吉本隆明2002年著作リスト


*ページ内を検索する(Netscape Navigator4.0/4.0.6〜)


刊行形態 Magazine Article
著者 吉本隆明
著者 加藤典洋
刊行年月 0201
標題 存在倫理について:対談2001年11月1日
掲載誌(紙・書)名 群像
巻 57
号 1
掲載頁 190-225
掲載年月日 2002.1.1
区分 対談
見出し・語録 地下鉄サリンとNY同時多発テロ/迷妄の諸段階「自分の木」と「リト
ル・トリー」/二つの生死観の出会う場所/『取り替え子』の謎/「存在倫理」の設定/
「内在」から「関係」、また「内在」へ/「共同幻想」をどう考えるか

刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0201 標題 吉本隆明インタビュー:特集「テロが追い込んだ日本の政治」 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」1月増刊号、第16巻 第1号通巻第214号) 巻 10 号 Winter 掲載頁 104-108 掲載年月日 2002.1.15 区分 インタビュー 見出し・語録 ごまかしの法的手続き/平和憲法をいかに位置づけすべきか/憲法改正で日 本人は変わるのか 注記等 インタビュー=渋谷陽一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0201 標題 石川九楊著『日本書史』を読む 掲載誌(紙・書)名 週刊読書人 出版地 東京 掲載頁 2 掲載年月日 2002.1.18 区分 書評 キーワード 書 見出し・語録 表現の歴史に則して/空海の書の疑問/時代精神の移り行き 「だが、わたしは自分の文芸批評についての関心の有りどころからこの著者の成し遂げた 表現技術とその筆致の心理の考察から起筆して時代精神の移り行きを解明しているところ が、空前の達成であると思えた。この本ではじめて書論が表現史の領域に足を踏み入れた と考える。これは単なる文化史家にも、単なる書家にも成しえないもので、知識や経験の 蓄積以外の何かが必要なのだと思える。」
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0202 標題 反骨の数学者 遠山啓 掲載誌(紙・書)名 文藝春秋 巻 80 号 2 掲載頁 268-269 掲載年月日 2002.2.1 区分 人物論 キーワード 遠山啓
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0202 標題 吉本隆明資料集 20 出版社 猫々堂 出版地 高知市 区分 鼎談・座談会記録 見出し・語録 小林秀雄をめぐって 饗庭孝夫・桶谷秀昭・武田友寿・佐藤泰正・吉本隆明(『季刊創 造』第3号、1977年4月、同第4号、同8月) 芥川の遺したもの/芥川と小林・太宰/小林における芥川批判の意味/社会意識と生活意 識の乖離―芥川の悲劇と小林/生活者の目から見た芥川問題/小林と伝統の問題―『私小 説論』の含むもの/マルキシズムをめぐる個と普遍の問題/分水嶺としての『私小説論』 /小林とドフトエフスキイ/思想の絶対性と意識の絶対性/実朝・西行への視覚/小林秀 雄における「体験」の意味/そのドフトエフスキイ論の正と負/小林秀雄とキリスト教/ 小林秀雄における西方と東方 作家訪問記(『海』訪問記者) (『海』1976年5月号) あまたの海鳥が海の上で―「吉本隆明全著作集」について― 川上春雄 (『群像』 1976年7月号) 川上春雄 吉本隆明年譜・書誌リスト
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 岡井隆 刊行年月 0202 標題 定型・非定型の現在と未来 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明をよむ日 出版社 思潮社 出版地 東京 掲載頁 158-184 区分 対談 見出し・語録 定型詩の実験的試み/生理的年齢への抵抗/戦後派と若い詩人たち/写生という 「誤解」/詩と短歌の土台の相違/戦後詩の顕著な特徴/音数律復活の可能性 注記等 初出 「週刊読書人」1978年11月6、13日号
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 岡井隆 刊行年月 0202 標題 日本語の遺伝子をめぐって 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明をよむ日 出版社 思潮社 出版地 東京 掲載頁 185-204 区分 対談 見出し・語録 意味とメロディ/「老い」と短歌的遺伝子/詩歌とイデオロギー/批評の臨床性/ 批評の届く場所 注記等 初出 『岡井隆コレクション』第8巻、思潮社、1996年
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0202 標題 吉本隆明が語る戦後55年[第8回]初期歌謡から源氏物語まで 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 7 掲載頁 4-44 区分 インタビュー 見出し・語録 宣長の『源氏物語』の読み方には主題主義否定の観点が入っている/今の文芸作品 がもっている作品形成の要素をすべてもっている『源氏物語』/『源氏物語』は現代語訳で現代 小説と同じように読むのがいい/音数律から考えられる和歌の起源/「起源以前」を物語る枕詞 と二重地名/歴史時代へ入っていく方法論としての現在性と歴史性が凝縮された地点/鎌倉時代 の制度にみる幕府と朝廷の不思議な権力関係/日本に見られる宗教的な威力にかかわる二つの統 治形態/武家の頭領としての実朝と宗教的な首長としての実朝の問題/日本の権力のあり方にお ける連続性と非連続性をどう捉えるか/武家政権は武力で朝廷を圧倒しながら日本国の統治者に なろうとしないのはなぜか/「生き神的権力」はけっして正面から覆すことはできない/アジア 的な権力の基本は貢納制にある/贈与における物に付着した霊力と資本主義における物に付着し た労働力/ナショナルに対するインターナショナルなものが世界的・普遍的なものではない/イ ンドをモデルにしたマルクスの「アジア的」概念では見えてこない日本/西欧の哲学や文学を 「こちら」から捉えることを試みた『書物の解体学』/自分のなかで組み立てへの疑問から何で も飛びついてみた時期 注記等 談話収録▲1995年12月21日 インタビュアー▲山本哲士、高橋順一 ★今回掲載文は『週刊読書人』連載では、「第一部古典の解読」に相当
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0202 標題 吉本隆明が語る戦後55年[第9回]親鸞とその思想 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 7 掲載頁 45-91 区分 インタビュー 見出し・語録 親鸞に最初に触れた文章の基には三木清の『親鸞』があった/教義を集大成した 『教行信証』よりも『親鸞』に切実さを感じた/親鸞の考えはほとんど一念義に近かった/「首 の皮一枚」で固執してきたマルクスの思想/マルクスの思想とのつながりが曖昧できわどい今の 場所/親鸞は俗人・僧侶の境界を取り去って宗教的な解体をなしとげた/蓮如は一念義を多念義 に変え非僧非俗思想を隠して教団を広げた/一向一揆と蓮如の思想は別にして考えないといけな い/親鸞は仏教の解体運動の一つとして仏教のもつ差別性を解体した/現在の思想は無意識のう ちに普遍宗教・普遍理念を目指している/親鸞には民間信仰に妥協しない面と受け入れる面の二 重性がある/天皇制が存続し得た一つはどんな宗教も受け入れる融通無碍さにある/第三次産業 の発達と第一次産業の減少によって天皇制の理念性は意味を失っていく/天皇制以前と高度資本 主義の先を同時に掘っていくという課題/キリスト教や仏教をいくら拡張しても世界的な普遍宗 教にはなり得ない/ヴェイユの政治理念としてのソ連批判と戦争否定の徹底さを評価する/真の 偉大さは無名性の領域にしかないというところに到達したヴェイユ/日本のことを論じながら世 界性とつながる方法/日本で唯一、紋切り型へのはまり込みから脱していた柳田国男と折口信夫 注記等 談話収録▲1996念月18日 インタビュアー▲山本哲士、高橋順一 ★今回掲載文は『週刊読書人』連載では、「第九部親鸞をめぐって」に相当
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 山本哲士 刊行年月 0202 標題 アメリカ同時多発テロ:現在への発言 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 7 掲載頁 92-110 区分 対談 見出し・語録 あのテロ行為には日本国と日本人の模倣がみられる/真珠湾攻撃と同一視したのは アメリカがもつ弱点の表れ/イスラム原理主義とオウム真理教テロ行為を働くほうの問題/アメ リカは「いい気になっている」と思われていることを自覚しない/日本の戦時中もよく調べない と「ファシズムだった」とは言えない/宗教的倫理と経済倫理が重なっているところを見極める /社会倫理と個人倫理が重なるところに日本でしか通用しない倫理がある/池田小殺傷事件には 「思い込みの必然」がある/これからの人文科学に期待されるのは類型づけ 注記等 談話収録▲2001年9月17日収録
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0202 標題 心的現象論1:連載資料 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 7 掲載頁 111-158 区分 心的現象論 キーワード 眼/知覚論/身体論 見出し・語録 眼の知覚論 1眼の構造(1) 2眼の構造(2) 3眼の構造(3) 4眼の構造(4) 5眼の構造(5) 6<変形>の構造 身体論 1古典ドイツの身体論について 2二、三の現代的身体論について 3フロイドの身体論 4フッサール・ヤスペルス・ビンスワンガーの身体論 注記等 『試行』第29号(1970年1月)以降連載分の「心的現象論」を収録するもの
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0202 標題 コンプレックスにしてしまうのはつまらない 掲載誌(紙・書)名 この人が語る「不登校」 編集 全国不登校新聞社 出版社 講談社 出版地 東京 掲載頁 163-171 区分 インタビュー 見出し・語録 敗戦は、むなしくなるぐらい影響があった/子どもは直観的に社会の変化を 感じてる/自分の経験を何度も練り直して考える 注記等 2001年7月収録 「吉本隆明さんに会ったぜ!」(信田風馬)
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0202 標題 語るには若すぎる(連載第6回)日本を覆う“戦後ボケ”大切なのは言い続けること 掲載誌(紙・書)名 週刊朝日 巻 107 号 7 掲載頁 136-137 掲載年月日 2002.2.22 区分 情況論 見出し・語録 「私は長く朝日新聞に書かなかった。朝日の世話になったことはないし、肯定したこともない。 むしろ、戦争のときのあのざまはなんだという思いがいつもあった。」 「おまえは文芸評論家だから、文学のことだけ追いかけていればいいという批判もあるだろう。 しかし、だれでも考えたこと、感じたことを素直に言い続けるべきだと思う。正しいか間違って いるかは二の次だ。戦後の社会と文学の世界のむなしさの原因も『言い続けない』ことにあっ た。戦後ボケの治療はこれにしかない。」
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0202 標題 ドキュメント吉本隆明1<アジア的>ということ 出版社 弓立社 出版地 東京 巻 1 区分 講演 キーワード アジア的/川上春雄 見出し・語録 情況への発言・テロと戦争 吉本隆明 「アジア的」ということ 吉本隆明 【吉本隆明講演】 <アジア的>ということ 講演会始末記 柴田良一 アジア的ということ―そして日本 予定原価表 アジア的と西欧的 【吉本隆明】 アジア的ということI(『試行』第55号掲載) アジア的ということII(『試行』第55号掲載) アジア的ということIII(『試行』第56号掲載) アジア的ということIV(『試行』第57号掲載) 「アジア的ということ」関連論考群 次元の深み 渡辺京二 【追悼・川上春雄さん】 川上春雄・小詩集 川上春雄年譜 兼子利光・間宮幹彦編 川上春雄さんを悼む 吉本隆明(「ちくま」2001.12) 川上春雄さんとの交渉史 宮下和夫 出版社を続けるということ 1〜4 宮下和夫 声と響き 吉本隆明
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0203 標題 吉本隆明資料集 21 出版社 猫々堂 出版地 高知市 区分 鼎談・座談会記録 見出し・語録 太宰治と聖書 饗庭孝男・桶谷秀昭・武田友寿・佐藤泰正・吉本隆明(『季刊創造』第5 号、1977年10月) 昭和文学のなかの大宰/大宰における他者の問題/出自・風土・政治活動/戦時下の大宰 /亀井勝一郎と大宰/家と女性の問題/大宰とキリスト教/大宰文学の魅力―その正と負 吉本隆明の文学とその軌跡 稲葉真吾・大類秀志・川端要寿・小山耕二路・宮林太郎・森 田雄蔵・森下節・森啓夫・吉本隆明(『全作家』第5号、1980年5月) 文学との出会い/日本文学と欧米文学/吉本と横光利一/伝統文化と近代小説/近代作家 の死/太宰治たち/同人雑誌作家への期待(1980.2.10) 現在をつかまえる方法 三枝浩樹・滝耕作・永田和宏・藤森益弘・吉本隆明(『82現代短 歌シンポジウムin東京・全記録』1983年9月) 「修辞的な現在」をめぐって/領域としての短歌、詩、俳句/全体的な喩/言葉の「風 穴」から出てきた言葉(1982.11.13 原題 82現代短歌シンポジウムin東京「公開質問」) 太宰治を思う 吉本隆明(『鳩よ!』1991年7月号)
