吉本隆明2009年著作リスト


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刊行形態 Magazine Article
著者 吉本隆明
刊行年月 0901
標題 おいしく愉しく食べてこそ(25)魚嫌いの私
掲載誌(紙・書)名 dancyu 
巻 19
号 1
掲載頁 3
掲載年月日 2009.1.1
区分 エッセイ
注記等 撮影/中島博美

刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 田中和生(聞き手) 刊行年月 0901 標題 文学の芸術性 掲載誌(紙・書)名 群像  巻 64 号 1 掲載頁 280-288 掲載年月日 2009.1.1 区分 インタビュー キーワード 芸術言語論 見出し・語録 芸術としての小説の変化/意味を重視するメディアの時代/個人の精神性が失われていく/メディアの発 達と精神異常/芸術性をもつ日本語の分析
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 0901 標題 詩の力 叢書名 新潮文庫 出版社 新潮社 出版地 東京 区分 詩論 キーワード 詩 見出し・語録 はじめに 現代詩とは何か 谷川俊太郎 田村隆一 塚本邦雄 岡井隆 俳句という表現 夏石番矢 吉増剛造 歌詞という表現 中島みゆきと松任谷由実 宇多田ヒカル 優れた詩の条件 俵万智 佐々木幸綱と寺山修司 角川春樹 暗喩の詩人、直喩の詩人 野村喜和夫 城戸朱理 「戦後派」の表現 鮎川信夫 近藤芳美 西東三鬼 吉岡実 谷川雁 入沢康夫と天沢退二郎 茨木のり子 永瀬清子 清岡卓行 大岡信 構成者後記 構成担当者一覧 「小説作品が、着飾った盛装姿だとすれば、詩は身体の骨格であり、その身体にやや古風な伝統的な衣裳を じかに身につけたのが古典詩の世界だと言うべきかもしれない。これが朔太郎の順序の本意かもしれない。 わたしはまず朔太郎からはじめられた『現代詩』について短かい説明を試みてから、多様な個々のブロック の読解に入ってゆこうと思う。」(「はじめに」より) 注記等 ISBN978-4-10-128924-3 2003年に毎日新聞社から刊行された「現代日本の詩歌」の改題。 構成:大井浩一/重里徹也 「本書は『毎日新聞』に2002年4月から2003年4月まで連載された『吉本隆明が読む現代日本の詩歌』をもと に編んだものです」(巻末注記)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0901 標題 自作を語る 第15回 「死の位相学」 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」2月増刊号、第23巻第2号通巻第344号) 巻 38 号 Winter 掲載頁 216-229 掲載年月日 2009.1.26 区分 インタビュー キーワード 死/宗教 見出し・語録 死とは、宗教とは何か 注記等 インタビュー・撮影=渋谷陽一
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0901 標題 いま、どんな時代なのか 叢書名 吉本隆明資料集 82 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 講演/インタビュー キーワード 見出し・語録 いま、どんな時代なのか(1984年4月11日「新入生歓迎と区別後援会」記録)『月刊チャペルアワー』 (同志社大学)第120号(1984年7月発行) 古い日本語のむずかしさ(講演要旨)(1984年12月1日第13回公開講座「みんなの日本語」をまとめ たものです。)『せんだがや通信』第19号(1985年2月) 北川太一の印象(『北川太一とその仲間達』北斗会・1985年3月28日発行 所収) 日本国憲法第一条は廃止すべし 聞き手 稲垣 武(『ボイス』1985年4月増刊号)  御神体はもともと自然/アジア的専制君主の考察を/天皇制は法制上不必要 マス・イメージをめぐって 前橋煥乎堂文芸講座における講演(1985年7月1日前橋市市民文化会館小 ホール)『「マス・イメージ」をめぐって』(自家版・刊行日不明) 「現在」ということ(石和町中央公民館成人講座〈遊・学イベント〉〈ただいま〉講演1985年3月30日 より)『現代詩手帖』1985年7月号 広告とシステム(1985年6月28日)『宣伝会議』別冊「コピーパワー」1985年8月25日発行 昔の街はちいさくみえる佃島、ぐいぐい大股でゆく。(『鳩よ!』1984年11月号) お祝いコメント(『夕刊イトイ』1984年12月20日) 巨人の青春、刻んでただ一つ。(『鳩よ!』1985年2月号) アンアンでコム・デ・ギャルソンを着た吉本隆明と埴谷雄高の「ボケ論争」(『サンデー毎日』1985年 6月2日号) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0902 標題 おいしく愉しく食べてこそ(26)ラーメンに風情はあるのか 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 2 掲載頁 3 掲載年月日 2009.2.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0902 標題 敗戦に泣いた日のこと:わが人生最良の瞬間 掲載誌(紙・書)名 文藝春秋  巻 87 号 2 掲載頁 330-332 掲載年月日 2009.2.1 区分 談話 見出し・語録 「失敗ばかりの人生でひとさまに言える晴れがましいことはないけれど、つらつら考えていくと、「悪い 時がいい時で、いい時が悪い時」といえるかもしれない。その二つが同じものだと判ったきっかけは、や っぱり昭和二十年八月十五日、敗戦の日でしょうか。」 「困ることだらけになってから、わかり始めることがあるんです。いつか「悪い時がいい時で、いい時が 悪い時だ」とわかります。」
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0902 標題 追悼・内村剛介さん:国家や主義に同化せず 掲載誌(紙・書)名 東京新聞(夕刊) 出版地 東京 掲載頁 掲載年月日 2009.2.9 区分 談話 キーワード 内村剛介 見出し・語録 「僕はロシア人もアメリカ人も毅然とした態度と理屈で訴えていけば通ると思います。日本人もそうすれば 占領も捕虜の問題も早く解決されたでしょうし、最近でいえばイラク派兵や三浦和義の裁判や疑惑の死の問 題も、もっと正面から合理で臨むべきだと思います。戦後何十年もたっていますし、遠慮する必要はないで すね。  内村さんは自分一個で旧ソ連邦全体に向き合い、その姿勢は世界を見る時にはどれほど重要なことかを単 身で示しました。」 注記等 取材・構成:大日向公男
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 おいしく愉しく食べてこそ(27)老いてますます 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 3 掲載頁 5 掲載年月日 2009.3.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 新・書物の解体学1 叢書名 吉本隆明資料集 83 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 書評 キーワード 見出し・語録 小林信彦・荒木経惟『私説東京繁昌記』(『マリ・クレール』1985年1月号) イヴァン・イリイチ 玉野井芳郎訳『ジェンダー 女と男の世界』(『マリ・クレール』1985年4月号) マルト・ロベール 東宏治訳『カフカのように孤独に』(『マリ・クレール』1985年5月号) 岸田秀『幻想の未来』(『マリ・クレール』1985年6月号) C.G.