7 十字路からの発言

十字路で立ち話(あるいはワッツニュー)


弁当遣い(22.12.30・金)

弁当を使う
職人さんを
縁側に上げ

吸物などの
もてなしが
立ち消えに

田舎を離れ
郊外暮らし
も三代過ぎ

近所馴染み
寿司屋から
お節料理も

今年限りで
味わえない
新年三ヶ日

冬場の買物
困難を回避
で宅配弁当

迂回と梯子(22.12.27・火)

初雪解けの
雪吊庭木が
寒さに竦み

心を病んで
蹲る影から
伸び上がり

枯死で斬る
べき庭師に
待ちを掛け

二年が経ち
見事に蘇る
楓の古木よ

越えられぬ
壁は迂回が
とっておき

雪吊縄切り
天から降る
縄ばしごに

筋道(22.12.23・金)

暖機運転を
しながら車
の除雪など

通りすがり
朝の挨拶を
交わす雪線

故郷に残る
桜町遺跡を
埋め尽くす

谷間の雪を
透視できる
体感接線を

獲得できる
春夏秋冬を
めぐる稽古

心の眼から
身体の眼へ
遡行の試み

12月の抑鬱(22.12.20・火)

老い坂道に
電光石火の
寒波来襲か

今・此処を
抱え上げる
茫然自失に

咄嗟に働く
何者かから
持ち堪える

破れ雨樋の
修繕も降雪
前日に完了

初雪まえに
眺められた
庭木の雪吊

予想に反し
滞りもなく
バスで買物

虚体風(22.12.16・金)

老化が進む
身体を網目
状に解せば

吹き抜ける
何かが通過
する響きに

囁き掛けて
ほぐされる
今ここの体

リアル過ぎ
れば過ぎる
ほどに滲む

虚構の様な
リアルから
逃れられず

カラ[空]だ
を等身大に
紐解く稽古

日常力(22.12.13・火)

切れ切れが
千切れたら
絶え絶えに

買い物帰り
午後の空を
低空で南下

何だか変ね
山へ直行は
おかしいね

夕方のTVで
搭乗二人の
小型機墜落

アレだった
顔を見合せ
間違いない

意味もなく
目的もなく
過ごす日々

トホホ(22.12.08・木)

プラゴミ出し
を忘れそうに
日常が綻んで

なんとか出し
はたした帰り
道の達成感に

強張りがちな
緩んだような
体感の不思議

見えない体内
を観ることが
できるような

日常の稽古化
が必要になる
間合いがトれ

時間をホって
よりホんとう
に近づけるか

梅干し譚(22.12.02)

舗装道路を
砂利道へと
巻き戻せば

袖すり合う
仲が生んだ
無上の一時

腫れた唇と
擦り剥いた
膝頭の感触

やり手婆が
手引きする
温泉場の夜

ゆきずりの
事の次第に
射し込んだ

朝陽が奪う
気化熱から
緩む唇まで

団栗拾い(22.11.29)

老いに逃げ
込む若さの
あてどなさ

道なき道が
自由のこと
だとしたら

何かに逃避
する速さが
創造になる

生粋の疎外
なる励起が
引き起こす

社会的違和
と自然に対
する不思議

間で結ばれ
やわらかに
共鳴すれば

あやかし(22.11.25)

分からずに
些細な蒐集
当てもなく

纏まらない
仕訳に迷う
五感の迷路

兆す体感も
経験からの
距離感まで

味わいから
匂い揺らぐ
合わせ技で

聴き取れば
密室に晒す
エロス鏡像

砕き纏って
伸縮自在な
宇宙の塵埃

握触楽(22.11.22)

なめらかに
そそりたつ
仰角が導き

やわらかな
手が握った
俯角が誘う

弁を開けば
おくふかく
綾なす鞍部

絡み合った
味嗅聴視触
感に目眩く

乗り合った
縁の船縁を
生老病死の

波に洗われ
森羅万象が
訪れる岸辺

離脱(22.11.18)

