吉本隆明2007年著作リスト


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刊行形態 Magazine Article
著者 吉本隆明
刊行年月 0612
標題 9条と日本の戦後思想
掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」1月増刊号、第21巻第1号 
通巻第307号)
巻 30
号 Winter
掲載頁 16-23
掲載年月日 2006.12.31
区分 インタビュー
キーワード 憲法第9条/憲法改正/戦争
見出し・語録
「戦争が対象化されないままに戦前思想が再生産されているんです」
「戦争というのは世論が政府を追い込む形で起きるんですよ」
「日本の近代化は敗戦で挫折したんです」
「平和憲法の理念を設定し続けるのは、我々の仕事です」
注記等 インタビュー=渋谷陽一

刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0701 標題 いじめ自殺 あえて親に問う:虐める子も虐められる子も育て方が問題だ 掲載誌(紙・書)名 文藝春秋 巻 85 号 1 掲載頁 128-135 掲載年月日 2007.1.1 区分 談話 キーワード いじめ/問題児/親/育児 見出し・語録 親はどうすればいいか/子どもの自殺は「親の代理死」/僕も育てられ方が悪かった/「いい先生」にな ろうとするな
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0701 標題 おいしく愉しく食べてこそ(1)正月仕度 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 1 掲載頁 5 掲載年月日 2007.1.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 0701 標題 思想のアンソロジー 出版社 筑摩書房 出版地 東京 区分 思想解題 キーワード 古典/思想/解説 見出し・語録 I 大江匡房『傀儡子記』  〃  『遊女記』 『おもろさうし』 片歌(『記』歌謡) 祝詞『六月晦大祓』『大殿祭』 千石イエス 藤田まこと 天草方言 II 藤原定家『毎月抄』 釈正徹『草根集』 世阿弥『風姿花伝』 池坊専応『専応口伝』 瑞龍鉄眼『鉄眼禅師仮名法語』 南方宗啓『南方録 覚書』 本居宣長『源氏物語玉の小櫛』 頼山陽『黄葉亭の記』 『蕪村書簡集』 福沢諭吉『痩我慢の説』 平塚らいてう『元始女性は太陽であった』 感性の思想 1   〃   2 川端康成『美しい日本の私』 保田与重郎『日本の橋』 坂口安吾『堕落論』 南方熊楠『トーテムと命名』 折口信夫『妣が国へ・常世』 柳田国男『海上の道』 小林秀雄『信ずることと知ること』 III 聖徳太子『憲法十七条』 『遷都平城詔』 吉備真備『乞骸骨表』 宇多天皇『寛平御遺誠』 三善清行『意見十二箇条』 九条師輔『九条右丞相遺誠』 『武家家法』 『御成敗式目』 『建武式目』 『早雲寺殿二十一箇条』 『毛利元就書状』 『一遍上人語録』「消息法語    〃    「請願偈文」    〃    「時衆制誡」 惟円編『歎異抄』 顕性房『一言芳談』 明恵上人『夢記』 高弁『一向専修宗選択集の中において邪を摧く輪』 法然『一念義停止起請文』 親鸞『教行信証』 貞慶解脱上人『興福寺奏状』 安藤昌益『良演哲論』 佐藤信淵『経済要略下』 吉田松陰『東北遊日記』 木戸孝允『内政充実・地租軽減に関する建言書』 岡倉天心『茶の本』 夏目漱石『文学論』序 森鴎外『ルーソーガ少時ノ病ヲ診ス』 石川啄木『時代閉息の現状』 辻潤『浮浪漫語』 内村鑑三『戦時に於ける非戦主義者の態度』 河上肇『日本独特の国家主義』 チェンバレン『狂信的愛国主義』 与謝野晶子『粘土自像』 徳富健次郎『謀反論』 亀井勝一郎『日月明し』 鈴木大拙『日本的霊性』 出口王仁三郎『彌勒の世に就いて』 中山みき『おふでさき』 あとがき 参考文献 注記等 ISBN978-4-480-84271-8
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年月 0701 標題 吉本隆明全講演ライブ集 第16巻 昭和の批評と詩 出版社 吉本隆明全講演CD化計画 出版地 東京 形式 CD 区分 講演 キーワード 小林秀雄/中原中也/立原道造 見出し・語録 CD-087 小林秀雄と古典 I 74:53  一 古典意識 (1)14:11    古典があざやかに浮かび上がる    イ『徒然草』 (2)14:59      モンテーニュの『随想録』に匹敵する (3)8:21    ロ『一言芳談抄』 (4)4:23      「疾く死なばや」 (5)11:33    ハ『平家物語」 (6)7:59      三つの重層的な言葉 (7)4:52      本当の『平家物語』の世界 (8)8:32 CD-088 小林秀雄と古典 II 71:36    木曾義仲にシンパシー (1)9:57  二 伝統と自然 (2)1:36    『平家物語』と『源氏物語』 (3)9:08    [質疑応答1] (4)11:08      小林秀雄を読む  1 批評の起源 (5)18:12     「自意識」という批評の原理    批評の戦略としての「からめ手から」 (6)18:00    小林秀雄の恋愛体験 (7) 4:43    漱石の三角関係の表現 (8)5:04    小林秀雄から近代批評が始まった (9)8:14  2 初期からの離脱 (10)2:47    「自意識」から「生活」へ    『ドストエフスキイの生活』の意味 (11)7:18 CD-089 小林秀雄を読む II 61:39    作るものと作られるもの (1)7:18    同一性という枠組みを作る (2)3:06    ペトラシェーフスキー事件 (3)5:33    賭博体験 (4)9:03    「生活」と文学作品 (5)11:17    晩期の小林秀雄=古典論 (6)12:42    歴史と伝統の枠組を作る (7)2:14    共同意識の問題に到達 (8)14:08 CD-090 中原中也・立原道造 I 70:26  一 中原中也 (1)6:25    強固な閉じられた自分の世界    絶対感情をもとに考える (2)2:58    宮沢賢治の恋愛感情 (3)7:12    立原道造の恋愛感情 (4)8:45    自然詩人 (5)8:36    五官でとらえる自然 (6)7:18    自然感情の段階 (7)8:42    昭和の詩の新しさ (8)2:20    ダダやシュールレアリズムの影響 (9)8:21    「脳髄のモーターのなかに」 (10)2:40    「トタンがセンベイ食べて」 (11)7:21 CD-091 中原中也・立原道造 II 68:49    なぜ中也がおもしろいか (1)5:23    「サーカス」 (2)7:12    倫理的な表現 (3)6:13    異化作用 (4)4:53    昭和の不朽の古典詩人 (5)12:26    中也の中期以降の変化 (6)4:51    中也の本質は自然詩人 (7)7:51    中也の三角関係 (8)7:10    自伝的自画像 (9)5:38  二 立原道造 (10)7:08    自然を具象物としてうたわない詩人     CD-092 中原中也・立原道造 III 71:41    「追憶」「忘却」 (1)11:43    立原道造の喪失と恋愛感情 (2)4:53    倫理の転換期 (3)10:59    立原道造の人間関係 (4)16:14    生活を書くか抽象を書くか (5)9:39    解決しなければならない問題 (6)18:12 添付冊子「16昭和の批評と詩」目次 小林秀雄と古典(原題「小林秀雄の古典論」、1983年5月26日、神奈川県高等学校教科研究会国語部会 主催、昭和58年度総会記念講演、場所、横浜・県政総合センター)『かながわ高校国語の研究・第20集』 (1984年10月17日刊)掲載。『超西欧的まで』弓立社刊(1987年11月10日)所収。 小林秀雄を読む――自意識の過剰(1984年3月16日)、主催・寺子屋教室、寺子屋教室公開講演会、場 所、新宿・紀伊國屋ホール)『白熱化した言葉』思潮社刊(1986年10月1日)所収。 中原中也・立原道造――自然と恋愛(1996年7月24日、日本近代文学館主催「夏の文学教室、日本文学 の100年――恋愛をめぐって」場所、有楽町よみうりホール。未発表。文責・弓立社) [連載]吉田純が撮った吉本隆明 NO15/表紙・口絵共に 2006年7月21日(書斎にて) 隆明さんへの感謝 北川太一 現状報告 吉本隆明講演リスト(1)1961〜2000  全巻リスト 注記等 ISBN978-4-8123-1901-7
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0701 標題 いじめ自殺 あえて親に問う 掲載誌(紙・書)名 季刊 子どもと本 号 108 掲載頁 2-8 掲載年月日 2007.1.30 区分 談話 キーワード いじめ/問題児/親/育児 見出し・語録 親はどうすればいいか/子どもの自殺は「親の代理死」/僕も育てられ方が悪かった/「いい先生」にな ろうとするな 注記等 ここに掲載いたします一文は、既にお読みになった方々もいらっしゃることと存じますが、「文藝 春秋」の2007年正月号[創刊85周年記念]新年特別号に掲載された吉本隆明先生の「いじめ自殺 あえ て親に問う」です。(山本まつよ)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0702 標題 おいしく愉しく食べてこそ(2)味についてあれこれ 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 2 掲載頁 5 掲載年月日 2007.2.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0702 標題 西行 僧形論・武門論 叢書名 吉本隆明資料集 62 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 西行論 キーワード 西行 見出し・語録 西行1 僧形論(1) 『海』1976年5月号 西行2 僧形論(2) 『海』1976年6月号 西行3 僧形論(3) 『海』1976年7月号 西行4 僧形論(4) 『海』1976年8月号 西行5 武門論(1) 『海』1976年9月号 西行6 武門論(2) 『海』1976年10月号 西行7 武門論(3) 『海』1976年11月号 生きていた西行 『墨』第73号(1988年8・9月合併号) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 0702 標題 真贋 出版社 講談社インターナショナル 出版地 東京 区分 聞き書き キーワード 見出し・語録 まえがき 1 善悪二元論の限界  明るさは滅びの姿  人間の精神は発達しない  いいことばかりを言う人が増えている  「豊かさ」に隠されたもの  あらゆるものに利と毒がある  自分の毒に責任を持つ  運命に従う以外、いい生き方はない  埴谷さんの誤解  いいことをさりげなく、悪いことは大げさに  悪人正機  親鸞の未来性  善・悪どちらを優先して考えるか  一方的な視点で見る危険性 2 批評眼について  「いいもの」は好き嫌いで判断できない何かを持っている  シンプルな判断基準  身のまわりの感じを大事にする  批評眼を磨く  自己評価より低い評価を歓迎する  起源を見れば本質がわかる  日本人の精神活動の起源は神道  現在は成長する過程と深く関係している  悪妻か良妻かは見方次第  戦争だけはすべて悪と断言する 3 本物と贋物  いい人と悪い人  正確は変えられるか  田中角栄の魅力  人の器の代償  敵対心は劣等感の裏返し  人を見るときは生きるモチーフを見る  一芸に秀でた人に人格者は少ない  日常のスピードと円熟のスピードがちぐはぐになっている  虚業と実業  善意の押し売り  人間らしい嘘は許す  困ったらインチキでもやるしかない 4 生き方は顔に出る  見た目を気にするのは動物性の名残  老人はより人間らしい人間  人の魅力は三十代半ばから  老人だからこそわかることがある  利害関係を第一義に考えない  育ちのよし悪し  子育ては千差万別  甘えが強くてどこが悪い  ヨーロッパ人と日本人  目に見える苦労はあまり問題にならない  子どもは親を映す鏡 5 才能とコンプレックス  三島由紀夫の「暗い一生」  引っ込み思案の苦しみ  コンプレックスは生きるテーマになる  人間にとって一番大切なこと  進路に迷ったら両方やる 6 今の見方、未来の見方  極めて倫理的だった戦争中の社会  倫理や健康が極端に走るとき  正義の戦争はない  戦中、戦後を経て人はどう変わったか  僕が戦後に軟化したわけ  いまも戦中、戦後の延長線で日本を追求している  喧嘩で覚えた人との距離感  人間の本性  すべてが逆な方向へと進んでいる  人間のなかの普遍性と革新性 あとがき 注記等 ISBN978-4-7700-4069-5 インタビューととりまとめ:辻本充子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0702 標題 銀座の思い出 掲載誌(紙・書)名 銀座百点  号 627 掲載頁 46-48 掲載年月日 [2007.2.1] 区分 エッセイ 見出し・語録 「わたしの印象では、戦後の銀座の復興はおくれたとおもう。わたし自信も地方の学校にいたり、親たち に従って葛飾区に引越した。戦中のわたしに東京のイメージを与えたのは、旧都庁前の並木道だった。地 方の学校の寮生活で、仲のよい寮生とお国自慢がはじまると、旧都庁前の並木道を思い浮かべた。『おれ はな、人通りのない並木道を、ポケットに両手をつっ込んでうつむいて歩いていく。それがおれの東京さ』 みんなを煙[けむ]にまいた。戦後、東京の学校に舞い戻ったあとも、なぜか銀座の表通りをさけて、旧 都庁前の並木道を歩いて線路沿いに数寄屋橋に出て、並木通りを新橋のほうへ歩いてゆくのが、自分の習 慣になった。何故[ににゆえ]に銀座の表通りを避ける気持ちになっていたのか、じぶんでも判らない。」 注記等 写真提供:渋谷陽一
