吉本隆明2012年著[遺]作リスト


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刊行形態 Magazine Article
著者 吉本隆明
刊行年月 1201
標題 「吉本隆明」2時間インタビュー「反原発」で猿になる!
掲載誌(紙・書)名 週刊新潮 
巻 57
号 1
掲載頁 3
掲載年月日 2011.12.27
区分 インタビュー
キーワード 福島第一原発事故/反核・反原発/技術論/文明論/原子力/小林秀雄/元個人
見出し・語録
押し戻すことはできない/「戦後」に似ている
「正直言って原発をどうするか、ちゃんとした議論ができるにはまだ時間がかかるでしょう。原発を改良
するとか防御策を完璧にするというのは技術の問題ですが、人間の恐怖心がそれを阻んでいるからです。
反対に、経済的な利益から原発を推進したいという考えにも私は与しない。原発の存否を決めるのは、
「恐怖心」や「利益」より、技術論と文明論にかかっていると考えるからです」
「僕はこういう立場ですから、保守的な人からも、進歩的な人からも、両方から同じように攻撃されて、
言ってみれば“立つ瀬がない”という状況でした。批判はしょっちゅうです。それも、ちゃんと名を名乗
ったり、政党や党派を明らかにしての批判ならまだ反発のしようもあるけど、覆面を被ったままでやっつ
けにくる。特に今みたいな状況の中では誤解のないように言うのは中々難しいんです。
 しかし、それでも考えを変えなかったのは、いつも「元個人[げんこじん]」に立ち返って考えていた
からです。
 元個人とは私なりの言い方なんですが、個人の生き方の本質、本性という意味。社会的にどうとか政治
的な立場など一切関係ない。生まれ育ちの全部から得た自分の総合的な考え方を、自分にとって本当だと
する以外にない。そう思ったとき反原発は間違いだと気がついた。
 「世間で通用している考えがやっぱり正しいんじゃないか」
 という動揺を防ぐには、元個人に立ち返って考えてみることです。そして、そこに行きつくまでは、僕
は、力の限り、能力の限り、自分の考えはこうだということを書くし、述べるだろうと思うんです。」
注記等 「批判を受けるのは承知の上」と吉本氏/写真一葉

刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 1201 標題 近代の第一級詩人――詩人・評論家、吉本隆明さん 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞[東京夕刊] 出版地 東京 掲載頁 http://mainichi.jp/enta/art/news/20120105dde018040054000c.html 掲載年月日 2012.1.5 区分 談話 キーワード 石川啄木 見出し・語録  やさしい言葉で、生活の中の隠れた心理や思想を的確に摘出したことが、今も啄木の人気が衰えない理 由ではないでしょうか。センチメンタルなところや幼い誇張もあって、軽んじる人もいますが、よく読む と、黙っていれば隠されてしまう人間の心理や生活の苦しみを、相当深いところまで露(あら)わにして、 歌の中に明瞭に表現しています。これは並の才能でできることではありません。  <友がみなわれよりえらく見ゆる日よ/花を買ひ来て/妻としたしむ>  <こころよく/人を讃(ほ)めてみたくなりにけり/利己の心に倦(う)めるさびしさ>(いずれも 『一握の砂』)  こうした生活の中の細々した感情や社会の見方を歌った作品は、ほとんどが一級品です。歌人の中には 異論もあるでしょうが、「詩人」という概念を包括的な意味で用いるなら、間違いなく第一級の詩人とい えます。  彼の歌は侮られるほど単調でもなければ幼稚でもありません。やさしい、簡単な言葉と思える中に、生 活の肝心な部分、生きていく意味の重要なところが、ポエジーとしてみれば完全に表現できています。高 く評価されて当然でしょう。  これだけの表現ができる詩人はそんなに多くはいません。日本の近代の詩人では、高村光太郎や萩原朔 太郎、斎藤茂吉らと並んで5本の指に入る一人だと思います。  これまで啄木は、思想的な傾向性によって通俗的に評価されることも多かったのですが、それもまた表 層しか見ていないことになります。傾向性を排除し、作品そのものを生のまま取り出せば、いかに瞬間的 に深く、詩としての洞察が表現されているか、分かるはずです。詩人としての力量や芸術性だけで見ても 近代の大詩人の一人という評価は揺るぎないものですし、もうそろそろ、そういう実質的な評価が可能な 時期にきているのではないでしょうか。(談) 注記等 記事見出し:啄木没後100年:東北の詩魂と反問/下:対談・山折哲雄×三枝昂之 時代閉塞に抱 いた危機感 【構成・大井浩一、写真・森園道子】
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年 1201 標題 吉本隆明が語る親鸞 出版社 東京糸井重里事務所 出版地 東京 区分 講演 キーワード 親鸞 見出し・語録 プロローグ 対談 吉本隆明×糸井重里 2011年7月29日 吉本隆明宅にて 1現代に生きる親鸞[DVD-ROM収録音源75分:1993.05.03「現在の親鸞(原題・現代に生きる 親鸞)」藤谷山瀧上寺継職法要(奈良県吉野)] 親鸞にまつわる、重要な問題/阿弥陀如来の光に包まれる状態/念仏は、たくさん称えたほうがい い?/浄土はどこにある?/親鸞は、「人間」をどう捉えているか/浄土は「死後の世界」ではな い/「現実」を、どう見ていけばいいのか/親鸞は、医者兼患者だった/「慈悲」に対する親鸞の 考え方/「悪」を、どう理解すればいいのか/誰にでも「悪」はあり得る/親鸞の「究極の言葉」 /親鸞が偉大である所以/ぼくが敗戦後に考えたこと/親鸞が現代に「生きている」理由 コラム(1)親鸞が生きた現代、それは“戦後”だった 2親鸞の声について[DVD-ROM収録音源68分:1984.06.17「親鸞の声―自然論(原題・親鸞の声につい て)」武蔵野女子学院] 「人間の声」と「自然の声」――東洋の思想の眼目/「自然の声」を聞くのをやめた親鸞/信仰と 善悪は、どうつながっているのか/どうしたら、心の底から信じるという状態になれる?/『歎異 抄』に残された親鸞の声/善いことをしている時は、悪いことをしていると思ったほうがいい/浄 土にいきたいと、ちっとも思えない/一回りした挙げ句に出てくる、平凡な答え/善悪は、一重底 にはできていない/身辺に迫ってくる、善悪の息苦しさ/浄土の規模で善悪を考える/〈自然法爾〉 ということの意味/親鸞が最後に発した、声にならない声 コラム(2)仏教のはるかな旅 3親鸞の転換[DVD-ROM収録音源111分:1983.08.21「親鸞論―変容論」出水市・西照寺] 親鸞に訪れた3つの転機/修行はしなくていい、お経も大したことない/三願転入の意味/念仏と は何か――貞慶の批判/念仏は、口先だけで称えればいい/なぜ、第十八願はすぐれているのか― 法然の差別論/法然・親鸞とほかのお坊さんは何が違うのか/人間は「煩悩具足の凡夫」である― 親鸞の考え方/法然と親鸞の違い/第十八願の志向性/世界的大思想家・親鸞/なぜ、第十八願を 信じられるのか/〈自然法爾〉のむずかしさ/親鸞は、ふつうの人のように生涯を送った/逆説的 な言い方でしか伝えられないことが込められた『歎異抄』/浄土へゆくことが、どうして切実だっ たのか/どうしたら苦を断ち切れるのか――仏教の成立 コラム(3)当時の関東の地形から読み解く、親鸞の風景 4親鸞から見た未来[DVD-ROM収録音源69分:1988.10.13(本誌初出)大谷大学] 現在ということの特徴/慈悲には、ふたつの種類がある/〈緊急の課題〉と〈永遠の課題〉は、二 者択一ではない/親鸞の浄土とは何か/親鸞の浄土についての考えを、現在に応用する/〈緊急の 課題〉を〈往相〉、〈永遠の課題〉を〈還相〉と考えてみる/中流社会にも〈永遠の課題〉がある /高齢化社会の〈緊急の課題〉は何?/死を超えるという〈永遠の課題〉/死に至までの家庭生活 を、どう考えればいい?/精神的課題としての死を超えるということ/死のほうから現在を見る/ 最後に、〈身体の偶然〉が残る コラム(4)親鸞は“聖”だった? 5未来に生きる親鸞[DVD-ROM収録音源97分:1989.06.07「解体論(原題・未来に生きる親鸞)」東京 文京区青年サミット] 親鸞の核心について/理念としての親鸞/思想としての親鸞/親鸞は、〈死〉をどう捉えたのか/ 生と死の「中間」、それが浄土/親鸞の最後の思想=〈自然法爾〉/構築と解体――浄土思想は、 怖い思想/悪いことをしたって、少しもかまわない?/「悪人正機」に対する、見解の相違/〈因 縁〉ではなく〈契機〉、そこに親鸞の思想は生きている/未来の親鸞/〈死〉と〈あの世〉/宮沢 賢治と〈死〉について コラム(5)和讃は、日本のブルース? 注記等 ほぼ日ストア特典DVD:吉本家の居間から 吉本隆明+糸井重里 ISBN978-4-902516-66-1
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1201 標題 国男と花袋/世界観権力の終焉と言語 叢書名 吉本隆明資料集 112 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 見出し・語録 国男と花袋・世界観権力の終焉と言語 『智恵子抄』の愛の真実(対談) 辻井喬・吉本隆明(『鳩よ!』1991年10月号) 超モダンな先駆的恋愛/文学史上から見て特異な恋愛詩集/智恵子より光太郎のほうが幸せだった 中島みゆきという意味(『鳩よ!』1991年11月号) 安原顕著『「編集者」の仕事』を読んで(『週刊読書人』1991年11月25日号) 資質をめぐる漱石(1)――『こころ』――[日本近代文学館主催・1991年7月30日読売ホールで の講演](『ちくま』1992年1月号) 資質をめぐる漱石(2)――『道草』――[日本近代文学館主催・1991年7月30日読売ホールでの 講演](『ちくま』1992年3月号) 資質をめぐる漱石(3)――『明暗』――[日本近代文学館主催・1991年7月30日読売ホールでの 講演](『ちくま』1992年5月号) 国男と花袋[「常民大学主催・第8回常民大学合同研究会1990年9月8日群馬県邑楽町での講演] (『国文学』1992年2月号) 世界観権力の終焉と言語――湾岸戦争、ソ連東欧問題、共同倫理 瀬尾育生・吉本隆明(『現代詩 手帖』1992年3月号) 湾岸戦争をめぐって/憲法九条と「文学者」の反戦生命について/ソ連・東欧問題をめぐって/全 体観に動かされることについて/正義・スターリニズム・ポスとモダン/マルクス主義と構造主義 /普遍言語・普遍喩について/宮沢賢治の言語観・詩観/言葉の問題と精神の問題[1992・1・ 30] 現代社会と青年(『会報』[千葉県立佐倉高等学校PTA公報委員会]第38号1992年3月9日発行) 現在ということ/思春期の病像/登校拒否・校内暴力・いじめ/家庭内暴力 戸塚ヨットスクールの 