田舎を去り
引っ越して
半世紀過ぎ

正月二日に
集った場を
盛り上げた

庭付二階建
縁者たちも
鬼籍の人に

晦日に届く
お節料理も
途絶えたら

郊外移住を
飾る解放が
幻の時間に

気づいたら
此の世から
薄らぐ浄土

空振り(22.11.15)

電池切れで
血圧測定が
途切れた朝

地球人口が
80億になる
TVニュース

泡立草から
ススキまで
前景にして

立山連峰を
写す途端の
電池切れを

嘲笑うかの
ように鳴く
ハシブト鴉

デジタルに
振り回され
老いの寝首

富士唇(22.11.11)

庭先に出て
和む日差し
肩先に止る

アキアカネ
口先寄せて
吹けば飛ぶ

上唇の働き
消し去った
五体の揺れ

欲求と欲望
潜り抜けた
目合いから

抜け出した
身体の認知
ならぬ認識

加齢と老化
架橋できぬ
身体化の謎

皆既月蝕(22.11.08)

秋深まりて
大地に還る
エロスの涙

夜具の裾に
食み出した
温もりの肌

香る局面を
辿り合って
縺れる情が

激りたった
身体の緒で
結び合えば

懐かしくも
行き交う生
命の躍動感

駘を知らぬ
喪失感から
萎れる男根

呼応世代(22.11.04)

持ち堪える
こと自体で
耐えていた

在りし日の
65歳離れた
祖父の歳月

手伝いした
孫の手から
推し量れず

足手纏いが
お互い様の
餅搗きまで

入れ替わり
擦れ違いに
交差すれば

かけ離れた
歩み寄りが
年齢を隔て

秋の肢体(22.11.01)

庭で絡んだ
網の目から
抜け出せば

伏せた椀の
稜線に響く
ハイハット

吐き出した
秋の吐息に
紅葉の隙間

揺れる身体
決めかねる
自立と自律

スイングを
叩き出され
グルーブに

さらわれて
時の細波の
遥か彼方へ

  • 米・デラウェア州、州内の図書館のオンライン目録システム“Delaware Library Catalog”への学校図書館の参加のために100万ドルの投資を受けると発表(カレントアウェアネス・ポータル - 国立国会図書館) https://current.ndl.go.jp/node/47075
  • 図書館が文献をメールで送るための近くて遠き道 : 「図書館に向けた図書館等公衆送信サービス説明会」メモ(egamiday 3) http://egamiday3.seesaa.net/article/492845125.html
  • 21世紀の図書館像(あらたにす) http://allatanys.jp/blogs/18763/
  • 中央省庁・広域自治体を対象に初の政策評価を実施 : 第3次図書館発展総合計画の推進状況を点検(カレントアウェアネス・ポータル - 国立国会図書館) https://current.ndl.go.jp/node/47050
  • 「動かないこと」が体にダメージを与える…整形外科医が「デスクワークは重労働」と断言するワケ(PRESIDENT Online) https://president.jp/articles/-/62999
  • なぜ専門職の図書館司書が非正規なのに、異動繰り返す「素人」が正規職員なのか 官製ワーキングプアの構図(ニコニコニュース) https://news.nicovideo.jp/watch/nw11626428
浮遊連動(22.10.28)

木々が戦ぐ
里山を抜け
祖父に習い

木を伐って
薪割りして
暖をとって

田畑耕して
収穫物など
川で洗って

掘り抜いた
井戸水使い
煮炊きして

散居村から
なめらかに
街道を抜け

見下ろせば
平野が消え
沈む空と海

立ち還り(22.10.25)

雪面を踏み
掴めなくて
止めた滑り

漕ぐように
踏めないで
別れた走り

ふらつけば
四足歩行の
幼児に遡行

握りしめた
勃起力から
翔び立って

漲るような
身体捌きで
解けるのか

立つことや
腕を挙げる
仕組みの謎

江戸前(22.10.21)

