている。こういう断定をゆるすような決 着は、もちろんここ数年の世界史のうごきのあとはじめてはっきりしたといってよい。 わたしは初期ヴェイユのかんがえを説明しながら、できるだけわからないようにじぶ んのかんがえをブレンドするように試みた。これが『甦えるヴェイユ』という総題に した理由のひとつだといえる。」―あとがきより
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 吉本隆明歳時記[廣済堂文庫版] 掲載誌(紙・書)名 廣済堂文庫 出版社 廣済堂 出版地 東京 区分 作家論 キーワード 季節/個性/自然詩人 見出し・語録 春の章=中原中也、梶井基次郎/夏の章=堀辰雄、立原道造、嘉村磯多 /秋の章=葛西善蔵、正宗白鳥、牧野信一/冬の章=宮沢賢治、長塚節、諸詩人/春 の章=諸歌人/終の章=季節について/文庫版のためのあとがき/解説=大西巨人 注記等 単行本 昭和53年10月 日本エディタースクール出版部刊
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 イメージ論1992:(三)マス・カルチャーからの認識 掲載誌(紙・書)名 新潮 巻 89 号 11 掲載頁 358-366 区分 イメージ論 キーワード マス・カルチャー 見出し・語録 「ここでも小さな眼にみえない齟齬がふたりのあいだに挿まっている。 この齟齬はマスの人びとのあいだに現在ひろがっている空間のちがいとでも呼んだ方 がいいものだ。夫の会社人間が住んでいる空間では、妻が失踪しても近親が死亡して も、たった二、三日じぶんとおなじ空間を探したり、おなじ空間に穴をあけたりした あと、塞いでしまわなくてはならない。またそれ以外の空間があるかどうかを確かめ るゆとりも心ばえもない。またじぶんとちがう空間に身近なものが住んでいることな ど想像することもできない。」 注記等 新井満『尋ね人の時間』伊集院静『受け月』新井素子『おしまいの日』
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 吉本隆明初期詩集 叢書名 講談社文芸文庫 出版社 講談社 出版地 東京 区分 詩集 キーワード 初期詩篇 見出し・語録 初期43篇/固有時との対話/転位のための十篇/解説=吉本隆明/作 家案内=川上春雄/著者目録=月村敏行 注記等 「詩は近代詩から現代詩への経路をかんがえると、長い年月のあいだ詩の表現 をつづけることは、すべての現実にたいする不適性と不利得と自己破滅へと書くもの を追いこんでゆくようにつくられてきた。またそうでない詩法は興味をひかないし、 ほとんどすべての詩は中途の妥協から成りたっているとおもえる。わたしが何をかん がえ何を言いたいのかは、はっきりしている。詩はたぶん間違った表現なのだという ことだ。いいかえれば詩は詩を書くものの生の表現と無関係でもなければ関係でもな い仕方で書かれてきている。生の多角性と無関係であり同時に全き関係であるような 詩は可能か。この課題をまえにして『転位のための十篇』はおわっている。」
刊行形態 Unknown 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 夏目漱石;坊っちゃん・虞美人草・三四郎 収録年月日 1992.10.11 区分 講演 キーワード 夏目漱石/坊っちゃん/虞美人草/三四郎 注記等 未見、新宿・紀伊国屋ホールにおける第59回紀伊国屋セミナーでの講演
刊行形態 Unknown 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 都市美の伝統と現在 収録年月日 1992.5.18 区分 講演 キーワード 都市/美/現在 注記等 未見、京都駅八条口アバンティ・ホール
刊行形態 Unknown 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 鈴木大拙について 収録年月日 1992.7.10 区分 講演 キーワード 鈴木大拙 注記等 未見、大谷大学
刊行形態 Unknown 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 宮沢賢治:夏の文学教室;昭和の文学・作家と作品 収録年月日 1992.7.29 区分 講演 キーワード 宮沢賢治 注記等 未見、有楽町よみうりホール 日本近代文学館主催(1990、91年はともに「夏目漱石」についての講演だった)
刊行形態 Unknown 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 芥川における反復概念 収録年月日 1992.4.16 区分 講演 キーワード 芥川龍之介 注記等 未見、神奈川近代文学館は4月4日から5月10日まで、「生誕一〇〇年 芥 川龍之介展」を開く。その記念講演の一つ。
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 テレビ的事件(1)―『原理講論』の世界:消費のなかの芸(11) 掲載誌(紙・書)名 Cut 巻 21 号 17 掲載頁 116-117 区分 時評 キーワード テレビ/TV/世界基督教統一心霊教会/原理運動/統一教会 見出し・語録 「人間はどんな賢くもなれるかわりに、どんな愚かにもなれる魂をもっ た存在だといえる。賢さも愚かさも出現の度合や品質として同一なもので、賢い人は 愚かでないと思わないほうがいいし、愚かな人は賢くないと決めないほうが、さしあ たり人間へのいい洞察といえる。」
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 三木成夫について:解説 掲載誌(紙・書)名 海・呼吸・古代形象 出版社 うぶすな出版 出版地 東京 掲載頁 227-234 区分 解説 キーワード 三木成夫/胎児/悪阻/水棲段階↓陸棲段階/対幻想/植物/動物/人間 /初期論的な方法/初期条件/生成変化/器官/転換/呼吸/運動/連続性/生命体 の発生/人間(ヒト)への進化の過程/内臓/神経/筋肉/環境/宇宙/リズム/自 然/ナチュラリズム(自然主義)/〈こころ〉 見出し・語録 「この著者は内臓の発生と機能と動きを腸管系の植物神経に、感覚の作 用を体壁系の動物神経に、はっきりと分けてむすびつけていた。そして肺の呼吸作用 が体壁系の筋肉や神経作用にむすびついている側面をもつこと、また腸管系の入口で ある口腔と出口である肛門の両端は、体壁系の感覚にむすびついていて脳の働きに依 存しているが、その両端を除くと脳とのむすびつきはぼやけてしまい、ただ肉体の奥 のほうで厚ぼったく、ずしりとした無明の情感や情念のうごきにかかわっている。」 「〈こころ〉とわたしたちが呼んでいるものは内臓のうごきとむすびついたあるひと つの表出だ。また知覚と呼んでいるものは感覚器官や、体壁系の筋肉や、神経のうご きと、脳の回路にむすびついた表出とみなせばよい。わたしはこの著者からその示唆 をうけとったとき、いままで文字以後の表出理論として展開してきたじぶんの言語の 理念が、言語以前の音声や音声以前の身体的な動きのところまで、拡張できる見とお しが得られた。もちろん内臓系の〈こころ〉のうごきはわたしの定義している自己表 出の根源であり、体壁系の感覚器官のはたらきは指示表出の根源をつくっている。」