論理/乳胎児期の問題/母乳栄養度/生きるということの眼目[1991年11月16日] 隅田川昨今(『THE 隅田川』1992年4月29日刊所収) 都市美の伝統と現在(「第2回ノスタルジックジャパン・フォーラム」1992年5月28日開催ちらし) 「ずれ」を生きる良寛(『ON THE WAY』1992年8月号) 僧/書/負/骨/苦 フォレスト・カーター『リトル・トリー』(『リトル・トリー』1992年10月31日第8刷帯文) 岸上大作宛書簡[1960年11月6日消印](『歌人 岸上大作』展図録1999年10月8日発行) 編集ノート 注記 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1202 標題 芸術的抵抗と挫折 叢書名 こぶし文庫―戦後日本思想の原点―52 出版社 こぶし書房 出版地 東京 区分 文学論 キーワード 見出し・語録 I マチウ書試論 芥川竜之介の死 II 「民主主義文学」批判 「戦旗」派の理論的動向 芸術的抵抗と挫折 転向論 III 戦後文学は何処へ行ったか 芸術運動とは何か 文学の上部構造性 IV 他人の著書から  奥野健男『太宰治論』  服部達『われらにとって美は存在するか』  平野謙『政治と文学の間』  野間宏『地の翼』上巻  埴谷雄高『鞭と独楽』『濠渠と風車』  堀田善衛『記念碑』『奇妙な青春』批判 情勢論 あとがき 解説 松本昌次 吉本隆明略年譜 主要著作一覧(初版の主なものに限った) 注・索引(編集部作成) 注記 巻頭写真:「和子夫人と(1957年)」[集合写真](御徒町の家で、1962年)「書斎で、うたた寝 する著者」 「本書の復刊にあたって「自著解説」を執筆していただくために吉本宅を訪問し、氏にインタビューをした ▼「マルクス主義といわれるものは、独学するしかかない」と、独学者の三浦つとむ氏と黒田寛一氏につい て敬愛をこめて弁じ立てた▼眼が不自由とはいえ、年を感じさせない氏の熱を込めた語りに引き込まれた▼ だが、本書についての話をあまり聞けず「解説」は断念▼この面白い話は、何らかの形で披露したいと考え ています。(M)」(『場』No.41吉本隆明著『芸術的抵抗と挫折』特集2012年2月15日刊「編集手帖」) ISBN978-4-87559-260-0
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1203 標題 イメージ論1992〜1993 叢書名 吉本隆明資料集 113 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 イメージ論 キーワード 見出し・語録 イメージ論1992〜1993 イメージ論1992:現在への追憶――荻野アンナ、小川洋子、村上春樹を現代社会の中に位置づけると―― (『新潮』年4月増刊「最新日本語読本」) イメージ論1992 1:反現代の根拠(『新潮』1992年6月号) イメージ論1992 2:物語のゆらぎ(『新潮』1992年8月号) イメージ論1992 3:マス・カルチャーからの認識(『新潮』1992年11月号) イメージ論1993 4:私小説は悪に耐えるか(『新潮』1993年2月号) イメージ論1993 5:輪郭はつくれるのか(『新潮』1993年4月号) イメージ論1993 6:お伽話の距たり(『新潮』1993年6月号) 家族の問題とはどういうことか はじめに I 心の仕組みの図式 II 胎児・乳児のとき、何が起こるか  (1)胎児の主な履歴  (2)胎児から乳児へ(出産)。何が起こるか。  (3)民族的な違いについて III 乳児とはどんなことか 母の物語 IV 自殺・登校拒否  (1)自殺  (2)登校拒否 《質疑応答》 (東京メンタルヘルスアカデミー主催1991年2月17日六本木・交通安全センター 吉本隆明講演録『家族 の問題とはどういうことか』1992年8月25日発行) 編集ノート 注記 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 石川九楊 刊行年月 1203 標題 書 文字 アジア 出版社 筑摩書房 出版地 東京 区分 対談 キーワード 書/書字/文字/言葉/アジア的 見出し・語録 第1章 書の美はどこからくるのか はじめに/『筆触の構造』を読んで/文字について/自然性ということ/技術論としての書論/筆 触とは何か/文学理論におけるイメージ/言語以前の言語/良寛の書について/岡本かの子の書に ついて/三島由紀夫の書について/書は第二芸術か/内蔵の言葉と感覚の言葉/自然観と言語/無 意識と言語/日本人の書字法/中国の自然観と日本の自然観/高村光太郎の書について/書と詩型 について 第2章 アジア的段階以前をどうとらえるのか ソシュールの文字論/インド・ヨーロッパ語圏の発想 漢字文化圏の発想/日本の基層としてのア ジア的以前/井上有一の書について1/禅僧の書/井上有一の書について2/宮沢賢治「雨ニモマ ケズ」/井上有一の書「雨ニモマケズ」/「歎異抄」連作の試み/副島種臣の書/書の現在と可能 性 第3章 日本的なるものをどこで見るのか 再び文字をめぐって/話す言葉と書く言葉/言葉の成立――その必然性と偶然性/言葉と行為の価 値/俊成と定家の世界/書という出来事/再び副島種臣の書について/碧梧桐、鉄斎、梧竹の書に ついて/日本的なものをどこで見るのか/書の未来 付録 関連資料 石川九楊論  吉本隆明  石川九楊著『日本書史』を読む 吉本隆明 『言語にとって美とは何か』―二十一世紀へ残す本残る本  石川九楊 吉本さんからの宿題  石川九楊 編集後記  編集部 引用図版・参照文献一覧 注記 本書は、1992年2月から7月にかけて行われた吉本隆明氏と石川九楊氏の全三回にわたる対 談を収録したものである。[編集後記] ISBN978-4-480-81387-9
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 1203 標題 固有値としての自分のために 第2回 掲載誌(紙・書)名 Kototoi 号 2 掲載頁 22-41 掲載年月日 2012.3.31 区分 インタビュー キーワード 宮沢賢治/詩歌/詩作 見出し・語録 「歌い方」の問題/宮沢賢治の詩の秘密/固有の世界はどうつくられるか/古典時代と現代の違い/大変な 現代をどう過ごすか 注記 [収録日:2011.6.24]
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1203 標題 証言 永瀬清子:第12回朗読会「永瀬清子の詩の世界――私は地球」 掲載誌(紙・書)名 資料集 永瀬清子の詩の世界 出版者 赤磐市教育委員会熊山分室 出版地 赤磐市 掲載頁 12-15 区分 講演 見出し・語録 注記等 *本稿は2008年1月29日、吉本氏自宅にて収録し、第12回朗読会「永瀬清子の詩の世界――私は地球」に て上映した講演を、思潮社編集部が再構成されたものを転載しました。 *吉本隆明氏は、2012年3月16日に逝去なさいました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1204 標題 いま、何を考えるのか 叢書名 吉本隆明資料集 114 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 見出し・語録 芥川における反復概念(神奈川県近代文学館主催「生誕100年芥川龍之介記念講演会」1992年4月 16日/『愛する作家たち』1994年2月25日刊 所収) 成熟を阻むもの――連続幼女殺人事件と女子高生コンクリート詰め殺人事件を考える――町沢静夫・ 吉本隆明(『成熟できない若者たち』1992年5月15日刊 所収) 「生きる意味がない」と訴えるボーダーラインの患者/乳・胎児期と母親の「死の物語」/死を覚悟 した犯罪/冷淡な母子関係/思春期の教育と落ちこぼれ/とりあえずの解決策/消費社会は衝動的人 間を生む/ポスト消費社会の経済的イメージ/心的領域の新たな課題/マルクスと現代/加速された 社会の時間と生理的時間のギャップ/閉じこもる青年と情報/若者たちの成熟拒否/乾いた感性への 傾斜/自分をまっとうすることのきつさ/対人関係生涯と「軒遊び」の消失/コントローラーとして の文学/殺害から先の行為のわからなさ/ポスト消費時代の精神への糸口(1990年3月19日) 像としての都市――四つの都市のイメージをめぐって(NKK都市総合研究所主催・アーバンコンファ レンス21 1992年1月21日 講演/『感性都市への予感』1992年6月8日刊 所収) 「消費社会」における都市論/四つの都市イメージ/「平均人」を視野においた結果を/イメージと 現実の溶け合い空間/都市イメージのクレオール化 長谷川慶太郎/鷲田小彌太著『21世紀の世界を探る マルクス主義を越えて』(『週刊読書人』19 92年6月) バタイユの悪について(ジョルジュ・バタイユ『文学と悪』1992年6月30日刊 解説) 前登志夫の呪術性と野性(『短歌』1992年7月号) いま、何を考えるのか? 糸井重里・吉本隆明(『広告批評』1992年7/8月号) バブルの崩壊とCMの関係について/「管理野球」型広告の面白さと危うさ/広告は贈与だと考えよう /広告は現実に一歩遅れてついていく/「昼間のパパ」が語っているもの/自前の言葉を正確に使い たい(4月30日広告学校講義より) 文学論――文学はいま(1987年9月12日「いま、吉本隆明25時」での講演/『いま、吉本隆明25 時』1988年2月25日刊 所収) 村上龍『愛と幻想のファシズム』/山田詠美「MAMA USED TO SAY」/村田喜代子『鍋の中』 過渡期を読む:大国の生活(下)(『山梨日日新聞』1992年7月10日) 新しい事態/住宅と農業/不平と圧迫感(細田正和) 家族はどこへ行くのか?(『SPA!』1992年7月22日号) 西欧に追従するけどその先は大疑問符/家庭内暴力は日本が生んだ特産物 編集ノート 注記 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1204 標題 東京にいると、暗いんです 掲載誌(紙・書)名 震災後の言葉:8・15からのまなざし 編集 宮川匡司 出版社 日本経済新聞社 出版地 東京 掲載頁 7-39 区分 インタビュー キーワード 見出し・語録 人々が縮まってじっとしているような静かさ/二年か三年は這い上がれないのではないか/もはや規模の追求 では経済は復活しない/危険を覚悟の上で防御装置を発達させていかねば/いまこそ鴎外と漱石を読むべき/ 「小さな満足感」が救いになる 注記等 聞き手・宮川匡司 2011年6月17日