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0702 標題 記号の森の伝説歌 叢書名 吉本隆明詩全集6:1975-1986 出版社 思潮社 出版地 東京 区分 詩集 見出し・語録 記号の森の伝説歌 1986 I 舟歌 II 戯歌 III 唱歌 IV 俚歌 V 叙景歌 VI 比喩歌 VII 演歌 あとがき 「野生時代」連作詩編 1975〜1984 幻と鳥 雲へ約束した 夢の手 続母子像 最後の場所 すくなくとも 夢の位置 海 追憶のいま 投影 樹の睡り 夏の図鑑 窓の耳 モザイク 広大な沈黙 ゆるやかな街 陽のけむり 「空ニ釘」 音にならない小節 欅の説話 風の村 寓話 海におくられてくる風 三郎が死んだあと 空の出来ごと 絵本 長い朝 小さな宿駅 はしる鳥 踏み絵 天の河原ゆき 旅の終り 夢は枯野 水の絵本 融けた鏡 掌の旅 木の説話 坂の曲がり 追憶 葉の魚 空は閉じられる クイナの話 言葉は 好きな眼 水の泡 霽れた衣 雨という帽子 「欅」という船 「鶇」という駅 地名がくずれ堕ちる 「鳥」にむかって出発 絵本のうしろ 『衣河』見に 冬が繙く 楡という木 木の行方 鳥について 橋という字 紡錘形に 「無口」という茶店 嬰児の旅 祖母の字 祖先の話 メッセージ 風文字 「さよなら」の椅子 胎児の夢を乗せた「舟」と「文字」 吉田文憲 解題 別冊 吉本隆明年譜[3](高橋義忠編) 注記等 ISBN978-4-7837-2351-6
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0703 標題 おいしく愉しく食べてこそ(3)アジア的な香辛料 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 3 掲載頁 5 掲載年月日 2007.3.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0703 標題 戦後詩の体験・宮沢賢治論 叢書名 吉本隆明資料集 63 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 詩論/宮沢賢治論 キーワード 戦後詩/宮沢賢治 見出し・語録 ショウリョウバッタの音(『インセクタリゥム』東京動物園協会発行、1976年9月号) 戦後詩の体験(『磁場』第10号、1976年12月10日発行) 宮沢賢治論(『文学』1976年12月号) 政党政治、ロッキード事件からUFO、スマートボールまで(『週刊プレイボーイ』1976年12月21・28日号) 現代における政治過程にとってその自立とは何か――その過程の観念的考察(『駒沢大学新聞』第178号、197 1年10月15日号) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0703 標題 本を語る 『思想のアンソロジー』の吉本隆明さん:書き下ろし「これぞ吉本」 掲載誌(紙・書)名 京都新聞 出版地 京都 掲載頁 14 掲載年月日 2007.3.18 区分 談話 キーワード 思想 見出し・語録 「当初は、書くほうも気楽、読むほうも気楽な軽い本をと思っていたけれど、実際に進めていくと、そんなわ けにいかなくなった。『思想』について、僕なりに精いっぱい、一生懸命書き続け、ようやくまとまりました」 「御成敗式目は、読んでいくうちに大きな関心を持ってしまった。女性の婚前の所有財の独立性を打ち出した りしている。明治以降の女性解放運動にとっても重要でしょう」 注記等 ポートレート写真有り
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0703 標題 長老の智慧 吉本隆明 その1【全3回】W杯での敗戦は日本社会の解体の象徴のようだった 掲載誌(紙・書)名 週刊東洋経済  号 6070 掲載頁 126 掲載年月日 2007.3.10 区分 談話 キーワード 経済格差 見出し・語録  戦後の思想界に圧倒的な存在感を示す「巨人」は、病気と老いに直面しながら、今も思索を続けている。 伝説の思想家が語った、5年後のニッポンに対する悲観と楽観。 注記等 撮影:今 祥雄
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0703 標題 長老の智慧 吉本隆明 その2【全3回】国家が関与して銭を出す、そんなものには頼りたくない 掲載誌(紙・書)名 週刊東洋経済  号 6071 掲載頁 138 掲載年月日 2007.3.17 区分 談話 キーワード 労働価値説/国家 見出し・語録  国家とは何かを思索し続けた思想家は、自らの体験を基に国家と個人との関係を見据えている。高齢化と 経済の著しい変容。そんな中で老いと向き合いながら考えることは。 注記等 撮影:今 祥雄
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0703 標題 長老の智慧 吉本隆明 その3【全3回】歴史や過去、未来を見つめる。それがなければ表現にならない 掲載誌(紙・書)名 週刊東洋経済  号 6072 掲載頁 162 掲載年月日 2007.3.24 区分 談話 キーワード コミュニケーション/文学 見出し・語録  グーグルに代表される技術の進歩はコミュニケーションの問題を解決すると予見する。しかし、本当に問 われているのは自己との問答だとも喝破する。現代人が忘れているものとは。 注記等 撮影:今 祥雄
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 おいしく愉しく食べてこそ(4)豚ロース鍋のこと 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 4 掲載頁 5 掲載年月日 2007.4.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 自作を語る 第9回「心的現象論」 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」4月増刊号、第21巻第6号  通巻第312号) 巻 31 号 Spring 掲載頁 170-181 掲載年月日 2007.4.1 区分 インタビュー キーワード 心的現象論 見出し・語録 吉本思想の根幹をなす三部作の位置づけ/揺るがない文芸批評としての立ち位置/『心的現象論』 が目指した広大な地平/「詩作」としての三部作 注記等 インタビュー・撮影=渋谷陽一
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 吉本隆明、まだ考え中 掲載誌(紙・書)名 論座 巻 143 掲載頁 106-113 掲載年月日 2007.4.1 区分 インタビュー 見出し・語録 ウサギとカメ/思想と占い師/生きがいのある、やな国[下線部傍点あり=リスト作成注記] 「今の若い人たちはコミュニケーションを生み出す装置、あるいは科学に過剰な価値をおいている。だけど本当 に重要なのはコミュニケーションの反対、自己問答なんだよ、と。グーグルもそうだけど、そのうちテレビのチ ャンネルを合わせれば世界中の人たちのことが即座にわかるようになって、コミュニケーションの問題はほとん ど全面解決しちゃう。その時、コミュニケーション以外の問題が重要なんだということに気づかないと、バカに なっちゃうだけじゃないかと思いますね。」 「語学であろうが人類学であろうが民俗学であろうが科学であろうが、脇から『添えて』いかなければならない 問題が相当あると思う。そういう今まで考えてこなかった広い意味合いで人間の生活を突き詰めていくことが重 要でしょう。生活が忙しくて勉強してられないよといわれるかも知れませんが、本当はそういうものをできるだ け身につけていないと非常の時に間に合わない、いざ危機を招いたときにどうしたらいいか判断できないと思い ます。」 注記等 聞き手=編集部・高橋純子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 てんとう虫インタビュー:吉本隆明 掲載誌(紙・書)名 てんとう虫:UC Card magazine 巻 39 号 4 掲載頁 42-45 掲載年月日 2007.4.1 区分 インタビュー キーワード 猫 見出し・語録 「その受け身のかわいがられ方が欲しいから、人間は猫を飼うんじゃないでしょうか」 「わずらわしい関係から遠ざかるというふうな死に方を選ぶんだな」 注記等 インタビュー=高橋忠義 写真=佐藤謙司
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 新詩集以後・言葉からの触手 叢書名 吉本隆明詩全集7:1970-1994 出版社 思潮社 出版地 東京 区分 詩集 見出し・語録 新詩集以後 1970〜1994 島はみんな幻 〈不可解なもの〉のための非詩的なノート 死は説話である 〈演技者の夕暮れ〉に 〈おまえが墳丘にのぼれば〉 ある抒情 〈農夫ミラーが云った〉 〈五月の空に〉 〈たぶん死が訪れる〉 帰ってこない夏 〈この時代からは〉 〈何処へゆくのか〉 ある鎮魂 星の駅で 駈けてゆくたくさんの面影 ある秋の空の底のほうで 時間の博物館で 漂う 行脚 海は秋に 視るとき 哀しいめにあわないか 太陽と死とは 詩人論  The rain comes  ある註解  追跡  飢え 瞬時 秋の暗喩 鳥をめぐる挿話 韻の少年 小虫譜 渚からの手紙 これに似た日 渇いたのどへ 抽象的な街で 古くからの旅籠 海に流した自伝 木の根に帰る司祭 鳥の話 水の死 魚の木 本草譚 葉の声 字画の挿話 掌の旅(異稿) 「祖母」という樹 祖母の影絵 字の告白 余談 声の葉 深さとして 風のいろとして 活字のある風景 活字都市 十七歳 わたしの本はすぐに終わる 言葉からの触手 1989 (1気付き 概念 生命 (2筆記 凝視 病態 (3言語 食物 摂取 (4書物 倒像 不在 (5思い違い 二極化 逃避 (6言葉 曲率 自由 (7超概念 視線 像 (8思考 身体 死 (9力 流れ 線分 (10抽象 媒介 解体 (11考える 読む 現在する (12噂する 触れる 左翼する (13映像 現実 遊び (14意味 像 運命 (15権力 極 層 (16指導 従属 不関[イナートネス] あとがき 波動し反復する海――『新詩集』以後の吉本隆明 瀬尾育生 解題 別冊 吉本隆明年譜[4](高橋義忠編) 注記等 ISBN978-4-7837-2352-3