刊行形態 Unknown 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 総論・柳田民俗学:播磨学特別講座「30年の光彩」 収録年月日 1992.9.19 区分 講演 キーワード 柳田国男/民俗学 注記等 未見、「学芸=関西短信」柳田国男しのぶ特別講座 92.07.02共同   民俗学者柳田国男(1875―1962)の没後30年をしの び、播磨学特別講座 「30年の光彩」(姫路市など主催)が、姫路 文学館などを会場に八月から八回開か れ、受講者を募集している。 講座の内容は次の通り。8月8日=作家井出孫六「柳田 国男の青春時代」▽22日=文芸評論家宮崎修二朗「ふるさと辻川からの証言」▽9 月5日=東北学院大教授岩本由輝「論争する柳田国男」▽19日=文芸評論家吉本 隆 明「総論・柳田民俗学」▽26日=駒沢大名誉教授桜井徳太郎「提言・これからの民 俗学」▽10月17日=筑波大名誉教授直江広治「柳田先生の思い出」▽31日=民 俗学者谷川健一「柳田国男と沖縄」▽11月14日=明治大教授後藤総一郎「柳田再 評・30 年の歴史像」受講料4千円。申込金千円。受講希望者は姫路独協大・明日の 播磨を創る会=電話0792(88)5150まで。7月25日締め切り。
                            刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 猫の話 そのほかの話:連載インタビュー6/7 掲載誌(紙・書)名 ミッドナイト・プレスNo.11/12 出版地 和光市 掲載頁 8-11/15-17 収録年月日 1992.5.31 区分 インタビュー キーワード 猫 注記等 「この連載「猫の話 そのほかの話」は、吉本隆明氏に'87年4月2日より不定 期的にインタビューを継続しているものの記録である。」注記
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 定義論(下):ハイ・イメージ論(3) 掲載誌(紙・書)名 リテレール 号 3 掲載頁 230-238 キーワード 経済/高次産業化/徴候/段階/景気
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 読書とは書物からの知識を得ることより一種の精神病理 掲載誌(紙・書)名 リテレール 号 3 掲載頁 50-53 区分 読書論 キーワード 本/読書/書物/知識
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 バタイユの「悪」について:《解説》 掲載誌(紙・書)名 文学と悪 出版社 筑摩書房 出版地 東京 掲載頁 273-281 区分 解説 キーワード ジョルジュ・バタイユ/悪/文学/性欲/善/自由/解放/通俗化 見出し・語録 「あとから眺めればバタイユの理念の通路は不健全だとか、悪魔的であ るとか、さまざまに言いならわすことができよう。わたしも便宜上そんな言葉を使っ てきた。でもギルティなしにこういう言い方はできないはずだ。わたしたちは世界史 がつい先程まで「善」の通俗化としての残忍な悪と「悪」の通俗化としての残忍な善 にとりかこまれていたのだということを忘れるべきではない。それがバタイユの全貌 性を迎えいれるための必須の前提のようにおもえる。」
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 『国境の南、太陽の西』の眺め:消費の中の芸(12) 掲載誌(紙・書)名 Cut 号 19 掲載頁 116-117 区分 書評 キーワード 村上春樹/『国境の南、太陽の西』
刊行形態 Journal Article 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 心的現象論―了解論― 掲載誌(紙・書)名 試行 号 71 掲載頁 168-179 キーワード 心的現象/了解 見出し・語録 105原了解以前(11)
刊行形態 Journal Article 著者 Yoshimoto, Takaaki 刊行年 1992 標題 Aisian thought and Ryokan (1) 掲載誌(紙・書)名 Iichiko international 号 4 掲載頁 6-29 区分 思想家論 キーワード 良寛/アジア的 見出し・語録 Ryokan's Life as a Recluse/Nature's Self-Differentiation/The Unique Aspects of Ryokan's Natural Landscape/Life in Nature/To What Extent Is Life Part of Nature?/To What Extent Dose Life Become One with Nature?/To What Extent Does Life Represent a Denial of Life? 注記等 The original Japanese Text of this article was published in Ryokan (Shunjusha, 1992), p.23-32 and p.89-116. The second part of the article will appear in iichiko international No. 5 (June, 1993)
刊行形態 Unknown 著者 吉本隆明 刊行年 1992 標題 「月島誕生一00年記念」講演 収録年月日 1992.10.31 区分 講演 キーワード 月島 注記等 未見、主催月島図書館。

「吉本隆明1992年著作リスト」/kyoshi@tym.fitweb.or.jp/2001.08.10 改訂:2013.02.12