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年月 0203 標題 吉本隆明全講演ライブ集 第3巻 夏目漱石(下) 出版社 弓立社 出版地 東京 形式 CD 区分 講演 キーワード 夏目漱石 見出し・語録 CD−013 青春としての夏目漱石 ――『坊ちゃん』『虞美人草』『三四郎』  一、『坊ちゃん』 69:12  司会 (1)0:28  『坊ちゃん』  日本の悪童物語 (2)8:09  漱石の母親像 (3)9:46  理想の母親像 (4)2:56  「坊ちゃん」と学校 (5)4:21  なぜ漱石は松山へ行ったか (6)5:07  漱石の親友像 (7)4:34  親友像と三角関係小説 (8)5:27  漱石のパラノイア体験 (9)9:38  広田先生の夢 (10)10:35  松山行きの動機 (11)3:00  ユーモア小説の悲劇性 (12)2:50  漱石生涯の悲劇性 (13)2:14 CD−014 二、『虞美人草』 51:49  難解な美文調 (1)3:42  字句の難解さ (2)4:06  漱石の教養の孤独さ (3)13:10  講釈師的な地の文 (4)5:16  『虞美人草』のシチュエーション (5)3:59  漱石の小説の作り方 (6)4:06  『虞美人草』の物語としての筋 (7)3:13  『虞美人草』の重要な取りえ(8)4:31  第一級の作家 (9)2:37  文学の初源性 (10)3:11  『虞美人草』だけにあるもの (11)4:13 CD−015 三、『三四郎』 59:04  新しいタイプの女性 (1)7:09  鴎外の『青年』 (2)3:58  見事な心理描  (3)8:25  風俗への鋭敏さ (4)3:56  過去の世界と現在の世界 (5)5:18  最後の青春小説―『三四郎』 (6)5:14  『三四郎』以降 (7)3:59  日本近代文明の象徴 (8)3:10  芥川龍之介の場合 (9)1:34  小林秀雄と中原中也の三角関係 (10)8:55  現在、第一級の作品はあるか (11)6:42  司会 (12)0:39 CD−016 不安な漱石  ――『門』『彼岸過迄』『行人』  一、『門』 67:51  司会 (1)0:41  典型的な場面 (2)9:25  ひっそりとした生活 (3)5:01  変化の要因 (4)8:23  理想の日常生活 (5)9:43  ためらい (6)7:57  漱石の資質 (7)2:35  漱石の無意識の核 (8)10:47  偶然を重くみる (9)9:26  暗い漱石と国民作家漱石 (10)3:48 CD−017 二、『彼岸過迄』 59:36  魂の探偵小説 (1)11:58  探偵趣味 (2)4:04  挿話 (3)17:44  須永の話 (4)12:11  須永の性格 (5)7:27  モチーフの強烈さ (6)6:09 CD−018 三、『行人』 70:26  『行人』のモチーフ (1)6:47  漱石の男女観 (2)4:42  二郎とお直の旅行 (3)5:30  『行人』のアンチクライマックス (4)5:43  動機なき行い (5)5:25  漱石中期の大きな関心 (6)7:24  なぜ漱石は三角関係を生涯の主題にしたか (7)11:45  一郎の不安 (8)3:30  乳幼児期に根源がある不安 (9)7:47  漱石の偉大さ (10)10:53  司会 (11)0:35 添付冊子「夏目漱石(下)」目次 [連載] 吉田純が撮った吉本隆明2 1972 情況への発言2/田中眞紀子更迭劇 吉本隆明 青春としての漱石(92.10.11紀伊国屋ホール) 不安な漱石(93.2.7紀伊国屋ホール) 吉本さんの講演を聴いたIII 吉本さんについて、いろいろ 瀬尾育生
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0204 標題 時代と向き合う 第6回「天皇による『韓国とのゆかり』発言について」  掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」4月増刊号、第16 巻第5号通巻第218号) 巻 11 号 Spring 掲載頁 106-111 掲載年月日 2002.4.15 区分 インタビュー 見出し・語録 日本・韓国の民族的系譜/天皇制が内包する宗教性と権力
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0204 標題 吉本隆明のメディアを疑え:あふれる報道から「真実」を読み取る方 叢書名 プレイブックスインテリジェンスシリーズ 出版社 青春出版社 出版地 東京 区分 情況論 見出し・語録 1章 見えない政局の「実態」を読み解く 『――マスコミは「小泉メディア人気」を軽薄なものと指摘するが、総理大臣は、テレビ で人気がとれるくらいの芝居っ気がなくては、民主主義とはいえない。』 田中真紀子更迭と小泉政権/メディアが取り上げない「外相の資質」/政治家に必要な 「人間認識」とは何か/小泉政権の最初の失敗/政権の明暗をわけるもの/なぜ不況対策 がうまくいかないのか/戦中派ならではの宰相論/国民の関心をいかにして引き寄せるか /「小泉メディア人気」の是非/靖国参拝報道でおかしいこと/政治が歴史認識に揺れる とき/第九条を骨抜きにした人々/国を殺した政治家の詭弁/構造改革はリストラ対策に あり/新しい時代の不況対策/加藤紘一の反乱劇、その思わぬ効用/「神の国」発言に表 れた政治家の本音/自民党から共産党までを評価してみる/田中康夫の正しい決断/日本 滅亡の責任は誰にあるのか 2章 テロと宗教の語られない「本質」 『――「イスラム原理主義=悪」というアメリカの「宣伝」はおかしい。 それを真に受けて「広報」するメディアが日本にある。これでは話にならない。』 アメリカのテロ事件と宗教/「アメリカの言い分はおかしい」/日本とイスラム世界の共 通項/メディアの致命的な問題点/「貧富の違い」という視点/日本は深入りするな/ 「自爆テロ」の宗教的必然/ラジカルな宗教がたどる道は・・・・・・/サリン・オウム 以後の世界/メディアの限界/知識人やマスコミを疑え/宗教の自由という「事実」/政 治家の無知と世論操作/論調を安易に翻すメディア/破防法適用を盛り上げたのはだれか /政治家よりのマスコミ/「真実を語れば国民に支持されない」 3章 少年犯罪の影にある「真相」 『――テレビに出演した識者が「刑事罰の対象年齢を下げるべきだ」としきりに言う。 それで少年犯罪が解決するとおもう「大人の論理」が、いちばんの問題だ。』 人は暗いうちは滅びない/「引き出し症候群」、「フリーター症候群」への不安/少年法 改正に逃げる大人の論理/異常と正常の境界線に現れる犯罪/現代は「幼稚な社会」/消 費社会が生むフリーター/成人式に垣間見た希望 4章 エコノミストが語らない「真実」 「――エコノミストたちは、ここいちばんの活躍のこの時期に、真実を語らない。 逼迫した日本経済にあえぐいまこそ、私たち一般国民を啓蒙してほしいのだか。」 アメリカが苛立つ日本の不況政策/世界的な金融恐慌は起こりえない/経済の地盤沈下を 防ぐ最終的な方法/「不況脱出」安易に語るな/国民を騙すメディアの巧妙な手口/デフ レは悪いことじゃない/エコノミストは「真実」を語れ 5章 あらゆる事件に隠れた「思想」を読む 『――起こった事象を伝えるだけでは「事件の報道」として視聴者は満足しない。 もう一皮むいて報道しなければ、すべての事件は善玉と悪玉に二分されてしまう。』 メディアが伝えるべき「事件像」/ゆるやかな殺意の横行/現代に潜むファッショ/脳死 に求められる倫理/政治家が論ずる問題ではない/死を家族的心情から切り離すことの愚 か/阪神大震災で発揮されたボランティア/ダイエーの正しい選択/推奨されるべき自衛 隊活動/利用される沖縄/「無視されても気づかず怒らず」の国民 あとがき 「この本の内容は数年間にわたって八重洲書房のPR誌や朝日新聞、その他に書いたもの だ。通読してみて、戦後半世紀をかけて自分で築いてきた根本的な考え方がそれなりに貫 通していて、時事的だからもう過ぎたその場の文章だというのと少し違っていて、同種の 社会・政治現象や事件に対しても、つうようできるようになっているとおもった。そこま でこの本の内容が読者に伝わったら、これに過ぎる幸いはない。わたし自身のためという こともないことはないが、まとめて頂いた青春出版社の中山さんをはじめ編集の方々の労 が報いられるためにも、そう考えている。」 注記等 本書は、「吉本隆明TVを読む」(朝日新聞に連載)と、「政治・社会・経済を 読む」(八重洲レターに連載)の中から抜粋し、あらたな書き下ろしを加えて再構成した ものです(巻末注記)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0204 標題 解説「私説東京繁昌記」 掲載誌(紙・書)名 私説東京繁昌記 叢書名 ちくま文庫 出版社 筑摩書房 出版地 東京 掲載頁 355-358 区分 書評 見出し・語録 (「マリ・クレール」1985年1月号書評「私説東京繁昌記」を再録) 注記等 本書は、1992年9月、小社より刊行された『新版私説東京繁昌記』を改題したもの です。(巻末注記)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0204 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(1)現代詩とは何か 上 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.4.7 区分 詩論 キーワード 象徴詩/三木露風 見出し・語録 疑似「象徴詩」からの脱皮 「露風の詩が座りがいいというのは、幹のところに藤村と同じ七五調の叙情詩をもちなが ら、連ねられた言葉の意味とは違った影(レプリカ)の意味を伝えるという象徴詩の方法 を徹底していたからだと思える。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0204 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(2)現代詩とは何か 下 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.4.14 区分 詩論 キーワード 萩原朔太郎/秋山清 見出し・語録 「戦争」詩という空白の問題 『病的だといわれようと何であろうと朔太郎の詩のほうが自由であり、ここから「現代 詩」が始まったといえる。』 『アッツ島玉砕の詩で、表面だけ見ると戦争詩、戦意を高揚した詩と受け取れるかもしれ ないが、そうではない。人間らしさを守ろうとする感情が、少しのうそもなく書かれてい ると思える。これが精一杯の抵抗の表現だったとすれば確かにみっともない話で、歴史が あまり「戦争」詩に触れずに書かれてきたのも無理もないが、このことはなお論じるべき 問題として残されているといえよう。』 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0204 標題 吉本隆明資料集 22 出版社 猫々堂 出版地 高知市 区分 鼎談・座談会記録 見出し・語録 超越性に向かう詩人の方法―高村光太郎 その生涯をつらぬいたもの― 鮎川信夫・大岡 信・吉本隆明(現代詩読本『高村光太郎』思潮社、1978年12月) 宗教的な詩人/智恵子との世界/彫刻と外国体験/戦争詩と自己批判/『道程』その時代 /『猛獣篇』とその時代/『記録』と戦争詩/思想は〈死〉にいきあう/『智恵子抄』/ 代表詩五〇選(1978.11.22) 光太郎書をめぐって 疋田寛吉・石川九楊・北川太一・吉本隆明(『墨』第53号、1985年 3月) 「形成期」の問題/ひとつの転換期/「大正」から「昭和」へ/戦後・晩年・山の時代/ 光太郎の自然観/会津八一と光太郎/書論の意味するもの/書とは何か(1984.12.2) 高村光太郎 吉本隆明(『日本名詩集成』學燈社、1996年11月 所収)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0204 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(3)谷川俊太郎(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.4.21 区分 詩論 キーワード 谷川俊太郎/歌謡/純粋詩 見出し・語録 宇宙的な無機質の感性 「谷川さんが歌謡の作詞として書いていると私たちの見ているものが、本当は、彼の純粋 詩の本質とつながっていると見るべきなのかもしれない。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0204 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(4)谷川俊太郎(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.4.28 区分 詩論 キーワード 谷川俊太郎/非倫理的 見出し・語録 「非倫理性」という価値観 「うがった見方かもしれないが、この詩人の原点には、自らの出生にたいして『望んでこ の世に生まれたわけではない』という思いがどこかにあるのではないか。この原点を外さ ないように、というのが詩人としての谷川さんの心構えだし、詩人としての思想なのだと いえると思う。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0205 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(5)田村隆一(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.5.5 区分 詩論 キーワード 田村隆一/『荒地』/考える思想性 見出し・語録 戦争体験が生んだ倫理性  「象徴詩人たちは、暗い気持ちを何かに託して表現して見せた。鳥が悲しみの姿をして いるとか、カラスが死を示しているとか。田村さんは違う。自分の外にあるもの(鳥)と 内側にあるもの(にがい心)を完全に結び付けて表現する。それがしかも、詩になってい る。これは詩を象徴の次の段階に進めたということだ。  つまり、鳥を心の中の風物に変えてしまっている。象徴や比喩として心に入れたのでは ない。本当に、空を飛ぶ鳥を心の中に入れてしまっているのだ。これが田村さんのたぐい まれな力量だ。」 注記等 構成・重里徹也
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0205 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(6)田村隆一(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.5.12 区分 詩論 キーワード 田村隆一/言葉の選択力 見出し・語録 七・五調に回帰しなかった 『田村さんの「私」は、「私小説」の「私」ではない。自己を告白したり、自意識に悩ん だりする「私」ではない。もっと抽象化された「私」だ。たとえば、自然科学系の研究者 が論文を書くときの「私」にたとえてもいいかもしれない。』 「田村さんは我慢強い詩人だった。七・五調に帰ることも、散文に溶けていくこともな く、生涯、言葉の強い選択性を保ち続けて詩を書き続けた。そして、深くて、わかりやす い詩の中に、詩の表現としての倫理性を保ち続けた。」 注記等 構成・重里徹也
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 斉藤清一 監修 刊行年月 0205 標題 資料・米沢時代の吉本隆明について ― その六 出版社 斉藤清一 出版地 米沢 巻 6 区分 インタビュー 見出し・語録 吉本隆明氏、米沢時代を大いに語る ― その4 〜宮沢賢治のことなど〜 川上春雄さんのこと 吉本隆明(季刊詩の雑誌 ミッドナイトプレス No.14 2001年冬) 注記等 収録:2002年3月29日 インタビュアー 斉藤清一・林 利幸/アドヴァイザー 郷右近 厚