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 吉本隆明全講演ライブ集〈DVD版〉第17巻 ハイ・イメージ論199X 出版社 吉本隆明全講演CD化計画 出版地 東京 形式 DVD 区分 講演 キーワード ハイ・イメージ論 見出し・語録 DVD-093 ハイ・イメージ論199X I 3時間20分8秒  司会・主催者挨拶 (1)7:51  第一部 ハイ・イメージ論と世界認識――講演   世界の中の日本の位置 (2)21:31   第三次産業化する社会 (3)25:19   選択消費と個人 (4)27:20   成長する都市と衰退する都市 (5)18:45   理想の農業と理想の都市 (6)14:24   「ハイ・イメージ論」のモティーフ (7)13:32  第二部 [質疑応答]   〈質疑 I〉 (8)14:03   〈質疑 I に対する吉本隆明の返答〉 (9)57:32 DVD-094 ハイ・イメージ論199X II 3時間12分47秒   〈質疑 II〉 (1)8:59   〈質疑 II に対する吉本隆明の返答〉 (2)50:20   「像としての音階(ハイ・イメージ論)」演奏 (3)28:20   [質問用紙に応えて] (4) 45:56   〈質疑 III〉 (5)33:07   〈質疑 III に対する吉本隆明の返答〉 (6)26:05 添付冊子「ハイ・イメージ論199X」目次   原題・徹底トーク ハイ・イメージ論199X              ライブ・イン大阪   司会・主催者のあいさつ  第一部 ハイ・イメージ論と世界認識――講演   世界の中の日本の位置   教育ストックという概念   第三次産業化する社会   選択消費と個人   成長する都市と衰退する都市   理想の農業と理想の都市   「ハイ・イメージ論」のモティーフ  第二部 質疑応答   〈質疑 I 〉   虚業が生み出す価値の実体とは?   「ターミネーター」などに近未来の像を見る   ハイテクの進展、ちょっと怖い気がしますね   〈質疑 I に対する吉本隆明の返答〉   〈質疑 II〉   ブルセラの市場価値と日本人のこだわり   アジア的段階という概念が理解しにくい   「資本論」価値形態論をめぐって   〈質疑 II に対する吉本隆明の返答〉   「像としての音階(ハイ・イメージ論)」演奏――通崎睦美マリンバコンサート   [質問用紙に応えて]   経済的裕福さが幸福の大前提   消費選択が景気を左右する   乳胎児期に愛されるということ   死について   マルクス発展史観に負うハイ・イメージ論   〈質疑 III〉   吉本思想の根幹は繰り返しと包み込み   中上健次は差別をつきぬけた   「対幻想」の未来像をどう描いているか   全世界が経済の高次化をいっせいに追求すれば   第一次産業を受け持つ国がなくなると   吉本さんは、みんないっしょに被爆しよと   市民としてどんなふうに生きていくべきか   大正生まれは倫理観がない。貧しくなるべきだ   〈質疑 III に対する吉本隆明の返答〉 「モザイク」について 岡井 隆 現状報告 吉本隆明講演リスト(2) 全巻リスト 写真・笹田利光 注記等 ISBN978-4-8123-1902-4
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 小林秀雄・芥川龍之介における虚と実 叢書名 吉本隆明資料集 64 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 作家論 キーワード 小林秀雄/芥川龍之介 見出し・語録 小林秀雄(近代日本思想体系29『小林秀雄集』筑摩書房1977年1月30日 解説) 芥川龍之介における虚と実(『國文学』1977年5月号) 痛切な仕事(今川文雄訳『訓読 明月記』河出書房新社 内容見本1977年8月) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 [推薦文] 掲載誌(紙・書)名 西川徹郎句集:決定版 無灯艦隊――十代作品集 出版社 沖積舎 出版地 東京 区分 帯文 見出し・語録 「少年のころ破調の俳句に没入し、その破調はとうとう永続数十年にして、珍しいほどゆたかな呼吸の出 し入れの音に変貌した。今も歩いているのだ。」
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 若い詩人と自然:感受性の喪失嘆く吉本氏 掲載誌(紙・書)名 朝日新聞 出版地 東京 掲載頁 23 掲載年月日 2007.4.21 区分 取材記事 キーワード 詩人 見出し・語録 「塗りつぶされたように無だな」 「新しい詩人について」 まず、日常的な生活を描写し、詩らしくしようとしているが、何をどう書くかという自覚性がうかがえ ない詩。これが大部分だという。次に、持てる教養や知識を精いっぱい使い、難しい言葉で難しいこと を言っているが、詩の表現になっていない詩。最後に、少数の例外ながら、詩的イメージを作りだし、 あるいは脱出口になり得るかもしれない詩もあったそうだ。 「おれは何か勘違いしているのではないか」 「詩らしく行わけしてあるが、詩になっておらず、モチーフも凝縮できていない。この軽さは一体何な のか」 「日本の詩の伝統では自然がないとどうにもできない。萩原朔太郎も中原中也も、自然を抜かしたら詩 にならない。自然の壊滅状態で書かざるを得ない若い詩人たちは、自然以外の何ものに向かって脱出し てゆくのか」 「詩の現代性について大きなテーマを与えられた気がする」 注記等 編集委員・白石明彦
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 米国型より身近な平等を:「分裂にっぽん」番外インタビュー 掲載誌(紙・書)名 朝日新聞 出版地 東京 掲載頁 15 掲載年月日 2007.4.28 区分 インタビュー キーワード 資本主義/経済格差/中流層/平等 見出し・語録 社会どう受け止める おかしくなる時は、中流層から/隣の人を支える。まず親が変われ 注記等 聞き手=編集委員・西井泰之
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 山本哲士(聞き手) 刊行年月 0704 標題 吉本隆明インタビュー:「『心的現象論』を書いた思想的契機:新たなオンデマンド出版形態での 刊行を前に」 掲載誌(紙・書)名 iichiko:a journal for transdisciplinary studies of pratiques  号 94 掲載頁 6-18 掲載年月日 2007.4.30 区分 インタビュー キーワード 心的現象論 注記等 2007年3月6日
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0704 標題 心的現象論―了解論(抜粋) 掲載誌(紙・書)名 iichiko:a journal for transdisciplinary studies of pratiques  号 94 掲載頁 19-69 掲載年月日 2007.4.30 区分 心的現象論 キーワード 了解論 見出し・語録 『試行』連載「心的現象論」 了解論 46号(1976.9.10)了解論  43 了解と時間性  44 了解の原基 47号(1977.2.20)了解論  45 視覚の時間性  46 聴覚の時間性 51号(1979.1.15)了解論  55 了解の空間化(1)  56 了解の空間化(2) 52号(1979.6.30)了解論  57 了解の様式(1)  58 了解の様式(2)  59 了解の様式(3) 53号(1979.12.10)了解論  60 了解の様式(4)  61 了解の様式(5)  62 了解の様式(6)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0705 標題 おいしく愉しく食べてこそ(5)かき揚げ汁の話 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 5 掲載頁 5 掲載年月日 2007.5.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0705 標題 雑音だけでなく、雑用なんかも入ってくる。それが昔から慣れ親しんだ僕の書斎 の形なんだ。 掲載誌(紙・書)名 男の隠れ家5月号別冊 書斎:男の愉悦空間 掲載頁 118-121 掲載年月日 2007.5.15 区分 インタビュー キーワード 書斎 見出し・語録 毎日の仕事を支える3灯の明かりと拡大読書器/行動範囲が狭まっても失われない創作 意欲 「書斎とは?」[写真] 「書斎とは 生活の雰囲気・雑音・雑声の面白さが 出入する空間の自由を集約している場のこと  だと思う。              吉本 隆明」 注記等 文◎相庭泰志 撮影◎多賀谷敏雄 初出:「男の隠れ家」第8巻12号(2004.12.1)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 著者 中島岳志 刊行年月 0705 標題 中島岳志的アジア対談:左翼、根拠地、そして親鸞――吉本隆明さん 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞(東京夕刊) 出版地 東京 掲載頁 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20070523dde014070034000c.html 掲載年月日 2007.5.23 区分 対談 キーワード 左翼/転向/アジア型/親鸞 見出し・語録  ◇戦前的な転向はしない−−吉本さん  ◇アジア型の抵抗が大事−−中島さん  ◇今、親鸞をどう見るべきか−−中島さん  ◇浄土とは理想の平等社会−−吉本さん 注記等 構成・鈴木英生、写真・松田嘉徳
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 著者 中島岳志 刊行年月 0705 標題 中島岳志的アジア対談:左翼、根拠地、そして親鸞 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 掲載年月日 2007.5.24 区分 対談 キーワード 左翼/転向/アジア型/親鸞 見出し・語録  戦前的な転向はしない−−吉本さん  アジア型の抵抗が大事−−中島さん  今、親鸞をどう見るべきか−−中島さん  浄土とは理想の平等社会−−吉本さん 注記等 構成・鈴木英生、写真・松田嘉徳
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0706 標題 おいしく愉しく食べてこそ(6)大福もちの記憶 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 6 掲載頁 3 掲載年月日 2007.6.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0706 標題 岡井隆の近業について:『家常茶飯』を読む 掲載誌(紙・書)名 現代詩手帖  巻 50 号 6 掲載頁 10-19 掲載年月日 2007.6.1 区分 詩人論 見出し・語録 「大切な思いを言葉の表現のうしろにかくしてさりげない言葉をつぐことができる短歌的な技法が充分に 生かされている。これは古典的な詩歌の「象徴」が長い年月でいかに深くまでとどいているかを示してい る。この深さの底は異国語の人には理解できないだろうと考えこむと、逆にわたしたちが異国語の詩を読 んで判ったつもりでいても、やはりおなじことになっているにちがいないと思えてこわくなる。」 「短歌の古典詩形がもつ生理的心理ともいうべき微妙な香りを解明する長い追求のはてに、短歌から現代 詩へ直通する過程を見つけだした、それはこの人の詩についての理念が実作ではじめて成し遂げたと感じ させる。」