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 著者 前川藤一 著者 菅原則生 刊行年月 1204 標題 『横超』を飲みながら<横超>を考える 出版社 チヨダ・サケ・デザインニング前川事務所 出版地 東京 形式 DVD[2枚組] 区分 座談会 キーワード 見出し・語録 吉本隆明さんを囲んで[(1)〜(3)] *文字起こしされた歓談内容を菅原氏のブログに掲載[2013.2.19] (1)http://blog.livedoor.jp/sgwrnro/archives/24703611.html (2)http://blog.livedoor.jp/sgwrnro/archives/24704107.html (3)http://blog.livedoor.jp/sgwrnro/archives/24704147.html 注記等 レーベルに印刷されている内容[三月書房ML:<吉本隆明>本 新刊のお知らせ 2012/02/27] 菅原則生、前川藤一氏/撮影・倉持承功(写真家)/プロデュース・野村昌子(チヨダ・サケ・デザイン ニング前川事務所 共同代表)/収録・平成22年12月21日/非売品 オリジナル盤/吉本氏のスナッ プ写真(NO.1とNO.2のそれぞれに各1枚)
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1205 標題 ハイ・イメージ論(『母型論』)9 叢書名 吉本隆明資料集 115 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 見出し・語録 ハイ・イメージ論9 ハイ・イメージ論1(通算69回)贈与論(『リテレール』第1号19926月) ハイ・イメージ論2(通算70回)定義論(上)(『リテレール』第2号1992年9月) ハイ・イメージ論3(通算71回)定義論(下)(『リテレール』第3号1992年12月) ハイ・イメージ論4(通算72回)起源論(『リテレール』第5号1993年6月) わが月島(1992年10月31日「月島誕生百年記念講演」主催・月島図書館、同所において。『吉本隆明全講演 ライブ集』ビデオ版第2巻2004年8月15日刊) 一発生の順序と根拠 i 埋立の順序 二初期月島とはなにか i 石川島造船所を発生地とする大小工場のネットワーク地帯 ii 東京の植民地的な工業地帯として発展した新開地 iii 貧困な母子地域 三現在の月島プラン i 東京フロンティア計画(都)とその批判 ii 「南関東大都市地域整備計画」(国土庁) コメント 鴎外と東京(1992年11月8日、於文京区鴎外記念本郷図書館。『吉本隆明全講演ライブ集』第10巻2005年 9月15日刊所収) 「鴎外漁史とは誰ぞ」――文学者か軍医か 『雁』『青年』――谷中ナショナリズムと傾斜 「大発見」「藤鞆絵」にみる鴎外の意地 衛生学から――都市計画・上下水道 衛生学から――街路樹・兵食・公娼 編集ノート 注記等 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1205 標題 国語 掲載誌(紙・書)名 いまを生きるための教室:美への渇き 叢書名 角川文庫:あ102-2 出版社 角川書店 出版地 東京 掲載頁 13-21 区分 教科書 見出し・語録 『旅上』萩原朔太郎/『母』宮沢賢治/『はるかぜ』中原 中也/『わがひとに与ふる哀歌』伊東静雄 注記等 本書は2000年6月、四谷ラウンドより刊行された『中学生の教科書 美への渇き』を再編集の上、 修正し、改題したものです。(巻末注記)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1205 標題 社会 掲載誌(紙・書)名 いまを生きるための教室:美への渇き 叢書名 角川文庫:あ102-2 出版社 角川書店 出版地 東京 掲載頁 181-223 区分 教科書 見出し・語録 一、社会とは何か 二、社会と国家の関わりはどうなっているか 三、今に至る社会と国家の由緒 四、国家の話 五、社会生活 六、給料生活 七、総まとめとして あとがき 注記等 本書は2000年6月、四谷ラウンドより刊行された『中学生の教科書 美への渇き』を再編集の上、 修正し、改題したものです。(巻末注記)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 萩尾望都 刊行年月 1205 標題 自己表現としての少女漫画 掲載誌(紙・書)名 コトバのあなたマンガのわたし:萩尾望都対談集 1980年代編 出版社 河出書房新社 出版地 東京 掲載頁 7-66 区分 対談 見出し・語録 SF映画/自己表現としての少女マンガ/同性愛あるいはエロス的な世界/健康な作品『ケーキ ケーキ  ケーキ』/作家と作品の関係/マンガは現実逃避/時間の使い方/良い子・悪い子・普通の子/少女マ ンガの活性化/世界最後の人間になったら、人に見せられないマンガをかく 注記等 初出:「ユリイカ」1981年7月増刊号 、後に『さまざまな刺戟:吉本隆明対談集』(青土社19 86年刊)および『吉本隆明全対談集第7巻』(青土社1988年刊)に収録。
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 聞き手・大日向公男 刊行年月 1205 標題 〈ロシア学〉の最後の学徒――内村剛介 掲載誌(紙・書)名 文藝別冊・さよなら吉本隆明 叢書名 KAWDE夢ムック 出版社 河出書房新社 出版地 東京 掲載頁 42-50 区分 インタビュー 見出し・語録 注記等 2009年2月 「本稿は「東京新聞」の取材で行ったもの(2009年2月9日夕刊掲載)だが、文脈を変えることなく録音に 基づいて大幅に加筆した。」(編集部)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1205 標題 吉本隆明 未刊行小説 掲載誌(紙・書)名 文藝別冊・さよなら吉本隆明 叢書名 KAWDE夢ムック 出版社 河出書房新社 出版地 東京 掲載頁 82-87 区分 小説 見出し・語録 坂の上、坂の下 ヘンミ・スーパーの挿話 順をぢの第三台場 注記等 「坂の上、坂の下」(「週刊新潮」1999年1月14日号)および「ヘンミ・スーパーの挿話」(「週 刊新潮」2001年9月13日号)ともに『日々を味わう贅沢』(青春出版社、2003年2月刊)に収録。
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1206 標題 漱石的時間の生命力/『遠野物語』と『蒲団』の接点 叢書名 吉本隆明資料集 116 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 見出し・語録 漱石的時間の生命力 古井由吉・吉本隆明(『新潮』1992年9月号) “漱石”というパスポート/『こころ』は漱石の資質の内のドラマ/小林秀雄世代との差異/漱石と藤村に とっての一神教/漱石的時間と現代 選者の弁(『ドゥ マゴ 通信』第12号1992年10月) 比類ない“物語”の力 四方田犬彦・吉本隆明(『新潮』1992年10月号) 神話性の濃度/二つの系譜について/『軽蔑』をどうとらえるか/『破戒』と中上文学/彼は答えを出した のか問いを発したのか/カーストからトーテムへ 青春としての漱石――『坊っちゃん』『虞美人草』『三四郎』(1992年10月11日、東京都新宿区紀伊国屋 ホール・第59回紀伊国屋セミナー・ちくま書店協賛。『吉本隆明全講演ライブ集』第3巻2002年3月25日 発行所収) 一、『坊っちゃん』 日本の悪童物語/漱石の母親像/理想の母親像/『坊っちゃん』と学校/なぜ漱石は松山へ行ったのか/漱 石の親友像/親友像と三角関係小説/漱石のパラノイア体験/広田先生の夢/松山行きの動機/ユーモア小 説の悲劇性/漱石生涯の悲劇性/ 二、『虞美人草』 難解な美文調/字句の難解さ/漱石の教養の孤独さ/講釈師的な地の文/『虞美人草』のシチュエーション /漱石の小説の作り方/『虞美人草』の物語としての筋/『虞美人草』の重要な取りえ/第一級の作家/文 学の初源性/『虞美人草』だけにあるもの 三、『三四郎』 新しいタイプの女性/鴎外の『青年』/見事な心理描写/風俗への鋭敏さ/過去の世界と現在の世界/最後 の青春小説―『三四郎』/『三四郎』以降/日本近代文明の象徴/芥川龍之介の場合/小林秀雄と中原中也 の三角関係/現在、第一級の作品はあるか 『遠野物語』と『蒲団』の接点―柳田国男と田山花袋の文学―(田山花袋記念館5周年記念講座 第3回・ 館林市三の丸芸術ホール『柳田国男と田山花袋』1992年11月13日) 中原中也&長谷川泰子(『CREA』1992年12月号) 架空親子対談「90年代の対幻想」 橋本一子・吉本隆明(『エスクァイア』1992年12月号) その人を決定するのはその人の魂で、(だから)決定するのはその人だ。/オリたがる無意識をかかえなが ら、オリられない男たち。/やさしくて、おおきくて、深くて、やわらかい“お父ちゃん” 橋本一子/橋 本一子さんの音、声、空気。 吉本隆明 清水さんの社会学(『清水幾太郎著作集』月報10[1992年12月]所収) 清岡卓行の大連(『清岡卓行大連小説集 上』月報 1992年12月15日刊所収)     「ドゥ マゴ文学賞」授賞式(『週刊読書人』1992年10月5日号) 編集ノート 注記等 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 茂木健一郎 刊行年月 1206 標題 「すべてを引き受ける」という思想 出版社 光文社 出版地 東京 区分 対談 キーワード 科学/老人/人間/意識/知識/仕事/『芸術言語論』 見出し・語録 まえがき 茂木健一郎 第1章 科学はどこまで思想するか 第2章 老人は「超人間」か 第3章 人間は「限定された類」か 第4章 自己意識を社会化するとはどういうことか 第5章 古典的知識性は淘汰されたか 第6章 吉本流仕事法とは何か 第7章 「つづまりの仕事」へ向かって 吉本さんのこと 茂木健一郎 注記 2006年7月から10月にかけて5回行われた対談を収録。 ISBN978-4-334-97699-6