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0205 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(7)塚本邦雄(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.5.19 区分 詩論 キーワード 塚本邦雄/片歌/和歌/岡井隆 見出し・語録 短歌の形式が自在に 「五・七・五・七・七の音数律がほとんど意味をもたないほど自由に言葉を操りながら、 しかもポエジーとしても優れた歌を作るところまでもっていった。問答形式から始まった 短歌を、今までのところその最終的な形式まで試みたというのが、彼らの業績であるとい える。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0205 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(8)塚本邦雄(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 13 掲載年月日 2002.5.26 区分 詩論 キーワード 塚本邦雄/風景 見出し・語録 平和祭と腐った牛乳  「塚本さんの短歌とは何かといえば、形式的な破調と、内容的には同性愛的な傾向を盛 り込んだこと、そして戦後の多少とも政治的な色彩をもった運動の、当事者にも気付かれ ていない腐臭への批判を作品に込めたことが挙げられると思う。  あえて付け加えれば、岡井隆さんとともに塚本さんは、初めて短歌の完成された技術と 内容が調和した作品を可能にしたといえる。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0205 標題 合格点スレスレの父親史:“子どもの七光”も悪くない 掲載誌(紙・書)名 婦人公論 号 1107 掲載頁 30-33 掲載年月日 2002.5.22 区分 父親論 キーワード 家庭/親父/娘 見出し・語録 「大学なんてこんなもん」とわからせるために行かせた/何年も前から、 子どもにトクさせてもらってます/父親として、親父にはとてもかなわない/悪さに遊び ゴコロがあるうちは責めてはいけない 『何かやりたいと思っていることがある場合、誰だってそれを成し遂げるには所定の時間 がないといけません。それが経験上わかっているから、「子どもたちの時間を分断するよ うなことをさせるのは、できるだけ避けよう」と、それだけは気をつけてきたと思いま す。子どもが夢中になってやっていることを中断させて、ネギを買いにやらせるくらいな ら、買い物かごを持って自分でやっちゃうさ、ということです。目的に向かうとき、女の 人が男より不利になる最大の要因は、この時間の分断だと考えています。』 注記等 いっしょに掲載された吉本さん一家の写真は、「猫2 だより 20」(松岡祥男氏主 宰)によれば、1999年に伊豆で藤井東さんが撮影されたものだそうです。
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0205 標題 吉本隆明が語る戦後55年[第10回]マス・イメージと大衆文化 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 8 掲載頁 4-37 区分 インタビュー 見出し・語録 「共同幻想」を枠組みとしてマス文化現象を考える/詩の大衆化への分岐 点を象徴した荒川洋治の詩/「変貌する都市」の把握から理論化へと『ハイ・イメージ 論』に入っていった/マス文化現象の真っ直中での文学の主題の正当性の移行/続編を書 くとすればオウム・サリン事件と阪神大震災以後を繰り込んで論じる/現実の超越的な部 分は、フーコーの考えに意志論が介入して惹起される知的な変異にある/労働時間がゼロ になったらそれがユートピアだという考え方/意志とは時間であり了解と連続していると いえないか/言語は時間的に停滞していながらある閾値を越えた時間の幅で展開している /『源氏物語』のよさは心の動きを主体にしていること現代小説と同じ構成条件が揃って いること/ビートたけしは事故以後芸を流しはじめた 注記等 談話収録▲1996年2月15日 インタビュアー▲山本哲士 ★今回掲載文は『週刊読書人』連載では、「第十部資本主義の〈現在〉」に相当
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0205 標題 吉本隆明が語る戦後55年[第11回]ハイ・イメージと超資本主義 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 8 掲載頁 38-85 区分 インタビュー 見出し・語録 一つ違う次元から全体を見ているイメージとしての「パラ・イメージ」/ 『銀河鉄道の夜』の描写を支えている「もう一つの視線」/仮構された現実を映しだす無 限遠点からの視線/「三次元の空間視線」プラス「真上からの仮設された視線」の映像体 験/デパートなどの室内装飾では空間の拡大化が狙われている/高層ビルの窓越しに見え る高次元映像としての風景/三次元的なイマジネーションを超えた高次のイマジネーショ ンの問題を考える/「自然」概念をつくり変えることとイメージの歴史的な経緯を考える こと/イメージが価値とかかわりなく振る舞える現象が可能になってくる/現代人が保有 しているイメージと「未開人」が保有していたイメージを重ねる見方/文学作品はイメー ジを喚起し数式は意味を正確に指示する/よい作品には作者の意図にかかわりなくひとり でにできあがるイメージがある/作品のなかには言葉で書かれているのにイメージとして しか受け取れない箇所がある/言葉を行使した意図の通りにイメージが実現されるとは限 らない/フロイトの無意識よりもいっそう深い無意識の基盤に根をもつ視線/宮沢賢治の イメージは普通精神範囲より広い範囲の感受性でつくられている/島尾敏雄の「死から引 き外される」体験から生み出されるイメージ/現実全体のイメージを把握していないと文 学作品の表現は可能ではない/普遍文学の観点に入る柳田国男の文章/宗教と理念が等価 に見える広場に出ていくこと/柳田国男は村々の祭祀を制度化したのが天皇家の祭祀だと 明確に自覚していた/天皇の問題も村落共同体の問題も鮮明なイメージになるところに届 いていた柳田の視線 注記等 談話収録▲1996年5月9日 インタビュアー▲山本哲士、高橋順一、内田隆三 ★今回掲載文は『週刊読書人』連載では、「第十一部『ハイ・イメージ論』をめぐって」 に相当
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 山本哲士(聞き手) 刊行年月 0205 標題 現代スポーツとテロリズムに見る玄人性と素人性:現在への発言 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 8 掲載頁 103-120 区分 対談 見出し・語録 イチローは大リーグで打法が大きく変わった/K−1で日本選手がどうし ても勝てない理由/ほとんど病的になってる現代スポーツ/ルールや規則にはめ込むとプ ロスポーツは面白くなくなる/興味をそそるマラソン選手の足の裏/米国テロ事件にみる 玄人と素人の違い/欧米の先進国は後進国の心情に無理解/テロ支援で小泉首相は早くも 馬脚をあらわした/倫理の違いを捉えないとさらに問題が起こる 注記等 談話収録▲2001年11月15日収録
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0205 標題 心的現象論2:連載資料 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 8 掲載頁 122-151 見出し・語録 身体論 5手と足 6肉体 7年齢 8性器 9了解系の形成 10関係づけの形成 11身体という了解―関係系 注記等 『試行』第29号(1970年1月)以降連載分の「心的現象論」を収録するもの
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0206 標題 私の視点:小泉内閣 裏切り続ける民衆の期待 掲載誌(紙・書)名 朝日新聞 出版地 東京 掲載頁 15 掲載年月日 2002.6.2 区分 時評 キーワード 小泉内閣 見出し・語録 『私は小泉内閣はとうとう半世紀前の自民党内閣にまで退化してしまったよ うな気がする。戦争を知らない戦後生まれの幸運な国民が日本の大部分を占めるように なった現在、それを幸運の極みだと思わないで、「有事」などというあいまいな言葉で、 戦争状態や戦闘状態を空想しはじめたからだ。』
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0206 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(9)岡井 隆(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.6.2 区分 詩論 キーワード 岡井隆/アララギ派 見出し・語録 実景を根に飛躍するイメージ 「岡井さんの場合は、写実をもとにして短歌のイメージを作るアララギ系統の歌人に共通 する特徴を備えているといえるだろう。そう考えてみると、最初に茂吉が作った写実、写 生の論理は随分大きな影響を後代まで及ぼしているということができる。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0206 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(10)岡井 隆(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 12 掲載年月日 2002.6.9 区分 詩論 キーワード 岡井隆/塚本邦雄/俵万智『サラダ記念日』 見出し・語録 平易さの背後に本格的な修練 「多くの歌人や俳人、詩人は自然発生的に創作に入り、それが行き詰まったところでやめ てしまうものだ。ところが、この二人はその段階を突き抜けて、本格的な修練を継続して きた。彼らが短歌の世界にとどまらず、現代詩を含めた現代詩を含めた文学の広い領域に 影響を及ぼしたといえるのはそのためだ。詩人でいえば荒川洋治などの平明な言葉の作品 にはこの二人に近い要素が感じられる。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0206 標題 吉本隆明資料集 23 出版社 猫々堂 出版地 高知市 区分 鼎談・座談会記録 見出し・語録 内なる風景、外なる風景 村上龍・坂本龍一・吉本隆明(『IN・POCKET』1984年3月号、4 月号) 音の部分・言葉の部分/桑田佳祐のビート感覚/言葉と音楽の対応/中島みゆきの音楽/ 中島みゆきの歌詞/中島みゆきの歌姫的部分/清志郎の音楽的健全さ/自閉する子どもた ち/言葉の自壊作用/ポップアートの影響/父権社会の崩壊/母性本能について/人間の 内部に何かあるのか/糸井重里のコピーの意味/テクのロジカルな操作は有力か/YMO 散開後の自己 言葉へ・身体へ・世界へ 伊藤比呂美・ねじめ正一・吉本隆明(『現代詩手帖』1985年3 月号) 〈詩人の芸能化〉をめぐって/朗読をどう考えるか/〈知識〉をどう殺すか/伊藤比呂美 の言葉・ねじめ正一の言葉/新世代の詩人たち/どこまでいくか/マンガの面白さ・つま らなさ(1985.1.29) やさしい装いをした高度な構築物 吉本隆明(『三浦つとむ選集』勁草書房 内容見本  1983年) 「東京物語」 吉本隆明(『「東京物語」辞典』平凡社 1987年) はじめて出会った大学 吉本隆明(『京都精華大学 覽』1995年) 白川静伝説 吉本隆明(『白川静著作集』平凡社 内容見本 1999年) 読書人ヒューマン・ストーリー この人に憑かれて―吉本隆明氏に著作集編纂を委された 川上春雄氏(『週間読書人』1970年10月26日号) 全著作集刊行の条件/丹念な取材と調査網/モダニスト系の詩人/未発表詩集の発見(本 紙・森詠)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0206 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(11)俳句という表現(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.6.16 区分 詩論 キーワード 俳句/正徹『草根集』 見出し・語録 「短歌の壊れ」から発生 「中世末になると、さらに比喩関係が複雑さを増し、句切れ自体があいまいになっていっ た。そうなると、短歌のように上句と下句が必要な理由は何もなくなってしまう。このこ とが連歌、俳諧という形式の始まりと考えられる。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0206 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(12)俳句という表現(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.6.23 区分 詩論 キーワード 連歌師/心敬/俳諧/俳句/高柳重信 見出し・語録 モダンな感覚に合う様式 「現在の俳句と短歌の違いをいえば、やはり俳句のほうが様式として新しく、ひとりでに モダンな要素を醸し出す表現であるといえるのではないか。同じ作家が短歌も俳句もつく るとすると、短歌のほうがどうしても古いと感じられる。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0206 標題 老いの流儀 出版社 日本放送出版協会 出版地 東京 区分 老体論 見出し・語録 はじめに I 老いと衰え 我流のリハビリ/心身が絡まった老人の不自由/痒いところに手が届く治療/無意味な身 体の鍛練/「死にてえ、死にてえ」/心が和む『四国八十八か所』/ミステリー番組がな いと生きている気がしない II 知識と知恵 老齢化/臓器移植への疑問/ガンを宣告されても、手術はお断りだ/「老い」と「衰え」 は同意語か/平均寿命と老齢化社会/消費過剰な資本主義社会のギャップ III 「死」とどう向き合うか 唯物論的に人間は自然なんだ/臓器移植は人格が変わることもありうる/「輪廻転生」/ 親鸞の一念義/親鸞の死の捉え方/不徹底な救済/「向こう側」から見る方法を模索する /存在すら否定された破戒僧・親鸞/文学者たちの「死」の捉え方 IV 介護と被介護 老人介護の外堀を埋める/やっかいなのは内堀をどう埋めるかだ/老人ホームと幼稚園を 隣接してほしい/家父長制度の利点もあった/死だけは自分のものではない/他人に精神 的な人間関係を望むべくもない/家族の関係性/問題なのは子育てに失敗した母親/老人 たちの横のつながり/老人が老人を介護する/介護を受ける心構え V 世代と時代 地域性と時代性/家族解体の過度期/フェミニズムへの疑問/定年退職した老人を中学校 の教師にする/技術革新と高齢化社会/恐怖心を煽るだけのエコロジスト/意味と価値 VI 二〇世紀と二十一世紀を俯瞰する 二〇世紀最大の事件はロシア革命とソ連の崩壊/二〇世紀の科学の発展がもたらした不確 定原理/古典時代のイデオロギーは修正の段階にある/世代間の距離は増大の一途/企業 が横につながりだした/文学・芸術の行く末/円周率の小数点以下は教える必要がない/ 日本は見習うべき国がなくなった/定年退職者だけを雇う会社をつくろう VII 文学作品に見る「老いの流儀」 室生犀星に見る徹底した自己暴露/真正面から「老い」を描いた私小説/「老人の性」を 描いた川端康成/倒錯の性を絢爛豪華に描いた『瘋癲老人日記』/老人の性欲は枯れるこ とはない/瀬戸内寂聴が描いた良寛の晩年/詩人・田村隆一の「老いの美学」 構成者後記 吉本隆明全著作(単行本)一覧 注記等 構成 古木杜恵
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0206 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(13)夏石番矢(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.6.30 区分 詩論 キーワード 俳句/夏石番矢/中村草田男/西東三鬼 見出し・語録 前衛的な試みを総合した  「夏石さんの句は、一見すると、とんでもないものに思えるかもしれないが、よく読む と、前時代の前衛俳句よりも、むしろ俳句らしく音数律の枠を保って、わかりやすい。そ れが、前世代のひねった前衛俳句よりも、技術的に次元の異なるところだ。  すべての言葉を漢字にしたことで、見た目の効果も現れている。日本語の枠だけを集め たように読めるのだ。でも、意味は通る。日本語の中枢だけを並べて、意味を通してい る。夏石さんの句は、日本語の表記というものの根幹をついている。」 注記等 構成・重里徹也