ユング 野村美紀子訳『変容の象徴』(『マリ・クレール』1985年7月号) エーリッヒ・ノイマン 林道義訳『意識の起源史』(『マリ・クレール』1985年8月号) 村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(『マリ・クレール』1985年9月号) ジョルジュ・バタイユ 湯浅博雄訳『宗教の理論』(『マリ・クレール』1985年10月号) ジャン=ポール・サルトル 海老坂武・石崎晴己・西永良成訳『奇妙な戦争 戦中日記』 エーリッヒ・ケ ストナー 高橋健二訳『ケストナーの終戦日記』(『マリ・クレール』1985年12月号) ケン・ウィルバー 吉福伸逸・菅靖彦訳『意識のスペクトル』(『マリ・クレール』1986年4月号) サルトル書簡集 I  朝吹三吉・二宮フサ・海老坂武訳『女たちへの手紙』(『マリ・クレール』1986年6 月号) 中沢新一『野うさぎの走り』(『マリ・クレール』1986年9月号) 新・書物の解体学1ジャン=フランソワ・リオタール 小林康夫訳『ポスト・モダンの条件』(『マリ・ク レール』1986年12月号) 新・書物の解体学2村上龍『ニューヨーク・シティ・マラソン』(『マリ・クレール』1987年1月号) 新・書物の解体学3立花隆『脳死』(『マリ・クレール』1987年2月号) 新・書物の解体学4エドワード・W・サイード 板垣雄三・杉田英明監修 今沢紀子訳『オリエンタリズム』 (『マリ・クレール』1987年3月号) 新・書物の解体学5『中島みゆき全歌集』(『マリ・クレール』1987年4月号) 新・書物の解体学6ジョルジュ・バタイユ 湯浅博雄・中地義和訳『エロティシズムの歴史』(『マリ・ク レール』1987年5月号) 新・書物の解体学7ジャック・ラカン 宮本忠雄・関忠盛訳『パラノイア精神病』(『マリ・クレール』1 987年6月号) 新・書物の解体学8ミシェル・フーコー 増田一夫訳『同性愛と生存の美学』(『マリ・クレール』1987 年7月号) 新・書物の解体学9グレゴリー・ベイトソン 佐伯泰樹・佐藤良明・高橋和久訳『精神の生態学』(『マリ ・クレール』1987年8月号) 新・書物の解体学10ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ 豊崎光一編・訳『リゾーム‥‥‥序』( 『マリ・クレール』1987年9月号) 新・書物の解体学11村上龍『愛と幻想のファシズム』(『マリ・クレール』1987年11月号) 新・書物の解体学12村上春樹『ノルウェイの森』(『マリ・クレール』1987年12月号) 〈愛〉によせて(ジュール・ミシュレ『愛 下 誘惑・病い・・・』森井真訳1976年4月30日刊所収) E.M.シオラン『歴史とユートピア』(E.M.シオラン『歴史とユートピア』紀伊国屋書店1985年9月10日第4 刷帯文) 対談「古典をどう読んできたか」あとがき(1983年1月;大岡信『詩歌の読み方』1983年4月25日刊所収) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 草奔 掲載誌(紙・書)名 資料・米沢時代の吉本隆明について―その十 編集 齋藤清一 出版者 齋藤清一 出版地 米沢 掲載頁 1-28 区分 詩集 キーワード 見出し・語録 注記等 著者によるガリ版刷り印刷のほぼ原寸大復刻
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 哀しき人々 掲載誌(紙・書)名 資料・米沢時代の吉本隆明について―その十 編集 齋藤清一 出版者 齋藤清一 出版地 米沢 掲載頁 29-30 区分 散文 キーワード 見出し・語録 注記等 初出:「初期ノート」
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 酒の話 掲載誌(紙・書)名 資料・米沢時代の吉本隆明について―その十 編集 齋藤清一 出版者 齋藤清一 出版地 米沢 掲載頁 31 区分 エッセイ キーワード 見出し・語録 注記等 初出:「dancyu」2007年9月号
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 日本アンソロジーについて 掲載誌(紙・書)名 資料・米沢時代の吉本隆明について―その十 編集 齋藤清一 出版者 齋藤清一 出版地 米沢 掲載頁 44-64 区分 講演 キーワード 安藤昌益/『自然真営道』/片歌/詩歌 見出し・語録 はじめに/安藤昌益について/ハーバート・ノーマンの『忘れられた思想家』から/「直耕」という概念に ついて―『自然真営道』から/農業で基本的なこと/「大衆の現像」とは/シモーヌ・ヴェイユの生き方/ Aでもなく非Aでもないものという考え/精神のなかの「深さ」ということ/詩のはじめ、歌のはじめ/片歌 から和歌へ/「関の孫六」とは/「八雲立つ」と「やつめさす」/アイヌの『神謡集』から/二人の問答から 一人の和歌へ/ 注記等 1998(平成十)年9月25日文教区立鴎外記念本郷図書館第260回文学講演会
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 特殊 掲載誌(紙・書)名 変人埴谷雄高の肖像 叢書名 文春文庫 編集 木村俊介 出版社 文藝春秋 出版地 東京 掲載頁 379-408 区分 インタビュー キーワード 埴谷雄高 見出し・語録 現在、埴谷雄高さんの作品をどう評価されますか。/彼の現実への対応について、どう思います か。/埴谷雄高さんにはじめて触れるのはやはり「近代文学」ですか。/その当時どう評価され ましたか。/生きることも危ういという戦後のショックがあったわけですが、その後「これで生 きていける」という時期はありましたか、あったならいつでしょうか。/『死霊』を章毎にはど う思いますか。例えば最初がよく最後は駄目だとか、またはその逆だとかいった感想があると思 いますが。/現実の、埴谷さんに会って思うことは何ですか。/ご自身と埴谷さんの共通点、相 違点についてはどう思われますか。/埴谷雄高さんの年代との違いとしてご自身の年代の持つ特 徴は何だと思いますか。/ご自身のなかで今までを通して重要な観点や関心は何ですか。/埴谷 雄高さんに拡大した場所から戦争を見るという発想があったのは意外ですが、今おっしゃった「 分散させて過去を遡る」という吉本さんの考えに絡めて詳しく伺いたくなりました。というのは、 お二人の差に関してみると、埴谷さんは過去や未来を割と直線的に捉え、吉本さんは多角的に捉 えているように思えるからです。そして埴谷さんの直線的な捉え方について実は批判があるので はないでしょうか、そこを伺いたいのですが。/埴谷さんの思想の間違いというのはどこですか。 /埴谷さんがくりかえし書いた「存在の革命」とは何だと思いますか。/さきほどの見通しと絡 めて、ご自身にとって分岐点はありますか、あればいつですか。/阪神、オウム以後の変化で、 ご自身の考える切り口も変化しましたか。/阪神、オウム以後にご自身の死生観は変化しました か。 注記等 ISBN 978-4-16-776401-2 『奇抜の人』(平凡社 1999年刊)の改題
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 0903 標題 源氏物語論 叢書名 MC新書 出版社 洋泉社 出版地 東京 区分 作品論 キーワード 源氏物語/古典 見出し・語録 第I部 母型論 第II部 異和論 第III部 厭離論 第IV部 環界論 付録 わが『源氏』 あとがき 文庫のための註 『源氏』附記 解説 『源氏物語論』を吉本隆明氏が論じる 藤井貞和 初出一覧 注記等 ISBN978-4-86248-363-8  本書は1982年10月30日、大和書房より刊行され、1992年6月26日、筑摩学芸文庫創刊の1冊として刊行 された。今回、定本としたのは学芸文庫版である。(巻末注記)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 自作を語る 第16回 「超西欧的まで」 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」4月増刊号、第23巻第6号通巻第348号) 巻 39 号 Spring 掲載頁 176-189 掲載年月日 2009.3.28 区分 インタビュー キーワード アジア的/西欧的/段階 見出し・語録 歴史的段階で世界を読み解く 注記等 インタビュー・撮影=渋谷陽一
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0903 標題 「原点」と「自立」、「工作者」と「庶民」の違い 掲載誌(紙・書)名 谷川雁:詩人思想家、復活;KAWADE道の手帖 出版社 河出書房新社 出版地 東京 掲載頁 88-94 区分 インタビュー キーワード 谷川雁 注記等 (ききて・大日方公男、2009.1.30)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0904 標題 おいしく愉しく食べてこそ(28)陸ひぢきの回想 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 4 掲載頁 3 掲載年月日 2009.4.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0904 標題 ハイ・イメージ論(初出)1 叢書名 吉本隆明資料集 84 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 ハイ・イメージ論 キーワード 見出し・語録 ハイ・イメージ論1 映像の終り(『海燕』1985年7月号) 映像の終り(2)(『海燕』1985年8月号) ファッション論(1)(『海燕』1985年9月号) ファッション論(2)(『海燕』1985年10月号) 像としての文学(1)(『海燕』1985年11月号) 像としての文学(2)(『海燕』1985年12月号) 映像都市論(1)(『海燕』1986年1月号) 映像都市論(2)(『海燕』1986年2月号) 地図論(1)(『海燕』1986年3月号) 地図論(2)(『海燕』1986年4月号) 人間関係をどう読むか(『DIAMOND BOX』1985年9月号) 愛って、知で解明できますか?