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 中沢新一 刊行年月 1206 標題 『最後の親鸞』からはじまりの宗教へ 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明の世界:中央公論特別編集 出版社 中央公論新社 出版地 東京 掲載頁 30-43 区分 対談 キーワード 親鸞/宗教/思想/文化 見出し・語録 唯物論と宗教の衰退/浄土教の教えとは何か/浄土教の解体者・親鸞/「アフリカ笛段階」の射程/親鸞教の精 髄/思想文化の底にあるもの/日本文化と「もののあはれ」/芸術、名づけようのないもの 注記等 2007年11月9日(『中央公論』123巻1号2008年1月号)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 中沢新一 刊行年月 1206 標題 〈アジア的なもの〉と民主党政権の現在 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明の世界:中央公論特別編集 出版社 中央公論新社 出版地 東京 掲載頁 44-51 区分 対談 キーワード アジア的/民主党/レーニン/三浦つとむ/中国 見出し・語録 民主党はどこまで行くか/純粋な思想家の持つ危険性/レーニンの「民営化」論/「官」という〈アジア的〉問 題/新興国・中国の「三国志」的な混沌/これから日本が直面するもの 注記等 2010年11月6日(『中央公論』125巻4号2010年4月号)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 見田宗介 刊行年月 1206 標題 世紀末を解く 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明の世界:中央公論特別編集 出版社 中央公論新社 出版地 東京 掲載頁 62-77 区分 対談 キーワード 見出し・語録 新年は新しい世界の再生/自ら作り出す市場システム/京都・香港・シンガポール/市民に幸福と空虚な感覚/ 世紀の空白から未来を測る/超越を超越すること/無意識はどこから来るか/「ほんとうの宗教」という謎/人 間の真ん中にある自然/絶対感情と他者の関係/存在の思想と未来の地平 注記等 (『東京新聞』1997年1月3〜13日)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 田中和生(聞き手) 刊行年月 1206 標題 批評は現在をつらぬけるか:私の文学 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明の世界:中央公論特別編集 叢書名 出版社 中央公論新社 出版地 東京 掲載頁 80-100 区分 インタビュー キーワード 批評 見出し・語録 書き言葉から話し言葉へ/敗戦の日、文学の原風景/文学の基準としての言語論/「言語にとって美とはなにか」 からの展望/理論の頂きから大衆の原像へ/現在の文学の状況について/大衆を繰り込むということ/「マス・イ メージ」と「ハイ・イメージ」の定位/「アフリカ的段階」からの眺望/これから読まれるべき作家 注記等 (『三田文学』81巻70号2002年夏季号)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 大日方公男(聞き手) 刊行年月 1206 標題 天皇制・共産党・戦後民主主義 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明の世界:中央公論特別編集 出版社 中央公論新社 出版地 東京 掲載頁 186-194 区分 インタビュー キーワード 見出し・語録 一九七〇年頃の転換点/戦後民主主義の仮面が剥がれた/得体の知れないエネルギー/戦前・戦中の時代と全共闘 の時代を繋げる/天皇制と共産党の神話を壊す/どんな場合でも心棒は思想/詩的喚起力/大衆文化のあり様から/ 新たな脱出口を探して 注記等 2009年7月31日(『中央公論』124巻10号2009年10月号)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1206 標題 岡本かの子:華麗なる文学世界 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明の世界:中央公論特別編集 出版社 中央公論新社 出版地 東京 掲載頁 196-207 区分 講演 キーワード 岡本かの子 見出し・語録 注記等 1989年3月10日、川崎市市民ミュージアムにおいて「岡本かの子生誕百年」を記念して開かれた講演に加筆 したもの。(『マリ・クレール』8巻8号2009年9月号)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1207 標題 島成郎さんあての私信 掲載誌(紙・書)名 情況:2012 8月・別冊 出版社 情況出版 出版地 東京 掲載頁 61-62 区分 手紙 キーワード 見出し・語録 注記等 1996年8月31日
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1207 標題 家族のゆくえ 叢書名 知恵の森文庫 出版社 光文社 出版地 東京 区分 家族論 見出し・語録 序 章 家族論の場所  「家庭の幸福は諸悪のもと」  〈対幻想〉としての家族  家族の基本的な構図  思い出のなかの家族  「生涯出生率の低下」を読み解く     第1章 母と子の親和力[乳幼児期]  母親のこころが刷り込まれる  漱石、太宰、三島の「こころの傷」  日本的育児の大切さ  性格形成の大部分は幼児期までに終わる  内省的な「自己慰安」が芸術の本源  考える人が過半数を占めれば、世界は変わる  胎児・早期教育は大きな間違い          第2章 「遊び」が生活のすべてである[少年少女期]  柳田国男の設定した「軒遊び」の時期  遊びが生活のすべてである  子供といっしょに楽しむ  良い幼稚園の条件  子育ての勘どころは二か所のみ  少年少女の事件は親の問題  徹底的に付きあうほか道はない  「プロ教師」には「人格」が見えない  「いい先生」である必要はない          第3章 性の情操が入ってくる[前思春期・思春期]  前思春期と性の芽ばえ  倭建命と折口信夫の関係  漱石の『こころ』をどう読むか  「怖い親父」が登場してももう遅い  父のゲンコツ・母のコツン  「子育ての節約」はありうる  ルソーの「性の躓き」  「性」が本格的に身心に入り込む  性教育などしないこと          第4章 変容する男女関係[成人期]  いつでも「親の世代」に変わりうる時期  広がってきた「性の領域」  フーコーの同性愛理念  マルクスとシュンペーターの考え  家庭内暴力・家族犯罪の凶悪化  森鴎外の作品「半日」の主題  漱石夫人に「殺意」はあったか  いまよりも「女性優位」だった時代  女性はほんとうに解放されたか  「二児制」と絵馬  「性愛」と「家族愛」の矛盾  「民営化」問題など簡単な話  わが家は後進的かもしれない  地域の差は種族の差を超える          第5章 老いとはなにか[老年期]  身体への本格的な関心  老齢は「衰退」を意味するだけではない  西欧の偉人たち嘆き  「考えていること」と「じっさいの運動」の距離  七十九歳以降の老齢実感  生涯の本質          補 註 対幻想論(「共同幻想論」改訂新版より転載) あとがき 注記等 ISBN978-4-334-78607-6 「本書は『家族のゆくえ』(2006年/小社刊)を加筆訂正したものです。」[文庫版注記]  三月書房さんによる元版および文庫版の編者への問い合せによれば、生前の吉本さんの「加筆」はないはずで、 文庫版の校閲段階で精神病に関するテクニカル・ターム[元版と文庫版の記述未確認]と病名[元版166頁「横 道腸癌」→文庫版184頁「横行結腸癌」]の二点が「修正」されているとのことです。
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1207 標題 時代という現場/茂吉短歌の初期 叢書名 吉本隆明資料集 117 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 見出し・語録 名物料理:時代という現場1(1993年1月共同通信配信) 矢追いガモ:時代という現場2(1993年3月共同通信配信) 先進地域の物流不況:時代という現場3(1993年5月共同通信配信) 赤の広場 寛斎ショー:時代という現場4(1993年7月共同通信配信) サムサの夏 わが体験:時代という現場5(1993年9月共同通信配信) 半透明のごみ袋:時代という現場6(1993年11月共同通信配信) 田中角栄の死:時代という現場7(1994年1月共同通信配信) 「命の またけむ」人とは:時代という現場8(1994年3月共同通信配信) 2人の村上から「現在」よむ:時代という現場9(1994年5月共同通信配信) 核疑惑のこと:時代という現場10(1994年7月共同通信配信) 生涯最大の隘路「中学教育」:時代という現場11(1994年9月共同通信配信) 杉原千畝氏とイネ新品種開発:時代という現場12(1994年11月共同通信配信) 茂吉短歌の初期――『赤光』について(『国文學』1993年1月号) 私の実朝像(ひょうご舞台芸術第2回公演『実朝出帆』パンフレット1993年1月29日) テレビ論:吉本隆明の連続誌上講義(『FiLo』No.18 1993年1月)  最後に残るメディア/テレビ的現実/ボーダーラインの世界へ/交換価値から贈与価値へ 戦後五〇年ほど掘り続けてきた場所 聞き手 上原隆(『思想の科学』1993年1/2合併号) 不安な漱石――『門』『彼岸過迄』『行人』(新宿・紀伊国屋ホール1993年2月7日講演)  一、『門』  典型的な場面/ひっそりとした生活/変化の要因/理想の日常生活/ためらい/漱石の資質  漱石の無意識の核/偶然を重くみる/暗い漱石と国民作家漱石  二、『彼岸過迄』  魂の探偵小説/探偵趣味/挿話/須永の話/須永の性格/モチーフの強烈さ  三、『行人』  『行人』のモチーフ/漱石の男女観/二郎とお直の旅行/『行人』のアンチクライマックス/  動機なき行い/漱石中期の大きな関心/なぜ漱石は三角関係を生活の主題にしたか/一郎の  不安/乳幼児期に根原がある不安/漱石の偉大さ メディアの進展と既存経済学からの脱却(『[テレビ環境]マス・イメージの変容』Vol.1 19 93年3月31日刊所収)  世界最強の大衆化社会/ラディカリズムの変容/「情報」と「物語」の相互乗り入れ/母胎化  するメディア環境/問い直される「家族」像 恋愛について(1988年3月4日 日仏学院講堂にて『ベルク哲子展カタログ(鎌倉画廊)198 8年5月25日発行 本集は、『人生とは何か』2004年2月刊所収のものを底本としました。)  1直接接触を禁じた恋愛/2恋愛の三つの段階/ 編集ノート 注記等 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明[談話] 著者 松崎之貞(聞き手) 刊行年月 1207 標題 「語る人」吉本隆明の一念 出版社 光文社 出版地 東京 区分 談話 キーワード表現/文学/社会/こころ/『詩歌の潮流』 見出し・語録 はじめに  第一章〈語る人〉   語り口    〈書く人〉から〈語る人〉へ   表現としての〈語り〉 第二章〈座談〉まで   連載依頼   連載開始   水難事故   「情況との対話」   連載中の一、二の座談   座談へ   幻の『経済工学について』 第三章〈素顔〉の吉本隆明   独り語り   吉本家の年中行事   下町からの〈離陸〉と下町への〈執着〉と   「戦後最大の事件」   風通しのいい人   糖尿病と健康管理   〈超老人〉とはなにか   自己超克の光景   気配りの人   ギロリとした目のハプニング   消えた「大学教授」   「多子」と「真秀子」 第四章〈文学〉に関する断章   詩人になりたかった詩人   文体について   司馬遼太郎の文章   日本語はむずかしいか   作家の品定め     〔1〕漱石と鴎外     〔2〕太宰治と志賀直哉     〔3〕芥川と堀辰雄   父が語った「よしもとばなな」   袋小路に入った日本文学    『日本語のゆくえ』始末   幻の著作『詩歌の潮流』   『詩歌の潮流』――その骨子     〔1〕神話についての二つの見解     〔2〕日本語を簡略化する     〔3〕「匂う」「さす」の独特な言葉づかい     〔4〕詩歌の起源をたずねて     〔5〕歌謡の祖型     〔6〕親鸞および国学に見る「自立の思想」     〔7〕俳句の成立と〈破れ〉     〔8〕現代詩は西洋詩との等価性を獲得できるか     〔9〕〈民族性〉と〈世界性〉をどう接続するか   『詩歌の潮流』寸感 第五章〈社会〉のゆくえ   日米戦争とはなんであったか   瓢箪から駒の『「芸術言語論」覚書』   「戦後四番目の変革期」   〈第四の変革期〉を象徴する政権交代   民主党の〈理論的支柱〉は三浦つとむか   〈豊かさ〉の追求   科学は〈核〉を統御できるのか 第六章〈こころ〉をめぐる断想   自分の体がジリジリ焼かれる……   「おれ、なんか悪いことしたかよ?」   触手をのばす思考   自殺者たちへの弔辞    三浦つとむの〈リハビリ地獄〉   死について      〔1〕こころに突き刺さった「姪の問い」     〔2〕「生」を見下ろす「生=死」の視点 おわりに 〈引用文献一覧〉 注記 ISBN978-4-334-97703-0