雄を漁って
猛暑の夏を
凌ぎきるか

剪定された
庭木の枝に
しがみつき

蟷螂の腹が
年季を数え
偏食を呼吸

ひもじさが
当たり前の
囲炉裏端で

食べさせた
ふかし卵の
祖母の腕前

母や嫁でも
およばない
ふわふわ卵

弛み遊び(22.10.18)

凹凸のある
干上がった
川底の記憶

石が穿って
飛び跳ねて
削り取られ

多面体から
線状球面の
透視図の空

無数の支点
結ぶように
張り合わせ

宙に浮かべ
外側からも
内側からも

行き来して
眺められる
懸垂曲線へ

依存均衡(22.10.14)

歯科医から
治療の前に
血圧診断を

初診医者が
下す高血圧
の御墨付き

血液学会の
基準と違う
民間伝承の

数値の間で
揺らぐ老の
主観的真実

生きてきた
姿勢が保つ
身体的真実

生き死にが
自然ならば
老衰も道理

疎遠花壇(22.10.11)

引っ越しで
背戸に移植
した無花果

柿や栗など
50年過ぎて
跡形も無く

苔が生えた
切り株まで
覆い尽くす

雑草刈りも
ままならぬ
高齢化身体

縁も所縁も
切れ切れの
原っぱなら

仏壇向きの
花を育てる
積りもなく

人手網(22.10.07)

庭木や雑草
刈り整えて
虫も鳴かず

一掃された
蜘蛛の巣に
絡まる寂寥

頭の中だと
自ら生まれ
独りで死に

庭の静寂も
人手による
束の間なら

生き死にも
人手なくは
明滅しまい

輪廻の網の
目揺らして
身体吹抜け

バランス変態(22.10.04)

庭の眺めが
茂り放題の
雑草や庭木

例年の如く
やってきた
業者で一新

蟻地獄から
薄羽蜉蝣へ
飛翔したか

庭師四人が
一服してる
地面を覆う

半世紀前の
祖父の手に
なる剪定歴

良い悪いも
絡め合わせ
る老い均衡

辺縁(22.09.30)

迷い込んで
見上げれば
梢が仕切る

空の隙間を
俯瞰すれば
鳥人の滑空

数人ならば
話し合える
と言えるか

苦手な二人
よりも三人
デュオより

安定しない
トリオ演奏
の流動感が

行き詰れば
耳を狂わす
悪たれ聴衆

体内輪廻(22.09.27)

生まれ変わ
り続ける僕
たちなんて

ラジオから
聞こえくる
9月の雨に

ジャズLPの
サボテンの
ジャケット

収録された
CDセット
通販で発見

半世紀前に
中古LP屋で
眺めて以来

入れ替わる
身体感覚も
漢字の変遷

  • 国立大学図書館協会、『「研究データのポリシー策定および管理等への図書館の関与について」のまとめ』を公開(カレントアウェアネス・ポータル @国立国会図書館) https://current.ndl.go.jp/node/46854
  • 「新たな図書館システム・ネットワークにおけるメタデータ:共同利用システムをめぐる様相」 2022.01 例会(情報組織化研究グループ) http://josoken.digick.jp/meeting/2022/202201.html
  • 図書館の本の選定、どうしてる?年間1万6000冊を決める裏側を取材【大分発】(FNNプライムオンライン) https://www.fnn.jp/articles/-/413974
  • 人は病んで当たり前?「心の変化」に振り回されない仏教の教え(PHPオンライン衆知 - PHP研究所) https://shuchi.php.co.jp/article/9552
響き絡まり(22.09.23)

吹き払った
筈の庭木の
蜘蛛の巣に

引っかかり
破風や樋を
眺め揺らぎ

宙に浮けば
身体に谺す
白日の眼華

再び帰らぬ
脈絡を綴り
抜ける感性

横書きから
縦書きへと
改まる稽古

逃げないで
通り抜ける
隙間の進化

貧乏鳴き虫(22.09.20)