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0706 標題 心的現象論 了解論 I 叢書名 吉本隆明資料集 65 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 心的現象論 キーワード 了解論 見出し・語録 心的現象論(第32回) 了解論 1(『試行』第46号 1976年9月10日) 43 了解と時間性 44 了解の原基 心的現象論(第33回) 了解論 2(『試行』第47号 1977年2月20日) 45 視覚の時間性 46 聴覚の時間性 47 了解の初期条件 心的現象論(第34回) 了解論 3(『試行』第48号 1977年7月20日) 48 了解の初期条件(続) 49 了解の初期条件(続) 心的現象論(第35回) 了解論 4(『試行』第49号 1978年1月20日) 50 了解の水準 51 了解の水準(続) 心的現象論(第36回) 了解論 5(『試行』第50号 1978年6月30日) 52 了解の水準(3) 53 了解の水準(4) 54 了解の水準(5) 心的現象論(第37回) 了解論 6(『試行』第51号 1979年1月15日) 55 了解の空間化(1) 56 了解の空間化(2) 心的現象論(第38回) 了解論 7(『試行』第52号 1979年6月30日) 57 了解の様式(1) 58 了解の様式(2) 59 了解の様式(3) 心的現象論(第39回) 了解論 8(『試行』第53号 1979年12月10日) 60 了解の様式(4) 61 了解の様式(5) 62 了解の様式(6) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 0706 標題 心的現象論 出版社 文化科学高等研究院(EHESC)出版局 出版地 東京 区分 心的現象論 キーワード 眼/身体/関係/了解 見出し・語録 眼の知覚論  1. 眼の構造(1)  2. 眼の構造(2)  3. 眼の構造(3)  4. 眼の構造(4)  5. 眼の構造(5)  6. 〈変形〉の構造 身体論  1. 古典ドイツの身体論について  2. 二、三の現代的身体論について  3. フロイトの身体論  4. フッサール・ヤスペルス・ビンスワンガーの身体論  5. 手と足  6. 肉体  7. 年齢  8. 性器  9. 了解系の形成  10. 関係づけの形成  11. 身体という了解?関係系  12. 不具・傷害・病気(1)  13. 不具・傷害・病気(2)  14. 不具・傷害・病気(3)  15. 不具・傷害・病気(4)  16. 不具・傷害・病気(5)  17. 不具・傷害・病気(6)  18. 不具・傷害・病気その心的世界(1)  19. 不具・傷害・病気その心的世界(2)  20. 不具・傷害・病気その心的世界(3)  21. 身体像の起源(1)  22. 身体像の起源(2)  23. 頭部像・手足像の起源 関係論  24. 〈関係〉とはなにか  25. 〈関係〉としてみられた自己・他者・世界  26. 〈身体〉に表出される〈関係〉  27. 作られた幻覚における〈関係〉(1)  28. 作られた幻覚における〈関係〉(2)  29. 作られた幻覚における〈関係〉(3)  30. 形式論的な〈関係〉  31. 〈うつ〉という関係(1)  32. 〈うつ〉という関係(2)  33. 〈うつ〉という関係(3)  34. 〈うつ〉関係の拡張(1)  35. 〈うつ〉関係の拡張(2)  36. 〈うつ〉関係の拡張(3)  37. 〈うつ〉関係の拡張(4)  38. 〈うつ〉関係の拡張(5)  39. 〈うつ〉関係の拡張(6)  40. 〈うつ〉関係の拡張(7)  41. 〈うつ〉関係の拡張(8)  42. 〈うつ〉関係の拡張(9) 了解論  43. 了解と時間性  44. 了解の原基  45. 視覚の時間性  46. 聴覚の時間性  47. 了解の初期条件(1)  48. 了解の初期条件(2)  49. 了解の初期条件(3)  50. 了解の水準(1)  51. 了解の水準(2)  52. 了解の水準(3)  53. 了解の水準(4)  54. 了解の水準(5)  55. 了解の空間化(1)  56. 了解の空間化(2)  57. 了解の様式(1)  58. 了解の様式(2)  59. 了解の様式(3)  60. 了解の様式(4)  61. 了解の様式(5)  62. 了解の様式(6)  63. 了解の諸相(1)  64. 了解の諸相(2)  65. 了解の諸相(3)  66. 了解の諸相(4)  67. 了解の諸相(5)  68. 了解の諸相(6)  69. 了解の諸相(7)  70. 了解の諸相(8)  71. 了解の諸相(9)  72. 了解の諸相(10)  73. 了解の諸相(11)  74. 了解の諸相(12)  75. 了解の諸相(13)  76. 了解の諸相(14)  77. 了解の諸相(15)  78. 了解の諸相(16)  79. 了解の諸相(17)  80. 了解の諸相(18)  81. 了解の諸相(19)  82. 了解の諸相(20)  83. 了解の変容(1)  84. 了解の変容(2)  85. 了解の変容(3)  86. 了解の変容(4)  87. 了解の変容(5)  88. 了解の変容(6)  89. 了解の変容(7)  90. 了解の変容(8)  91. 了解の変容(9)  92. 了解の変容(10)  93. 了解の変容(11)  94. 了解の変容(12)  95. 原了解以前(1)  96. 原了解以前(2)  97. 原了解以前(3)  98. 原了解以前(4)  99. 原了解以前(5)  100. 原了解以前(6)  101. 原了解以前(7)  102. 原了解以前(8)  103. 原了解以前(9)  104. 原了解以前(10)  105. 原了解以前(11)  106. 原了解以前(12)  107. 原了解以前(13)  108. 原了解以前(14)  109. 原了解以前(15)  110. 民族語の原了解(1)  111. 民族語の原了解(2)  112. 民族語の原了解(3)  113. 民族語の原了解(4)  114. 民族語の原了解(5)  115. 民族語の原了解(6) 編者注記  1. 収録にあたって  2. 引用・論究文献一覧  3. 初出一覧 あとがきにかえて:『心的現象論の刊行にあたって』 吉本隆明 〔吉本隆明インタビュー2007年3月6日より。聞き手、山本哲士。このインタビューを吉本さんは「あと がきにかえて」ということで、まとめなおし記載することを編集にまかされた。(全文インタビューは 『季刊IICHIKO』94号に掲載)。さらに、週刊読書人2007年6月15日号にて、本書刊行に関する高橋順一、 山本哲士によるインタビュー(2007年5月17日)が掲載されている。〕 注記等 ISBN978-4-938710-27-9
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 著者 山本哲士(聞き手) 著者 高橋順一(聞き手) 刊行年月 0706 標題 〈心的なもの〉の根源へ:『心的現象論』の刊行を機に 掲載誌(紙・書)名 週刊読書人 出版地 東京 掲載頁 1-2 掲載年月日 2007.6.15 区分 インタビュー キーワード 心的現象論 見出し・語録 進歩的歴史観を越えて:『言語にとって美とはなにか』のモチーフ 第二芸術論を巡って:桑原・小林論争で見落とされたもの 「あとは価値論の問題ですね。これについては去年の5月号だったと思いますが、ロッキング・オンの 『SIGHT(サイト)』という雑誌に書きました。ぼくは「芸術言語論」という表題にしたのですが、編 集の人が表題を変えてしまって、確か「芸術概論」となっていたとおもいます。例えば正岡子規の「鶏 頭の十四五本もありぬべし」という俳句がありますね。ぼくらが読むと、これはどういう位置から眺め てもいい俳句だよって即座に言えると思うんです。たぶん1920年代のフランスのシュルレアリストや ダダイストたちは、これがどうしていいのかは言えないんじゃないか。俳諧、俳諧と言っていたけど。 そういう例ばかり取ってきて、それがなぜいい俳句かということを書いたわけです。小林秀雄と桑原武 夫の第二芸術論に関する論文を取り上げて、いま言ったようなことを書いたのですが、枚数の都合から か編集の人がそれを取っちゃって、ぼくにとっては一番肝要なところだったんで困ったなと思った記憶 があります。」 身体に詰まった歴史:芭蕉の俳句が見事に実現していること 科学的な思考法の限界:非コミュニケーションのための言語 妄想という精神作用:起源に近いところをはっきりさせたい 注記等 吉本隆明.言語論要綱:芸としての言語、SIGHT.Vol.28(2006.6.30) p.192-211(リスト作成者注記)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0706 標題 この国はどこへ行こうとしているのか 吉本隆明さん 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞(東京夕刊) 出版地 東京 掲載頁 掲載年月日 2007.6.15 区分 インタビュー キーワード 死/書くこと/思想 見出し・語録  <おちおち死んではいられない>  ◇反省し、死の答え探求−−批評家、82歳・吉本隆明さん  ◇最も重い罪悪感は、ペンで友人、身内を精神的に殺してきたこと 注記等 取材・インタビュー:藤原章生 http://www.mainichi-msn.co.jp/tokusyu/wide/news/20070615dde012040064000c.html
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年 0706 標題 吉本隆明自著を語る 出版社 ロッキング・オン 出版地 東京 区分 インタビュー キーワード 見出し・語録 第一章『固有時との対話』『転位のための十篇』 第二章『マチウ書試論』 第三章『高村光太郎』 第四章『芸術的抵抗と挫折』 第五章『擬制の終焉』 第六章『言語にとって美とはなにか』 第七章『共同幻想論』 第八章「花田清輝との論争」 第九章『心的現象論』 あとがき インタヴュアーあとがき 渋谷陽一 注記等 ISBN978-4-86052-066-3 初出 第一章『固有時との対話』『転位のための十篇』 SIGHT第21号 2005年10月号 第二章『マチウ書試論』 SIGHT第22号 2004年1月号 第三章『高村光太郎』 SIGHT第23号 2005年4月号 第四章『芸術的抵抗と挫折』 SIGHT第24号 2005年7月号 第五章『擬制の終焉』 SIGHT第25号 2005年10月号 第六章『言語にとって美とはなにか』 SIGHT第26号 2006年1月号 第七章『共同幻想論』 SIGHT第27号 2006年4月号 第八章「花田清輝との論争」 SIGHT第29号 2006年10月号 第九章『心的現象論』 SIGHT第31号 2007年4月号
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0707 標題 おいしく愉しく食べてこそ(7)食欲物語 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 7 掲載頁 3 掲載年月日 2007.7.1 区分 エッセイ 見出し・語録 「個人としての一生涯という長期でみると、食欲中毒は勢いを失うが、逆に仕事の心労中毒が主役となっ て、血糖値を増大させる。その理由はいくら考えても、いまのところ素人の私にはわからない。たぶん専 門科の力量の見せどころなのだ。」 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 野村喜和夫 著者 城戸朱理 刊行年月 0707 標題 日本語の詩とはなにか:討議近代詩1 掲載誌(紙・書)名 現代詩手帖  巻 50 号 7 掲載頁 10-32 掲載年月日 2007.7.1 区分 鼎談 見出し・語録 近代詩の起点はどこにあるのか 文学史の捩れ 日本列島的自意識とはなにか 萩原朔太郎と三木露風 中国との対峙、西洋との対峙 日本語で詩を書くということ 翻訳がもたらすもの 日本語とはなにか 散文と詩を繋ぐもの つっかえを乗り越える 二十一世紀の日本列島 注記等 (2007.5.29)
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0707 標題 日時計篇 II(上) 叢書名 吉本隆明詩全集3:1951 出版社 思潮社 出版地 東京 区分 詩集 見出し・語録 日時計篇 II(上)1951 風という抽象――『日時計篇』覚書 三浦雅志 解題 別冊 吉本隆明年譜[5](高橋義忠編) 注記等 ISBN978-4-7837-2348-6
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0707 標題 [この人はうますぎるほどの物語詩の作り手だ。] 掲載誌(紙・書)名 パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた・・・夏 面影ラッキー ホール 出版社 Pヴァイン・レコード 出版地 東京 掲載頁 歌詞カード、帯 区分 推薦文 キーワード 物語詩 見出し・語録 この人はうますぎるほどの物語詩の作り手だ。 私はすぐに少年のころ巷にあふれて 子供ながらに唱いまくっていた  悩み忘れんと  貧しきひとはうたう  暗い路地うらに  夜風はすすり泣く という歌を思い出した。 さすがに戦後版だけに底光りが差しかけてくる。 注記等 O.L.H.7年ぶり新作・初シングル 2DISCS CD+DVD ジャケット画/新井英樹