(『LEE』1985年12月号) パワー・ミドルの存在感(『PENTHOUSE』1986年2月号) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0904 標題 吉本隆明さんとフランシス子 ゆったりと時間 濃密な相思相愛:★猫(メス 15歳);【ハロー ペット】 掲載誌(紙・書)名 中日新聞 出版地 名古屋 掲載頁 http://www.chunichi.co.jp/article/living/pet/CK2009041302000037.html 掲載年月日 2009.4.13 区分 取材記事 キーワード 猫 見出し・語録 「これまでつきあった猫は数十匹になるでしょうか。私が小さいころは、よく猫が鼻水をなめてくれたもの です」 「シロミ」 「子猫のときに事故で脊椎(せきつい)を損傷し、今も自力で排泄(はいせつ)することはできないので、 人の手を借りています」 「ヒメ」 「実はシロミたちは私にあまりなつかないんです。私が別の猫ばかりかわいがっているから」 「この猫は最初、娘が引き取っていったんですが、娘の飼い犬と折り合いが悪く、こちらに戻ってきました」 「猫というのは遺伝的に穏やかなタイプと、原生的なタイプにいくつか分かれますね。この猫は、イリオモ テヤマネコのように野性的です。猫は、若いころはまさにハンターでした。今でもなでていると時々かみつ いてくる。でもかむのは家族の中でも私だけなので、猫なりの親しみの表現かもしれません」 注記等 文・宮晶子、写真・中西祥子 2009年4月13日 中日新聞:http://www.chunichi.co.jp/article/living/pet/CK2009041302000037.html 2009年4月13日 東京新聞:夕刊の8面
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 後藤正治 刊行年月 0904 標題 海を流れる河――吉本隆明 掲載誌(紙・書)名 人物ノンフィクション〈1〉一九六〇年代の肖像 叢書名 岩波現代文庫 出版社 岩波書店 出版地 東京 掲載頁 249-296 区分 取材談話 キーワード 見出し・語録 「いやぁ、まあ、なんですねぇ、訊かれりゃ、普通通りに、というだけですが‥‥‥。パーマやってくれ といったことはないです。やってくれと頼んでみても、野郎、満足に髪なんてねぇじゃねぇかとなるんで しょうが‥‥‥。まあ、黙って座ってるだけですが」p.254 「まあ、来るものはしょうがないわけでしてねぇ‥‥‥」p.254 「下町というのは、とりわけ月島や佃島の頃がそうでしたが、町内の佃煮屋の娘が出戻って帰ってるぜと か、うるさいほどに何でも耳に入ってくる。うるせえな、たまんねぇなと思いつつ、なんだか離れる気は しない。こりゃもう育ちに染み込んでるもんなんでしょうね」p.257 「父親を生活者として見るならば失敗者だろうなと思えますね。多少ともゼニのあった時期なんてほんの わずかでしょう。ここんとこでもうひとふんばり我慢すりゃいいのにという我慢ができない。一方、人間 的にいえば信頼感はあった。食い物に不自由した戦時中にしても自分は我慢して子供に食わせようとする。 が、自分が我慢しているところを感じさせない。そういう父親ではありましたよね」p.259 「あの日のことは覚えてますね。この先、お互い二十歳まで生きることはないだろうし、じゃあ何になっ ておきたかったかというような話しのなかで出てきた話題でしたね。イメージとして浮かべたのは、東京 駅から有楽町界隈の街路樹です。その下をうつむいて歩いているような中年の男を浮かべて口にしたこと は間違いない。別に深い意味はないんだけど‥‥‥」p.261 「この時期というのは資質だけで書いていたように思いますね。資質ということでいえば、きっと叙情性 が自己の本質にあるものなんでしょう。子供の頃から強情っぱりの泣き虫だった。そんなに論理の勝った 男とは自分じゃ思っていないですが、これはきっと工科系の学校に行ったことが多少とも影響してるかも ね」p.263 川上春雄(折笠義治郎)「私には吉本さんの仕事が比類のない独創的なものだと思えたこと。この書き手 の仕事を通して自分の生きた時代を解明していきたいということだったのでしょうか‥‥‥」p.270 「それが思想としてそうだということの前に、自分のなかに何か機軸のようなものとしてあるといえばあ るんですね。少年期に立川文庫を読んだ名残であるのか、あまり上等ではない倫理観、あまり上等ではな い任侠道があることも確かです。それがいいことだとはあまり思っちゃいないんだが‥‥‥」p.284 「われわれの世代の実感からいえば、戦争につぐ戦争の世紀であったわけですよね。最大の出来事といえ ばロシア革命とその崩壊でしょう。文学はどうだといえば、人類史に残る名作というのはほとんど十九世 紀に生まれている。どっから見ても、こりゃろくでもない世紀だったということになるよね」p.287-288 「自身の秘め事としていうなら、ある達成感はあるよね。それがかろうじて支えともなっていて、漠然と 自由になってきたという感触はある。それと裏腹なんでしょうが、おめえ、もうなんにもなくなったんじ ゃねえか、といわれたらその通りだと。身も蓋もなくいっちゃったらそういうことなんでしょうね」p.292 「老人と少年は一番遠くに離れているわけだけれども、人生の時間帯というのは円状になっていて、老人 はだんだん少年に戻っていく。往還というのか、なにかこうぐるっと回っていく。それが実感ですね」p.292  世については「おもしろく」かつ「わからない時代」といった。  おもしろくとは、ソ連圏の崩壊以降、世界の秩序は「未知」へと突入したこと。わからないとは「高度 消費社会」が進行するなかで、あらゆる社会的課題に軸となる処方箋が見えないことである。 「だいたいあれだよね、会社を定年になって、男女の性が介在しないままにもうひと山もふた山も時間が 続いていく。老齢化社会と言うか超老齢化社会です。ひと昔前だったら、盆栽いじって孫の守をしていり ゃいいじゃねえかということだったんだろうが、そんな条件ないよね。大変だな、見当つかねえな、とい う問題が消費社会のなかでせりあがっている。ひょっとしていまが、マルクスのいった資本主義後の第一 段階ということなのか。それはわからない。まるでわかりませんが、観察に値することだぜとは思います ね‥‥‥」p.293-294 注記等 初出:『アエラ』2000年4月10日号 「本書収録にあたっては、再取材を含め、いずれも大幅に加筆してある。」(巻末注記)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 著者 糸井重里 刊行年月 0904 標題 吉本隆明「ほんとうの考え」 掲載誌(紙・書)名 ほぼ日刊イトイ新聞 出版地 東京 掲載頁 http://www.1101.com/truth/index.html 掲載年月日 2009.4.16,17,20,24,5.1, 区分 インタビュー キーワード 恐慌/革命/ 見出し・語録
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年月 0904 標題 吉本隆明 語る〜沈黙から芸術まで〜 出版社 NHKエンタ−プライズ 出版地 東京 形式 DVD 区分 テレビ番組 キーワード 芸術言語論 見出し・語録 本編(89分)  プロローグ  芸術言語論 言語と沈黙  精神と表現の型  芸術の価値  編集後記 特典映像(59分)  講演開始1時間前  太宰治の「意識と無意識」  3時間の講演が終わって  吉本さん家のシロ  戦争体験と「沈黙」  宮澤賢治に魅せられて  転機となった60年安保  「詩」の起源(初期歌謡論) 注記等 「芸術言語論:沈黙から芸術まで;2008.7.19コンプリートセット」ほぼ日刊イトイ新聞 2008年7月19日、昭和女子大学人見記念講堂で行われた講演記録をNHKが編集し、ETV特集 「吉本隆明 語る〜沈黙から芸術まで〜」として2009年1月4日に放映したものに「特典映像」 が付加された。
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年月 0904 標題 芸術言語論:沈黙から芸術まで 出版社 ほぼ日刊イトイ新聞 出版地 東京 形式 DVDーROM 区分 講演 キーワード 芸術言語論 見出し・語録 講演ノーカット音源(MP3) 講演全映像(MP4) パンフレット(PDF) 注記等 「芸術言語論:沈黙から芸術まで;2008.7.19コンプリートセット」ほぼ日刊イトイ新聞 2008年7月19日、昭和女子大学人見記念講堂で行われた講演記録をパソコン閲覧用に編集。