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 社会党とか共産党が口先だけで言ってきた「平和を守れ」なんて考え方っていうの は、もう初めっから駄目だって、それが大体ミスだっていうふうに言いたくなりますね 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」7月14日増刊号、 第16巻第11号通巻第224号) 巻 12 号 Summer 掲載頁 160-165 掲載年月日 2002.7.14 区分 インタビュー 見出し・語録 日本国憲法の特異性/九条の欠陥をどう捉えるのか/実感の伴わない憲法 論議/「平和憲法」の目指すもの 注記等 インタビュー・撮影=渋谷陽一
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 国家と言語――『ハイ・イメージ論』を語る 掲載誌(紙・書)名 [吉本隆明が語る戦後55年]別巻 高度資本主義国家:国家を超え る場所 出版社 三交社 出版地 東京 掲載頁 5-55 区分 インタビュー 見出し・語録 1都市の変貌と超資本主義 ハイ・イメージ論の基本的な軸/高層ビル化と産業の発達の度合いの関係/都市のイメー ジの変貌と想像的視線の加担/『銀河鉄道の夜』の四次元的描写/線の曲がり具合や高低 によって音楽は表せる/映像的な仮想空間の原理/古代的なものの先へ遡れれば未来のこ とも見通せる/「産業革命」への評価軸のないマルクス/とてつもない産業の革新と同時 に進む第三次産業病/生産と消費の背景を正確に調べることの重要性/「言葉には根拠が ない」という最大の難関/表現の経路と形式から段階は設定できる/大枠を設定しないと 段階をいうことはできない 2言語にとっての国家以後と国家以前 これからの国家的言語と地域的言語のあり方/近代以降の日本では社会的言語と国家的言 語は区別がつかない/中間の位置にある「お経」と法的言語/民族とは標準語の通用する 範囲の人たちのことにすぎない/日本語は混合語ではなく第三の言語である/成り立ちが はっきりしない種族語としての日本語/人造語が世界共通語になることはない/法的言語 と少年法問題/「少年犯罪が凶悪化している」のは結果論である/法律用語は機能の面だ けで考えられている/非国家化へ向かう幻想表出と自己表出の関係/日本にもかすかに トーテム信仰の名残がある/法的言語としての「天つ罪」と「国つ罪」の違い/日本では 社会的な言語と国家的な言語の区別がつけがたい/ローカルマネーの可能性と場所の言語 /古い日本語では逆語順を使っていた/先住民と後住民の信仰や風俗習慣が同じだった可 能性/p音、濁音、枕詞から探れるもの/天皇家が「山の人」出身だった可能性 注記等 聞き手▲山本哲士 収録▲1=2002年1月25日 2=同年2月22日
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(14)夏石番矢(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 13 掲載年月日 2002.7.7 区分 詩論 キーワード 俳句/夏石番矢/森澄雄 見出し・語録 日本語の家庭内暴力  「夏石さんの俳句をくわしく見ていくと、言葉が暴れ回っているのにたいして、ギリギ リのところまで俳句の形式が我慢しているのを感じる。そして、夏石さんの言葉は日本語 の音数律の中で暴れていて、ギリギリの地点までいくのだけれど、それを踏み破ってしま うことはない。」 注記等 構成・重里徹也
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 田近伸和(聞き手) 刊行年月 0207 標題 私の「戦争論」 叢書名 ちくま文庫 出版社 筑摩書房 出版地 東京 区分 戦争論 キーワード 「大東亜戦争」肯定論/太平洋戦争/戦争/戦争責任/戦争体験/第二の敗 戦期 見出し・語録 まえがき(吉本隆明) 第一章 小林よしのり『戦争論』を批判する 日本が「侵略」したことは否めない 威張る軍人を見て、ホトホト嫌になった 他国の領土内で行う戦闘行為は「侵略」である 戦争中は左翼も「戦争大肯定」だった ウソから出発した共産党をはじめとする戦後左翼 ウソではない「戦争の本当のくぐり抜け方」 「生き神様信仰」を見抜けない小林よしのりの盲点 個人のほうが国家や公よりも大きい 「生き神様信仰」によって変形した日本の個人主義 エゴイズムは基本的に肯定されてよい 「自分を棚上げ」にする戦後民主主義の欺瞞 日本の民主主義はいまだに付け焼刃である 小林よしのりには「新しい事態」を見抜く視点がない 第二章 「新しい歴史教科書をつくる会」を批判する 教科書をつくり直せば健全な子供が育つというのは大間違いだ 「東京裁判」は不公平なインチキ裁判である GHQを見て、「鬼畜米英」もヘチマもなくなった 敗戦のせいで日本人が無為無気力になったというのはウソだ 「廃藩置県」に武士たちの美しき自己犠牲を見るのは間違いだ 日本に謝罪を要求する中国も「侵略国家」にほかならない 日本政府は元従軍慰安婦たちに謝罪し、賠償すべきだ 謝罪し、賠償することは逆に「国家としての名誉」になる 強制連行の有無を問う議論の仕方は誤りだ 「南京大虐殺」における犠牲者の数は本質的な問題ではない 湾岸戦争で戦費だけ負担したのは「日本の分相応」である 司馬遼太郎の小説に「本当の歴史」は描かれていない 第三章 保守派の「思想」を批判する 西尾幹二のニーチェ読解にフーコーの凄みはない 「ドイツとナチスは別だ」というヴァイツゼッカーの論法は通用しない 「保守主義とは感覚である」という江藤淳への批判点 吉田茂が「悪い」のは”なしくずし”の元凶だからだ イデオロギー不信を表明する司馬遼太郎は日本的である 保守主義の間違いは現状を固定的に考えるところだ 江藤淳が保守主義者に転じたきっかけとは? 西部邁には“歴史はは変化するものだ”という視点がない 国民国家を普遍的なもののように見なす石原慎太郎の間違い 石原慎太郎はアジアでブロック経済が成り立つと錯覚している なぜ、石原慎太郎は都知事選で圧勝したか? ”ゴミ処理”の手腕で決まる都知事の評価 「命にかけても」という福田和也の口先だけの力み 三島由紀夫の「切腹」に見る「知行合一」の考え方を批判する 第四章 私は「戦争」をこう体験した 開戦は解放感をもたらしてくれた 米沢高等工業学校で遭遇した「嫌なこと」 戦争中、世の中は明るく、気分は高揚していた 戦争中は小林秀雄や保田輿重郎などにイカれていた 天皇の「終戦の詔勅」を聞いて泣いた 第五章 人類は「戦争」を克服できるか 「戦争自体がダメだ」という究極の戦争観 国家間の戦争は夫婦喧嘩とは違う 自衛隊を自警団的なものにすれば戦争をなくす方向に近づく 日米安保条約の存続は国民の審判を仰ぐべきだ 社共とは画然と違う”独立左翼”の「闘争の論理」 「安保反対」をお題目のように唱えるだけでは意味がない 「核兵器が戦争の抑止力になる」というのは詭弁だ 「北朝鮮の脅威」はタカ派たちの口実にすぎない 戦争を回避する道は一つだけあった なぜ、「国家は解体すべき」なのか? EU(欧州連合)に国民国家解体の兆しは出ている 歴史をさかのぼれば、違う「日本国」や「日本人」が見えてくる 過去を探求することは未来に通じる あとがき(田近伸和) 注記等 本書は、ぶんか社より1999年9月30日に刊行されたものの文庫化です。(巻末注記)
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 吉本隆明全講演ライブ集 第4巻 親鸞・良寛・ヴェーユ 出版社 弓立社 出版地 東京 形式 CD 区分 講演 キーワード 親鸞/良寛/シモーヌ・ヴェーユ 見出し・語録 CD−019 未来に生きる親鸞 I 73:59  司会/二人 (1)2:35 1  理念としての親鸞 (2)6:25  思想としての親鸞 (3)5:19  開かれた親鸞思想 (4)7:35  仏教思想の解体と構築 (5)6:22  「自然法爾」―親鸞最後の思想 (6)5:42  構築して解体する (7)3:51  造悪論との戦い (8)11:39 2  思想の別れ (9)10:27  どちらの考えがよいか (10)10:31  未来の親鸞という問題 (11)3:28 CD−020 未来に生きる親鸞 II 53:15  一遍の思想と親鸞の思想 (1)5:35  〈往き〉と〈還り〉の思想 (2)3:35  〈死〉の問題 (3)14:30      * *  「良寛詩の思想」の質疑応答の後半  「良寛詩の思想」の質疑応答 ハ (4)4:17  「良寛詩の思想」の質疑応答 ニ (5)11:48  「良寛詩の思想」の質疑応答 ホ (6)7:38  「良寛詩の思想」の質疑応答 ヘ (7)5:46 CD−021 良寛詩の思想 I 98:20  司会・あいさつ(太田修) (1)6:28 1  良寛詩の難しさ (2)10:10  道元への傾倒 (3)12:43  仏教の眼目とは何か (4)14:12  老荘思想の影響 (5)9:24 2        (6)7:17  〈アジア的〉という概念 (7)8:01 CD−022 良寛詩の思想 II 68:51  アジアの隠遁思想 (1)7:17  制度・道徳という思想 (2)8:41 3           (3)12:52  難解な歌 (4)6:57 4     (5)7:20  精神の難解さ、新しさ (6)16:18  司会 (7)0:58  質疑応答 イ (8)6:15  質疑応答 ロ (9)2:12 CD−023 ヴェーユの意味 I 73:26  司会・あいさつ(佐藤泰正) (1)8;26 1              (2)15:44  ドイツ問題 (3)11:01  革命とは何か (4)8:46  あらゆる革命は全部だめだ (5)11:52 2             (6)6:10  神と個と自由 (7)7:54  工場体験 (8)3:30 CD−024 ヴェーユの意味 II 64:34 3             (1)22:30 4             (2)10:56  死と労働 (3)5:46  ヴェーユの思想の終着点 (4)6:26  司会          (5)6:07  質疑応答        (6)12:45   添付冊子「4 親鸞・良寛・ヴェーユ」目次 [連載] 吉田純が撮った吉本隆明3 1974 情況への発言3/まだ子供の政治 吉本隆明 最初の出会い――吉本隆明さんのこと(1) 松田政男 未来に生きる親鸞(1989年6月7日、東京北区青年サミット主催、「機工街にて親鸞を語 る」と題する講演、於・昭和町区民センター) 良寛詩の思想(昭和53年9月16日、「修羅」同人主催・連続講座「良寛」、於・新潟県長 岡市中越婦人会館) シモーヌ・ヴェーユの意味(昭和54年7月14日、原題・シモーヌ・ヴェーユについて、梅 光女学院大学主催)
著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 吉本隆明資料集 24 出版社 猫々堂 出版地 高知市 区分 鼎談・座談会記録 見出し・語録 現代文学と世界像 小林恭二・島田雅彦・富岡幸一郎・吉本隆明(『海燕』1987年1月号) 世界の変質と現在/自意識はないという地点/世界視線と人間/意味と映像/待望される 文学(1986.11.5) 広告は悩んでいる 糸井重里・堤清二・吉本隆明(『広告の広告の本』1987年8月) 堤清二氏と吉本隆明氏、本邦初トーク/従来の手法を無視しただけではもうウケない/広 告にも作家性が生まれてきた/それは、カルチャーの変容である/「元気」は営業の時代 のキー・ワード/東京向け広告は、地方には通じない/不況時代の沈滞を破る、強烈な広 告表現の台頭/「イメージのメタファー」という技法が新しい/欠乏したイメージを注入 してみる/企業がトーンを落とした広告を打つとき/広告批評家にほめられる広告は打た ない/それは「マス広告の死」なのか/「どういっていいのかわからない体験」の実験/ 「ドキドキ」と「怖かった」を売っている/ポンズしょうゆのCMと連呼型CMの差異/ 湯気さえあれば、幸せになれる/広告注目率と商品記憶率の差はなにを語るか/広告は、 企業の悩みに応えたい/それでは、さようなら・・・・・・ トークを終えて 吉本隆明 内村剛介について 吉本隆明(内村剛介編『現代ロシア抵抗文集』勁草書房 内容見本 1970年) 埴谷雄高 吉本隆明(『埴谷雄高作品集』河出書房新社 推薦文 1971年) 異教的な風貌 吉本隆明(『竹内好全集』筑摩書房 内容見本 1980年) 野戦攻城の思想 吉本隆明(『橋川文三著作集』筑摩書房 内容見本 1985年) まれな批評的存在 吉本隆明(『磯田光一著作集』小沢書店 内容見本 1990年) 吉本隆明〈鼎談・座談リスト〉
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(15)吉増剛造(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 14 掲載年月日 2002.7.14 区分 詩論 キーワード 吉増剛造/日本語/意味 見出し・語録 日本語の表現を突き詰め 「ある時期以降のの吉増さんの詩は、日本語の文章にはなっているけれど、意味は限りな くゼロに近い。しかし、そこには無限大に高い価値を表現できたらという望みが賭けられ ている。なぜ詩を書くのかと問われれば、吉増さんの場合、意味を伝えようとしているの ではない。読む人に意味は分からなくていいし、読者も分かろうとして読む必要はないと いうことになる。吉増さんの詩では、ある2、3行は何とか意味の分かる文章になってい るとしても、それと次の数行との間には意味のつながりは全くなくなっている。そこには 詩の価値を無限大にしたいという欲求があるだけだといえる。」 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(16)吉増剛造(中) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.7.21 区分 詩論 キーワード 吉増剛造/文字/ポエジー(詩性)/内臓語 見出し・語録 本心は表面に出てこない 『吉増さんの詩を読んでいくと、どうしてこんなつまらないことに関心を持ったのかとい う疑問が出てくる。逆に、「つまらないこと」がこの世にあり得てもいいという存在論 が、この詩人の特徴かもしれない。これは、吉増さんが一度も自分の本心を文字の上に出 してはいないことを示していると思われる。いってみれば、吉増さんの詩は「内臓語」で 書かれている。つまり、本心を語る第2の言語系は常に隠され、詩の外に置かれているの で、詩の表面には、ただその時にたまたま関心のあった言葉遣いや引用や事柄が並んでい るだけということになる。』 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(17)吉増剛造(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.7.28 区分 詩論 キーワード 吉増剛造/音韻/価値 見出し・語録 音韻への関心と「超象徴主義」 『普通の詩人は吉増さんほど表現を突き詰めることはしないで、途中から、読んで分かり もするし象徴性もあるような詩を書くようになる。この詩人だけが同世代の中でそのまま 突っ走って、とことんまで行ってしまった。言葉がその詩人の内面の表現になっているの が象徴主義の詩だが、吉増さんの場合は、言葉と内面が切り離されていながら、価値のレ ベルでは結びついている点で、いわば超「象徴主義」であるといえる。』 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0207 標題 ほがらか 評論家 吉本隆明さん(77) 掲載誌(紙・書)名 朝日新聞(夕刊) 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.7.29 区分 談話 キーワード 視力/歩行/読み書き/文体/円熟 見出し・語録 「年に数冊も本を出すから、もう体がよくなったんじゃないかと思われるけど不自由で す。左手で拡大鏡を持って、右手で原稿用紙に書きます。だから、自分で書くのは半分、 あとはおしゃべりしたのを編集者に再現してもらっています。読むときは、拡大読書機で 字をなぞります。」 注記等 文・八田智代、写真・山口清文