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0707 標題 歳時記・季節論 叢書名 吉本隆明資料集 66 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 季節論 キーワード 詩/自然/季節 見出し・語録 歳時記・季節論 歳時記 春の1  自然詩人・中原中也(『月刊エディター』1977年4月号) 歳時記 春の2  梶井基次郎と〈自然〉(『月刊エディター』1977年5月号) 歳時記 夏の1  堀辰雄・薔薇いろの頬(『月刊エディター』1977年6月号) 歳時記 夏の2  立原道造・死からの〈自然〉(『月刊エディター』1977年7月号) 歳時記 夏の3  嘉村磯多・失敗した〈自然〉(『月刊エディター』1977年8月号) 歳時記 秋の1  葛西善蔵・ぽっかりとあいた〈自然〉(『月刊エディター』1977年9月号) 歳時記 秋の2  正宗白鳥・〈自然〉と化した〈社会〉(『月刊エディター』1977年10月号) 歳時記 秋の3  牧野信一・暗喩になった〈自然〉(『月刊エディター』1977年11月号) 歳時記 冬の1  宮沢賢治・エロスとしての〈自然〉(『月刊エディター』1977年12月号) 歳時記 冬の2  長塚節・写生された〈自然〉(『月刊エディター』1978年1月号) 歳時記 冬の3  迷路の〈自然〉(『月刊エディター』1978年2月号) 歳時記 春  回路としての〈自然〉(『月刊エディター』1978年3月号) 歳時記 終の章  季節について(日本エディタースクール出版部1978年10月25日発行・書き下ろし) 文庫版のためのあとがき(廣済堂文庫・1992年1月20日発行) あとがき(思潮社版2005年5月20日発行) 季節論(『月刊エディター 本と批評』1979年7月号) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0707 標題 私の下町 掲載誌(紙・書)名 サライ  巻 19 号 14 掲載頁 22-23 掲載年月日 2007.7.19 区分 談話 見出し・語録 堀辰雄、立原道造のロマンチシズムは、下町の開放的な暮らしの裏返しです 「坂下」の鴎外、「坂上」の漱石
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年月 0707 標題 吉本隆明全講演ライブ集 第18巻 心とは何か 出版社 吉本隆明全講演CD化計画 出版地 東京 形式 CD 区分 講演 キーワード 心的現象論 見出し・語録 CD-095 「受け身」の精神病理について I 68:16  1 (1)10:56  乳胎児期と共同体の歴史 (2)5:28  内婚性と外婚性 (3)15:48  2 (4)8:01  言葉の役割 (5)16:16  3 (6)11:45 CD-096 「受け身」の精神病理について II 68:31     質疑応答1 (1)6:10     質疑応答2 (2)13:12     質疑応答3 (3)18:25     質疑応答4 (4)23:03     質疑応答5 (5)7:38 CD-097 異常の分散 I 77:12  1 発達史の中の不可解な時期 (1)23:18  2 三つの症例     〈ルソーのばあい〉 (2)22:50     〈三島由紀夫さんのばあい〉 (3)12:37     〈ジーンのばあい〉 (4)6:21  3 母の物語 (5)12:04 CD-098 異常の分散 II 70:16     乳児の物語 (1)12:24  4 異常の分散とは (2)22:02     質疑応答1 (3)9:00     質疑応答2 (4)7:40     質疑応答3 (5)11:14     質疑応答4 (6)7:52 CD-099 言葉以前の心について I 77:57  1 (1)5:18  三木成夫の理論 (2)8:55  心の世界はいくつもの層をなしている (3)22:28  身体の器官 (4)19:19  何が心の働きの基になっているのか (5)10:32  人間の心身にまつわる公理 (6)10:31 CD-100 言葉以前の心について II 77:57  2 (1)24:01  3 (2)23:27     質疑応答1 (3)47:28 添付冊子「心とは何か」目次  「受け身」の精神病理について(1986年4月12日、主催・宮崎市・一ツ瀬病院 精神医療を考える会、『心と は何か』弓立社刊(2001年6月15日)所収、本稿は弓立社版に拠った。) 異常の分散――母の物語(1988年、主催・宮崎市・一ツ瀬病院 精神医療を考える会、『心とは何か』弓立社 刊(2001年6月15日)所収、本稿は弓立社版に拠った。) 言葉以前の心について(1992年2月8日、主催・宮崎市・一ツ瀬病院 精神医療を考える会、『心とは何か』 弓立社刊(2001年6月15日)所収、本稿は弓立社版に拠った。) [連載]吉田純が撮った吉本隆明 No.16/口絵・表紙・函共に2006年7月21日(本駒込の自宅で) 思考の彫刻家のワークショップ 中沢新一 現状報告 全巻リスト 注記等 ISBN978-4-8123-1903-1
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0707 標題 自作を語る 第10回 最後の親鸞 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」8月増刊号、第21巻第11号  通巻第317号) 巻 32 号 Summer 掲載頁 186-195 掲載年月日 2007.7.30 区分 インタビュー キーワード 親鸞 見出し・語録 宗教と思想のはざまで 注記等 インタビュー・撮影=渋谷陽一
刊行形態 Journal Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0707 標題 老人は死を前提とした絶対的な寂しさを持つ そのことを考えないことが一番の予防:LTCインタビ ューNo.38 掲載誌(紙・書)名 LTC (ロング・ターム・ケア)  巻 15 号 2 掲載頁 58-61 掲載年月日 2007.7. 区分 インタビュー キーワード 超人間/老人医療/死/親鸞 見出し・語録 衰えていく一方だという通説的な考えを打ち破る「超人間」という言葉/カロリーチェックなどが少な くなり年取ったことを自覚/医療者と老人との隙間が大きな圧力になる/老人は絶対的な寂しさを持っ ている それを防ぐためには考えないこと/老人の心情をよく理解していた親鸞 死は個人の物ではな く共通の思い/偉いお坊さんでも普通のおかみさんより劣ることもある 注記等 (日本療養病床協会)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0708 標題 おいしく愉しく食べてこそ(8)老人銀座と塩大福 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 8 掲載頁 3 掲載年月日 2007.8.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0708 標題 賢治文学におけるユートピア・「死霊」について 叢書名 吉本隆明資料集 67 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 詩人論 キーワード 宮沢賢治/埴谷雄高「死霊」 見出し・語録 宮沢賢治の世界(『而シテ』第7号1977年9月10日発行) 映画批評はここから出発する(田原克拓『日本映画の論理』三一書房1977年11月刊 推薦文) 『死霊』について(『作家の世界 埴谷雄高』番町書房1977年11月発行) 「『死霊』について質疑応答」(『文学の世界■作家講演集』1977年7月15日発行) 慈円について(『筑土鈴寛著作集5』1977年11月25日発行 月報) 賢治文学におけるユートピア(『國文学 解釈と教材の研究』1978年2月号) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0708 標題 9条は先進的な世界認識 掲載誌(紙・書)名 東京新聞 出版地 東京 掲載頁 http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/consti/news/200708/CK2007080802039485.html 掲載年月日 2007.8.8 区分 談話 キーワード 憲法第9条 見出し・語録  「戦争中、僕は間違いなく「やれやれ」っていう軍国少年だったから、米国の占領軍を敵意を持って観察 してたんです。「あんまり変な態度だったらただじゃおかんぞ」みたいな気持ちでね。  しかし、東京に進駐してきた連中は新しい占領政策を打ち出すときに、「これこれを実施するから了解し てほしい」とちゃんと新聞に声明を出していた。  自由とか民主主義とかの言葉が分かってない僕ら日本人だったら、被占領国の民衆に声明を出すってまね はできないなって感心したんです。それを見て僕は戦意を喪失した。おれ自身の戦争中の考え方を反省しな きゃいけないなとなったんですよ。  それで戦後、(英国経済学者アダム)スミスから(ドイツ経済学者カール)マルクスまで必死に読んで、 少し左翼的言辞をろうするようになったんです。  戦中は軍国主義に加担して、戦後は安保闘争に加担して負けたんだから、僕は前科二犯ですね。だけど、 そこで初めて、やっぱり憲法九条は保っといた方がいいよっていう考え方が出てきますね、僕には。そこん とこだけは、権利がないって言われても加担しますね。  つまり憲法九条はどの資本主義国にもどの社会主義国にもない、超先進的な世界認識なんだと思うんです。 これは右か左かで論じたら全然狂っちゃうわけですよ。  戦争では、弱い方の土地が戦場になって荒らされる。米国なんかかすり傷を負っただけで大騒ぎでしょ。 本当の戦争なんか知らないんですよ。だから僕の理解の仕方では、うまい物は食ってないけど平和な暮らし 方をしているうんと後進的な国家や社会、地域、アマゾン川流域の共同体みたいなところは多分、憲法九条 に賛成してくれるはずですね。  日本はそういう人たちと連携して「おれたちは米国とも中国やロシアとも違うよ」って国際的な広場で積 極的に主張したらいい。そしたら憲法の非戦の考え方にとっては大きな力になると思います。今のように非 戦条項を放り出したまま米国一辺倒っていうのが一番だめなやり方です。  近代化の過程にある東洋諸国の中で、日本は文化的にも文明的にもあるいは産業的にも科学技術的にも、 近代化はほぼ終わってます。だから僕に言わせれば「日本は考えどころだぜ、ここでまた西欧のまねしてち ゃだめだぜ」って。金もうけに頭がよく動くヤツが得するような、ばかな社会をつくるまねをするなって思 いますね。  自分らの土地と天候と風俗習慣あるいは遺伝子的なものに一番適合したやり方を考えてみろよって思いま す。世界中のどこにも同志となる国がない特殊な国でしょ、日本は。  憲法九条に同意してくれる国と一緒にやろうじゃないか、平和について世界を変えようじゃないかってこ とができたら一番いいね。そういうことが考えどころだっていう課題だと思います。」 注記等 著者写真有り 「近代化がほぼ終わった日本は考えどころ。憲法9条を国際的に主張したらどうか」と語る吉本さん=都内で
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0708 標題 親鸞について:名作に親しむ 掲載誌(紙・書)名 週刊古寺を巡る 27 東本願寺 出版社 小学館 出版地 東京 掲載頁 23-25 区分 講演(抄) キーワード 親鸞 見出し・語録 解説 絶対他力の解体(田中昭三) 注記等 『〈信〉の構造・吉本隆明全仏教論集成1944.5〜1983.9』(春秋社)より抄録し、適宜ふりがなを 加えました。[欄外注記]
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0709 標題 おいしく愉しく食べてこそ(9)酒の話 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 9 掲載頁 3 掲載年月日 2007.9.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 内田 樹 刊行年月 0709 標題 日本の家族を蝕む“第二の敗戦” 掲載誌(紙・書)名 中央公論 巻 122 号 9 掲載頁 24-35 掲載年月日 2007.9.1 区分 対談 キーワード 親子/家族 見出し・語録 個人が剥き出しになっている/子どもが商品になっている/親父にはかなわない/この乱世は“第二の敗戦” 注記等 撮影・薈田純一
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0709 標題 船大工の親父が教えた戦場の死 掲載誌(紙・書)名 文藝春秋 巻 85 号 11 掲載頁 289-291 掲載年月日 2007.9.1 区分 談話 キーワード 戦争 見出し・語録 「戦争は、どんな戦争でもそれ自体が「悪」だというのが、僕の考え方です。侵略戦争か、正義の戦争か という区別に意味はない。  でも、あの戦争のさなか、僕があまり苦痛を感じなかったのは、家庭のなかには倫理があって、足元を すくわれる心配がなかったからでしょう。現在と逆です。平和な世の中なのに、親子が殺しあうような犯 罪に怯えている。今のほうが気分が悪い。これはあの戦争を体験した人でないと、わからないかもしれま せん。」