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 1207 標題 固有値としての自分のために 第3回 掲載誌(紙・書)名 Kototoi 号 3 掲載頁 28-37 掲載年月日 2012.7.30 区分 インタビュー キーワード 固有性/詩作/生き方 見出し・語録 固有性を生きるために/思い出の先生のこと/これからの時代の生き方 注記 [収録日:2011.6.24]
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1208 標題 13歳は二度あるか:「現在を生きる自分」を考える 叢書名 だいわ文庫 出版社 大和書房 出版地 東京 区分 中学生論 キーワード 新聞/時代/社会/生きる/宗教/法律/国家/犯罪/死/戦争 見出し・語録 第1章 新聞を読む、時代をつかむ  13歳になったら、新聞を読もう。  世の中の動きを知っておこう。  ぼくが新聞を一生懸命、読むようになった理由。  自分にはどうにもならないところで、  世の中が180度変わってしまうことがある。  世の中がひっくり返るような出来事が  これから起こらないとは限らない。  アメリカが今、中東でやっていること。  そして、日本がやっていること。  「ここだけの話」ではなく、直接聞いたことや、  大勢が共有している情報で判断する。  新聞にはそれぞれ傾向性がある。  見出しだけでもいいから、複数読もう。  新聞を読むことには、  テレビのニュースにはないよさがある。 第2章 社会と関わる、自分を生きる。  社会で役割を果たす自分と、  取り替えのきかない個人としての自分。  世の中から  不必要に傷つけられずに生きるには。  「さぼっている仲間」の分も  黙って仕事をすることができますか。  人を動かすのは自由な意志の力だけ。  それ以外の名目で人を従わせるのは愚かなこと。  人間のもうひとつの側面は、  「家族の一員としての個人」。  三つの次元のそれぞれについて  一生懸命に考える。  たとえ自分の知識が貧しくても、  他人の言うことを真に受けるのはよくない。  三人の間で起こることは、  一億人の中でも起こる。  景気がいいか悪いかは、  大企業の業績を見てもわからない。  個人の実感の集まったものが  その国の本当の経済状態である。  給料は、どういう基準で  支払われれば公平なのかを考える。  企業や政党の不祥事に対して  感情的に怒っても意味がない。  表面だけを見て判断すると  大事なところで間違えることがある。 第3章 宗教とはなにか、法律や国家はどう成立したのか。  人間の精神に関する大切なことを  すべて含んでいるのが宗教である。  宗教は、生やさしいものではなく  恐ろしくて危ないもの。  宗教がまずあって、  その中のいちばん固い部分が法律になった。  大いなる曖昧さを含んでいるのが、  日本の憲法の特徴である。  諸外国からは理解されにくい  「天皇」という存在。  法律の中のいちばん固い部分が  国家になった。  現在の民族国家は、  国家というものの最後のかたちである。  たくさんもっている国がまず武器を捨てないと、  争いは終わらない。  北朝鮮による拉致の問題は  人道援助と切り離して解決するべき。 第4章 犯罪と死について、考えてみる。  どんなに厳しく罰しても、  少年犯罪はなくならない。  犯罪を犯したり、他人を傷つけたりする少年は、  心が傷ついている。  いじめも自殺も、  親に傷つけられた経験が引き起こしている。  自分で自分を尊重し、  なぐさめる手段をもつ。  子どもが万引きをしたくらいで  大騒ぎする必要はない。  実際に死ぬ直前までくると、  死は自分のものではなくなる。  近親者が納得したとき、  はじめて「死」が訪れる。  死は生の終点ではなく、  生とともにあって、人生全体を照らしている。 第5章 戦争というもの、自分との距離。  日本でただ一人、戦争に抵抗する詩を書いた詩人。  ささやかな日常を描くことが、  戦争中に可能だった唯一の文学的抵抗だった。  あの戦争のさなかで、  日本人は何を考え、どうふるまったのか。  戦争で戦って死んだ人たちのことを  歴史から消し去ってはいけない。  現在の北朝鮮は、  六〇年前の日本の姿である。  戦後、アメリカの進駐軍を見て  ぼくが思ったこと。  人間は自分が生きた時代を  引き受けていくしかない。 あとがき 注記等 ISBN9784479303985
刊行形態 電子書籍 著者 吉本隆明 刊行年月 1208 標題 共同幻想論 改訂新版 叢書名 角川ソフィア文庫 出版社 角川学芸出版 出版地 東京 区分 キーワード 見出し・語録 注記等 ISBN:978-4-04-150101-6
刊行形態 電子書籍 著者 吉本隆明 刊行年月 1208 標題 定本 言語にとって美とはなにか I 叢書名 角川ソフィア文庫 出版社 角川学芸出版 出版地 東京 区分 キーワード 見出し・語録 注記等 ISBN:978-4-04-150106-1
刊行形態 電子書籍 著者 吉本隆明 刊行年月 1208 標題 定本 言語にとって美とはなにか II 叢書名 角川ソフィア文庫 出版社 角川学芸出版 出版地 東京 区分 キーワード 見出し・語録 注記等 ISBN:978-4-04-150107-8
刊行形態 電子書籍 著者 吉本隆明 刊行年月 1208 標題 心的現象論序説 改訂新版 叢書名 角川ソフィア文庫 出版社 角川学芸出版 出版地 東京 区分 キーワード 見出し・語録 注記等 ISBN:9784041501047
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1208 標題 宮沢賢治の世界 叢書名 筑摩選書 出版社 筑摩書房 出版地 東京 区分 作家論 キーワード 宮沢賢治 見出し・語録 一 宮沢賢治の童話について 童話を規定している入眠幻覚の体験/二度と帰らない一回性の世界/現実と他界をつなげる〈橋の 夢〉/民話的伝承として残されること/『銀河鉄道の夜』の世界/底流を流れる〈橋の思想〉 [1971年12月4日の日本女子大学での講演が「賢治研究」第10号(1972年4月15日)に掲載 されたが、録音不良による不完全があり、別音源から新たにテープを起こして収録。] 二 宮沢賢治の世界 自然の擬人化/喩の特異性/表現方法の三つの特徴/賢治における詩と宗教の関係/「青森挽歌」 の問題/『銀河鉄道の夜』の問題/唯一無二の世界という暗示 [1976年10月21日の京都精華短期大学での講演が「而シテ」第7号(1977年10月)に掲載さ れた。] 三 宮沢賢治の陰――倫理の中性点 陰の言葉・陰の声/『革トランク』のなか/『四又の百合』の場合/『どんぐりと山猫』/『オッ ペルと象』その他/陰の言葉の運命/倫理的な中性点 [1983年10月23日の盛岡市総合福祉センターでの講演が「宮沢賢治」第4号(1984年5月洋々 社)に掲載された。] 四 エリアンの詩とうた 詩を書くということ/賢治の詩の気にかかること/賢治の童話世界/言葉の位相の差異/表現・自 己疎外・同一性/精神性と身体性/ヘーゲルとハイデガー/成長=否定の否定性/賢治の反復性 [1983年10月26日の明治神宮外苑絵画館での講演で後に『吉本隆明全講演8』および『吉本隆 明資料集97』に収録された。] 五 宮沢賢治の文学と宗教 法華経信者・宮沢賢治/ほんとうの悟りとは何か/法華経は一種の比喩の文学である/日蓮の考 えの要/賢治は法華経をどのように読んだのか/芸術と宗教の立場/賢治が最後まで追いつめた もの/独特の倫理観はどこから出てくるのか/ほんとうの考えとうその考えをどう分けるか [1989年11月2日の文京区立鴎外記念本郷図書館での講演で『愛する作家たち』に収録された。] 六 宮沢賢治における宗教と文学――ほんとうの考えうその考えを分ける〈実験の方法〉 〈ほんとうの考え〉と〈うその考え〉/法華経をどのように読んだか/「文学、芸術に近づいて はいけない」という問題/倫理の問題/「ヨブ記」の〈受難〉/新約聖書の主人公の〈受難〉/ 「宗教を超えた神」という到達点 [1989年11月12日の芦屋市民センターでの講演が「思想の森」第1号(1992年12月6日)に 掲載された。] 七 宮沢賢治を語る 賢治の科学・自然観/輪廻転生観/最良のエコロジーの考え方/賢治の文学と宗教/『銀河鉄道 の夜』――現実と幻想/生者の夢と死者の見るもの/『マリヴロンと少女』――芸術と宗教の一 致点/芸術と宗教の違い/ほんとうの考えとうその考え/『黒ぶだう』――倫理の中性点/『虔 十公園林』『四又の百合』――倫理の中性点の分離/宗教の中和の仕方――ヴェーユとの類似点 [1990年2月10日の津田ホールでの講演で後に『吉本隆明全講演8』および『吉本隆明資料集 105』に収録された。] 八 宮沢賢治 詩と童話 1『春と修羅』第一集 心象スケッチという考え方/逆転した価値観/独特な記号の使い方/近代詩以降の詩概念とは異 質な世界/銀河鉄道の原形のイメージ/宗教と科学認識をどこで一致させるか 2『春と修羅』第二集・第三集 生活現実への目覚め/芸術と実生活との関係/一段先へ進めた記号分けの意味/どうしたら反感 や嫉妬を消せるか/「第三芸術」の意味するもの――達成点と限界 3『グスコーブドリの伝記』『銀河鉄道の夜』 自然は変えられるという世界観/宮澤賢治の童話性の特徴/仏教的倫理観からくるモチーフ/見 事に接続された現実とファンタジー 4『銀河鉄道の夜』の人たち 賢治はどうしてふたりの母を設定したのか/信仰や知識がすべて圧縮された作品 [1992年7月29日の読売ホールでの講演で「ちくま」1993年2月・4月・6月号(1993年2 月1日、4月1日、6月1日)に分載された。