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 著者 田中和生(聞き手) 刊行年月 0208 標題 私の文学:批評は現在をつらぬけるか 掲載誌(紙・書)名 三田文学 巻 81 号 70 掲載頁 144-165 掲載年月日 2002.8.1 区分 インタビュー キーワード 批評 見出し・語録 書き言葉から話し言葉へ/敗戦の日、文学の原風景/文学の基準としての言 語論/「言語にとって美とはなにか」からの展望/理論の頂きから大衆の原像へ/現在の 文学の状況について/大衆を繰り込むということ/「マス・イメージ」と「ハイ・イメー ジ」の定位/「アフリカ的段階」からの眺望/これから読まれるべき作家
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 標題 0208 標題 トルコ戦に負けて考えたこと 掲載誌(紙・書)名 文學界 巻 56 号 8 掲載頁 67-71 掲載年月日 2002.8.1 区分 インタビュー キーワード ワールドカップ・サッカー/国民国家/模倣/アフリカ的段階 見出し・語録  『やはり自分たちに固有なものと「世界普遍性」の二重性をもたなければ いけない。真似だけに終わらずに、ナショナルなところと「世界普遍性」の二重性を発見 することができるのは、中途半端な国の特色であり、いいところですよね。そのためには もちろん、何が世界普遍的なのかをつかんでいなければなりませんね。』 注記等 (六月二十三日談)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 標題 0208 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(18)歌詞という表現(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.8.4 区分 詩論 キーワード 村田英雄/歌詞/演歌 見出し・語録 現代詩人に「王将」は書けない  「全体としては優れた歌詞で、今の純粋詩を書いている詩人は、このような歌詞はなか なか作れないだろう。  谷川俊太郎さんなら書けるかもしれないが、彼以外の現代詩人がこのような言葉の選択 力と行と行のかかわりの強さを持つ歌詞を作ることができるとはとても思えない。」  注記等 構成・重里徹也
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 標題 0208 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(19)歌詞という表現(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.8.11 区分 詩論 キーワード 美空ひばり/西条八十「越後獅子の歌」 見出し・語録 意味が詰まっている美空の声  「日本の歌曲の特徴は、それは演歌の特徴といってもいいが、言葉をメロディーにして しまい、同時にメロディーを言葉として聴くことができるという点にある。  ある音声学者が、日本人はメロディー自体を(言語機能をつかさどる)言語脳で聴いた り、(感覚機能をつかさどる)感覚脳で聴いたりするために、こういうことが起こるのだ といっている。定説とはいえないが、傾聴に値する論だと思う。」 注記等 構成・重里徹也
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 標題 0208 標題 別れの言葉 掲載誌(紙・書)名 胸中にあり火の柱―三浦つとむの遺したもの― 編集 横須賀壽子 出版社 明石書店 出版地 東京 掲載頁 3-5 区分 追悼文 キーワード 三浦つとむ 見出し・語録  「最後に三浦さん。あなたと反対に(学歴)はあっても(学問歴)などまったくない怠 惰なわたしにもひと言言わせて下さい。あなたの死と自叙伝は、まだまだ早過ぎて、とて も残念であります。あなたが亡くなられたあとも、この世界一般について、わたしたちは 泣きたいほどの難問をかかえながら、まだしばらくは独力で歩みつづけなければならない からです。」 注記等 1989年10月30日 告別の日に
刊行形態 Journal Article 著者 吉本隆明 著者 森山公夫(聞き手) 標題 0208 標題 僕のメンタルヘルス 掲載誌(紙・書)名 精神医療 巻 4 号 27 掲載頁 8-36 区分 インタビュー 見出し・語録 『心的現象論序説』における「心」と「精神/「心の危機」と労働の変質/ 不健康の社会的典型/家族の不健康とは/社会関係の不健康―市民病という名の病気/親 鸞の悟りと精神の病い/「狂気」と文学の可能性/レーニン的唯物論の陥穽と仏教の世界 /精神医療における霊性と呪術的世界/「原生的疎外」をめぐって/「精神分裂病」から 「統合失調症」へ―実態の変革へ向けて 注記等 (2002年4月4日、吉本隆明さんのお宅にて収録)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 標題 0208 標題 吉本隆明が語る戦後55年[第12回]天皇制と日本人 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 9 掲載頁 4-54 区分 インタビュー 見出し・語録 天皇制をわかり難くしている複数の要素の結びつきと混合/宗教的権威に対 するタブーの伝統/家族としての天皇家と制度としての天皇をはじめて区別した昭和天皇 /象徴天皇制の存続と国民意識の変化/初期天皇制のタブーと仏教導入以後に生まれたタ ブーというタブーの重層性/三島由紀夫がいう「詩歌(文化)の王者」としての天皇/三 つの渡来経路が時間的・空間的に同一となるところまで行く/通ってきた経路は違っても 遡れば同じ種族に行き着くのではないか/中国=漢民族とはまったく異なるプレ・アジア 的縄文人が基盤にある/縄文時代まで遡らないと日本を考えることはできない/主観性を 外せない人の一生涯の出来事と主観性を外して考察すべき歴史的な出来事/歴史的時間を 考えるには無意識を考慮に入れなくてはいけない/主観的な了解の時間性に無意識をどれ くらい入れるかという問題/天皇家の伝統や無意識がどこまで届くかを想像力=理解力を もって遡ること/縄文遺跡の発掘の盛況は現在・未来が不安になってきたことに関係して いる/高度資本主義社会の均一化への不安と象徴天皇制/ヒューマニズム以前の人間性を 確かめることと無意識を作るというテーマ 注記等 談話収録▲1996年5月23日 インタビュアー▲山本哲士、内田隆三、高橋順一 ★今回掲載文は『週刊読書人』掲載では、「第十三部〈天皇制〉を考える」に相当
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 内田隆三(聞き手) 標題 0208 標題 「政治にカネはつきもの」ゆえに演じられる猿芝居:現在への発言 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 9 掲載頁 77-110 区分 インタビュー 見出し・語録 分散し矮小化していく社会や政治の問題/給与問題の裏側は議員なら知って いるはず/個人が傷つくだけの見え透いた猿芝居/とかく活動には大きなカネが必要とな る/関心の高まりはいい 追及のしかたに問題あり/阪神淡路大震災と東京大空襲の体験 /テロ事件報道に隠されていたウソ/ブッシュは真珠湾攻撃もテロ行為だといった/日本 は太平洋戦争で精神面でも負けていた/精神力というのは気合いや信念ではない/戦中と 戦後で異なる坂口安吾は不思議な人/特徴的な活動をした非転向の戦中派/三島由紀夫に とっての戦後社会と天皇制 注記等 談話収録▲2002年4月26日
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 標題 0208 標題 心的現象論3:連載資料 掲載誌(紙・書)名 吉本隆明が語る戦後55年 編集 吉本隆明研究会 出版社 三交社 出版地 東京 巻 9 掲載頁 109-151 見出し・語録 12不具・傷害・病気(1) 13不具・傷害・病気(2) 14不具・傷害・病気(3) 15不具・傷害・病気(4) 16不具・傷害・病気(5) 17不具・傷害・病気(6) 18不具・傷害・病気その心的世界(1) 19不具・傷害・病気その心的世界(2) 20不具・傷害・病気その心的世界(3) 21身体像の起源(1) 22身体像の起源(2) 23頭部像・手足像の起源 注記等 『試行』第29号(1970年1月)以降連載分の「心的現象論」を収録するもの
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0209 標題 吉本隆明資料集 25 出版社猫々堂 出版地 高知市 区分 鼎談・座談会記録 見出し・語録 「菊屋まつり」フリートーク(1986.10.19) 加藤典洋・竹田青嗣・橋爪 大三郎・成田昭男・小浜逸郎・北川透・瀬尾育生・吉本隆明(『菊屋』第34号 1987年 2月) 「春秋」300号を振り返って 芹沢俊介・山折哲雄・吉本隆明(『春秋』1988年7月 号) 過度期にみる「春秋」/「現代の発見」の頃 五〇年代から六〇年代/「花田・吉本」論 争のこと/ひとかたまりの印象/『最後の親鸞』の頃 六〇年代から七〇年代/三島事件 と村上一郎/『最後の親鸞』のもうひとつの意義/『「イエスの方舟」論』の頃 七〇年 代から八〇年代/「方舟」論の新鮮な印象/方舟・宗教・家族/「春秋」の推移 六〇年 代から八〇年代/鈴木大拙の評価/インド思想とカトリック/藤井日達、市川白弦のこと /中村元と最終講義/日本社会の移行と「春秋」の対応/編集者および出版社のこと/編 集者のタイプと著者 芹沢俊介『宿命と表現』帯文 吉本隆明 小川徹『父のいる場所』帯文 吉本隆明
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0209 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(20)中島みゆきと松任谷由美 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 12 掲載年月日 2002.9.1 区分 詩論 キーワード 中島みゆき/松任谷由美/超都市 見出し・語録 都市の変化を背景にして 「私の印象でいえば、中島さんの歌には、都市が超都市へ変わっていくことへの不安や変 わる以前への懐かしさが色濃くあるように思う。逆に、松任谷さんの歌は、名残惜しさは 少しだけで、大部分では都市が変わっていく感性を肯定しているように感じる。」 注記等 構成・重里徹也
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0209 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(21)宇多田ヒカル 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.9.8 区分 詩論 キーワード 宇多田ヒカル/歌詞 見出し・語録 繊細で個性的な「七回目のベル」  「歌っている宇多田さんは、かなり客観的に自分を見ている。この歌のことをわかる、 わからないはあなたの勝手という感じが伝わってくる。  このために、聴く方も、とても自由に聴くことができる。自分はそんなことは知らない よ、と言おうと思えば、言える。聴いていて押しつけがましさがない歌詞になっている。 口語でできた、すぐれた歌詞で、純粋詩人の作品に近い。」 注記等 構成・重里徹也
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0209 標題 最後の親鸞 掲載誌(紙・書)名 ちくま学芸文庫 出版社筑摩書房 出版地 東京 区分 宗教論 キーワード 親鸞 見出し・語録 序(『増補最後の親鸞』昭和56年7月25日初出) 最後の親鸞(『春秋』昭和49年1月〜2・3月合併号初出) 和讃―親鸞和讃の特異性(『春秋』昭和50年8・9月合併号初出) ある親鸞(『伝統と現代』昭和51年5月、第39号初出) 親鸞伝説(『春秋』昭和51年7月号) (以上四篇、『最後の親鸞』昭和51年10月31日、春秋社刋、初収録) 教理上の親鸞(『増補最後の親鸞』昭和56年7月25日初出) 永遠と現在―親鸞の語録から(『アンジャリ』平成14年1月、第2号初出) 注記等 「本書は、1981年7月25日、春秋社刋の『増補最後の親鸞』にエッセイ1篇を加 えたものです。単行本に付されたカラー口絵と別冊は省きました。」(巻末注記)
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0209 標題 吉本隆明の僕なら言うぞ!:こんなニッポンとの正しいつきあい方 掲載誌(紙・書)名 青春文庫 出版社青春出版社 出版地 東京 区分 インタビュー 見出し・語録 1就職難民でも、だいじょうぶ 誰にでも大きな視野を持てる時期がある 僕の初就職事情 転職してこそ気づく、よい会社の条件 吉本隆明流、かしこい失業生活 無理して就職なんて探さなくていい 不況でも暗くなることはない 高等遊民という職業がいい 僕が「物書き」になった理由 闇商売で小遣い稼ぎをした時代もある 転職に都合の悪い前歴を帳消しにする法 合わない会社、合わない上司とどうするか 学校は国定公園みたいなもんだ 2リストラ時代の大誤算 古い資本主義をいまだ引きずる人々 定年退職した人だけの会社に勝算はあるか 真のリストラ、ビッグバンは、日本じゃムリだね 僕なら言うぞ、不況はこうして脱出できる 無能な首脳部をリストラしろ いちばん 目なのは、誰だ 3「不況」をさらに深刻にする奴ら 国がなくなっても大丈夫 みんなこうして喰いつないでいる 物書きとしての不況対策 純文学も「不況」である リストラされても自分を責めるな 4サラリーマンを蝕む危ない常識 年俸制、契約制に用心しろ 70歳定年退職のすすめ 「有識者」の話にのせられるな 年寄りにとって天国社会とは 実力主義と年功序列、どちらがよいか いい経営者、いい会社の条件 5お役所がつぶれる日、日本が沈む日 公務員が怠け者な理由 お役所は理想の職場か サラリーマンの幸せが日本を救う ビッグバンが「第三の開国」なんて冗談じゃない アメリカは、日本庶民の味方 超(消費)資本主義がくる 6不正、腐敗って、ひとくくりに言えないぜ 原始社会は、贈与性で成り立っていた 賄賂を糾弾することの浅はかさ 盆暮れの贈り物と不正融資、線引きをどこでするか 接待なんかほとんど無罪だ 日本社会から贈収賄はなくならない 問題は、不透明さのなくし方だ ふ けた日本人が経済を滅ぼす 「市民主義者の追及」のデメリット 7子どもを産んでも働きたい貴女へ 日本の社会はどうして休暇がとりにくいんだろう 会社にとって、惜しい人材なんていないよ 産休を気持ちよくとる方法 制度を変えるときの最低条件は 吉本家の子育て、実状と意見 「子どもを産んだら仕事を辞めろ」という男の真意 8一夫一婦制がいいなんて、嘘だよ 浮気も家庭内暴力も、自然なことだよ 一夫一婦制のただひとつのメリット 性愛の極限を知る人とは 家庭崩壊後、子どもはどうなるか 人工授精でもクローン人間でも、親子の問題は変わらない 9学校は、万人にとって必要なところじゃない さぼるの専門、勉強専門、どっちだっていい 自分で決める力をつけろ 勉強するなら語学と実験 学生に教えることなんてない 10情報化社会が人間関係を冷たくする 目に見えないものを相手にする産業 人間関係は、これからもっと冷たくなる 地域の差と年代の差 農業の国、ハイテク産業の国・・・、役割分担の時代 日本人は哲学が苦手 西欧を追いかけることの勘違い 11人の心は「流行」を無視して生きてはいけない なぜ「流行に遅れたくない」と思うのか 人の心は内臓で決まる 「感覚」と「精神」の区 をつけよ 人間の植物性を忘るるべからず 12吉本隆明の戦争論 今の日本で戦争は起こるか 戦う平和主義、逃げる平和主義 戦争をやりたがる人々 「人殺しはなぜいけないのか」への答え 敗戦後、僕はどう「転向」したか みんなと一緒に逃げる、これも一つの真実だ 13病気になっても入院はしないほうがいい理由 現代人のための、正しい病院とのつきあい方 個性的な看護婦や医者こそ必要だ 入院するならこんな病院 14本当の「進歩」を教えよう 新旧対立の考え方は、もう終わりにしよう 便利なだけが「進歩」じゃないぞ 日本語の未来 あとがき 文庫化によせて  「ただ直ぐに考えたことは、大小のあらゆる事象や事件は、自分が実際にぶつかったと 同じ実感の場所へイメージを移行させること、もう一つは自分がまったく事象や事件に無 関係だと言えるような場所へイメージを移行させること、この二つの場所のイメージを同 時に行使すること、これができなければ正確な判断は生まれないだろうと、はじめて考え るようになった。この世界で起こる全ての事象や事件は、大小にかかわらずこの二つの判 断の場所の中間にあるといってよい。この混合された二つの場所を分離し、そして再構成 できたら、どんな事象や事件に対しても正確な判断が下せるに違いない。わたしは先ずこ ういう結論を抱いた。それをできるかぎり実行しようと思った。」 注記等 本書は、青春出版社より1999年9月に刊行された『僕なら言うぞ!:世紀末ニッ ポンの正しい眺め方、つきあい方』を文庫化したもの。