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0905 標題 本について・食うべき演劇 叢書名 吉本隆明資料集 85 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 見出し・語録 田原克己『初期・性格と心の世界』(田原克己『初期・性格と心の世界』性格教育センター1985年9月 1日刊) 松岡祥男について(松岡祥男「意識としてのアジア」深夜叢書社1985年11月15日刊、解説) 『吉本隆明ヴァリアント』インタビュー 聞き手 高橋丁未子・渡辺誠(『吉本隆明ヴァリアント』19 85年11月15日刊、所収)  知識人の顔について/話芸と大衆/消費文化と素人・権威/母性の解体/西武と流通論/マスコミの 批評軸(1984年9月) 本について(安原顕「なぜ『作家』なのか」1985年12月7日刊、序文) 詩について(『ユリイカ』1985年12月臨時増刊号) 阿蘇行:このたびの旅(『旅』1985年12月号) 「黒澤充夫・辞典のための挿画展」のために(黒澤充夫『英和辞典の挿絵』1985年12月) 僕は、失業と転職の権威なんですよ(『週刊 就職情報』1986年1月16日号)  1失業時代/2研究者/3そして現在 10年先の、僕の恋人たちの風景(『とらばーゆ』別冊CAREER1986年1月23日号) 「理屈のない面白さ」がいまもっとも過激である:現在人解読学[いまじんかいどくがく](『ON and ON』1986年2月号) 愛と性の現在 聞き手 山本かずこ(『鳩よ!』1986年2月号)  女の人がつらくなる/うさん臭いボーボワールとサルトル/人肉事件も心中?/運命を感じさせる要素 /女性はどんどん成熟してゆく/無意識の荒れ‥‥‥男の場合、女の場合/現代の「性」の一例の「風俗」 食うべき演劇(『転形』第1号1986年3月11日発行) 文芸史の新しい波(『日本文芸史』河出書房新社、内容見本1986年4月) 「主題」という幻化または「幻化」という主題(山崎哲『エリアンの手記』1986年5月10日刊、栞) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0905 標題 親鸞の最終の言葉:我が親鸞像 掲載誌(紙・書)名 別冊 太陽:親鸞 出版社 平凡社 出版地 東京 掲載頁 118-119 区分 親鸞論 キーワード 親鸞 見出し・語録 注記等
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0905 標題 おいしく愉しく食べてこそ(29)陸ひぢきの迷妄 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 5 掲載頁 7 掲載年月日 2009.5.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0905 標題 朔太郎に通ずる「エロ」と「比喩」--評論家・吉本隆明さん 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞(東京夕刊) 出版地 東京 掲載頁 http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20090518mog00m200021000c.html 掲載年月日 2009.5.18 区分 談話記事 キーワード 忌野清志郎 見出し・語録  詩人で文芸評論家の吉本隆明さん(84)は80年代、清志郎さんのライブに熱中し、通い詰めた。  「歌を批評することはできない、僕は音痴だから。でも音痴なりに、声の親しさ、柔らかさがあって 魅力的だということは分かる。分からないのは身体的動作というか、ステージ上での動きです」  マントを脱ぎ捨て、マイクを振り回す。ステージ上の清志郎さんは、吉本さんをも悩ませる。  「この人は真剣に動作の端々に至るまでよく検討し、頭の中で十分形作られていて、まるで無意識か のように舞台で自然に見せる。それができる人はまれで、修練は大したものだ」  音楽評論家の渋谷陽一さんに紹介され、清志郎さんの存在を知った。吉本さんは84年、著書「マス・ イメージ論」で、清志郎さんの「三番目に大事なもの」「キミかわいいね」の歌詞を通して、風刺や暗 喩(あんゆ)について論じている。  吉本さんは詩人として、清志郎さんの歌詞は現代詩を切り開いた萩原朔太郎の系譜と位置づける。  「日本語の詩は、情緒に訴える方が分かりやすい。島崎藤村以降の叙情的な近代詩の流れが変わった のは朔太郎の出現で、情緒のよさで通り抜けてしまう空疎なところを性的な比喩でふさいだ。それが、 清志郎にもある」  朔太郎の詩集「月に吠える」から「くさつた蛤」の冒頭。  半身は砂のなかにうもれてゐて、  それで居てべろべろ舌を出して居る。  清志郎に通底するのも「エロ」と「比喩」だという。  RCサクセションの代表曲「雨あがりの夜空に」のサビには「こんな夜におまえに乗れないなんて  こんな夜に発車できないなんて」とある。  「独特の柔らかさを含んだ声と歌詞を調和させ、かつ見栄えがする動作をする。それを総合したもの が清志郎の魅力で、聴き続けた理由だと思う」 注記等
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0906 標題 おいしく愉しく食べてこそ(30)猫の缶詰 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 6 掲載頁 3 掲載年月日 2009.6.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0906 標題 身近な良寛:『良寛詩集』 掲載誌(紙・書)名 文藝春秋  巻 87 号 7 掲載頁 261-262 掲載年月日 2009.6.1 区分 良寛論 見出し・語録
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0906 標題 太宰治の場所:生誕100年・文芸評論家に聞く/1 吉本隆明さん 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞(東京夕刊) 出版地 東京 掲載頁 http://mainichi.jp/enta/art/news/20090601dde018040024000c.html 掲載年月日 2009.6.1 区分 インタビュー キーワード 太宰治 見出し・語録  今月19日は小説家、太宰治(1909?48)の生誕100年に当たる。次々と愛読者を招き入れ、 今も色あせることのない作品世界の魅力は何か。没後60年を超えた「永遠の人気作家」は、どこにい て、どこへ向かうのか。ベテランから若手まで4人の文芸評論家が、さまざまな視点で語る。初回は 「若いころから大ファンだった」という吉本隆明さんに聞いた。  ◇本質知る反問の人 親密な文体の背後に重さ  以前から「青年期に心から没入した」作家の一人に、太宰を挙げてきた。  「どの作品も隅から隅まで読みました。太宰が死んだ直後、同じ大学で親しかった奥野健男(太宰研 究で知られる文芸評論家。故人)と2人で酒を飲んで追悼しました。『誰も太宰の本質を理解していな い。分かっているのは、おれとお前だけだ』と話したものです。それくらい好きで、嫌いな作品は一つ もありません」  衝撃的な死から60年以上たった今も読まれ続ける秘密は何か。  「文体の親密性が特質として挙げられると思います。しばしば<軽さ>と見られるところでもありま す。だけど僕は<軽さ>と見るのは知識人の間違いで、親しさの密度が濃い文体なんだと解釈していま す。実際は夏目漱石にも決して劣らない重さをもっています」  では、その隠れた重さは、どこから来るのか。  「生涯の経歴と作品を総合して考えると、太宰は『人生をやっちゃった』後に本格的に書き始めたと いえます。思想的には学生時代に左翼運動に深入りしましたし、女性との関係では生前に2度心中事件 を起こしています。心中事件について太宰を悪人のように言う人もいますが、僕はそこにも太宰という 人間の受動性、<人間らしさ>が含まれているのを感じます。一人の作家になる前に人間が普通やるよ うなことは大抵やっちゃったというのが特徴で、これは岡本かの子や宮沢賢治など、僕が敬意を払う文 学者はみんなそうです」  <人間らしさ>をうかがわせる具体的な作品についても語ってくれた。まずは『富嶽(ふがく)百景』。  「富士の見える宿で文士らしく執筆に励もうとした作家(太宰)が、仕事がはかどらずごろごろして いると、その宿の娘に『ちっとも進まないじゃないの』とたしなめられる場面があります。娘は文学を 知らない人として描かれています。こういう無償の善意から励ましを与えてくれる人間像を、自らの対 照として必ず登場させています」  『みみづく通信』にも太宰の特徴を示す場面があるという。  「少し売れるようになり旧制新潟高校に初めて講演に呼ばれた時のことを書いた短編です。講演の後、 文学の好きな学生たちと雑談していて、作家になった理由を『他に何をしても駄目だったから』と答え ると、一人の学生が『じゃあ僕なんか有望だ。何をしても駄目だから』と調子に乗って話します。する と太宰は真顔になって『君はまだ何もしてないじゃないか』と言う。いかにも太宰だと思わせるところ です。何か自分の琴線に触れることがあると、それを言わずにはおれないんです」  話は、吉本さん自身の体験につながっていく。  「学生時代に一度、彼の戯曲を上演するため了解を得る口実で会いに行ったんですけど、その時、あ まりに軽く振る舞っているのを見て、『太宰さんは、重たい時ってなかったんですか』と聞きました。 そしたら、キッとなって『いや、おれはいつでも重いよ』と答えました。そして『男の本質は何だか知 ってるか』と聞いてきました。いい加減なことは言えないと思ったので、『いや、分かりません』と答 えると、太宰は『男の本質はマザーシップ(母性)ということだ』と言ったんです。その反応から、い つも本質的なことを考えていて即座に言える人だと分かりました。世間が考えているような人じゃない なあ、と。相手が誰であっても、すぐ切り返す反問の仕方は太宰の特色です」  そういう意味で「思想性を持った小説家」と評価する。  「戦後に無頼派と呼ばれた太宰と坂口安吾、織田作之助にはそれぞれ思想性がありますが、太宰ほど 総合的で本格的な思想家、革命的な文学者はいません。つまり、世の中がひっくり返るようなことが起 こっても『分かり切ったことだ』と言えるだけのものがあります。晩年には『斜陽』『人間失格』など、 意識的に構築した優れた作品も残しました。でも太宰文学は全部読まないと誤解されてしまうところが あります。今のように経済危機が叫ばれる時代には、よけい軽すぎると見なされやすいかもしれません ね」 注記等 聞き手・大井浩一