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0709 標題 序 文 掲載誌(紙・書)名 浄土 その解体と再構築:濁世を超えて、濁世に立つ(I) 出版社 樹心社 出版地 東京 掲載頁 5-8 区分 序文 キーワード 親鸞 見出し・語録 「現在、残されている恵信尼書簡には、共同の生活者でもあり信仰の同行者であった親鸞が、日ごろ語った と思える大切なことがいくつか記されている。叡山を降りてから百日間、聖徳太子ゆかりの六角堂に籠り後 世を祈ったということ。もう一つは、すでに山を降りて民衆済度のため、専修念仏を布教していた法然のも とに参入して、その法語を学んだこと。もう一つ、恵信尼に語ったことは、親鸞が叡山の堂僧時代の習練を 繰り返そうとして、ふと民衆に称名念仏だけで正定の場所に往けると説きながら、自分の僧侶時代の習練を 繰り返すのは、虚偽だと思い返して、途中で読経をやめたこと。  気ままな言い方を許してもらえば、この三つは叡山を降りるとき、すでに親鸞が抱いていた構想を象徴す るもののように思える。ひと口に言えば、日本国の浄土教を中国に伝来している浄土信仰から、自立させる ことだったのではなかろうか。」 注記等 2007年7月20日
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0709 標題 心的現象論 了解論 II 叢書名 吉本隆明資料集 68 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 心的現象論 キーワード 了解論 見出し・語録 心的現象論(第40回) 了解論 9(『試行』第54号 1980年5月30日) 63 了解の諸相(1) 64 了解の諸相(2) 心的現象論(第41回) 了解論 10(『試行』第55号 1980年11月10日) 65 了解の諸相(3) 66 了解の諸相(4) 67 了解の諸相(5) 心的現象論(第42回) 了解論 11(『試行』第56号 1981年4月20日) 68 了解の諸相(6) 69 了解の諸相(7) 心的現象論(第43回) 了解論 12(『試行』第57号 1981年10月30日) 70 了解の諸相(8) 71 了解の諸相(9) 72 了解の諸相(10) 心的現象論(第44回) 了解論 13(『試行』第58号 1982年3月30日) 73 了解の諸相(11) 74 了解の諸相(12) 心的現象論(第45回) 了解論 14(『試行』第59号 1982年9月15日) 75 了解の諸相(13) 心的現象論(第46回) 了解論 15(『試行』第60号 1983年2月25日) 76 了解の諸相(14) 心的現象論(第47回) 了解論 16(『試行』第61号 1983年9月30日) 77 了解の諸相(15) 78 了解の諸相(16) 79 了解の諸相(17) 心的現象論(第48回) 了解論 17(『試行』第62号 1984年5月15日) 80 了解の諸相(18) 81 了解の諸相(19) 82 了解の諸相(20) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0709 標題 日時計篇 II(下)・〈手形〉詩篇 叢書名 吉本隆明詩全集4:1951ー1954 出版社 思潮社 出版地 東京 区分 詩集 見出し・語録 日時計篇 II(下)1951 〈手形〉詩篇 1952〜1954 〈哀しき人々〉のすえに 藤井貞和 解題 別冊 吉本隆明年譜[6](高橋義忠編) 注記等 ISBN978-4-7837-2349-3
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0709 標題 自作を語る 第11回 悲劇の解読 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」10月増刊号、第21巻第15号  通巻第321号) 巻 33 号 Autumn 掲載頁 148-157 掲載年月日 2007.9.30 区分 インタビュー キーワード 小林秀雄 見出し・語録 小林秀雄という地平 注記等 インタビュー・撮影=渋谷陽一
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0709 標題 よせやい。 出版社 ウェイツ 出版地 東京 区分 インタビュー キーワード 教育/人間力/構想力/自意識/歴史 見出し・語録 まえがきにかえて (中井健人) 教育について―――第1回雑談会 2005年7月31日 中上健次はだんだん小説がへたになってきた/教え方の技術がうまい先生は、冗談じゃないぞ、全然間違い だぞと思っています/子どもを馬鹿扱いする教え方はやっぱりだめ/東大の先生は国士舘大へ、国士舘大の 先生は東大へ/政治家として筋が通っているのは田中眞紀子だけですね/構想を持つふつうの人間が増える と、ひとりでに社会は変わっていく/世界的に、ここを通っていけば大丈夫だという抜け道がどこにもなく なってしまった/資本主義、超資本主義、社会主義のいずれでもないところに流れていく流れ方があるはず /拉致問題の解決のためには条約を結ぶこと/カッコよく言うと「存在論的に」我慢しているんです/日本 の赤ん坊の育て方は西欧よりすばらしい/若者だって渋谷じゃなくてお遍路へ行ったほうがいい/日常生活 をしている自分と物書きとしての自分を分けている/両方とも悪意は全然持っていないのに、人間関係を持 つと必ず食い違いの問題が起きる/老人はみんな死ぬのを怖がっている/全共闘は左翼と自民党の様相をか えた功績があった 第1回をおえて 人間力について―――第2回雑談会 2005年9月11日 人間力とは人間が理想の可能性を描き得る力/「人間力を忘れないでくれよな」と言うしかない/郵政民営 化に反対というのは理念としてはない/戦時下とそう変わらないいまのジャーナリズム/旧来日本の進歩的 な政党で通用している党派性は無効だよ/ホリエモンはやっぱり新しいタイプだなということはわかる気が する/いまのマスコミは戦前・戦中の尻尾が切れていない/民族国家というのは最後の国家/思想というの は引きずり超えていくもの/誰も歴史の流れをつくるようなことは言えていない/先進的な民族国家はだん だんドン詰まりに近くなってきます/まずいと思うことを修正していけば十分間に合っていく/科学であろ うと宗教であろうと「死」は自分のものじゃない/楽しいことは生きる矢印で見つける 第2回をおえて 自意識について―――第3回雑談会 2005年11月6日 自意識の学としての国語学とか国学が明治維新の原動力になっている/日本の変革の思想は、近世以前は中 国の仏教で近代以降は基本的に国学です/これからの日本のことを少し本格的に、つまり自意識的に考えた ほうがいいでしょう/いまの日本は、歴史が流れるような方策が取れなければだめだという気がします/ 「明治の自意識よ、もう一度」ということだけじゃないでしょうか/マイナスのところはあまり学ばなくて もいいという選択は確かなほうがいい/柳田国男と折口信夫の二人は、わりあいに自意識家じゃないでしょ う/戦争に出かけていく人たちのさまざまな心境を推察することができなかった/命の重大さを思春期ぐら いになってから教えたって、言うことを聞きませんよ/親から「いい先生」と言われるような先生にならな いほうがいい/暴力だって、心から思ってやったのなら決して悪い影響は与えない/家族の問題を倫理的な 判断とくっつけないで、ただ身体の考古学の問題として考えていく/とくに知的な人で、俺の家族は100 %幸福だという人には出会ったことがない 第3回をおえて 歴史を流れるようにするとは―――第4回雑談会 2006年4月16日 ハイテク産業には、歴史に逆行するような使われ方の側面もある/自分への配慮を考えなければ、発達した 産業の構想力は持てない/社会主義と資本主義は同じようなもの、両方ともだめ/ここが根源だというとこ ろだけは、ちゃんと押さえて考えていけばいい/先進資本主義というのは相当末期的な様相を呈している/ 臓器移植の問題を例に取っても、日本は全然問題にならないぐらいだめです/大勢になるほどだめで弱くな るから、本当は一人がいちばん強いんだ/戦争のことをキチンと考えないと歴史を誤る、自分の青春を誤る /イラクとアメリカの戦争は、文化的にいうと先進性と後進性の戦争/どんなにつらくても苦しくても、生 きる方向に矢印を向けなければ人間の生き方じゃない/戦争責任の感じ方は時代によって、個人の気持ちに よってそれぞれ違うと思う/そもそも日本や琉球は中国の冊封体制の辺境の属国で、いつ独立したのかわか らない/国学が近代最初の第一次革命みたいなもののイデオロギーの大部分になった/戦争なんて滅多に自 分のほうから仕掛けられるものではない/自意識が「ある」「ない」というのは持続性や永続性に関係する 第4回をおえて 時代の自意識について―――第5回雑談会 2006年6月18日 社会的だからいい、あるいは政治的だからいいという評価は文学には全然ない/「政治家としての自己」と して、郵政民営化のとき小泉はすべてのことをやっている/六〇年安保のときは一兵卒でやればいいんだと 自意識的にやりました/さまざまなことが刺激され、想像できるのであれば芸術は成り立つ/現在の情況に おいて、どうすれば公共的な方策に自意識を持ち出すことができるのか/いまの若い人はかなり本物になっ てきている/自意識の問題は、無限の以前と後のつなぎ方と情況の問題を一緒に考えなければならない/未 来に開いていくやり方を少数でも考えないと、日本の左翼性は終わりになってしまう/現代は静かで平穏だ が、大変な時期にさしかかったというのが僕の情況的な実感/バブル時代は、個人企業も含めて中小企業以 下が何かできる一つのチャンスだった/日本の戦後で革命と言えるのは、占領軍による農地改革ただ一つで す/西洋型の社会構造に移りつつあるということが、いま言われている格差社会ではないでしょうか/勤勉 な人たちが100倍ぐらい日本の社会を進歩させ、教育が1000倍ぐらい進歩させた 第5回(最終回)をおえて 雑談会に参加して  自らの構想力をもって判断すること 青木司郎  歴史の流れに棹さす 朝 浩之  開かれた個人を生きる 坂田耕司  〈吉本〉の端緒にようやくたどり着いた 末次雄二  それはミメシスから始まった 中井健人 あとがき (吉本隆明) 注記等 ISBN978-4-901391-85-6
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 聞き手 宇田川 悟 刊行年月 0709 標題 吉本隆明「食」を語る 叢書名 朝日文庫 出版社 朝日新聞社 出版地 東京 区分 インタビュー キーワード 食/味/食生活/料理/家庭料理 見出し・語録 まえがき (吉本隆明) 1 戦前 幼少時代  月島の表長屋で誕生  吉本家の食卓  ハレの日のごちそう  両親、家族とのつながり  下町育ちの気質  駄菓子屋のおばちゃん、血を飲む鬼ババア、変なおじさん  下町出身の知識人の悩み 2 戦中〜敗戦 米沢高等工業学校時代  自然と時間との出会い  ナンパ、悪酔い、果樹園荒し  思索家吉本隆明の萌芽  動員学生時代  八月十五日を迎えて 3 戦後 サラリーマンから物書きへ  食いつなぐために  就職、組合活動の鬱屈  サラリーマンの息抜き  詩人への道と生活とのジレンマ  留置場のカツ丼 4 家庭生活をめぐる料理考  同棲・新婚時代  子どもからのマンネリ批判  『キッチン』考  味について  手を動かし続けること  文章修行の方法論  食における親子の断絶と教え  上野界隈飲み歩き、食べ歩き  群集の中の孤独 5 老年を迎え、今、思うこと  溺体未遂の全容  身体と精神  漱石・鴎外に並ぶ食い意地の呪縛  正常と異常の狭間  宮沢賢治も大食いだった  最後の晩餐  できるだけやるさ  フランスを憧れども  フランス料理は得体が知れねえ  固有でかつ普遍を追求する  文化の偏り  おいしいという感覚の表現  到達点はカオスの世界  そして、これから あとがき (宇田川悟) 解説 道場六三郎 注記等 2005年3月に朝日新聞社より刊行された単行本の文庫化に際し、解説が加わった。 ISBN978-4-02-264409-1