鳴き声静か
庭を覗けば
夜来の台風

こすり器も
やすり器も
濡れ果てて

雌を呼べぬ
暴風雨圏内
の雄の行方

自給自足が
破綻すれば
三種の貧乏

相対的でも
要扶助的や
経済的でも

括れなくて
生命/存在
脅かす貧乏

指向性(22.09.16)

見上げれば
紺碧の空に
輝く星と雲

夢かと凝視
すれば天井
眺める身体

S.ワンダー
聴き込んで
水族館巡り

G.デッドに
踏み込めば
ペダル漕ぎ

老いるほど
に先細った
五感の行方

神出鬼没な
間接稽古で
進化の節々

次元透視(22.09.13)

DL試聴で
お皿に焼く
迷子のLP

アナログと
デジタルを
聴き分ける

感情などは
身体に拠り
決まるのか

身体感覚の
感応決める
エネルギー

交換の場が
成り立てば
心情も交換

空から抜け
場を安らぐ
身体遊泳へ

食暦譚(22.09.09)

見えなくて
ルンバの音
這いずれば

ゴキブリの
尻尾が描く
瞬発逃走力

バッタから
逃げる孫を
追いかけて

すれ違えば
交差体験も
最初と最後

食欲より質
に置き換え
一口サイズ

老若違えて
口内感覚が
感応の場に

撓み力(22.09.06)

冬場の着雪
モール電線
朝陽に跳ね

柳腰を辿り
膕を弄れば
未踏の曲線

前腕無くし
上腕で描く
弧の崩落面

織り込まれ
相反運動が
統合された

身体運動に
気付かずに
過ごした体

空っぽから
空っぽまで
埋め合わせ

身体宇宙(22.09.02)

腑に落ちて
探ってみる
内臓の在処

返せなくて
歳月の隅に
言い残した

言霊の響き
掬い上げる
身のこなし

正解もなく
自己主張も
執着も無く

思い通りに
ならなない
覚悟の果て

聴こえくる
第一言語と
母語との間

夏草漕ぎ(22.08.30)

床から畳を
飛び越えて
掃除機から

持ち替えた
草刈りバリ
カンを櫂に

伸び放題の
庭草越しに
虫譜を聴く

崩れかけた
厠の壁から
抜け出せば

コオロギや
ゴキブリの
艶っぽさに

およばない
ゴミ掃除の
ロボット音

不要不休(22.08.26)

両手の指先
両肩に置き
両肘を回す

内臓の通り
解れる様に
抜けきって

動かす身体
意識すれば
行動小さく

始まっては
終っている
くりかえし

狭まる程に
手がかりの
形もなくて

遠出少ない
行動範囲に
穿つ老い先

幼童計算(22.08.23)

覚えもなく
気がつけば
歩きはじめ

棒のように
握りしめた
鉛筆の手で

当てもなく
書きなぐる
落書き以前

覗き見れば
縺れ線から
弧を描いて

面を区切る
直線が伸び
波打つ紙上

横書きから
縦書きへと
手当り次第

囁き行動(22.08.19)

懐手に響く
小鳥の鼓動
日毎に聴き

ゴミ出しの
朝方の涼さ
揺れる雑草

バリカンで
刈り取れば
暑さ極まり

感染者数も
マスク着用
も世界一に

身体感覚も
放棄姿勢の
マスクマン

口唇動かし
息苦しさを
謎ってみる

共鳴力(22.08.16)

右から左へ
時計回りと
反時計回り

巻合わせて
木登りする
大蛇の動き

双手で縄を
幹に回して
駆け上がる

蛇腹の様に
絡み合った
男と女の襞

寸法合わず
届かなくて
手詰まりで

自然に左へ
動く流れに
乗る身体魂

擦過楽音(22.08.12)

探し続けた
ジャズ喫茶
の片隅から

歩き続けた
ライブ演奏
の高原まで

詰め込まれ
消え去った
初発の響き

躍る旋律を
挟み込んだ
クッション

聴き忘れて
研ぎ澄ます
刹那の狭間

V字で弾む
グルーブに
組み込まれ

埒外(22.08.09)