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 0906 標題 吉本隆明 全漫画論:表現としてのマンガ・アニメ 出版社 小学館クリエイティブ 出版地 東京 区分 漫画論 キーワード 表現/漫画/アニメ 見出し・語録 第I部 作品論  昭和の終焉を象徴する手塚治虫の死  地崩れして動く劇画  かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』論  つげ義春の作品世界  『サザエさん』の解説  『AKIRA』と大友克洋の現在性  ナウシカとアニメとマンガから  社会とことばの変容から  『さらば宇宙戦艦ヤマト』の魅力  幼児性の勝利 第II部 原理論  縮合論  語相論  パラ・イメージ論 第III部 対談  萩尾望都‥‥‥‥‥自己表現としての少女マンガ  りんたろう‥‥‥‥アニメーション、いま新しい段階へ  中沢新一‥‥‥‥‥消滅に向かう世界のなかで、           「現在」を読みとくための読書論  小川徹‥‥‥‥‥‥『ガンダム』『イデオン』の新しさ  大塚英志‥‥‥‥‥エヴァンゲリオン・アンバウンド 言い残したこと―――あとがきにかえて[インタビュー] 初出一覧 注記等 ISBN978-4-7780-3706-2
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0906 標題 西行 歌人論 叢書名 吉本隆明資料集 86 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 西行 見出し・語録 西行歌における劇(『短歌』1986年1月号) 西行歌における劇PART II(『短歌』1986年4月号) 「心」と「世」(『吉本隆明全集撰 第六巻 古典』1987年10月10日刊、書き下ろし) 「花」と「月」(『吉本隆明全集撰 第六巻 古典』1987年10月10日刊、書き下ろし) 短歌の謎(『短歌研究』1999年1月号) 西行の色(『俳句現代』2000年1月号) 饗庭孝男の『西行』(『日本経済新聞』1993年5月16日朝刊) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0907 標題 おいしく愉しく食べてこそ(31)虎といつまでも 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 7 掲載頁 3 掲載年月日 2009.7.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 著者 笠原芳光(聞き手) 刊行年月 0907 標題 思想を生きる:吉本隆明語る 出版者 京都精華大学 出版地 京都 形式 DVD 区分 インタビュー 見出し・語録 岡本清一との出会い 60年安保闘争 ファシズムと戦争 今を生きる若者たちへ 吉本隆明作「苦しくても己の歌を唱え」より 注記等 京都精華大学40周年記念事業として制作(非売品)。 2008年12月2日、吉本宅にて収録(52分42秒)。
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0907 標題 ハイ・イメージ論(初出)2 叢書名 吉本隆明資料集 87 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 ハイ・イメージ論 キーワード ハイ・イメージ 見出し・語録 ハイ・イメージ論2 人口都市論(『海燕』1986年5月号) 像としての音階(1)(『海燕』1986年6月号) 像としての音階(2)(『海燕』1986年7月号) 像としての音階(3)(『海燕』1986年8月号) 連結論(1)(『海燕』1986年9月号) 連結論(2)(『海燕』1986年10月号) 走行論(1)(『海燕』1986年11月号) 走行論(2)(『海燕』1986年12月号) 走行論(3)(『海燕』1987年1月号) 走行論(4)(『海燕』1987年2月号) 「本」を語る(『スタジオ・ボイス』1986年10月号) タモリか、たけしか、大論争(『アンアン』1986年11月14日号) 猫の名前を呼ぶ時は『LEE』1986年12月号) 編集ノート 注記 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0907 標題 吉本隆明 全マンガ論ー表現としてのマンガ・アニメ 吉本隆明さん 掲載誌(紙・書)名 朝日新聞 出版地 東京 掲載頁 http://book.asahi.com/author/TKY200907290199.html 掲載年月日 2009.7.26 区分 取材記事 キーワード マンガ/アニメ 見出し・語録 へええなるほどなあって思う  かの吉本隆明は、マンガやアニメにまで、思索を深めていたのだった。  本著は78年から00年にかけて雑誌などに寄せた18本の文章を収録。つげ義春の作品 世界を語り、『ちびまる子ちゃん』から言語の変容を考え、『新世紀エヴァンゲリオン』に ついて評論家の大塚英志に解説を求め、その子細な分析にうなずき、「たいへん啓蒙(けい もう)されました」と感想を述べたりしている。  興味深いのは、この思想家が少女漫画界の「御三家」とされる竹宮恵子、山岸凉子、萩尾 望都の作品を「純文学に近い」ととらえ、多くの作品を読み込んでいたことだ。81年の萩 尾との対談でも、「相当思い切った内面性を表現してる」「本質的な不安感みたいのを読者 に与える」と積極的に発言。こう振り返る。「あの人たちは相当深くほかの分野のものを読 んだり考えたりして、蓄積してるんでしょうね。そして、圧倒的多数の読者に支持されてる 自負心というか、威風堂々たる雰囲気があってね。こちらはそんなものないから、もたもた するばっかりで」  そしてこれほどの大家でも、本業と少し離れた分野の仕事は「見当違いにならないように 用心深く、抑制して」かかるそうだ。アニメ・マンガの分野は、漫画家で長女のハルノ宵子 さんに示唆を求めてきた。「例えば『ドラえもん』ですね。人気の理由がわからなくて聞い たら、『平凡な日常がすごく上手に描かれているんだよ』ってことでね。自分なんかはつい 特異なことに目が行きがちなもんですから。へええなるほどなあって思うわけです」  現在84歳。マンガやアニメに関する仕事は「年の加減もありますし、マンガについては、 しめくくっていいだろうって思いますね」。そして少々照れくさそうに、こう続けた。「た だ、意外にしぶとく長生きするってこともあるわけですから、あるいは、続編ってことも、 あるかも知れませんねえ」 注記等 [文]浜田奈美 [写真]高山顕治
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0908 標題 おいしく愉しく食べてこそ(32)ままならないこと 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 8 掲載頁 5 掲載年月日 2009.8.1 区分 エッセイ 見出し・語録 「留置場の食事が現在、どう進歩しているのか知らない。ただ、いまでも憤怒をかきたてられるのは、 留置場に入れられたばかりのとき、むき出しのブリキ製の便器のそばで寝たときの臭気だ。これだけは 許せぬ、すべての敵は敵だ、正義づらや味方づらをするな、お前の言葉は、受け身な融和だという思い にとらわれた。それはどんな新入りでも同じだった気がする。所詮は敵への融合にすぎないと、思える のだ。」 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 瀬尾育生(聞き手) 刊行年月 0908 標題 孤立の技法 掲載誌(紙・書)名 現代詩手帖 巻 52 号 8 掲載頁 54-64 掲載年月日 区分 講演 キーワード 詩 見出し・語録 いまわれわれはどういう地形のなかにあるのか/自分に向かって書いていく――詩を書き始めた頃/ 「芸術言語」――芸術と言う概念を拡張する/萎縮が過剰になっている/時間に対する耐えかた 注記等 特集 これからの詩どうなる――現代詩手帖創刊50年祭[2009年6月20日 新宿明治安田生命 ホールで「詩論について」と題して講演] 吉本隆明 詩はこれからあと、どう進むか、 この主催者からの問いに対し、 わたしとして答えられるのは、 ただひとつのことだけだ。それ はきみたち詩人、詩を書いてい る人、なぜか詩に引きよせられ て読む人たちの孤独な詩魂に よって定まる。その余はざつ音 のみ。