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0209 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(22)優れた詩の条件(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.9.15 区分 詩論 キーワード 流れ/詩/散文/言葉/選択力/着想/意外性/小説/物語性/意味/価値/ 純文学/比喩/町田康 見出し・語録 流れのよさと着想の意外性 『詩には、その時代時代で言葉の表現の先端を切りひらく高い価値を追及する側面だけで なく、多くの人々に強い印象を与え、愛唱される要素を備えた優れた詩も存在する。後者 の意味で優れた詩であるための条件の一つは、その詩がある種の「流れのよさ」をもって いることだ。』 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0209 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(23)優れた詩の条件(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.9.22 区分 詩論 キーワード 純粋詩/持続性/さりげなさ/吉野弘/荒川洋治/平出隆/平和/感覚/戦後 見出し・語録 持続性と「戦後」の感性 『優れた純粋詩の特徴は、着想のよさや流れのよさができるだけ目立たないように、自然 にできていることだ。むしろ純粋詩の生命は「持続性」にある。それは長ければいいと か、ダラダラ続くとかいう意味ではない。さりげない持続であるように見せていながら着 想のよさも言葉の選択力の強さも、ある意味での語りのよさもあるのに、それらは隠れて いる。何となくうまいと思われるのに、なぜうまいかははっきりといえないが、しかもあ る持続力があって、きちんと始めと終わりがある。そういう「さりげない持続性」が、優 れた純粋詩の特徴だと思う。』 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0209 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(24)俵万智 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 15 掲載年月日 2002.9.29 区分 詩論 キーワード 俵万智/『サラダ記念日』/石川啄木/専門家 見出し・語録 「特別の人」ではないという感覚  『何かの専門家というのはみな自意識が強いものだ。そして、その自意識を隠したいと 思って隠せない人と、隠さずに自己顕示するタイプの人がいるものだ。だから俵さんのよ うな人が出てきたのは、おそらく詩人や歌人では初めてといっていい。  ひょっとしたら俵さんも心の中では、啄木よりも自分のほうが天才だと思っているのか もしれないが、そのような自意識は一切、言葉の上には現れていない。こういうことは簡 単にはできないことで、この歌人の才能であり、天才的なところだと思える。私にとって は、そんなふうに、その人がその職業や専門家「らしくない」、何でもないような顔をし ていられるというのは、人間としての人格的な理想でもある。』 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0210 標題 知っている限りで「SMAP」のこと 掲載誌(紙・書)名 広告批評 号 264 掲載頁 74-76 掲載年月日 2002.10.1 区分 テレビ・アイドル論 キーワード SMAP 見出し・語録 『第一に感じることは、このグループが「しっかりした」メンバーの集まり だということだ。この「しっかりした」は演技力・歌唱力だけではなく、個々人の気質、 性格の個性、人柄についても言える気がする。文学の世界でいうと戦後派の始祖であった 「近代文学」の同人たち、平野謙、本田秋五、荒正人、山室静、作家埴谷雄高などの初期 同人たちだ。他を蹴落としても自分を舞台に押し出そうとはせず、同人の誰かが商業文芸 誌にもてはやされても、相互に嫉み心など持たず、自分のペースを守っている。わたしは 彼等のこの態度から沢山のことを学んだ。グループがこわれるのはいつもこれだ。もう一 つ挙げれば無理に自分たちを舞台に押し出そうとして内部に歪みを作ってしまうことだ。 「SMAP」は、いわゆるアイドルメーカーが督戦しても、半分くらいは応じても、後の 半分は独りでに拒否して乗らないだろうという気がする。』 『わたしなどのテレビ世代では、コント55号からはじまり、たけし、タモリ、さんまに いたる優れた芸能家は、個性を野放図に開放するところまで演技を自在化できるところに 達成感があったと言えよう。こういう視線に沿って言えば「SMAP」の人たちは「禁 欲」を演技や資質の開放のために逆説的に使いこなしているように思える。たけしやタモ リやさんまは、現在の沈滞した社会的な雰囲気に対応するためには解放感や笑いの要素を 今までよりもっと大胆に拡大して見せるよりほかない。これに対応して「SMAP」の人 たちは「禁欲」性を伸縮自在に行使することになるほかないと思える。これが「SMAP」の 未来図ではなかろうか。』
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0210 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(25)俵万智(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 13 掲載年月日 2002.10.6 区分 詩論 キーワード 俵万智/日常/表現 見出し・語録 共感を呼んだ日常の表現  『俵さんの短歌が支持されるのは、一つには現代の若く、賢明な女性の感情を言い当て ているところがあるからだと思う。これは、人気のある優れた文学作品に共通する特徴で もある。つまり、多くの読者が「こういことは私にもある。よくわかる。」と共感できる 要素をもっているのだ。  では、この歌人の本心はどこにあるのかというと、なかなか結論を出すのは難しい。作 品からは、自然に、普通の息遣いをしているとしか感じられないのだが、本当のそうなの かという疑問は完全に消えないからだ。読む人によっては、意図的に自分を、そういう女 性の立場に置いていると取る場合もあるだろうが、仮にそうだとしても、それはかなり身 に着いた意識の仕方だと思われる。』 注記等 構成・大井浩一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0210 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(26)佐々木幸綱と寺山修司 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 21 掲載年月日 2002.10.13 区分 詩論 キーワード 佐々木幸綱/寺山修司 見出し・語録 平明な短歌表現への欲求 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0210 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(27)角川春樹(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 24 掲載年月日 2002.10.20 区分 詩論 キーワード 角川春樹/主観化 見出し・語録 父親に対する反抗心と情愛 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Magazine Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0210 標題 「少人数でもやってやる」という明瞭な意識と、明瞭な政策をきちんと持っている政 党が登場すれば、日本人の民度は一気にすすむ 掲載誌(紙・書)名 SIGHT(「ロッキング・オン・ジャパン」10月26日増刊号、第 16巻第18号通巻第231号) 巻 13 号 Autumn 掲載頁 62-67 掲載年月日 2002.10.26 区分 インタビュー 見出し・語録 小泉内閣の現状/日本人にとっての民主主義/アジア的先制のなごり 注記等 インタビュー・撮影=渋谷陽一
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0210 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(28)角川春樹(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載年月日 2002.10.27 区分 詩論 キーワード 角川春樹/構成 見出し・語録 俳句の常道を踏まない破調 「角川春樹という俳人の新鮮さは、音数律以外の定型的な約束ごとを踏んでいないことに ある。優れた技術がなければ、それでは俳句にならないはずだが、角川さんの並々ならぬ 力量が可能にしているといえよう。」 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0210 標題 吉本隆明資料集 26 出版社 猫々堂 出版地 高知市 区分 鼎談・座談会記録 見出し・語録 宗教と科学の接点を問う―西欧人と日本人の生死観、死の瞬間、「銀河鉄道の夜」をめ ぐって― 鶴見俊輔・河合隼雄・吉本隆明(『潮』1990年5月号) 生きている姿に死を入れ込む日本人/「今日は死ぬのにとてもよい日だ」/あらゆる神が 見える場所を見つけたい/ねじ曲げられる超経験のデータ/意味のある偶然の一致は起こ る/信仰と科学を対立させる必要はない 短詩型文学 百年のパラダイム 三枝昂之・夏石番矢・大西泰西・吉本隆明(『短歌 俳 句 川柳 1001年:1892〜1992』「新潮」臨時増刊1993年10月) 《一年一句歌集》から見える時代霊/個人出版の状況と近代化/俳句と川柳をどう区別す るか/短詩型と音数律/ポエジーとしての俳句と川柳/短歌の不気味さと命の切迫感/日 本語の根本的な謎/短歌・俳句・川柳が同じ距離に見える場所 尾崎豊は殉教者か 尾崎健一・山下悦子・吉本隆明(『宝島30』1993年10月号) 父に見せていたもう一つの顔/誤解をする権利と受ける義務/システムに翻弄された「単 独者」/中上健次との類似性/「八〇年代的感性」とのギャップ/亡き母への想い/「尾 崎豊」という苦悩/なぜ彼は悩まなければならなかったか/フェミニスト尾崎豊
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 著者 小森陽一 著者 石原千秋 刊行年月 0210 標題 一郎的な言葉を生きること(特集『行人』) 掲載誌(紙・書)名 漱石研究 号 15 出版地 東京 出版社 翰林書房 掲載頁 2-29 掲載年月日 2002.10.20 区分 鼎談 キーワード 夏目漱石/『行人』 見出し・語録 同時人としての江藤淳/小林秀雄から遠く離れて/言論から始める/内臓語と自己表出/ 非コミュニケーション的な言葉/植物としての人間/唯脳論の可能性/宗教を信じること /同一化と肯定/一郎へのシンパシー/漱石の本領/漱石の弱点 注記 7月15日(於吉本隆明宅)
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0211 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(29)暗喩の詩人、直喩の詩人 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.11.3 区分 詩論 キーワード 喩/藤原定家/西行/平出隆/荒川洋治/野村喜和夫/木戸朱理/松浦寿輝/ 谷川雁/『荒地』の詩人 見出し・語録 谷川雁の詩を支える思想の力 「谷川雁の詩の強さはきっと思想の力だと思う。イデオロギーと言ってもいいかもしれな い。  一方、『荒地』の詩人たちは暗喩でも直喩でも、意識して使い分けられる技術を持った 人たちだった。悪くいえば人工的だし、よくいえば修辞的には自在だということができ る。近代以後、初めてその意味での修辞的達成をもたらしたし人集団だった。」 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0211 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(30)野村喜和夫 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.11.10 区分 詩論 キーワード 野村喜和夫/暗喩 見出し・語録 不安の背後にある独特な情感 「野村さんは自分が動かずに静止した状態で暗喩を考えているのではないか。行動的な文 体ではない。静かなところから暗喩が生みだされている。」 注記等 【構成・重里徹也】
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0211 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(31)城戸朱理 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.11.17 区分 詩論 キーワード 城戸朱理/直喩 見出し・語録 この後は歌詞にするしかない 「木戸さんの詩の言葉は、メロディーを持ちたくて仕方がないように読める。シンガーソ ングライターたちの歌詞と城戸さんの直喩型の詩とは、以外に近いような気がする。」 注記等 【構成・重里徹也】
