十字路で立ち話(あるいはワッツニュー)
最終更新日:2022/07/01空梅雨でも
猛暑日続き
夏バテ気味
老化の流れ
乗り合わす
高齢夫婦に
夏場に強い
なんて嘘の
蟹座生まれ
健康診断も
国政選挙も
自他ともに
信じられる
社会成熟が
あってこそ
内なる自然
気付くべき
外なる自然
眺め触れた
庭の昆虫の
行方知れず
余震の能登
未明の月に
並ぶ7惑星
探し眺める
体内が宿す
臓器の配列
老い過ごす
ほどにいま
ここにある
だけで凄く
途轍もない
身体の現存
歩けば歩く
程に逸れる
似非matrix
座りも緩む
腰回りから
加齢と老化
時鳥が囀る
朝の来ない
不眠の夜明
寝返る腸や
骨や筋肉の
左右裏表が
気分も良く
透けて見え
ないならば
振り返らず
折り返せば
老いの節目
骨格無くし
贅肉垂らし
歩くだけに
上下からや
前後左右に
内外もあり
そして裏表
引き回せば
掬われるか
痛みに触れ
恐怖が視え
不安を聴き
不穏が臭い
切れ切れな
味覚の明滅
全部違って
みんな同じ
という前提
村意識から
織り上げた
木虫籠の目
朝焼け雲に
郭公の声が
谺す寝起き
座右離れて
書架の高み
居並ぶ古本
本の天から
零れ落ちる
劣化の埃を
確かめ払う
手足が上り
下りる踏台
読みづらい
字面よりも
著者肖像の
頁から左へ
捲り続けて
背表紙裏へ
格子模様の
水田が映す
遠い田祭り
古民家から
町屋までの
木虫籠の幅
振り回した
たも網から
落ちこぼれ
屋根裏から
古畳からも
縁の下まで
追い回され
行く先々へ
叩き出され
行き詰まる
身体の奥に
取り残され
ひょろりと
風に揺れる
雑草の群れ
ゆっくりと
バリカンで
刈りきれず
なぎ倒した
に過ぎない
作業疲れに
立っている
庭木の疲れ
知らずの陰
地の動きに
沿う立木の
微かな揺れ
より大きな
働きとなる
僅かなズレ
季節を巡る
虫を狙って
庭に訪れた
小鳥の姿も
忘れ去った
庭木の陰で
今にも崩れ
そうで崩れ
ない石灯籠
消し去った
火打ち石が
灯した静寂
茅葺屋根を
跨ぎ越した
甍の家並み
囲炉裏塞ぎ
反り返った
柱の罅割れ
横書きの雲
縦書きの雨
肌触り交差
畳み込まれ
左右に惑う
処世の裏表
還元される
標高の差と
地形の違い
対癖狂わす
魅力の体壁
探しあぐね
護送船団に
収まらない
落ちこぼれ
体型と姿勢
融通無碍に
はみだせば
川面を断つ
釣り糸から
目を離せば
ゆったりと
通り抜ける
裸身の影に
覗き込んだ
性の両岸に
明け渡され
雌雄を別つ
釣果を競う
三枚下ろし
放流地図を
試し尽くす
俯瞰視線が
肉体を離れ
遡行すれば
身体の極み
免許返せば
ドライブmy
ボディの道
足腰迷えば
下駄を履き
傾く右側へ
行き止まる
幅があれば
左へ寄って
入口出口も
分からない
身体が孕む
縦書き文を
奥から前へ
読み解けば
隣合わせに
向き合った
沈黙の相聞
右で守れば
残り時間が
気になって
効率を考え
整理をする
身繕いだけ
裸身を覆う
無駄や面倒
そのままに
左右分かつ
糸のような
言葉の像が
波紋を纏い
体癖が刻む
偶数と奇数
縦に数えて
西方浄土へ
向かう速さ
等高線から
まじわれば
上り下りに
状態線から
這い回れば
右から左へ
交差軸から
登りつめる
山頂の輝き
独峰を綴る
手書きから
縦走の谷へ
母の匂いを
跨ぎ越して
仰ぎ見れば
山並み遠く
近く波動が
響き寄せて
縦書きの指
探り当てる
出生の粘り
舐め動いて
闇に潜めば
泡立つ契機
黙契の波に
包み込まれ
深まる角度
貝の呼吸で
舞い上がる
海底の砂が
海面に巻き
上げる幻の
島の浜辺で
打ち寄せる
母の瓦解に
我を忘れて
五月の空を
孕んで走る
自転車から
降り立った
手足が辿る
縄文の眺め