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0710 標題 おいしく愉しく食べてこそ(10)海苔のこと 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 10 掲載頁 3 掲載年月日 2007.10.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 久保 隆(ききて) 刊行年月 0710 標題 秋山清と〈戦後〉という場所:インタビュー 掲載誌(紙・書)名 現代詩手帖  巻 50 号 10 掲載頁 10-26 掲載年月日 2007.10.1 区分 インタビュー キーワード 秋山清/戦争責任論/詩 見出し・語録 「詩文化」という場所/秋山清との出会い/清岡卓行と戦争責任論/六月行動委員会/卑怯者でいきま しょうよ/空疎な言葉たち/ 注記等 (2007.6.5)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0710 標題 漱石と私 掲載誌(紙・書)名 朝日新聞(東京夕刊) 出版地 東京 掲載頁 14 掲載年月日 2007.10.9 区分 漱石論 キーワード 夏目漱石 見出し・語録 真理・倫理の追求に共感  作品を読み始めたのは、東京府立化学工業学校に通っていた15歳ごろでしょうか。漱石の人間観がいいな、 と思った。どんなときも「坊っちゃん」をかばう老女の清や、「虞美人草」のヒロインの、何もせずぶらぶら している義兄をひそかに慕う糸子。理想の女性像を感じさせると同時に、神経質で被害妄想とされた彼の、心 の奥底に沈んでいる優しさが透けてみえた。  鴎外が抑制的な「調和」の作家だとすれば、漱石は「悲劇」の作家です。愉快な作品を書いても、己の人間 像が丸裸に出てしまう。自身の性格の悲劇、近代日本の知識人の悲劇と格闘し、全身全霊で小説を書いた。僕 は昔、文学の芸術性とは自分ともう一人の自分との問答をどれだけ掘り下げるかで決まる、と書いたが、漱石 はまさに近代日本最大の作家といえる。  真理と倫理を追求し、自由でありたいという願望を持ち続けた人。強く共感する気持ちは今も変わらないで すね。 注記等 著者写真有り 江戸東京博物館で文豪・夏目漱石展
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 糸井重里 刊行年月 0710 標題 僕たちの親鸞体験 掲載誌(紙・書)名 ジッポウ  号 3 掲載頁 14-27 掲載年月日 2007.10.12 区分 対談 キーワード 親鸞 見出し・語録 「朝(あした)には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」 田舎の書店で出会った『最後の親鸞』に驚嘆 浄土の疑問を正直に語り合った親鸞と唯円は「すごい坊さん」 どんな思想もせいぜい寿命は二世紀、だが、親鸞は今も生きている 浄土教のほうから大衆に近づく、それが親鸞の真宗 無所有を貫いた一遍は、ある種のエリート主義 社会主義と称する国は宗教の扱いに失敗 見えない力の関係、幻想の暴力を解体した親鸞 「面々のはからい」は道ばたの知性 生意気な知性を粉砕する自然法爾(じねんほうに) 注記等 取材・構成 笠木恵司/撮影 山下亮一
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0710 標題 戦後詩における修辞論・小林秀雄をめぐって 叢書名 吉本隆明資料集 69 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 講演/座談会 キーワード 戦後詩/小林秀雄 見出し・語録 戦後詩における修辞論(『木野評論』第9号1978年3月20日発行) 1喩とはなにか 2直喩 3暗喩 4無定型な喩 言葉という思想 三上治『幻想の革命』(三上治『幻想の革命』三一書房・推薦文1978年6月30日) 講演「詩について」質疑応答(『別冊 無限ポエトリー』第3号1978年8月1日発行) 『戦後詩史論』について(大和書房・新刊案内1978年9月) 小林秀雄をめぐって 石関善治郎・神林尋史・木原しげる・津久井治・山本圭一・吉本隆明(『表象』第6号 1978年10月10日発行) 「私」とは何か/小林秀雄への執着と訣別の軌跡/関係における「結節点」/倫理の解体と救済―なぜ人は倫 理的であることをまぬがれないか/生理的・歴史的自然への溶解―小林秀雄における倫理の問題/宿命―世界 からくる意志/空虚な概念――小林秀雄の「精神の深さ」/ランボオ神話の虚偽/批評の歴史への参加/乖離 した認識の統合/日本の古典思想をどう解体させるか/親鸞―否定の果てに/自立―信・不信の交錯/認識は 救済たりうるか/関係の認識―体験からの飛躍/リアリティをめぐって/抽象的なるものの恐しさ/論理が血 を流す場所への帰属/自然過程―知の罪悪感からの脱却/表現の意味するもの 宗教について1(『春秋』1978年12月号) 宗教への方法/仏教思想について/比較思想について/イエスと親鸞について 宗教について2(『春秋』1979年1月号) 道元について/アジア的自然について 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0711 標題 おいしく愉しく食べてこそ(11)甘味の不思議 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 11 掲載頁 3 掲載年月日 2007.11.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0711 標題 『死霊』の創作メモを呼んで 掲載誌(紙・書)名 群像  巻 62 号 11 掲載頁 39-44 掲載年月日 2007.11.1 区分 作品論 キーワード 埴谷雄高 見出し・語録 「文学と実行を対比させて、実行にくらべれば文学はただの絵空事にすぎないというのは意味をなさない。 文学はもともと現実に役立つためとかを目的とするのでも主たるモチーフとして営まれるものでもない。 さらにいえば「空の空」をうつ作業を本質とする。わたし流の言葉で一口に言ってしまえば、自分が自分 に問いかけ、それに対する自分の答えに充たされなければ、また次の問いかけと応えかけがはじまり、持 続される。この暗黙の内容問答が人間にとって(人類にとって)続く限り、文学の形成は続く。内的な一 人問答であるか、非コミュニケーションであるか、それが有効か無効か、人心に役立つかどうか‥‥‥が 問題となるのは文学にとって第二義以下のことにすぎない。人間が、この内的なつぶやきと自己問答をは じめるようになったときから文学の本質がはじまり、それが継続的に人間(人類)の本質であるかぎり、 文学の本質も続いてゆく。表現形式がどのように変化してもおなじことだ。」
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0711 標題 横光利一論・南方的要素 叢書名 吉本隆明資料集 70 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 作家論 キーワード 横光利一 見出し・語録 横光利一論(『海』1979年4月号) I 自己暴露 II 症候・風景・文体 III 通俗性とはなにか IV 見知らぬパリ わたしの横光利一体験(世田谷文学館『横光利一と川端康成展』カタログ1999年4月24日発行所収) 伊藤貞彦との往復書簡・復信 〈土着〉について[1979.7.22](伊藤貞彦『どこに生きる根をおくか』大和書房1979年8月30日刊 所収) 生活と情況をめぐって[1979.7.4](伊藤貞彦『どこに生きる根をおくか』大和書房1979年8月30日刊所収) 南方的要素[1978年10月7日](中上健次編『文化の地平』1979年12月1日発行所収) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 おいしく愉しく食べてこそ(12)クリスマスケーキまで 掲載誌(紙・書)名 dancyu  巻 17 号 12 掲載頁 7 掲載年月日 2007.12.1 区分 エッセイ 注記等 撮影/中島博美
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 私の3作:評論家・吉本隆明さん/上 『マス・イメージ論』 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞(東京朝刊) 出版地 東京 掲載頁 [毎日JP/http://mainichi.jp/enta/art/news/20071203ddm014070140000c.html] 掲載年月日 2007.12.3 区分 聞き書き キーワード 『マス・イメージ論』 見出し・語録 「◇サブカルを批評し反響呼ぶ  この人の「3作」ほど難しい選択はないかもしれない。詩人にして評論家。批評する対象も、文学、言語、 思想、宗教、政治・社会問題など、きわめて幅広い。何を代表作とみるかは読者によっても異なるだろう。 そこで、あえて70?80年代の「中期」の評論に絞り、語ってもらった。  『マス・イメージ論』(84年)は、80年代に青年期を過ごした世代にとって最も印象的な作品の一つ ではないか。文芸誌『海燕』(82年3月号?83年2月号)の連載中から反響を呼んだ。何しろ俎上(そ じょう)に載せたのは小説や詩だけでなく、歌謡曲からテレビCM、少女漫画まで、驚くばかりの多分野に 及んだ。今では珍しくないが、「中島みゆきの歌詞」や「糸井重里のコピー」や「萩尾望都の漫画」といっ たサブカルチャーの産物が、文学と同列に論じられるなど考えもつかないことだった。  吉本さん自身、「それまで通俗的、中間的な芸術、芸能といわれてきたものが、社会現象として隆盛をき わめていた。これはいったい何か。批評家として関心をそそられる対象で、これを黙って通り過ぎては批評 といえないと思った」と振り返る。現代の批評に突きつけられた挑戦という意識があった。  取り上げた個別の作品を「『現在』という作者のマス・イメージが産み出したもの」ととらえた視点が斬 新だった。これは、続く『ハイ・イメージ論』(全3巻、89?94年)で提示した「世界視線」の考え方に もつながっていく。  ただし、刊行時の反応は、「その漫画は面白いから面白いんだ。理屈づけることないじゃないか、という ものが多かった」と話す。本人としては「漫画や歌自体の良さはよく分かったうえで、改めて理論的に客観 的に類型づけてみるのが主要なモチーフだった」のだが、うまく伝わらない面があった。  80年代前半はバブル経済へ向かう途上で、「消費が中心になった社会の兆候が、一番旺盛に出てきた最 初の時代」でもある。大衆消費文化を真正面から扱ったために、「資本主義を擁護するもの」といった誤解 に基づく批判も受けた。「モチーフがよく理解されなかった。その時の文化の状況を分析することが重要だ と思っていたから、そうした批判は見当違いだと感じた」  それから20年以上たった現在、「マス・イメージ」はどう変わったのだろうか。まず、「今は消費的な 産業(第三次産業)が完全に全産業をリードするようになった」。サブカルチャーの表現がいっそう盛んに なり、拡散しつつある一方で、携帯電話など「コミュニケーション産業の飛躍的な発展」が新しく加わって きた。そう吉本さんは見る。  「誰もが忙しそうに、団塊の世代など定年退職後もろくに休まないように(笑い)しているけど、内実は 忙しくなくなっている。つまり、専門の仕事と副業や余暇を利用した遊びとの区別、境界がなくなってきて いる。これは異様な発達の仕方で、よく見ていかないといけない」  国家のような「共同幻想」のあり方も変化するという。例に引くのは戦前の言論統制。「弾圧というより、 会社で上役の出した方針がいつの間にか浸透していくように、空気のように起こって風のように広がってい く全体的な意思の普遍化の結果だったのではないか」と。そうした集団社会における意思の普遍化に、コミ ュニケーション手段の発達が作用すると「危なっかしいことになる」。21世紀の「マス・イメージ」が抱 える課題である。」 注記等 取材・記事:大井浩一 写真:1981年2月の「ドストエフスキー死後100年祭」で講演する吉本隆明さん
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 わたしと仏教(25)思想家としての親鸞に向き合う 吉本隆明(1) 掲載誌(紙・書)名 週刊仏教新発見 号 25 掲載頁 32-33 掲載年月日 2007.12.9 区分 談話 キーワード 親鸞 見出し・語録 「「現実の社会は煩悩のふるさと。ふるさとは恋しい。浄土はいいというけれど、行きたいという気持ちも 起こらない」というのが親鸞の答え。画期的な答えなんですね。」 注記等 構成・三上 治