ただし4の部分については、「ちくま」1989年 9月号(1989年9月1日)に掲載された別講演が『愛する作家たち』に収録の際に一緒にまと められた。] 九 いじめと宮沢賢治 いじめ文学としての宮澤賢治/『よだかの星』――いじめられる人間は聖なる人間という考え方 /子どもの世界は一種の魔法の世界/子どものいじめには必ず抜け道がある/『虔十公園林』に 描かれた理想の人間像/『祭の晩』におけるいじめる側の問題/薬害エイズ問題にみる大人のい じめ/伝統や習慣のなかにあるいじめ方/『猫の事務所』に描かれたリアルな体験/信仰の人と しての解決の仕方/仕事上のいじめは直接解決したほうがいい/『銀河鉄道の夜』――察知力の 世界/『風の又三郎』でのずらし方/宗教を超える普遍宗教/ほんとうの考えとうその考え [1996年5月11日の高崎ビューホテルでの講演で本書が初出となる。] 十 賢治の世界――宮沢賢治生誕百年に因んで 『春と修羅』第一集を貫く仏教的な世界観/色濃い北方的な感覚/宮澤賢治の心の固有色/法華 経に背きながら帰依するという矛盾/独自の運動体としての肥料設計/表現上の大きな変化―― 物語風の開眼/宗教観と芸術観の角逐/『春と修羅』第三集の生活感覚/芸術と宗教と詩と死が 一体となった作品 [1996年6月28日の千葉県立銚子高校での講演で「国語教育―研究と実践」34号(1997年3 月30日)に掲載された。] 十一 宮沢さんのこと――第十九回宮沢賢治賞受賞者のあいさつ 「自分もこの人とおなじような人になれるんじゃないか」/どういう生き方をしてきたかを解く 二つのカギ/「ほんとうのほんとう」について [2009年9月22日の花巻市・宮沢賢治イーハトーブ館での講演で「宮沢賢治学会 イーハトー ブセンター会報」第40号(2010年3月31日)に掲載された。] 編集後記 小川哲生 注記等 ISBN:978-4-480-01548-8
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1208 標題 世界認識の方法[改版] 叢書名 中公文庫 出版社 中央公論新社 出版地 東京 区分 思想論 キーワード 認識/歴史/国家/アジア/表現 見出し・語録 世界認識の方法[M.フーコーとの対談] 歴史・国家・人間 世界史のなかのアジア 表現概念としての〈疎外〉  注  あとがき  解説 栗本慎一郎 注記等 ISBN:978-4-12-205687-9 『世界認識の方法』昭和55年6月中央公論社刊 発表誌 世界認識の方法 「海」昭和53年7月号 歴史・国家・人間 「中央公論」昭和53年12月号 世界史のなかのアジア 「中央公論」昭和54年5月号 表現概念としての〈疎外〉 「中央公論」昭和55年1月号 (原題・自己表現としての〈疎外〉)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 1208 標題 吉本隆明 最後の文学談義(遺稿)――夏目漱石と太宰治 掲載誌(紙・書)名 飢餓陣営 号 38 掲載頁 6-17 掲載年月日 2012.8.30 区分 インタビュー キーワード 夏目漱石/太宰治 見出し・語録 一、気の毒な夏目漱石 2、太宰治の『津軽』について 注記 2011年4月19日と26日、いずれも東京・吉本氏宅にて収録
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1209 標題 死の概念の変遷/日本語を遡行する 叢書名 吉本隆明資料集 118 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 見出し・語録 死の概念の変遷 山折哲雄・吉本隆明(『思想としての死の準備』1993年3月10日刊所収) 歌のとおりに死んだ西行/死への移行の仕方が変わってきた/近代詩歌に繋がった良寛の病苦/ リアルな死だけで済むのか/価値のある死とだらしない死/自然死のごとき自死を/「脳死」論 議で本当に問われているもの/人間という概念を考える契機/聖なる心臓交換の物語/仏教に現 れた臓器のイメージ/日本人は自然のことばを聴いている/死を目前にして歌を詠む/医者のな かの歌人がどう考えるか/死の境界を乗り越えるための作法/リズムのあることばは自然の声と 同じ/日本人のことは本当はまだ分からない/死の場面でもつ性の意味/親和できる雰囲気を求 める日本人/日本と西欧は段階が異なる/理想的な漱石の死に方/自然の物音に包まれる最期/ 良寛と雪のイメージ/論議を単純な場所に/技術の自己展開の延長線でいいか/いのちの付加価 値/曖昧さのなかに希望を残す/気配を察する文化の良さ 二度きた北山修さん(『北山修著作集』岩崎学術出版社 内容見本1993年3月) 宮沢賢治 詩と童話(1)――『春と修羅』第一集――(『ちくま』1993年2月号) 宮沢賢治 詩と童話(2)――『春と修羅』第二集・第三集――(『ちくま』1993年4月号) 宮沢賢治 詩と童話(3)――『グスコーブドリの伝記』『銀河鉄道の夜』――(『ちくま』1993 年6月号) [日本近代文学館主催「昭和の文学・作家と作品」1992年7月29日講演] 日本語を遡行する 古田武彦・吉本隆明(『「邪馬台国」徹底論争3』1993年4月刊所収) わかっていない部分、どうすればわかるか/地名から一番古い日本語をさぐる/古い古典に登場 する人名は自然名の擬人化/古い語音の通則性を追求する/日本人の日本語のわからなさ、人種 的なわからなさ/『共同幻想論』の最後は倭人伝の問題/ワケの問題性/制度と人名が対応する 時代/万葉仮名は九州王朝でつくられた?/山人と先住民族/人食いの宗教儀礼(1991年6月 9日) 〈死〉の構造(『人間の死』1988年6月25日刊所収) 1 死の怖れはなくなるか/〈誕生〉と〈死〉の構造は同じである/じぶんの〈死〉はじぶんで体験 できない/〈死につつある体験〉の特徴 2 死はなぜ、じぶんの体験と他人の体験に分裂・矛盾をつくるのか/死はいかに可能か――(1)あ る思想家の死の追いつめ方/死の覚悟性――(2)ハイデッガーの死の追いつめ方/死は偶然の事 実性である――(3)サルトルの死の追いつめ方/サルトルへの批判/ヨーロッパ社会の死の追い つめ方のすごさ 3 死は分布する――(4)フーコーの死の追いつめ方/死は一挙にくるのではない/死の空間的・時 間的移行/脳死の問題/「脳死」論議への意見 4 死は〈点〉ではなく〈分布〉の問題である [逗子市民大学講座1987年11月21日講演] 死に関するアンケート 編集ノート 注記等 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1209 標題 吉本隆明の下町の愉しみ:日々を味わう贅沢 叢書名 青春新書INTELLIGENCE 372 出版社 青春出版社 出版地 東京 区分 エッセイ・小説 キーワード 見出し・語録 四季の愉しみ 上野のかたつむり 精養軒のビア・ガーデン ある夏の食事日記(抄) 自転車哀歡 新年雑事 墓地に眠る猫さんへ おみくじ「凶」の年 銭湯の百話 沖縄の舟大工さんの記憶 ホームレスに想う平和の象(イメージ) 提灯のあかりに 三粒の木の実 芋ようかんと殺気 春の匂い イーハトヴの冬景色 《掌編小説》 ヘンミ・スーパーの挿話 手の挿話 坂の上、坂の下 あとがき 注記等 2003年2月に青春出版社から刊行された『日々を味わう贅沢』を改題した新書版。 《初出一覧》 四季の愉しみ 「うえの」2000年2月号(原題「うえのの四季」) 上野のかたつむり 「うえの」2001年6月号 精養軒のビア・ガーデン 「うえの」2000年8月号(原題「うえのの夏」 ある夏の食事日記(抄) 「本の話」1997年10月号(原題「食事日記抄」) 自転車哀歡 書下ろし 銭湯の百話 書下ろし 新年雑事 「うえの」1998年1月号 墓地に眠る猫さんへ 「うえの」1996年1月号 おみくじ「凶」の年 「うえの」1993年12月号 沖縄の舟大工さんの記憶 「うえの」1992年7月号(原題「やわらかい沖縄・かたい沖縄」) ホームレスに想う平和の象(イメージ) 「うえの」1995年1月号(原題「上野界隈の半世紀」) 提灯のあかりに 「うえの」2001年1月号(原題「忘れ得ぬ上野の人々」) 三粒の木の実 同上 芋ようかんと殺気 「うえの」2000年12月号(原題「忘れ得ぬ上野の人々」) 春の匂い 「文藝春秋」1999年4月号 イーハトヴの冬景色 「うえの」1990年2月号(原題「賢治童話の風土」) ヘンミ・スーパーの挿話 「週刊新潮」2001年9月13日号 手の挿話 「朝日新聞」2000年1月1日 坂の上、坂の下 「週刊新潮」1999年1月14日号 ISBN:978-4-413-04372-4
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 1209 標題 日本語のゆくえ 叢書名 知恵の森文庫 出版社 光文社 出版地 東京 区分 講義録 キーワード 芸術言語論/芸術的価値/共同幻想論/神話/歌謡/現代詩 見出し・語録  まえがき 第1章 芸術言語論の入口  芸術言語論までの道のり  表現転移論のポイント  『源氏物語』を読む  『言語にとって美とはなにか』のモチーフ  場面転換と「喩」  西欧詩との等価性につぃて  等価性をめざす詩人たちの苦闘  古典につながる立原道造の詩  立原道造と「歌枕」  芸術の世界性  日本人の尻尾について  小説における「話体」と「文学体」  芸術の価値は「自己表出」にある  「第二芸術論」をめぐって 第2章 芸術的価値の問題  価値論とはなにか  芸術言語の価値について  思想家・三浦つとむ  マルクスの自然哲学  三浦つとむの言語論の特徴について  言語空間の構造化  『三四郎』を読む  『彼岸過迄』をめぐって  『銀河鉄道の夜』と「世界視線」  視線の変換について  島尾敏雄作品における体験と変容  幻想空間の意味  経済的価値と芸術的価値の分岐点  茂吉短歌の到達点 第3章 共同幻想論のゆくえ  国家とはなにか  「人間」を捨象した「政治と文学」論  『共同幻想論』の契機  『共同幻想論』の骨格  遠野の特異性  「天つ罪」と「国つ罪」  語り部の役割  日本の特性  『共同幻想論』のゆくえ  昭和天皇の短歌をめぐって  いざというとき何をするか  「個」を抜いた芸術はありえない 第4章 神話と歌謡  神話と朝廷  天皇制はどこへゆくか  神話時代の天皇  天皇の起源  神武東征はあったか  統治の原型について  神話と歌謡  国学が掻き立てた日本人の自意識  天皇制と芸術性  神話に転用された詩歌  古典を読む二重性  天皇制と女性の役割  天王陵の調査を望む  片歌から短歌へ  俳句における主観と客観   第5章 若い詩人たちの詩  若手詩人の詩は「神話」に使えない  「無」に塗りつぶされた詩  水無田気流『音速平和』をめぐって  渡辺玄英『火曜日になったら戦争に行く』について  この「無」をどう読むのか  「自然」を失った現代詩の脱出口はどこにあるのか  なぜ詩のなかで思考しないのか  現代のわからなさ 註  注記等 ISBN978-4-334-78613-7 編集協力/松崎之貞 註作成/編集部(第1章〜4章)・田中理恵子(第5章) 「扉裏に「加筆修正し」たと註記されていますが、元版の編集者に問い合わせたところ、「前の『家族の ゆくえ』同様、加筆は無いはずです。ただし、文庫版236〜7ページの「中原中也賞」選者に関して、親 本のとき、<佐々木幹郎>さんと<佐藤泰正>さんのお名前が脱落していたことが事後、判明しましたの で、それが追加されてい」るとのことです。」(三月書房「<吉本隆明>本 新刊のお知らせ」12/09/12)