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 田近伸和(聞き手) 刊行年月 0211 標題 超「戦争論」上 出版社 アスキー・コミュニケーションズ 出版地 東京 区分 インタビュー キーワード 戦争論 見出し・語録 まえがき(吉本隆明) 第1章 アメリカでの同時多発テロ事件を読み解く 日本の「特攻」なら乗客を降ろしてから突っ込んだはずである/世界貿易センタービルは 軍事施設以上の標的だった/旅客機の乗客を道連れにしたことは「人間の『存在の倫 理』」に反する/イスラム教の聖典『コーラン』にみられる戦闘性/欧米からは「狂気の さた」と映る東洋的倫理観/東洋的な自己犠牲の精神と日本の純粋主義/国家が行う戦争 はテロ以上に「悪」であり「犯罪」だ/同時多発テロを「文明の衝突」と見なすのは迂回 した解釈だ/アメリカの宣伝を鵜呑みにした日本政府のバカさ加減/アメリカは自分が 「近代主義的迷妄」をもっていることに気づかない/進歩主義者や平和主義者は中途半端 にしかモノをいわない/ブッシュ大統領がいった「新しい戦争」には二つの意味がある/ 「最終戦争」なのか、それとも「永久戦争」なのか/この世に存在したことからおのずと 派生する「人間の『存在の倫理』」/「人間の『存在の倫理』」という観点から論じない とすべて不徹底になる/「人間の生命を奪ってもいい」と考えるのは宗教的迷妄である/ アメリカとイスラム原理主義との戦いは「迷妄」対「迷妄」の戦いだ/犯罪や精神異常と いう概念では今回のテロ事件は裁けない/アメリカはいきなり空爆せずに、きちんと段階 を踏むべきだった/国家が行う「戦争」と個人同士の「争い」は本質的に違う/憲法第九 条の非戦条項は絶対に破棄すべきではない/ビンラディンの声明にみられる手前勝手さと インチキ性/「犯行声明を出さないのは潔くない」というのはあまりにも日本的な考え方 だ/命知らずの「狂気のさた」がアメリカに与えた計り知れない恐怖感/ビンラディンを 殺害・生け捕りにしても問題は解決しない/「何でもあり」の暗黒の事態が起こりうる 21世紀 第2章 小林よしのり『戦争論2』を批判する 小林よしのりの「テロと戦う」という主張は粗雑過ぎる/小林よしのりは「国家」という ものを誤解している/国民国家の根拠はそれほど確かなものではない/「日本民族」や 「日本語」という概念のあいまいさ/「日本人」は南方系と北方系との混合である/東洋 に見られる国家観はアジア的専制制度の遺物である/天皇制は「生き神様」信仰を制度化 したものである/小林よしのりは「生き神様」信仰という迷妄に陥っている/近代主義か ら一転して天皇主義を唱えるようになった三島由紀夫/平安末期の王朝文化は「日本文 化」の典型ではない/天皇の一族はインド以東の山岳地帯からやってきた!?/天皇の一 族は南中国からきて南九州に移り住んだとする柳田国男の説/「生き神様」信仰によって 日本を平定していった天皇家の宗教的権威/「公」のために「私」を犠牲にする日本人の 精神的構造を解剖する/「忠孝」の精神を日本に広めた儒教の影響力の強さ/天皇の神話 を信じる、信じないは「度量」の問題ではない/小林よしのりの歴史認識や宗教認識は根 本的に間違っている/首相の靖國神社参拝を「公式」か「私的」かと問う論理のおかしさ /前倒しをして靖國神社を参拝した小泉首相の情けなさ/首相の靖國神社参拝を問題にす る中国や韓国もおかしい/靖國神社は国家主義的につくられた近代の産物にすぎない/森 喜朗元首相の「日本は神の国」発言の不適切さ/テロ事件を一気に「アイデンティティ・ ウォー」と位置づけるのは焦点ボケだ 第3章 政治家やマスコミ知識人の「テロ・戦争論」を批判する 石原慎太郎が唱える「国家としての自衛」はアメリカの論理への追随だ/集団的自衛権行 使の問題は議論の方向が間違っている/アメリカの報復戦争の主張を真に受けているのは 日本だけだ/アメリカ政府が旅客機を撃墜したとしても「凄い」ことじゃない/石原慎太 郎の間違いは国家を恒久的なものと見なす点にある/憲法前文と憲法九条との矛盾を指摘 する石原慎太郎の誤り/「生命よりも大事なことがある」と強調する福田和也の未熟さ/ 福田和也の主張は現実を少しもひっかいていない空論である/周到な戦争準備が戦争回避 につながるというのは倒錯した論理だ/「公」のほうが「私」よりも大事だという考え方 に潜む迷妄とウソ/テロ後の対応で国家の問題について未熟さを露呈した小泉首相/「構 造改革」のビジョンが不明確で超資本主義を理解しない小泉内閣/「構造改革」は第三次 産業を中心に行わなければならない/田中眞紀子はかってないタイプの「いい政治家」で ある/田中眞紀子のよさは隠さずにおおっぴらにいうところにある/外相の田中眞紀子を 更迭したことは小泉政権の命取りになる/議員辞職しても田中眞紀子に対する評価は変わ るはずがない/ウソが臨界点を超えるギリギリのところで田中眞紀子は辞職した/公認秘 書の給与を流用したとしても政治家の器量には関係がない/「世の中を見くびった」とい う立花隆の田中眞紀子評は当たらない/大橋巨泉の議員辞職は埋没しないためと捉えれば 評価できる/石原莞爾の『世界最終戦論』は今回のテロ事件には直接結びつかない/産業 的に見ると世界は今後三つの極を形成していく あとがき(田近伸和)
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 著者 田近伸和(聞き手) 刊行年月 0211 標題 超「戦争論」下 出版社 アスキー・コミュニケーションズ 出版地 東京 区分 インタビュー キーワード 戦争論 見出し・語録 まえがき(吉本隆明) 第1章 政治家やマスコミ知識人の「テロ・戦争論」を批判する 「汗や血も流せ」と中曽根康弘が主張するのは非転向の戦中派だからだ/自衛隊の艦船派 遣は「日本政府のだらしなさ」をアピールするだけだ/国民の審判を仰がずに集団的自衛 権の行使を認める中曽根康弘の違反ぶり/「戦争」と「犯罪防止活動」とは違うと主張す る宮沢喜一の詭弁/日本の名誉や対米協力にばかり力点を置いた佐々淳行の政府よりの主 張/日本のマスコミの視野狭窄ぶりを批判する日高義樹の論旨は的外れだ/一転して戦争 賛成を唱えかねない共産党や進歩主義的言論機関/日高義樹が肯定するアメリカの大義名 分こそリベラリズム文明に反する/舛添要一の右寄りの主張は丸山学派の拡散・解体を象 徴している/ファシズムの定義を明確化できなかった丸山学派の思想的限界/舛添要一の 主張は憲法第九条に違反し、戦争を拡大する方向に向かわせる/改正自衛隊法に関する細 かい法律論議は屁理屈にすぎない/舛添要一が不得手な軍事・防衛問題に首を突っ込むの はムダである/「デフレはよくない」というのは古い経済理論に基づいているからだ/世 界の資本主義は全体的に地盤沈下する可能性がある/「段階」という観点から見ると宗教 の共 性が浮かび上がる/「ブッシュは戦争狂信者」であるという北朝鮮の論評は真っ当 だ/危機管理の強化を唱える小川和久の主張は論理が逆転している/国連軍などの第三者 が介入して仲裁するのはよくないやり方だ/戦前や戦中に逆戻りした危機管理の思想はダ メである/前提が間違っている日米安保条約の片務性論議/田中康夫のような進歩主義者 の欠点は「自己相対化」ができないことだ/アメリカの報復戦争を肯定する山崎正和の保 守的な丸まり方/「グローバリズムがテロを招く」という西部邁の主張は世界を一元化し 過ぎだ/戦前の「常識」や世界の「常識」に追随しているだけの西部邁の改憲論/日本の 近代の歩みの底流にある自由主義と軍国主義との対立/講座派と労農派とに れた左翼の ラディカリズムのお粗末な現況/「左翼は善で、右翼は悪だ」とするロシア・マルクス主 義の紋切り型色分け/ロシア・マルクス主義の最大の失敗は「自由」を制限したことにあ る/一足飛びに平等な社会を実現しようとすると逆に悪平等になる/「自由かつ平等な社 会」の実現を目指すことこそ人類の目標である/非戦闘員の大 殺戮を無条件に肯定する 西部邁の「戦争論」は最低だ/曾野綾子がいう“にわかキリスト教徒”だけが報復戦争に 反対なのではない/話芸の大家らしい「 白い言い方」をするビートたけし/デリダが ブッシュ大統領の演説に不安を表明するのは妥当である 第2章 21世紀の「世界の行方」を読み解く ハンチントンの「文明の衝突」論には「段階」という観点がない/親鸞が唱えた浄土真宗 は仏教の中では一番新しい「段階」にある/西欧的段階、アジア的段階、アフリカ的段階 のそれぞれの特徴/21世紀にはアフリカ的段階がますます重要な要素になってくる/ 「段階」という観点を導入すると世界共 の普遍性が見えてくる/21世紀には地球規模 での「贈与経済」を考えることが大事である/西欧優先の考え方は21世紀の現在では半 分しか 用しない/「国家をひらいてく」ことこそ21世紀の最も大きな課題である/ EU(欧州連合)の動きは国民国家の解体を象徴している/21世紀においては宗教的対 立は戦争の最終原因とはならない/為政者が当地のための軍隊をもったときが国家のはじ まりである/トインビーの「現代が受けている挑戦」にも「段階」の観点がない/ロシ ア・マルクス主義の「段階」論の間違いとフーコーの機能主義的歴史観/世界史を成立さ せている根本にあるのは自由を求める精神だ/現実と理想とのギャップを究極の言葉で 語った親鸞/国民国家、民族国家という「段階」を考慮しない世界主義は空論である/宗 教を人類の最終目的だと見なすトインビーの主張には普遍性がない/世界一の軍事力をも つアメリカが圧倒的に有利なわけではない/アメリカが21世紀も覇権を握るという予測 はアテにはならない/G7諸国が同時多発的に不興になったときが資本主義没落のはじま りだ/第三次産業の興隆はソ連的な社会主義の終焉を意味する/第三次産業よりももっと 万能性をもつかもしれない第四次産業/「全き自由(完全な自由)の社会」を実現できな い資本主義の限界/「これ以上は要らない」というときが資本主義の行き詰まりだ/ハン チントンの「日本文明孤立」論はまったく逆の論じ方もできる/日本の現在の不況は「日 本経済が破綻する」ほど深刻なものではない/戦争をなくすためのアメリカの責務と「新 しい精神病」の蔓延/マスコミ受けする建設的なことをいう政治家や知識人を信用するな あとがき(田近伸和)
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0211 標題 吉本隆明 続・アジア的ということ 掲載誌(紙・書)名 DOCUMENT1 出版社 弓立社 出版地 東京 掲載頁 10-133 区分 段階論 キーワード アジア的 見出し・語録 「アジア的」なもの(根良亨ほか編『講座日本思想3』月報3、東京大学出版会、83.12 『重層的な非決定へ』大和書房、85.9.20刋収録) アジア的ということ6(「試行」60号、83.2.25刋) アジア的ということ7(「試行」61号、83.9.30刋)[未完] 遠野物語《 稿》(『内藤正敏 真集◎遠野物語』春秋社、83.6.10刋) おもろさうしとユーカラ(新潮古典文学アルバム 巻『ユーカラ おもろさうし』新潮 社、92.3.10刋) イザイホーの象徴について(吉田純 真集『沖縄・久高島 イザイホー』ジュンフォト出 版局、93.1.19刋) プレ・アジア的ということ(『季刊iichico』39号、96.4.30刋、『吉本隆明の文化学』文 化科学高等研究院出版局、96.6.10刋) 贈与の新しい形 吉本隆明インタビュー 聞き手 赤坂憲雄(『東北学vol.1』東北芸術 工科大学東北文化研究センター、99.10.25刋) 「アジア的ということ」関連論考群 注記等 「document吉本隆明」改題
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0211 標題 田中眞紀子更迭劇【情況への発言2】 掲載誌(紙・書)名 DOCUMENT1 出版社 弓立社 出版地 東京 掲載頁 3-5 区分 情況論 注記等 「document吉本隆明」改題
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0211 標題 まだ子供の政治 掲載誌(紙・書)名 DOCUMENT1 出版社 弓立社 出版地 東京 掲載頁 6-8 区分 情況論 注記等 「document吉本隆明」改題
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0211 標題 夏目漱石を読む 出版社 筑摩書房 出版地 東京 区分 作家論 キーワード 夏目漱石 見出し・語録 渦巻ける漱石 『吾輩は猫である』 『夢十夜』 『それから』 青春物語の漱石 『坊ちゃん』 『虞美人草』 『三四郎』 不安な漱石 『門』 『彼岸過迄』 『行人』 資質をめぐる漱石 『こころ』 『道草』 『明暗』 あとがき 注記 注記等 本書に収録された各章のもととなる講演および初出・再録の明細は以下のとおりです。 渦巻ける漱石 講演=夏目漱石―「吾輩は猫である」「夢十夜」「それから」 1990年7月31日、よみ うりホール(日本近代文学館主催、読売新聞社後援「近代文学館◆夏の文学教室 明治の 文学・作家と作品」における講演) 初出=「ちくま」1990年11、12月号、1991年1月号 再録=『吉本隆明全講演ライブ集 第2巻 夏目漱石(上)』別冊、2001年12月25 日、弓立社 青春物語の漱石 講演=夏目漱石―「坊ちゃん」「虞美人草」「三四郎」 1992年10月11日、新宿・紀 伊國屋ホール(紀伊國屋書店主催、筑摩書房協賛「第五十九回紀伊國屋セミナー」におけ る講演) 初出=『吉本隆明全講演ライブ集 第3巻 夏目漱石(下)』別冊、2002年3月25日、 弓立社(初出題 青春としての漱石) 不安な漱石 講演=夏目漱石―「門」「彼岸過迄」「行人」 1993年2月7日、新宿・紀伊國屋ホール (紀伊國屋書店主催、筑摩書房協賛「第六十回紀伊國屋セミナー」における講演) 初出=『吉本隆明全講演ライブ集 第3巻 夏目漱石(下)』別冊、2002年3月25日、 弓立社 資質をめぐる漱石 講演=夏目漱石―「こころ」「道草」「明暗」 1991年7月30日、よみうりホール(日 本近代文学館主催、読売新聞社後援「近代文学館◆夏の文学教室 大正から昭和へ・作家 と作品」における講演) 初出=「ちくま」1992年1、3、5月号 再録=『吉本隆明全講演ライブ集 第2巻 夏目漱石(上)』別冊、2001年12月25 日、弓立社  本書収録に当たって、あらためて著者による加筆・修正の手入れがありました。また漱 石の作品からの引用は、ちくま文庫版『夏目漱石全集』によりました。                                 編集部