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 0908 標題 老いの超え方 叢書名 朝日文庫 出版社 朝日新聞社 出版地 東京 区分 老体論 キーワード 老い/老齢/身体/死 見出し・語録 吉本隆明 日々の体操と道具 第一部 身体 一問一答 その一 身体篇 身体について/身体をとりまく嗜好 〈第一章〉 身体 生きた心地がしない感じがする・・・/老人というのは「超人間」と言ったほうがいい・・・/自己としての自己 と社会的な自己は分離しないと駄目だと思う/ホルモンのバランスが崩れた場合に人間はどうなっていくか/性欲 は精神的な要素と身体的な要素の両方を統合したもの/意識することと行動することを自分の中で分離してあれば いい 〈第二章〉 精神 不断の持続性が欠けているとやはり衰える/自分で腰をあげる必要がなければ、なかなか腰を上げるまでにはいか ない/定年後三十年も生きるかもしれないので、何かしなくてはいけない/反省力というのが若い時より増大して いる 〈第三章〉 生活 いざ歩き出すには、歩こうと意識してから時間的にも大きな隔たりがある/片方を多く食べたら片方を遠慮すると いうのは、全然意味がない/これはまいったというところから始まる/そこまで行くべきだろうし、そこまで行っ たらたいしたもの/目が覚めてしまうとどうするかというのが問題/腰が痛いというのは、半分は精神的な要素で はないか 〈第四章〉 環境 自宅は、気を遣うことはほとんどないという精神的自由さがある/そのことが一番重要なら、そのことに一番近い ことで解決すればいい/病院は一般社会の中にある真空の場所みたいなもの/言うことはないほど理想的ないいも のだと思う 語録集 その一…身体篇 第二部 社会 一問一答 その二 社会篇 人生を語る 〈第一章〉 仕事 どんなつまらないことでも張り合いがあればいい/老人の精神は非常に忙しく動いている 〈第二章〉 社会 一番いいのは余計なことは言わなくてもいいから、金だけ出してくれるというものです/代償を求めずに金をだす。 そこまできたら、民族国家を超えられる/いいことをしているという意識が加わったら、これは嫌ですよ。むしろ 構わないでくれと言いたくなる/可能意識をもつことは、社会的人間としては非常に重要なこと 語録集 その二…社会篇 第三部 思想 一問一答 その三 思想篇 癒しの事物/人物/書物 〈第一章〉 宗教 宗教的なものというのは、非常に大きな考察の場だと思っています/日本では、宗教より孫子三代同居のほうが救 いになる/寂しさ、衰えと死は別問題 〈第二章〉 文学 老人というのは何なんだ。言い尽くしたいけれど、言い尽くせない/徹底してやらなければ、老人問題の全部を覆 うことはできない 〈第三章〉 政治 何か制約があって、老人の自由度が抑圧に代わってしまう/生態学的に考えてうまく処理できることが科学の役目 だと思っていたら、それはちょっと違う 語録集 その三…思想篇 第四部 死 一問一答 その四 死篇 いろいろな死 〈第一章〉 見方 生まれてから死ぬまで全部を照らして見ることができる場所に死がある/医学的な死と肉親の情感の温度差が、死 の判定のずれになっていく/どんなことを言っても、死については野次馬的にしか言えない 〈第二章〉 対処 同行二人、一人で喜ぶは二人と思え/死後のことは考えなくてもいい/科学というのは一番新しい宗教 語録集 その四…死篇 あとがき 解題 森山公夫 吉本隆明略年譜 注記等 ISBN 978-4-02-261640-1 2006年5月刊行本の文庫本化に際し、解題が付された。 「一問一答」および章立ての部分はインタビューで、聞き手は佐藤信也(ライフサポート社)。 「語録集」は『老いの流儀』、『薪・死の位相学』、『幸福論』、『中学生のための社会科』、『悪人正機』、 『時代病』、『吉本隆明「食」を語る』などの過去の著作からの引用文。
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 坂本龍一 刊行年 0908 標題 音楽機械論:ELECTRONIC DIONYSOS 叢書名 ちくま学芸文庫 出版社 筑摩書房 出版地 東京 区分 対談 キーワード 音楽/文化 見出し・語録 I 現代の音楽工場見学 II ムジカ・コンビナトリアのあらたな探求 III 電子音楽作曲のためのプログラム YOSHIMOTO=SAKAMOTO PROJECT  1−リズム/ベースをつくる  2−作曲・補作作業  3−アレンジ IV 歓ばしき音楽機械!? 文庫版インタビュー――モードが転換した一九八四年 坂本龍一(聞き手・小沼純一) 注記等 ISBN 978-4-480-09227-4 「本書は、1986年1月、トレヴィルより出版された。」
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0908 標題 「吉本隆明さん、今、死をどう考えていますか?」 掲載誌(紙・書)名 よい「お葬式」入門。:生きているうちに、話し合うための 叢書名 [セオリーMOOK] 出版社 講談社 出版地 東京 掲載頁 4-11 区分 インタビュー キーワード 死 見出し・語録 Q 今、死をどう考えていますか? Q 直面した、やりきれない死は? 「私、死は怖くないんの」なんて法話を目にしたら「‥‥‥よせやい!」とは思うんです(笑) Q 最も死に近づいた体験は‥‥‥? 「こんなことで終わりなのか」と、案外、納得するものなんです Q 七十歳代での臨死体験は‥‥‥? Q 命の恩人から言われたことは? Q 死は「怖いもの」ですか‥‥‥? 「棺桶で焼かれるというイメージは、「身体にそぐわないもの」になっていた」 Q ご自身の葬式については‥‥‥? Q 吉本さんは、親鸞の死の直前の状況について、知を捨てて念仏の結果や成仏の期待を捨てて、 愚者として老いて生きているからこそすばらしい、と評価されていますよね。 「どれほど自分を偉くしても、悟りを開いても最後の最後に、接近不可能な「空隙」がある」 注記等 ISBN978-4-06-378120-5 取材・文◎木村俊介/写真◎中村將一/編集◎戸井武史
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0909 標題 おいしく愉しく食べてこそ(33)飲みものを試す 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 9 掲載頁 5 掲載年月日 2009.9.1 区分 エッセイ 見出し・語録 「ただ、現在でも良いことばかりを決して言うまい、お説教は決してしないという、自分の中での戒律だけ は守ろうとしているのだが、これも少し怪しくなっている。  信念はどこへいったのかと、嘆かわしくなる。良いことばかりを言う集団や個人が増える社会は衰亡して いく。私はまず、私自身を「良いこと言いの悪癖」から切り離したい。」 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0909 標題 芥川・太宰・三島の「自殺の運命」/石川九楊論 叢書名 吉本隆明資料集 88 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 キーワード 見出し・語録 高村光太郎の書(『別冊墨』第5号 1986年6月20日発行) 編集者としての安原顕(安原顕『まだ死ねずにいる文学者のために 1986年6月25日刊) 「かっこいい」ということ―岡田有希子の死をめぐって―(『鳩よ!』1986年7月号) 放射能とわたし 原子力エネルギー利用は不可避。現在の「反原発」はおかしい(『婦人画報』19 86年8月号) 梅原猛との対談集『日本の原像』1986年8月刊 所収) 文化のパラドックス 聞き手 小玉武(『季刊サントリー』第25号 1986年9月11日発行) 六○年代世代の反動/究極映像から『ハイ・イメージ論』へ/没個性、そして没家族/活字文化の 運命/科学技術と人間の幸福/読書術の進歩 著者のことば(『吉本隆明全集撰』内容見本 1986年9月) 蠢く家族(安田有詩集『スーパーヒーローの墓場』1986年10月刊 栞) 執筆者のコメント(『オルガン』第1号 1986年11月5日発行 所収) 芥川・太宰・三島の「自殺の運命」(『新潮45』1987年2月号) なぜ人は作家となるか?/なぜ作家は自殺するのか?/「ぼんやりした不安」の正体は?/芥川の 「天才」はどこにあるか?/太宰の「素質」はどこから来たか?/なぜ情死を繰り返したか?/三 島の性格的悲劇は?/なぜ兵隊ごっこをしたか?/天才の弱点はどこにある?/三人の共通してい るのは? 石川九楊論(石川九楊作品集『しかし』1987年2月1日刊 解説) 編集ノート 注記 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0909 標題 夏目漱石を読む 叢書名 ちくま文庫 出版社 筑摩書房 出版地 東京 区分 作家論 キーワード 夏目漱石 見出し・語録 渦巻ける漱石 『吾輩は猫である』 『夢十夜』 『それから』 青春物語の漱石 『坊ちゃん』 『虞美人草』 『三四郎』 不安な漱石 『門』 『彼岸過迄』 『行人』 資質をめぐる漱石 『こころ』 『道草』 『明暗』 あとがき 解説 私たちが漱石を持ち吉本隆明を持つ幸運 関川夏央 注記 編集部 注記等 ISBN978-4-480-42642-0 2002年11月刊行本の文庫化 「本書収録にあたって、あらためて著者による加筆・修正の手入れがありました。」(編集部注記)