刊行形態 電子書籍 著者 吉本隆明 刊行年月 1209 標題 世界認識の方法 叢書名 中公文庫 出版社 中央公論新社 出版地 東京 区分 思想論 キーワード 認識/歴史/国家/アジア/表現 見出し・語録 世界認識の方法[M.フーコーとの対談] 歴史・国家・人間 世界史のなかのアジア 表現概念としての〈疎外〉  注  あとがき  解説 栗本慎一郎 注記等 ISBN:978-4-12-205687-9 対応デバイス;コンテンツタイプ;ファイルサイズ/ PC XMDF 294.9KB/iPhone XMDF 295.3KB/iPad XMDF 295.3KB/ Androidスマートフォン XMDF 295.3KB/Androidタブレット XMDF 295.3KB/ Androidタブレット大 XMDF 295.3KB 発表誌 『世界認識の方法』昭和55年6月中央公論社刊 世界認識の方法 「海」昭和53年7月号 歴史・国家・人間 「中央公論」昭和53年12月号 世界史のなかのアジア 「中央公論」昭和54年5月号 表現概念としての〈疎外〉 「中央公論」昭和55年1月号 (原題・自己表現としての〈疎外〉)
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1210 標題 情況との対話1 叢書名 吉本隆明資料集 119 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 情況論 キーワード 見出し・語録 情況との対話1:小びとたち大騒ぎ(『サンサーラ』1993年4月号) 情況との対話2:不況とはなにか(『サンサーラ』1993年5月号) 情況との対話3:不況とはなにか(続)(『サンサーラ』1993年6月号) 情況との対話4:UNTACなど認められない(『サンサーラ』1993年7月号) 情況との対話5:辛抱づよい人たちの政治劇(『サンサーラ』1993年8月号) 情況との対話6:総選挙の話(『サンサーラ』1993年9月号) 情況との対話7:経済連環系の話(『サンサーラ』1993年10月号) 情況との対話8:女性をめぐるエピソード(『サンサーラ』1993年11月号) 情況との対話9:コメの話とはなにか(『サンサーラ』1993年12月号) 情況との対話10:国際問題の1年(『サンサーラ』1994年1月号) 情況との対話11:コメの話もう一度(『サンサーラ』1994年2月号) 情況との対話12:なぜ働くのか(『サンサーラ』1994年3月号) 情況との対話13:税と景気の話(『サンサーラ』1994年4月号) 情況との対話14:平成の米騒動(『サンサーラ』1994年5月号) 〈アジア的〉ということ(『月刊エディター 本と批評』1979年12月号) 1 〈自然〉と〈自由〉 モンテスキューとウェーバー/ヨーロッパの世界普遍性/ヘーゲルの〈アジア的〉 2 ヘーゲルの歴史哲学とマルクスの疎外 ヘーゲルの方法=弁証法/マルクスの疎外/農村共同体をどう考えるか 3 ヨーロッパの共同体、アジアの共同体 アジアとヨーロッパの違い/ 4 アジア的共同体=理想のモデル 歴史的必然/人類の理想形態 5 〈アジア的〉ということの二重の課題 〈アジア的〉の現在的意味 《質疑応答》 歴史の必然性とは何か (1979年7月15日北九州市小倉北区・毎日会館ホール・主催書肆金榮堂) [なお「質疑応答」は、斎藤清一さんが『吉本隆明全講演ライブ集』第1巻からテープ起こしをされたもの です。] 編集ノート 注記等 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1210 標題 超恋愛論 叢書名 だいわ文庫 出版社 大和書房 出版地 東京 区分 恋愛論 キーワード 恋愛/結婚生活/男/女/三角関係/結婚制度/恋愛小説 見出し・語録 はじめに ぼくが恋愛論の本を出すなんて、はじめてのことです。/ぼく自身の経験についても、この本のなか で少し触れています。/恋愛は心ときめく、楽しいものです。/時代が変わっても恋する気持ちその もの、恋愛の核の部分は変わらない。/どんなにすばらしい恋愛小説も、いままさに恋のさなかにあ る人の心を振り向かせる力はない。 第1章 「終わらない恋愛」は可能か いつでも逃げだせるように精神の距離をとっておくのが現代における恋愛/恋愛とは覚醒剤をのむよ うなものいままで寝ていた神経が起き上がっていきなり自分が活性化する/一夫一婦制は、人類の理 想であり誰も文句のつけようのない男女間系/細胞同士、遺伝子同士が呼び合うような感じが本来的 な恋愛の感覚/権力や経済力があるものが有利だなんていうのは恋愛におけるインチキ/明治の文学 者に見る恋愛を現実の生活に着地させることの難しさ/北村透谷や国木田独歩が目指した理想の恋愛 と結婚はことごとく挫折した/男女がともに自己実現しようとして女性の側が狂気に陥った光太郎・ 智恵子の結婚生活 第2章 男と女の足下にある泥沼 ほとんどすべての男の本音は明治時代と変わっていない/「飯の支度をどちらがするか」というよう な問題を抜きにして恋愛は語れない/現代の男女が立っている地面の下にも因習や伝統や家族制度と いった泥沼が隠れている/結婚生活の中で女性はどうしても固定した役割を演じさせられる/子ども が満一歳になるまでは子育ての主役は女性がやらざるを得ない/乳時期の子育てと家庭内暴力の間に は無視できない関係がある/子育てで損をするのは絶対に嫌だという女性は夫から財産を贈与しても らうしかない/女性の人生を束縛するもとになるのはまとまった時間を作れないこと/女性も「社交 性」だけではなく一人でひきこもってじっくりものを考えることが必要/生涯まっとうな形で添い遂 げるような恋愛は一代や二代では実現しない 第3章 三角関係という恋愛のかたち 浮気とも不倫ともちがう三角関係という非常に日本的な恋愛のかたち/精神的な絆で結ばれた親友同 士の一人の女性をめぐる関係を書き続けた夏目漱石/三者三様にぎりぎりのところに追い詰められ、 みんなが自滅するか一人が消え去るしかない/ひっそりと暮らす夫婦に過去からやってくる変化の兆 し??『門』の宗助・お米夫婦の場合/「言えないこと」が引き起こす葛藤と煩悶のドラマが現代も 読みつがれている理由/日本の知識人における「内向する倫理観」が西欧にはない独自の三角関係を 生み出した/三角関係は日本の近代における恋愛の「挫折の終わり」である/漱石の小説にひそんで いる日本ならではの同性愛的要素とは/三角関係の頂点にいる女性よりも二人の男性の精神的絆のほ うが強いという不思議な関係/すぐれた作家が生み出す作品には、本人も無意識のうちにその社会の 特質がはっきりあらわれる/親友同士だった小林秀雄と中原中也は作品の上ではなく実生活上で三角 関係を演じた 第4章 結婚制度のゆくえ 意味を認めていなかった婚姻届というものの意外な重さを実感したとき/法律はもともとはるか昔の 宗教に由来するもので国家もそこから生まれた/子どもが可愛くてたまらずなかなか子離れができな い母親にかぎって虐待に走ってしまう/家庭の中における子どもの地位が高くなればなるほど虐待は 逆に増加していく/マザコン男でなくても結婚生活におよぼす男の母親の影響は大きい/もともとの 日本の結婚の形態は男が女のもとに通う「入り婿婚」だった/江戸時代の結婚生活では女性の権利が 明治以降よりもよほど優遇されていた 第5章 恋愛を書くということ 恋愛を書くとはどういうことなのか書くに値する恋愛とは何なのか/少年のマゾヒスティックな快感 を描いたルソーの『告白』に見る文化史的意味/現代の小説家のほとんどはぎりぎりのところまで突 き詰めて恋愛を書くことを避けている/愛人の「その後」を書くことを避けて通った島尾敏雄の文学 は現実に負けたことになるのか/恋愛をとことん書くとはどういうことかモデルとなった人物の実人 生の悲劇に文学はどんな顔をして向き合うのか/事実を覆っている膜を最後の一枚まで取っ払うこと それが文学というものの難所である 注記等 ISBN978-4-479-30400-5
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1210 標題 第二の敗戦期:これからの日本をどうよむか 出版社 春秋社 出版地 東京 区分 情況論 キーワード アフリカ的段階/シモーヌ・ヴェイユ/現代社会 見出し・語録 第1章 現代社会の背景――『アフリカ的段階について』以後をめぐって 1アジア的段階を取り囲む枠組 2近代化革命とはなにか 3政治権力と社会の成り立ち 4アフリカ的段階の現在 5当事者としてのアフリカ的段階 6中国はなぜチベットを恐れるのか 7過度期の国家像 8日本が抜けだすための視点 第2章 戦争と転換――シモーヌ・ヴェイユの場書 1思想家ヴェイユ 2ヴェイユの貫いたこと 3トロツキー『文学と革命』について 4プロレタリア文学の意味 5太平洋戦争への距離 6二・二六事件の日常 7日本の共産党がだめになった理由 8満州を巡る、漱石と四迷への誤解 9なぜ満州国が誕生したのか 10履歴書には書けない「戦後」 第3章 第二の敗戦期とはなにか――現代社会を生き抜く考えと言葉 1第二の敗戦期とはなにか 2敗戦期の病理 3いまの精神活動をどう考えるか 4両翼を広げて考えるということ 5ほんとうの知識に向かって 6フーコーのなし得たこと 7幹の言葉、葉の言葉――コミュニケーション再考 8憲法第九条をどう考えるか 9死刑制度へのまなざし 10天皇制を支える力 11天皇制のゆくえについて 12格差社会を乗り越えるために必要なこと 13よりよい理想社会をつくるために ・『第二の敗戦期』を読み解くキーワード 注記等 「本書は2008年5月26日、6月13日、19日、24日の四回にわたって、著者にインタビューした ものである。編集にあたっては皆川勤氏にご協力いただいた。本稿は著者の体調もあり以後その篋底 にあったが、今回著作権者・吉本多子氏のご許可を得て刊行するものである。」(編集部) ISBN978-4-393-33284-9