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0211 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(32)「戦後派」の表現 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載年月日 2002.11.24 区分 詩論 キーワード 第1次戦後派/近藤芳美/『荒地』の詩人/江藤淳 見出し・語録 古典からの離脱と方法意識 「こうした意味で、江藤淳さんや私は初めて意図的に言語の理論化に取り組んだといえ る・それまでの文芸批評は、『もののあわれ』が表現されていればその作品は優れてい る、というような経験的、感覚的なもので、少しも論理的ではなかった。  これと同じように、初めて詩の方法を意識的に取り出して、自由に作品化できるように なったのが『荒地』の詩人たちだった。時を同じくして短歌や俳句では、作品を詩と同列 に置きたいために、古典詩本来の特徴である対応生を二次的なものとして、ないがしろに する人々が現れたといえる。」 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 ひきこもれ:ひとりの時間をもつということ 出版社 大和書房 出版地 東京 区分 インタビュー キーワード ひきこもり/不登校/いじめ 見出し・語録 はじめに 第1章 若者たちよ、ひきこもれ:コミュニケーション能力を過大視するな 時間をこま切れにされたら、人は何ものにもなることができない 世の中に出ることはいいことか/一人で過ごす時間が「価値」を生み出す 「引き出し症候群」の素人はおっかない ひきこもることは問題ではない/他人とのつながり方は、それぞれでいい ひきこもることで育つ「第二の言語」 自分に通じる言語を持つということ/他人に伝えるのは二の次でいい 内臓に響くような心の具合はひきこもらないと直らない 大勢の人と交わることは必要か/「暗いこと」はコンプレックスにはならない 「孤独」をとことんつきつめてその上でやっていく 「正常」の範囲を狭めてしまうから、つらくなる/ひきこもりを直す必要はあるのか 社交下手でも恋愛においてハンデはない 夏目漱石の「行人」にみる恋愛心理/ひきこもりは恋愛において不利か/「食べさせても らえる」環境からの自立 第2章 不登校について考える:「偽の厳粛さ」を子供は見抜く ひきこもりも不登校も病的な状態ではない 「気質的ひきこもり」の区別/問題視しすぎるから、不登校に追い込まれる 「偽の厳粛さ」に耐えられない子供が不登校になる 教室に流れていた嘘っぱちの空気/子どもを苦しめているものの正体 教師が生徒と向き合おうとするから生徒は迷惑する 「余計なこと」はしない方がいい/今の学校が子どもに身につけるもの 不登校の人たちだけでかたまってしまうのはよくない 一般社会と自分を区切らないほうがいい/フリースクールについて思うこと 子ども自身も、自分に対して寛大になってしまっている面がある 安易に許容された子ども達/目先の利く人間にならないほうがいい 学校なんかに期待する親は大きな間違いを犯している 学校の勉強さえしていればいいのか/親は自分が学生だったころを忘れている 第3章 子どものいじめ、そして死について:「傷ついた親」が「傷つく子ども」をつくる いじめる子どもと、いじめられる子どもどちらも心が傷ついている 子どもの心の傷の原因はなにか/母親だけが悪いわけではない いじめている子どもを叱っても何の解決にもならない 強いから、いじめるのではない/いじめられる側の心理 子どもの自殺は親の代理死である 子どもはなぜ、死を選ぶのか/親から子への自殺願望の転移 大人になってから親の代理死としての自殺をした三島由紀夫 三島由紀夫さんは「傷ついた子ども」だった/世界的な作家といわれるよりも 自然死するには生命力がいるから老人たちは体を鍛える 強固な意志を貫いた江藤淳の死/自然死するのは簡単ではない 死ぬ時にはすでに「死」は本人のものでなくなっている どの時点をもって「人の死」とするのか/死を自分で支配することはできない 第4章 ぼくもひきこもりだった:きらめく才能よりも、持続する力が大事 ひきこもっていることがマイナスにならない職業がいつか見つかる ひきこもりの環境と弱点/10年持続することの意味/頭のいい人と競り合わなくていい ひきこもり性だったから物を書き始めた 自分なりの手法を求めて/自分から近づいていく努力 ぼくが見つけた孤独の処方箋は「銭湯」と「神社のお祭り」 引っ込み思案な気質をもてあますとき/大勢の中にいる孤独に安堵する 世の中に対する自分なりのビジョンをもつ 社会に関わる必要なないのか/文学の本質は変わっていない/戦後、考えを修正したところ ぼくが沈黙したくない理由 敗戦後、なぜ文学者たちは沈黙したのか/考えていることは、答えないわけにはいかない 第五章 ひきこもりから社会が見える:ぼくがいま考えていること 君が代もインターナショナルも死ぬまで二度と歌わない ワールドカップで思ったこと/ぼくには歌う歌がない 戦争で死んだ日本人を歴史から抹殺してはいけない 日本の侵略戦争について思うこと/経験したことを白紙に戻すことはできない 9・11から見えてくる戦後という時代に横たわる断層 「同時多発テロ」について思うこと/今の若者たちに言いたいこと ぼくが、あらゆる市民運動を信用しない理由 開かれているようでいて、閉じている集団/方向は自分で決めるべきではないか 老いるということを長い間誤解していた それは、ある日突然やってくる/憂鬱の軌道に入らないために あとがき 注記等 構成―梯 久美子
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(33)「戦後派」の表現(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 21 掲載年月日 2002.12.1 区分 詩論 キーワード 鮎川信夫/田村隆一/野間宏/武田泰淳/主観性 見出し・語録 時代状況下の深刻な主観性 「戦後派の詩、短歌、俳句に共通する特徴の一つは、風景などの客観描写よりも主観性が作品 の中心になっていることだ。これは鮎川信夫さんや田村隆一さんなどの詩でも、近藤芳美さ んなどの短歌でもそうだ。特に、短歌や俳句ではどこかに自然詠が含まれていなければ日本 の歌らしくないのに、主観性しかうたっていない短歌や俳句が、この時期に初めて本格的に 登場してきたといえる。」 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(34)鮎川信夫(上) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 4 掲載年月日 2002.12.8 区分 詩論 キーワード 鮎川信夫/『荒地』/引用 見出し・語録 戦争がもたらした方法意識 「鮎川さんが試みたことは、こうした伝統をもつ日本の詩の中に、意図的に西欧の文学作品 を引用してみせたことだ。これによって詩の表現を拡大し、詩作に新しい意味の面白さをも たらした。どの言葉を、どのように組み合わせれば最も自然に、自分の詩と思えるようにで きるか、というのは新鮮な面白さだった。  鮎川さんの方法意識を同時代の短歌や俳句における詩的表現の意識と並べて考えるならば、 両者は同じ時代背景の下で、より意識的になり、認識力を増したといえる。モダニズム以来 の詩に関する知識の蓄積に加えて、やはり戦争体験が彼らの表現の幅を格段に広げさせたと いえるだろう。」 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 戦後史の難点とは 掲載誌(紙・書)名 日本の歴史24巻 戦後と高度成長の終焉 月報 出版社 講談社 出版地 東京 巻 24 掲載頁 1-2 区分 戦後史論 キーワード 歴史概念/戦後史 見出し・語録  「戦後の大多数は、十数人と伝説去れた人が切開した貴重な細い道を、まる で自分が歩んだ道であるかのようにのほほんと歩んでしまった。はたから見ると生涯戦争の 不幸を知らないで送れる戦後生まれの人は何はともあれ幸せではないか、祝福すべきだと思 う。ところが政府首脳から一般国民までの軌道取り違えが祟って、ぽっかり穴があいた歴史 の認識がここ一、二年露出してきている。  アメリカ大都市の奇襲攻撃被害にともなう政府首脳の振舞い、亡命他国人の保護の拒否、 国民一般の拉致放置、『テロ』を受けた国民の死者の放置、リストラ、全般不況に対する国 民一般の無反応、等々。これは自分がたどりもしなかった軌道を、自分の歴史のように見せ かけ、自分がたどった軌道を他人事のようにひたかくしにして、虚構の戦後史に安んじてき た、上から下までの日本人の当然うけとるべき罰だと思う。」
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(35)鮎川信夫(下) 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 12 掲載年月日 2002.12.15 区分 詩論 キーワード 鮎川信夫/ 見出し・語録 戦後の虚無感を巧みに表現 「私は『荒地』の詩人たちの作品を読んで初めて、プロレタリア詩人と違ったやり方で現実 を詩の中に導入できることを知った。それはたいへんな驚きで、彼らの詩をお手本にしなが ら、私も自分の現実感を詩として表現できるようになっていった。」 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Book 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 吉本隆明資料集 27 出版社 猫々堂 出版地 高知市 区分 鼎談・座談会記録 見出し・語録 蓮如―その限界と可能性 大村英昭・梯實圓・河村邦光・中村生雄・源了圓・山折哲雄・米 村竜治・吉本隆明(『創造の世界』第92号 1994年11月) 信仰に生きた組織者/死を実体化した蓮如/ペシミスト・蓮如/親鸞と蓮如の到達点/救わ れる人を限定した蓮如/御恩報謝の念仏/「自然法爾」と「往相還相」 半世紀後の憲法 加藤典洋・竹田青嗣・橋爪大三郎/吉本隆明(『思想の科学』1995年7 月号) 本質的言語で読む/戦争をなくすには/憲法の言葉 詩的な喩をめぐって 斉藤すみ子・大野道夫・坂出裕子・彦坂美喜子・吉本隆明(『歌人集 団・中の会 十周年記念「フェスタ・イン・なごや」記録集』1991年6月) (1990.10.14)(原題は「公開質問状」) 「マリファナ」アンケート 吉本隆明(『宝島』1977年12月) イベントの後は飲み屋へ直行 酔っぱらって議論百出の酒宴に 吉本隆明(『ぴあ’S N IGHT 87年度版』1987年1月) 私のぴあテン1987 吉本隆明(『ぴあ』1988年1月8日号) 認識の皮膚 吉本隆明[埴谷雄高『戦後の文学者たち』(構想社)帯文 1976年] 山崎龍明『仏教の再生 親鸞・不退への道』 吉本隆明[山崎龍明『仏教の再生 親鸞・不 退への道』毎日新聞社 帯文 1984年] 親鸞理解に不可欠の存在 吉本隆明[石田瑞麿全訳『親鸞全集』(春秋社)内容見本 198 5年] 詩人菅谷規矩雄 吉本隆明[現代史文庫『菅谷規矩雄詩集』(思潮社)推薦文 1994年] 普遍文学の先駆 吉本隆明[『柳田國男全集』(筑摩書房)内容見本 1997年) こんにちわ 普通の生活者でありたい 石和町の婦人教室特別講座で講演した吉本隆明氏  〈赤池宗治記者〉(『山梨日日新聞』 1983年3月9日号) 
刊行形態 Book Section 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 石原吉郎「北條」 掲載誌(紙・書)名 わたしの詩歌 編集 文藝春秋 出版社 文藝春秋 出版地 東京 掲載頁 238-241 叢書名 文春新書 区分 作品論 キーワード 石原吉郎 見出し・語録 「石原吉郎の晩期の作品である『北條』や『足利』を含む一連の詩篇を読んで 驚かされた。うまくなったなあという技術的な言い方をしてもいいし、どこかに強制収容所 体験の影と光が射してくる色彩がなくなったと言ってもいいと思う。言葉づかいの多様さと 屈折によって内心の屈折を反映させようとする方法を打ち留めにして、逆に言葉を単純化し て含みを豊かにする方法を創りだしたと言ってもいい。」
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 吉本隆明が読む現代日本の詩歌(36)近藤芳美 掲載誌(紙・書)名 毎日新聞 出版地 東京 掲載頁 20 掲載年月日 2002.12.22 区分 詩論 キーワード 近藤芳美 見出し・語録 複雑で微妙な感情の記録 「こうした歌は、今になってみると、これらの歌がなければうまく再現できないような複雑 で微妙な敗戦直後の状況と感情の記録ともなっている。近藤さんの中には、自分が戦争を肯 定して従軍したことに対する戦後になってからの否定の感情があると同時に、戦争体験その ものに対しては言い知れぬ懐旧の感情が錯綜してある。ひと言でいえば、「平和」という言 葉を簡単に言うのは面白くないという感情だろうか。そうした幾重にも折り重なった思いを 表現し得たことが、近藤さんの歌が同時代の人々に共感をもって迎えられた理由だと思う。」 注記等 【構成・大井浩一】
刊行形態 Audiovisual Material 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 吉本隆明全講演ライブ集 第5巻 農業論 出版社 弓立社 出版地 東京 形式 CD 区分 講演 キーワード 農業論 見出し・語録 CD−025 農村の終焉 I 66:45  司会・基調報告(太田修) (1)28:50 1  農業の構造と変化 (2)13:34  農家の経済 (3)24:21 CD−026 農村の終焉 II 71:53  農業の生産構造の変化 (1)14:46  農業とエコロジー (2)12:29  農業人口と戸数 (3)7:28  都市と農村の対立 (4)7:46  円高の農業への影響 (5)11:36 2  対立の構図 (6)10:24  竹村健一の農政改革論 (7)7:21 CD−027 農村の終焉 III 73:27  農業革命 (1)9:32  大前研一の農政改革論 (2)10:50  自然史の必然性 (3)14:08  農村反動革命 (4)9:33  対立への対処 (5)11:56  国家を開くこと (6)5:35  質疑応答A (7)11:51 CD−028 日本農業論 I 72:12  司会・挨拶(太田修) (1)4:56  現在の問題 (2)4:59  米価と自由化問題 (3)12:38  保守対進歩の構図 (4)9:08  一般大衆の原則 (5)3:43  農業にとってのマルクス (6)13:39  ソビエトの農業 (7)10:12  農業の理想像 (8)12:53 CD−029 日本農業論 II 72:48  農家の現在 (1)8:05  農業の未来 (2)11:36  質疑応答A (3)0:51  質疑応答B (4)11:50  質疑応答C (5)9:07  質疑応答D (6)1:55  質疑応答E (7)9:12  質疑応答F (8)20:12 CD−030 日本農業論 III 73:27  質疑応答G (1)4:38  質疑応答H (2)9:32  質疑応答I (3)29:45  質疑応答J (4)7:53  質疑応答K (5)14:17  質疑応答L (6)3:25 添付冊子「5 農業論」目次 [連載] 吉田純が撮った吉本隆明4 1967〜 六月行動委員会の頃――吉本隆明さんのこと(2) 松田政男 農村の終焉――〈高度〉資本主義の課題(1987年11月8日、「修羅」同人主催、長岡市で 行われた講演。未発表) 1 農業の構造と変化/農家の経済/農業の生産構造の変化/農業とエコロジー/農業人口と 戸数/都市と農村の対立/円高の農業への影響 2 対立の構図/竹村健一の農政改革論/農業革命/大前研一の農政改革論/自然史の必然性 /農村反動革命/対立への対処/国家を開くこと 日本農業論(1989年7月9日、「修羅」同人主催、長岡市で行われた講演。長時間のため 、質疑応答を数人分割愛した。未発表) 現在の問題/米価と自由化問題/保守対進歩の構図/一般大衆の原則/農業にとってのマ ルクス/ソビエトの農業/農業の理想像/農家の現在/農業の未来
刊行形態 Newspaper Article 著者 吉本隆明 刊行年月 0212 標題 戦時中と似てきた日本:同化するのが怖い;そわそわせずのんびりと(こんにち話) 掲載誌(紙・書)名 京都新聞 出版地 京都 掲載年月日 2002.12.23 区分 インタビュー キーワード 転向問題/戦争責任 見出し・語録 北朝鮮の脅威は宣伝/日の丸を見るのも嫌だった/調子のいいことは言わない 注記等 聞き手は共同通信編集委員 石森洋、写真 岩田望

「吉本隆明2002年著作リスト」/kyoshi@tym.fitweb.or.jp 2003.02.20