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 森山公夫 刊行年月 0909 標題 異形の心的現象:統合失調症と文学の表現世界 新装増補改訂版 出版社 批評社 出版地 東京 区分 対談 見出し・語録 第1章 文学と統合失調症の心的世界 「精神分裂病」から「統合失調症」へ 『彼岸過迄』の中の「夢幻様」描写の意味 『三四郎』の中の「夢幻様」描写の意味 『彼岸過迄』『三四郎』『草枕』に描かれた漱石の「夢幻様」世界 第2章 「臨死体験」と原始仏教の世界――死に損なって◎体験とその後 「夢幻様」世界に親和性をもつ漱石の作品 死に損なって――溺れた体験とその後 比喩として「怪しげなこと」へ――中沢新一さんとの対論のなかで考えたこと 「心の考古学」への憧憬――ヘーゲルの歴史認識を超えて 「統合失調症」における「統合」の意味――臨床体験から 「心」あるいは「精神」内容二つの部分の相互関係――『言語にとって美とは何か』と 『胎児の世界』の共通性 『統合失調症――精神分裂病を解く』をめぐって 第3章 もうひとつの視線――四次元的幻視の心的世界 作家と「夢幻様」体験の親和性――漱石、ドストエフスキー、夢野久作 上からのもうひとつの視線の想像力――銀河鉄道の夜』の描写 四次元的映像空間の想像力――もうひとつの視線と富士通館の経験から 三次元の感覚世界を四次元的視線で見る想像力――麻原彰晃と芥川龍之介の視角 もうひとつの視線と「狂気」の世界 「狂気」と「健常」の閾値――「生育の構造」をめぐって 浄土教にみる「狂気」の処遇◎親鸞の教えをめぐって(1) 親鸞の悟りと夢告――「もの狂い」の排除の論理◎親鸞の教えをめぐって(2) 第4章 「和解」と「諦念」、そして「内省」――新しい関係世界の脱=構築 不安と葛藤の関係を超えて――固有の世界と折り合いを付ける 対立と孤立を超えて――「内省」のむずかしさ 1.大岡昇平さんの場合 2.小島信夫さん、鶴見俊輔さんの場合 3.安原顕さんの場合 4.出口裕弘さんの場合 5.娘――次女の場合 「引きこもり」の心象風景――『ひきこもれ――ひとりの時間をもつということ』をめぐって 補章1 僕のメンタルヘルス 『心的現象論序説』における「心」と「精神」 「心の危機」と労働の変質 不健康の社会的典型 家族の不健康とは 社会関係の不健康――市民病という名の病気 親鸞の悟りと精神の病い 「狂気」と文学の可能性 レーニン的唯物論の陥穽と仏教の世界 精神医療における霊性と呪術的世界 「原生的疎外」をめぐって 「精神分裂病」から「統合失調症」へ――実体の変革へ向けて 補章2 それから 加齢による心身の変調 精神科医療の新しい変化――解離、ヒステリー、遁走 遁走の病理と実感――隠れてしまえる場所があれば隠れたい 時代状況の転換期と追いつめられる思想の苦悩――江藤淳の“妄想” 太宰治の苦悩――志賀直哉との論争の果てに うつ病の蔓延、拡散状況の中で 社会の病理と若者たちの無差別殺傷事件――正常と異常の狭間で ある事故の顛末――憂さ晴らしの会の変貌と荒廃 精神科バブル現象と唯物論的思考の蔓延――ゆとりの喪失とエゴイズム 親鸞の悟りに学ぶ――チベット仏教を支持した善光寺の教え 科学技術思考の分かりやすさの陥穽――テレビ文化の機能をはじめて知る これからの同人誌と言う自己主張の場――「試行」の経験から 解題 森山公夫 敗戦後の六〇年 敗戦体験からの帰還 六〇年安保闘争前後 全共闘運動と吉本思想 八〇年代と吉本思想の展開 現在的課題 「もうひとつの視線」 「精神とはなにか?」 増補改訂版への後書き 森山公夫 注記等 「補章1は『精神医療27号』(2002年8月、批評社)巻頭インタビュー「僕のメンタル ヘルス」を加筆の上、再録した。 補章2は増補改訂版の刊行にあたり、2009年7月25日に対談していただいた記録を収録 した。」(巻頭注記) 第1〜2章 2003年5月8日収録 第3〜4章 2003年6月5日収録 補章1 2002年4月4日収録 補章2 2009年7月25日収録 対談収録場所――――吉本隆明氏宅 ISBN4-8265-0510-9
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0910 標題 おいしく愉しく食べてこそ(34)焼きそばのはじめとおわり 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 10 掲載頁 5 掲載年月日 2009.10.1 区分 エッセイ 見出し・語録 「食というものの怖さはアルコール中毒の怖さに劣るものではない。アルコールは禁止が有効だが、食は 禁止が効かない。私は食を制限させられたとき、一日60本くらい吸っていたたばこをやめるほうがつらい だろうと思って正食と同時に禁煙を試みたが、たばこは3ヶ月くらいでやめられたというのに、食に関し ては現在でもあやしい。酒をやめることは、たばこよりも、やさしいと思っていたが、ほんとうのところ はわからない気がする。」 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 大日向公男(聞き手・構成) 刊行年月 0910 標題 天皇制・共産党・戦後民主主義:証言●戦後の転換点と左翼の終わり;歴史としての「全共闘」 掲載誌(紙・書)名 中央公論  巻 124 号 10 掲載頁 162-171 掲載年月日 2009.10.1 区分 インタビュー 見出し・語録 一九七〇年頃の転換点/戦後民主主義の仮面が剥がれた/得体の知れないエネルギー/戦前・戦中の時代 と全共闘の時代を繋げる/天皇制と共産党の神話を壊す/どんな場合でも心棒は思想/詩的喚起力/大衆 文化のあり様から/新たな脱出口を探して 注記等 2009年7月31日収録 撮影◎薈田純一
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0910 標題 大衆の選択 掲載誌(紙・書)名 現代思想  巻 37 号 13 掲載頁 5 掲載年月日 2009.10.1 区分 談話 見出し・語録 「けれども彼らの望むようには大衆は決して動かない。選挙というものは、そしてその結果は、大衆が決 めるものであって、知識人があれこれと言ってもむだなことです。それには誰も付いてこないでしょう。 大衆はそれとは無関係です。しかも知識人も一票、大衆も一票ですよ。実際にはどうすることもできない でしょう。」 「自民党が負ければ負けるほどいいとは思っていますが、私はしかし、選挙の結果には何の興味もありま せん。選挙などというものとは離れたところで考えてきたからです。民主党が何を言おうが、何の関係も ない。共産党とか社民党が何を言おうが、どうなろうが、それも関係ありません。だって、こちらは自立 の思想でずっとやってきたのですから。そういう選挙の結果とか政党の動向とか、彼らが言っていること とは関わりなく、ずっと自立的思考を目指してやってきたことへの誇りがありますよ。そのことを言って おきたい。」 注記等 2009年8月17日
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0910 標題 シモーヌ・ヴェイユについてのメモ 叢書名 吉本隆明資料集 89 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 思想家論 キーワード 見出し・語録 シモーヌ・ヴェイユについてのメモ 工場体験論(『吉本隆明全集撰』第1巻1986年9月30日刊 月報) 工場体験論(『吉本隆明全集撰』第3巻1986年12月10日刊 月報) 痛みの神学・心理・病理(『吉本隆明全集撰』第4巻1987年6月10日刊 月報) 「重力」の倫理(『吉本隆明全集撰』第6巻1987年10月10日刊 月報) 労働・死・神(『吉本隆明全集撰』第5巻1987年12月10日刊 月報) 初期ヴェイユ(『吉本隆明全集撰』第7巻1988年4月10日刊 月報) 革命と戦争について(『甦えるヴェイユ』JICC出版局1992年2月1日刊 書き下ろし) 最後のヴェイユ(『甦えるヴェイユ』JICC出版局1992年2月1日刊 書き下ろし) ヴェーユの現代性(『シモーヌ・ヴェーユ その劇的生涯』春秋社1991年6月30日 所収) よみがえるヴェイユ(『春秋』2008年7月号) 新約書の話(『森』第1号 2003年10月発行) 編集ノート 注記 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 鮎川信夫 刊行年 0910 標題 対談 文学の戦後 叢書名 講談社文芸文庫 出版社 講談社 出版地 東京 区分 対談 キーワード 戦後文学 見出し・語録 1、第一次戦後派と反体制運動 2、時代の暗さと感性 3、埴谷雄高の軌道修正 4、大岡昇平「俘虜記」と降伏の観念 5、江藤淳「もうひとつの戦後史」について 6、戦前・戦後の自由の問題 7、「荒地」の詩人たちの変遷 8、「敗戦」と国家と個人 9、野間宏「真空地帯」と靖国神社 10、戦争犯罪と東京裁判 11、アジア的ロジックと天皇制 12、無頼派と「近代文学」の人たち 13、ソルジェニツィンの「収容所群島」 14、スターリン体制の必然性 15、現代文学の変質 16、島尾敏雄「死の棘」と吉行淳之介「夕暮まで」 17、カウンター・カルチャーの時代 18、現代的な小説 19、文芸批評の大衆化 20、現代文学の行方をめぐって 21、ヒューマニズムの終焉と近代の超克 22、「試行」の二〇年 23、六〇年安保の本質を見る 24、第三の新人のこと 関係文献 解説 高橋源一郎 注記等 ISBN978-4-06-290063-8 「本書は、講談社刊『対談 文学の戦後』(1979年10月)を底本としました。