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1210 標題 重層的な非決定へ 新装版 出版社 大和書房 出版地 東京 区分 キーワード 見出し・語録 I 政治なんてものはない:埴谷雄高への返信 重層的な非決定へ:埴谷雄高の「苦言」への批判 情況への発言:中休みのうちに 情況への発言:中休みをのばせ 情況への発言:中休みの自己増殖 「アジア」的なもの II 大衆文化現考  ロックグループの世界  ビートたけし芸の変貌  「戦場のメリークリスマス」  地崩れして動く劇画  現在の名画の条件  「YOU」の中の糸井重里  リンチ機械としてのテレビ  小劇団の場所  三浦和義現象の性格  オモチャ・ショー  「オールナイトフジ」論  ロス五輪私感  夏を越した映画  エレクトロニクスショー  光る芸術のこと  ハイ・コミュニケーションに触れる  クイズ番組論  テレビCMの変貌  科学万博印象記 映像から意味が解体するとき 現代電波絡繰試論 ファッション 川崎徹小論 幼児性の勝利:映画「E・T」を観る ふたつのポルノ映画まで 異論を介しての「火まつり」 III 小林秀雄について 江藤淳についてのメモ 中上健次論 中沢新一を真っ芯で 村上一郎論 福島泰樹論:風姿外伝 西村博美論 山本育夫小論 死のサルトル ミシェル・フーコーの死 告別の言葉:橋川文三 ゲーテの色 わがファウスト IV 『赤光』論 〈反逆〉は内向する:田川健三著『イエスという男』を読む 宍戸恭一『三好十郎との対話』に寄せて 『初期心的現象の世界』について 『ゴルゴダのことば狩り』について 『私説東京繁昌記』小林信彦/荒木経惟 『ジェンダー――女と男の世界』イヴァン・イリイチ 玉野芳郎訳 『カフカのように孤独に』マルト・ロベール 東宏治訳 『幻想の未来』岸田秀 『変容の象徴』C・G・ユング 野村美紀訳 V 元祖モラトリアム人間 佃ことばの喧嘩は職業になりうるか 思い出の劇場:海辺の劇場 n個の性をもった女性へ 私の町:谷中・団子坂・駒込吉祥寺 ニューヨーク・ニューヨーク スケベの発生源 一枚の絵:カンジンスキイ・バラ色の諧調 あとがき 初出一覧 注記等 ISBN:978-4-479-39233-0 初版発行:1985年9月20日
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1210 標題 食べものの話 叢書名 吉本隆明資料集 120 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 食 見出し・語録 私と卵 卵をめぐる話(『Q』第20号1993年4月) 食べものの話1好きときらいと(『Q』第30号1994年12月) 食べものの話2食べもののための記念碑(『Q』第31号1995年2月) 食べものの話3きらい・まずい(『Q』第32号1995年4月) 食べものの話4物食う姿勢(『Q』第33号1995年6月) 食べものの話5お米挿話(『Q』第34号1995年8月) 食べものの話6香辛料のこと(『Q』第35号1995年10月) 食べものの話7食べはじめたらとまらない食物(『Q』第39号1995年12月) 食べものの話8甘味ということ(『Q』第40号1996年2月) 食べものの話9お酒の話(『Q』第41号1996年4月) 食べものの話10「ぬれせん」各種(『Q』第42号1996年6月) 食べものの話11猫の食べもの(『Q』第43号1996年8月) 食べものの話番外 わたしが料理を作るとき(『Q』第44号1996年10月) 食べものの話12うまい・まずい(『Q』第45号1996年12月) 食べものの話13即席カレーくらべ(『Q』第46号1997年2月) 食べものの話14フライドチキンとハムバーガー(『Q』第47号1997年4月) 食べものの話15まんじゅうとあんこ(『Q』第48号1997年6月) 食べものの話16お米について(『Q』第49号1997年8月) 食べものの話17西伊豆のづけ丼(『Q』第50号1997年10月) 食べものの話18酒のうえのこと(『Q』第51号1997年12月) 食べものの話19餃子のこと(『Q』第52号1998年2月) 食べものの話20一口カツ綺譚(『Q』第53号1998年4月) 食べものの話21駄菓子のこと(『Q』第54号1998年6月) 食べものの話22思い込み 思い入れ(『Q』第55号1998年8月) 食べものの話23平家の公達から(『Q』第56号1998年10月) 食べものの話24パンの詩(『Q』第57号1998年12月) 食べものの話25砒素入りカレー(『Q』第58号1999年2月) 食べものの話26海苔の話(『Q』第59号1999年4月) 食べものの話27健康食品と健康飲料(『Q』第60号1999年6月) 食べものの話28毒物挿話(『Q』第61号1999年8月) 食べものの話29梅酒考(『Q』第62号1999年10月) 食べものの話30すごい食べもの(『Q』第63号1999年12月) 食べものの話31味の雑談(『Q』第64号2000年2月) 食べものの話32畠荒しのエピソード(『Q』第65号2000年4月) 食べものの話33猫の食べ物(『Q』第76号2000年6月) そば開眼(『そば打ちの本』1998年11月30日刊所収) 佐渡、洗練の味(『サライ』2003年9月18日号) 編集ノート 注記等 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 1212 標題 科学技術に退歩はない 掲載誌(紙・書)名 〈3/11後〉忘却に抗して:識者53人の言葉 出版社 現代書館 出版地 東京 掲載頁 75-78 区分 インタビュー キーワード 見出し・語録 注記等 「毎日新聞」(東京夕刊)2011年5月27日号掲載 取材担当:宍戸護
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1212 標題 社会風景論 叢書名 吉本隆明資料集 121 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 情況論 キーワード 社会/シモーヌ・ヴェイユ/ハイ・イメージ 見出し・語録 社会風景論 1金丸信 保釈の日(『産経新聞』1993年4月4日) 2山崎浩子の場合(『産経新聞』1993年5月2日) 3PKO有情(『産経新聞』1993年6月6日) 4政治改革の話(『産経新聞』1993年7月4日) 5言葉がこわす話(『産経新聞』1993年8月1日) 6角川春樹について(『産経新聞』1993年9月5日) 7古都の話(『産経新聞』1993年10月3日) 8コメをめぐる奇譚(『産経新聞』1993年11月7日) 9プロ野球のFA騒ぎ(『産経新聞』1993年12月5日) 10初詣の感想(『産経新聞1994年1月9日) 11相撲見物記(『産経新聞』1994年2月6日) 12科学技術の先端(『産経新聞』1994年3月6日) 13科学離れということ(『産経新聞』1994年4月3日) 14わたしの景況判断(『産経新聞』1994年5月1日) 15迷走する政治劇(『産經新聞』1994年6月5日) 16大情況の話(『産経新聞』1994年7月3日) シモーヌ・ヴェイユの現在:深淵で距てられた匿名の領域(『ほんとうの考え・うその考え』1997年1 月20日刊所収) 1ヴェイユ問題 乳幼児体験と病気 2教師時代の初期ヴェイユ トロツキーとの論争/国家を開く 3工場体験のヴェイユ 芽生える奴隷の従順さ/肉体労働と頭脳労働の区別は解消されつつある 4神学思想のヴェイユ 「重力と恩寵」という概念/「エネルギー」という概念/超本性的な神/不幸、絶望、死、苦痛、悪をと おして到る神/「真空」という概念 5現代に生きる最後のヴェイユ マルクスの「労働」という概念を拡張/息苦しい労働概念/第一級のものだけが存在する匿名の領域 [兵庫県芦屋市「森集会」1996年1月13日] ハイ・イメージ論と世界認識:〈講演〉ハイ・イメージ論199X LIVE in OSAKA(『吉本隆明全講演ライ ブ集』第17巻2007年4月) 世界の中の日本の位置/教育ストックという概念/第三次産業化する社会/選択消費と個人/成長する都 市と衰退する都市/理想の農業と理想の都市/「ハイ・イメージ論」のモティーフ 〈質疑応答〉 〈質問用紙に答えて〉 経済的裕福さが幸福の大前提/選択消費が景気を左右する/乳胎児期に愛されるということ/死について/ 理想的都市のイメージ/マルクス発展史観に負うハイ・イメージ論 〈質疑応答〉 [1993年9月1日大阪千里 協栄生命ホール] 編集ノート 注記等 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1212 標題 吉本隆明が最後に遺した三十万字 上巻「吉本隆明、自著を語る」 編集 古川琢也 出版社 ロッキング・オン 出版地 東京 区分 インタビュー キーワード 見出し・語録 第一章『固有時との対話』『転位のための十篇』 第二章『マチウ書試論』 第三章『高村光太郎』 第四章『芸術的抵抗と挫折』 第五章『擬制の終焉』 第六章『言語にとって美とはなにか』 第七章『共同幻想論』 第八章「花田清輝との論争」 第九章『心的現象論』 第十章『最後の親鸞』 第十一章『悲劇の解読』 第十二章『「反核」異論』 第十三章『マス・イメージ論』 第十四章『源氏物語論』 第十五章『死の位相学』 第十六章『超西欧的まで』 第十七章『ハイ・イメージ論』 あとがき 十四歳の思想 高橋源一郎 インタビュアー あとがき 渋谷陽一 注記等 ISBN978-4-86052-111-0 初出:「SIGHT」21号(2004年10月号)〜41号(2009年11月号)[休載あり]、第一〜九章を 『吉本隆明 自著を語る』と題して2007年6月にロッキング・オンより刊行。
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 1212 標題 吉本隆明が最後に遺した三十万字 下巻「吉本隆明、時代と向き合う」 編集 古川琢也 出版社 ロッキング・オン 出版地 東京 区分 インタビュー キーワード 見出し・語録 第一章「頻発する無根拠な殺人事件をめぐって」 第二章「少年法改正をめぐって」 第三章「日本の現在の政治状況について」 第四章「小泉改革による真の構造改革がもたらすものは何か」 第五章「『新しい歴史教科書をつくる会』について」 第六章「アメリカで起こった同時多発テロについて」 第七章「同時多発テロをめぐる自衛隊法改正について」 第八章「天皇による『韓国とのゆかり』発言について」 第九章「同時多発テロにまつわる有事立法について」 第十章「小泉内閣による自民党政権について」 第十一章「世界を席巻するグローバル資本主義について」 第十二章「9・11以後のイラクの問題について」 第十三章「アメリカの中東戦争について」 第十四章「著書『引きこもれ』と少年犯罪について」 第十五章「小林秀雄賞受賞について」 第十六章『一言芳談』『歎異抄』 第十七章『花伝書(風姿花伝)』 第十八章『十七条憲法』 第十九章『トーテムと命名』 あとがき 非政治的大衆の政治性について 内田 樹 インタビュアー あとがき 渋谷陽一 注記等 ISBN978-4-86052-112-7 初出:第一章〜第十五章が「SIGHT」5号(2000年10月号)〜18号(2004年1月号)、2001年11 月増刊号に「時代と向き合う」として、第十六章以降は「SIGHT」1号(1999年10月号)〜4号 (2000年7月号)に「古典を読む」として連載。

「吉本隆明2012年著作リスト」/kyoshi@tym.fitweb.or.jp 2013.02.28