年金生活の
の内と外で
劣化する知

無意識働く
もう一人の
私の身体力

ワクチンで
悲喜交々の
マスク社会

鬩ぎ合いも
究極的には
自然治癒力

罹るときは
罹り罹らね
ば罹らずに

罹ったらば
如何様にも
経過させる

見返り擬人(22.08.05)

青大将の舌
透かし見る
夏戸を這い

木虫籠抜け
繋ぎ止める
飛脚の噂話

宗教勧誘に
紛れ込んだ
無類の縁談

叩き出した
畳の埃まで
紛れ込んだ

障子の隅に
こびりつく
家訓の名残

見え透いた
擬人化など
届かぬ大気

携行縦書き(22.08.02)

万年筆など
高嶺の花の
孫にくれた

使っていた
のも知らぬ
祖父の矢立

コピーして
よく眺めた
良寛の筆跡

流れを奏で
居着かない
滝に打たれ

秋の収穫に
添えられた
叔父の毛筆

筆と墨壺が
いまを消し
跡形を残す

追悼(22.07.29)

出会い時を
失したから
読み惜しむ

誤配された
初見の輝き
復元できず

世間が流す
噂話が彩る
先入観から

テクニカル
ライターの
その後の姿

PC雑誌から
ツイッター
への変身譚

本当の事を
書きあげる
詩の極地へ

土中回想(22.07.26)

炎天下まで
這い出した
蚯蚓の行方

堆肥を積み
摘み出した
川釣りの餌

酸性の皮膚
耕し続けて
田畑に通い

後半生総て
土壌に働き
かけた祖父

宅地田畑を
売り飛ばす
孫に添って

住み替える
新築家屋へ
庭木も引越

老幼界層(22.07.22)

立つよりも
歩くような
座右の姿が

屋内を歩き
回りながら
僅かな段差

柱に掴まり
持ち上げる
老弱の喜び

辿り着いた
腰から下を
消し去れば

辿々しくて
果てしない
歩きの境地

無念無想に
歩きだせば
太古の観想

手練れ(22.07.19)

相性が叶う
住み心地は
井戸の水位

田舎家では
祖父の影が
井戸に溢れ

洗い流せば
体と道具の
使い方など

感覚できず
追体験から
かけ離れた

動きの型に
回帰できず
模索の調べ

自在に形や
流れを変え
私淑の伴侶

初期化(22.07.15)

真っ直ぐに
老い残って
いまここに

溌剌ならぬ
身体感覚の
生きにくさ

さっきとは
いまになく
これからも

先はいまに
なくいまの
いまもいま

ないところ
かいくぐる
刹那的現在

感覚できず
経験の中の
身体的再燃

胎内起源(22.07.12)

見た事ない
刃を渡った
蝸牛の動き

居合わせて
発砲音聞き
地に伏せず

脊髄反射も
銃社会から
ほど遠くて

ラベル無し
透明瓶など
識別できず

産業社会の
情報次数の
高次化から

揚力余って
不時着する
零次情報源

観察養生(22.07.08)

庭の古木が
上下に左右
前後に揺れ

炎天で働く
人影も揺れ
無言の老体

少年が青年
を過ぎ壮年
そして老年

百歳になる
直前に逝っ
た夏の身体

片道切符の
交換と交感
喘ぎ語らず

綿棒で拭く
黒い痰汁に
飲み込まれ

猛暑を越す(22.07.05)

引き揚げた
村の学校が
いじめの場

老体夫婦に
外界自然が
暑いいじめ

老化による
体内自然の
不都合など

身体が宿す
いじめじゃ
なかろうか

生きる限り
いじめから
逃れられず

幻想行為と
現実行為が
絡まる実践

折り返し(22.07.01)

前倒された
暑さに揺れ
庭の半夏生

書いてきた
筆跡を覆い
隠す右手裏

半身になり
左手の先が
未知のまま

手付かずの
これからが
広がるだけ

老化現象の
不具合など
治せなくて

あるがまま
経過させる
体内自然に


ご意見・感想:keikichi111i@mac.com

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