なお、明らかな誤植と 思われる箇所は訂正しましたが、原則として底本に従いました。」(巻末注記)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0910 標題 自作を語る 第17回 「ハイ・イメージ論」 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」11月増刊号、第23巻第16号通巻第358号) 巻 41 号 Autumn 掲載頁 180-193 掲載年月日 2009.10.30 区分 インタビュー キーワード ハイ・イメージ論 見出し・語録 時代の臨場感から永続性を見出せるか  「英語でいえばthinkerっていう、「思想家」っていう言葉があるんですが、僕は思想家という言葉が好きじ ゃないから、thinkerに該当する言葉として、若い頃に「思想者」という言葉を発明したんです。思想家という と、公のことに言葉や考えを費やして、いろんな問題と知識を結びつけたりしないといけない。僕はあんまり そうしたことは考えたことがないから、思想家って自分で言うのも、人に言われるのも嫌ですね(笑)。  でも思想者っていえば、そんなに恥ずかしくない。遊び半分でデパートを見て歩いたりどういう衣装が流行 っているかというのを見ているうちに、消費産業、第三次産業が全産業の半分に近づいたら、たとえば都市の 問題や、住まいの問題などが必ず表出すると感じました。それも、西欧とは違った形ででてくるかもしれませ ん。思想者として、そういうことをまじめな課題として考えないといけないと思ったんです。」 注記等 インタビュー・撮影=渋谷陽一
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 中島岳志 刊行年月 0910 標題 左翼、根拠地、そして親鸞 掲載誌(紙・書)名 中島岳志的アジア対談 出版社 毎日新聞社 出版地 東京 掲載頁 221-230 区分 対談 キーワード アジア型/根拠地型/親鸞 見出し・語録 戦前的な転向はしない〈吉本〉アジア型の抵抗が大事〈中島〉 今、親鸞をどう見るべきか〈中島〉浄土とは理想の平等社会〈吉本〉 対談を振り返って(中島・記) 注記等 2007年5月23日 「本書は、毎日新聞夕刊(一部地域朝刊)文化面で2006年7月から09年3月まで連載した「中島岳志 的アジア対談」のすべてをテーマ別に並べ直し、一部加筆修正した物である。(「序」毎日新聞学芸部  鈴木英生)
刊行形態 Generic 著者 吉本隆明 刊行年月 0910 標題 [帯文] 掲載誌(紙・書)名 東京詩 出版社 左右社 出版地 東京 掲載頁 帯 区分 推薦文 キーワード 詩 見出し・語録 詩人たちの東京をモチーフとした詩を 東京という都市の〈地誌〉として 作り出そうとする試みである ―――吉本隆明 注記等 ISBN978-4-903500-19-5
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0911 標題 おいしく愉しく食べてこそ(35)野菜の品定め 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 11 掲載頁 3 掲載年月日 2009.11.1 区分 エッセイ 見出し・語録 「人間は生活環境や遺伝子や種の相違、文化、文明、言語の相違にも関わらず、ただひとつの平等だと言い 切ると、その可能性の前に立っているのは、食の平等性とそこから波及する諸々の平等性だけであろうと、 思えてくるからだ。」 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0911 標題 ハイ・イメージ論(初出)3 叢書名 吉本隆明資料集 90 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 ハイ・イメージ論 キーワード 形態論/拡張論 見出し・語録 ハイ・イメージ論3 形態論(1)(『海燕』1987年3月号) 形態論(2)(『海燕』1987年4月号) 形態論(3)(『海燕』1987年5月号) 拡張論(1)(『海燕』1987年6月号) 拡張論(2)(『海燕』1987年7月号) 拡張論(3)(『海燕』1987年8月号) 拡張論(4)(『海燕』1987年9月号) 拡張論(5)(『海燕』1987年10月号) 多空間論  (『海燕』1987年11月号) 猫が評論家を見る目は、彼の批評よりも辛口かもしれない。(『PETER』1987年7月号) 現代透視する「世界視線」:新たな人間主義を目指す(『山梨日日新聞』1989年6月2日) 人物日本列島・吉本隆明:人物ウィークリー・データ(連載146回)(『週刊宝石』1984年10月12日号) 編集ノート 注記 挿画 ハルノ宵子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0912 標題 おいしく愉しく食べてこそ(36)甘味の自叙伝 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 19 号 12 掲載頁 3 掲載年月日 2009.12.1 区分 エッセイ 見出し・語録 「食材の良否の体験は、経済や政治の問題になるが、味覚の問題は文化と文明の民俗性、その固有 さと普遍性の問題だと言えそうな気がする。」 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 山折哲雄 刊行年月 0912 標題 悪人はどこまで救われるのか―親鸞思想をめぐって 掲載誌(紙・書)名 悪と日本人 出版社 東京書籍 出版地 東京 掲載頁 157-182 区分 対談 キーワード 親鸞 見出し・語録 超長寿者親鸞と情念の排除/肉体の死への希薄さ/肉体の魂と精神の魂/善悪の倫理の解除/悪人はどこ まで救われるのか/最晩年の親鸞思想 注記等 ISBN978-4-487-80181-7 初出:「対談 親鸞、そして死:思想と信仰のはざまで」(「アエラムック:親鸞がわかる本」1999.5.10)
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0912 標題 漱石が創った女たち・家族の幻像 叢書名 吉本隆明資料集 91 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 対談 キーワード 見出し・語録 マラソン 四二キロの人生体験(『越境スポーツ大コラム』1987年3月16日刊所収) 必然の力をもった形:長次郎作 黒楽茶碗・銘「尼寺」;プライベート アート スポット(『美術手帖』 1987年4月号増刊「東京アートガイド'87」所収) 執筆者のコメント(『オルガン』第2号1987年4月15日発行所収) 漱石が創った女たち 小川国夫・吉本隆明(『國文学』1987年5月号)  家族/『門』のお米/三角関係/『こゝろ』の奥さん/漱石の女性観(1987.2.6) 北川透のイメージ(北川透全対話『詩と時代の水際へ』1987年8月1日刊栞) 家族の幻像 山崎哲・吉本隆明(『新劇』1987年8月号)  拡散する対幻想/家族の母子家庭化/女性の本質が表出する/若王子氏誘拐事件/ナショナルな使命感と 家族/空虚感をおおうイメージ/父親像は演じられる/少女の性・思春期/「老い」と「死」を抱えこむ家 族/世代と世代のはざまで(5月29日 於新宿中村屋) 瞬間に成り立つ物語 俵万智・吉本隆明(『スタジオボイス』1987年8月号) お茶の時間:ひとつのことをゆっくりしゃべろう テレビ 糸井重里・吉本隆明(『クロワッサン』1987 年8月25日号) 科学技術を語る 聴き手・小浜逸朗・高野幸雄(『テオリア』第6号1987年10月31日発行)  (1985年12月5日、吉本宅にて) 編集ノート 注記 挿画 ハルノ宵子

「吉本隆明2009年著作リスト」/kyoshi@tym.fitweb.or.jp 2010.04.07