握りしめた
胡桃を包む
村人の幻想
父母を遡る
無意識から
取り残され
切れ切れの
身体が時と
場を超えて
繋がったり
筋骨離れて
神仏と想像
突き放され
戻れないで
独り舞台へ
見え隠れる
母の物語に
立ち尽くし
通りすがる
角度が匂う
Y字路の奥
紡ぎあって
離人化する
縦糸と横糸
織り模様の
可動域から
綾なす角度
弱さの自覚
気付く程に
因果の果へ
春風を受け
秋風に晒す
雑踏を離れ
渚や川原で
夏の局部の
アフター5
色とりどり
決闘させた
田舎の裏庭
目見えては
母性の引力
気づかされ
擦り剥いた
唇と膝頭が
記憶する匂
ゴム製虫が
骨抜かれて
夕焼け雲に
aとtheから
挫折したら
若葉の季節
身体を満す
狂おしさが
芽生えたか
苦手の数学
がとりもつ
縁に捌かれ
棲み分けた
街と田舎の
境界の混沌
裏表もなく
言葉以前に
紡ぎ出され
父を殺して
母を生かす
出生地まで
決め手なら
身体に深い
縦書き文体
横書き文で
見失われる
殺戮の出自
武器以外は
戦地調達を
擦り抜けた
出生地から
梨の礫まで
抉り出され
近代崩れの
無表情から
横紙破って
心身を分け
隔てのない
握力で探る
目は前の方
耳は後ろで
匂う下へと
見下ろせば
丘から沢へ
左右の触覚
三点支持の
第一関門が
開け放たれ
閉ざされた
火口を開く
未知の境界
洞窟の奥へ
掻き出した
潮位と船底
微塵の歯型
痺れ震えて
登攀と下降
揺らぎから
とどまろう
とする働き
波動の先に
盛りあがる
谷間の呼吸
上手く揃え
たようでも
上手く違え
るだけでも
命の機微が
結び合って
表から裏へ
裏から表へ
生き抜ける
表裏一体を
そのままに
受け取って
釣り上げて
見てわかる
縦縞と横縞
ストライプ
好きな男と
女の交差線
水族館から
動物園まで
繋ぐ縞模様
闇の斜面で
上下に絡む
縞蛇の群れ
おたがいの
腹は見えて
見えない背
縦横自在な
割れ目から
響く斧と鉋
木の芽時の
ふらつきで
歩きにくく
低車高なら
跨ぎやすい
妻の自転車
辿りつけば
花筏が綴る
葉桜の余韻
さがせども
退くように
身を隠して
敷き詰めた
花弁が隠す
古老の人影
風に散り花
巻き上げて
傾く桜並木
公衆電話で
隣合わせた
メガネ美人
人伝の縁で
一宿一飯の
岡大学生寮
それぞれに
自分の信を
自覚する心
素膚の奥に
他者を敬う
無為の表情
何が信仰か
客観的じゃ
ない理性が
春雨に煙る
一人旅での
宇高連絡船
背戸の景色
背負わせて
ガラス障子
タバコ盆を
たたく音が
空に消えて
きざみ残る
三点支持の
足裏の響き
昼寝を挟み
担ぎ残した
背嚢の距離
お天道様が
数えきれぬ
後光の配慮
縦に割れた
背後に潜む
自在な複雑
見えないが
背負ってる
後ろの何か
気にしない
力と根拠が
前に向かい
行き過ぎず
気づかない
老いの場に
馴染まない
身体具合を
振り払えば
何が来ても
関係なくて
気にならず
胃腸が渡し
胴が進めば
手探り掴む
雪害もなく
過ぎこせた
庭に春嵐禍
小枝を折り
根を残して
古木を倒し
片付け前の
雪囲いなど
吹き倒され
想定外など
逃げを打つ
詰めの甘さ
老いるほど
だらければ
見えるもの
ゴロゴロと
寝返る体で
分かること
山道で迷う
前に学校で
自分を失う
方法を学ぶ
子どもから
大人になり
習慣の筏に
協調すれば
気づかない
乗り合せた
友達も同じ
流れに乗り
聞いて学び
見て学んで
飽きてきて
子ども同志
直感で学ぶ
なぜ生きる
乗り合せた
廃線の中で
見失なって
身構えれば
囚われ易い
苛めや洗脳
反応すれば
するほどに
狭まる視界
体型が抜け
答の在処に
囚われた頭
呪縛される
縮小体型へ
嵌め込まれ
身体溶かし
液状化する
停止線まで
消え去った