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 「理想」という精神的な脱出口:私の人生と読書 掲載誌(紙・書)日刊ゲンダイ 出版地 名古屋 掲載頁 13 掲載年月日 2007.12.13 区分 談話 キーワード 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』 見出し・語録 「私の人生は「銀河鉄道の夜」「ファーブルの昆虫記」「新約聖書」「資本論」の4冊の本に大きな影響を 受けました。中でも一番最初に、多感な青年期に読んだのが「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治著 新潮社 400 円)です。  確か米沢高等工業学校に通っていた頃だから、18歳ぐらいかな。寮の仲間が貸してくれたんですが、当時、 私は宮沢賢治を知らなかったものだから、先入観がないというか全く期待はしていなかったんです。ところ が読んだら思いの外、大感激してしまったんですよ。  物語では、ジョバンニが乗った列車に、友人や見知らぬ人が乗り込んできますよね。どこでも行ける通行券 を持っているジョバンニは、皆と最後まで一緒に行きたいと思うけれど、次々に降りてゆき、最後は友人まで も降りてしまう‥‥‥。  私がこの童話のどこに感激したか。それは、賢治が抱いていた理想主義に対してでした。  つまり、皆が幸せになれるプランや理想があって一緒に目指したいと思ったとしても、人にはそれぞれの生 活があるから叶わないことも多い。だけどこんな風になりたいという理想を持ち、そこへ向かおうという気持 ちがあれば、たとえ現実はどんなに厳しくても人は頑張れるし、楽しいことも見つけ出せる―――。  当時私は、自分は戦争で死ぬんだと思っていましたけど、この童話を読んで、たとえ戦争中だって探そうと 思えば家族や仲間の間に何か楽しさは見つけだせるだろうし、また“理想”という精神的な出口があれば、そ れを手がかりに行動したり考えたりできると感じ、救われたんです。  これを機に賢治に傾倒していった私は、理想主義に突き進むわけでです。戦後、文学の道に転身するかどう か悩んだときも、文学で理想を持てる生き方が出来ると考え、決心が出来たんですよ。」
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 高橋純一(聞き手) 刊行年月 0712 標題 戦後のはじまり 掲載誌(紙・書)名 現代思想 巻 35 号 17 掲載頁 18-26 掲載年月日 2007.12.15 区分 対談 キーワード 農業恐慌/戦後/ナショナリズム/後進国革命/労働運動/転向
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 わたしと仏教(26)親鸞にとっての浄土と死 吉本隆明(2) 掲載誌(紙・書)名 週刊仏教新発見 号 26 掲載頁 32-33 掲載年月日 2007.12.16 区分 談話 キーワード 親鸞 見出し・語録 「親鸞は、民衆を宗教的理念に引き上げるのではなく、自分の宗教的理念を民衆の方に近づけようとしたわ けです。」 注記等 構成・三上 治
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 私の3作:評論家・吉本隆明さん/中 『最後の親鸞』 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞(東京朝刊) 出版地 東京 掲載頁 14 掲載年月日 2007.12.17 区分 聞き書き キーワード 『最後の親鸞』 見出し・語録 「◇思想の転回へ端緒求める  『最後の親鸞』(76年)を代表作の一つに数えることに、あまり異論はないだろう。もとになった 雑誌連載「聞書・親鸞」が始まったのは71年にさかのぼる。  その時期、吉本さんは「日本の社会、国家の状態がある転機に達した」と感じていたという。これに 関し以前から注目してきたのが「水の販売」だ。瓶詰めなどの飲用水は日本で70年ごろ普及し始めた。 「マルクス経済学の想定外のことで、日本の進歩的な思想が行き詰まっていく兆候」と見なせた。実際、 大学紛争が下火となった70年以降、新左翼セクト間で内ゲバが繰り返されるようにもなっていた。  こうした状況に、「従来式の資本主義と従来式の左翼思想ではついて行けない」との認識は深まった。 「その時、自分は何をしたらいいのかと考えた場合に、もっと根本的なところから考えたほうがいい。 新しい状況に爪(つめ)をかけることのできる何かを得たい。そういう情勢判断と欲求があった」。目 前の左派の政治思想が「宗教的迷蒙(めいもう)」に陥ったかに見えた時、かえって宗教へ思想的転回 の端緒を求めたのだともいえる。  そこで「親鸞を宗教の範囲内ではなく、思想として論じよう」としたのは思い付きではない。家が浄 土真宗だった縁もあるが、本格的な出会いは戦時下、旧制米沢高等工業学校在学中に岩波文庫で『歎異 抄』を読んだことだった。当時、学生の間で仏教書がよく読まれていた中でも「抜群だと思った。中世 の書とは思えない近代性を感じた」。  では、70年代に吉本さんが親鸞の思想からつかみ出したものは何か。一つは、宗派=党派の解体の 論理だろう。  「親鸞は愚禿(ぐとく)と自称し、寺も読経も仏像も要らないという考えだった。結婚もするし、肉 類魚類も食べるなど僧侶の戒律はことごとく破っている。初めから中国の浄土教と切り離した、日本独 自の浄土教を作りたかったのだと思う」  「戦乱の世で飢えた一般の民衆をどう救うかが課題だった。法然のように『善行を重ねて、念仏はた くさん唱えるほどいい』とする教化の仕方では、極端にいけば『早く死んだほうがいい』となる。むし ろ浄土教は壊れてもいいから、民衆の生活のほうに教義自体を近づけたいという逆転の発想が親鸞には あった」  もう一つは、吉本さんが追究してやまない「大衆の原像」にかかわる。  「法然や親鸞は当時の大知識人だ。法然も愚かな人ほど往生しやすいといったが、親鸞は自分から庶 民の苦難に近づいていきたいと思った。だが、最後のところで庶民と一緒にはならないことを自覚する。 近づけば近づくほど、これ以上近づけないと思う。そこが徹底的に突き詰めたところで、親鸞の思想の 精髄だ」  「非僧非俗」「<非知>と<無智>」「往相と還相」など『最後の親鸞』が提示したキーワードは、 知識人が大衆と同じ地平に立つことの困難を語っている。この作品は多くの青年や知識層に読まれ、感 銘を与えた。今考えれば、大衆的基盤を持たなかった「革命」という幻想(迷蒙)の挫折体験を、癒や し、励ます面もあったのかもしれない。  現在は、思想的な対立点も、知識人と大衆の境界も、より不鮮明になっている。かつて吉本さんは 「<科学>的と称する思想が宗教的に受容されている側面」を指摘したが、<知>の枠組みがあいまい 化しただけ、迷蒙のありかも見分けがたくなっているようだ。『最後の親鸞』は、今日なお未解決の思 想課題をはらんでいる。」 注記等 取材・記事:大井浩一 写真:『最後の親鸞』を執筆していた1974年ごろの吉本隆明さん 毎日JP/http://124.83.183.242/enta/art/news/20071217ddm014070039000c.html
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 わたしと仏教(27)マルクス「相互作用」と親鸞の「非僧非俗」 吉本隆明(3) 掲載誌(紙・書)名 週刊仏教新発見 号 27 掲載頁 32-33 掲載年月日 2007.12.23 区分 談話 キーワード 親鸞/マルクス 見出し・語録 「親鸞が意識的に僧侶の戒律を破り、ふつうの人たちと同じ「非僧」の生活をしたことは、「僧的人間」から 「ただの人間」に戻す親鸞の本懐だったと思います。」 注記等 構成・三上 治
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 私の3作:評論家・吉本隆明さん/下 『悲劇の解読』 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞(東京朝刊) 出版地 東京 掲載頁 12 掲載年月日 2007.12.24 区分 聞き書き キーワード 『悲劇の解読』 見出し・語録 「 ◇近代の矛盾に直面した人々  意外にも、個別の近現代作家についての「作家論」が吉本さんは少ない。『高村光太郎』『宮沢賢治』 のように一冊にまとめられた作品もあるが、膨大な著作の中で多くはない。それだけに『悲劇の解読』 (79年)は、待望久しい作家論集として読者に迎えられた。  取り上げたのは太宰治、小林秀雄、横光利一、芥川龍之介、宮沢賢治の5人。いずれも「青年期に心 から没入した」作家、批評家である。愛着の特に深い人物を集中的に論じたのは、「時代的な背景」が 大きかったという。  ちょうど「僕らより若い批評家や作家、詩人が出てきて、作家の知的な意味が軽くなり、知識の世界 が一段と軽く広がっていく兆候が見えてきた」時期だった。例えば石原慎太郎氏ら若い世代の作家に比 べ、太宰らは「性格的悲劇や時代的な深刻さからくる悲劇」を特徴としていた。だから、この時が彼ら を「取り上げる最終の機会だなという気持ちがあった」。  とりわけ時代的な悲劇性を体現したのが小林秀雄と横光利一だ。2人はともに「日本の近代」の矛盾 に直面したといえる。  小林論の中で吉本さんは、「近代西欧思想に骨の髄まで震撼(しんかん)された」知識人が日本の古 典に対した時、抱える問題に注目した。誰もが西欧近代の達成と引き比べて「なさけない思い」をする のだが、そこには「自己侮蔑(ぶべつ)」を伴わざるをえない。しかし小林は「感覚的な体験」として 古典を読むことで、矛盾を回避する……。  もっとも、かねて小林の古典論を高く評価してきたのも事実だ。「今の時点から西行や実朝の歌を論 じる視点と、想像力を働かせ自分が対象の人物と同時代にいて傍らで観察しているような見方」という 「二重の目」を巧みに統合し、鮮やかに表現した。こうした優れた批評には、それ自体が個性的な文学 表現となるような「自己劇化」が不可欠だ。ところが、小林は晩年の『本居宣長』になると、「神話は その通り受け取るのがいいという宣長の思想を批評的に読んでいない。つまり、自己劇化が弱いから、 宣長の神話観がそのまま肯定的に出てきてしまう」と見る。  一方、横光の悲劇は、端的に昭和の戦争に遭遇したところにあった。初期は『機械』のように「超モ ダンな作品」を書いた横光が、戦前の欧州旅行と戦争を経由して「アジア的な農耕村落の原理」に回帰 していく過程を、吉本さんはこの本で丁寧にたどっている。「格段に優れた小説家だから、アジアにお ける先駆けである日本の近代の敗戦による挫折を、真正面から作品で体現してしまった」  では、グローバル化が進む現在、2人がぶつかった問題はもはや過去のものといえるのか。吉本さん はまず、「今のグローバル化は、米国を主体に、財政力や軍事力の圧力が加わったもの。本物とはいえ ない」と指摘する。「日本も第三次産業と科学の発達だけは西欧並みだが、それで安心するのでは米国 のグローバル化をそのまま受け入れているにすぎない」  言い換えれば、敗戦で日本の近代はいったん挫折したのだが、その後、世界に通用する「社会のビジ ョン」が描けているかといえば、「自分で考えたものは何もない」。それどころか、銃犯罪の多発に見 られるように、欧米に特徴的だった「社会の停滞や絶望感」が及んできた日本は、「欧米的な社会風潮 に負けたという意味で第二の敗戦期にある」とさえ映る。  表層の豊かさと改革の掛け声の下で、小林や横光が演じた「近代の悲劇」は、どこまでも繰り越され ていくかのようだ。」 注記等 取材・記事:大井浩一 写真:自宅の仕事場で=今年11月、竹内幹撮影 毎日JP/http://mainichi.jp/enta/art/news/20071224ddm014070143000c.html
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0712 標題 現代詩の思想・村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』 叢書名 吉本隆明資料集 71 編集 松岡祥男 出版社 猫々堂 出版地 高知 区分 作家論/詩論 キーワード 詩/文学 見出し・語録 起伏(馬場礼子『心の断面図』青土社・1979年12月10日刊 所収) 現代詩の思想(『別冊無限 無限ポエトリー』第7号1980年1月10日発行)  〈言葉〉の表現を習うこと自体が詩  詩人にとっての〈身体の思想〉  現代詩の思想への対応  〈老い〉の自覚のパターン  詩と制度の関連について  (昭和54年3月、無限アカデミー現代詩講座の講演要旨) ある塹壕(加藤龍之『解体サクセッション』自家版・1980年1月 解説) 三島由紀夫と太宰治:詩人たちの肖像 聞き書き 清水昶(『現代詩手帖』1980年3月号) 「幻想論の根底」序文・質疑応答[1978年5月28日](『幻想論の根底』同志社大学 文学哲学研究会 「翌檜」1980年4月5日発行) 末次弘『漱石文学論』(末次弘『漱石文学論』蒼季社・1980年5月21日発行 帯文) 文学の原型について[1980年8月15日 講演要旨](『高知新聞』1980年8月17日朝刊) 夢・その他(『ヴァレリー全集 カイエ篇』第3巻 筑摩書房・1980年10月20日発行 月報3所収) 村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』――豊饒かつ凶暴なイメージの純粋理念小説(『海』1981年2月号) 現代社会と詩的喩法(『現代詩鑑賞講座1』1969年4月30日 角川書店刊 所収) 編集ノート 注記等 装画 ハルノ宵子

「吉本隆明2007年著作リスト」/kyoshi@tym.fitweb.or.jp 2008.03.12