庭の根穴の
寄る辺なさ
托鉢ものに
蓋をしたら
翻った余力
勝手気まま
弄れなくて
持てあまし
手を拱いた
脱力視線で
眺めるだけ
頁を開いて
読み進めば
目で聴く音
作品ならぬ
道無き道の
外から内へ
白梅紅梅が
揺れ動いて
骨絡みの枝
所在無さに
床を捲って
穴倉の里芋
迷い抜ける
浜辺で拾う
貝殻合わせ
気恥かしさ
嗅ぎ分ける
土偶の欠片
匂う生壁に
押し付けた
嫌悪の物語
腑分けした
体内地図が
食い破られ
一見すれば
踏まれない
草叢のよう
そよぐ風が
撫で分けて
通う下草道
匂い誘われ
纏わりつく
息遣いから
探り当てた
鞍部を跨ぎ
春の斜面へ
土掻き分け
雌株と雄株
立ち煌めき
薫る窪みに
沁みる響き
海への源流
庭の斑雪に
辿り着いた
見えない跫
男から女に
手渡された
若いエロス
初乗りした
二人乗りで
書き変わる
手紙言葉が
身体の奥へ
溢れた日に
仕損なうが
死に損なう
祖父の口癖
公界からが
聞き違えて
苦界からに
人がヒトに
乗っかって
歩き続ける
歩く無駄が
呼び覚ます
気づき稽古
田舎庭から
五十年前に
郊外宅庭へ
移植庭木の
隔たりから
共存感へと
人格を認め
さんづけの
挨拶交わし
手足の先へ
枝分かれる
縦割りの光
雪解け庭の
水たまりに
逆さの庭木
翁と般若の
一位彫りが
背中合わせ
面を隠せば
幹が抜けて
枝葉だけに
立ち竦めば
親子継いだ
骨格が消え
立ち歩けば
大口海鞘に
吸い込まれ
老若泡立つ
軟体動物の
立居振舞い
凍てついた
道を歩いて
朝ゴミ出し
息を吸って
歩くだけで
通りが過ぎ
簡単な事を
何度となく
やってきて
季節により
日によって
違う体調が
未熟に育ち
老いる事に
裏切られて
骨抜かれた
骨格を消し
去る歩みに
降り積もる
碁盤目状の
街並み散歩
飛び跳ねる
融雪水避け
阿弥陀籤を
辿るように
折れ曲がる
道筋の選択
逸れ続けて
洗脳された
高麗鼠の脳
無意識から
弾き出され
縦割り身体
数えきれぬ
0と1から
抜け出して
分け入って
墜落し損な
った秋山で
滑落免れた
縦走路での
引っ掛かり
軽い体重や
荷物の幅に
助けられて
墜落夢から
飛翔夢経て
迷子夢まで
ドローンを
叩き壊した
ブーメラン
追いかけて
生命空殻に
追い抜かれ
季節と体が
擦れ違えば
自転と公転
スキーから
自転車まで
繋いだ季節
動き違えば
身体各部が
擦り合わせ
擂り鉢状に
老いの共感
振りほどき
骨折回復中
の妻と歩く
ナビモード
切り分ける
天動説から
地動説まで
冬の鉢巻が
凹む植込み
持ちこたえ
梢の囁きが
雪吊りから
伝い落ちて
雪解け庭の
枝葉の影で
仕切られた
庭土が翳り
根元に浮く
器官なき木
曲がり果て
雪折れから
立ち直って
痕跡を残し
限定された
場面の往還
握りしめた
雪玉の芯を
抜き出して
放り投げた
庭木の枝が
落雪に震え
融雪歩道に
消え残った
凍結の地図
雪解け匂う
風が運んだ
氷柱の傾き
獣道ならぬ
買物歩道で
見ず知らず
つかのまの
晴れ間から
溢れる挨拶
街道を挟み
仕事場まで
住居と往復
薄暗がりの
田舎の厠で
寝ぼけ眼に
谷筋の風が
吹き上げた
トイレの闇
山小屋から
季節を吹き
抜けた眺め
庭を作って
魔神を避け
豊作を祈り
神棚の高さ
身を畳めば
仏壇の低さ
壊し掴んで
重機揺らし
積み重ねて
路地の陰に
古き木造の
郵便局の跡
米屋時代に
運ぶ一俵の
60kgから
ビニールか
紙袋の5kg
や10kg入り
ゴミ袋へと
使い回せば
遠のく重さ
忘れ果てた
身体感覚も
行き詰って
ご当地から
ロケ便りが
届く映画で
振り返って
漕ぎ残した
自転車道路
出番遠のき
沈みがちで
玄関に鎮座
回し続けて
燃え尽きる
までもなく
見放されて
乗りこなす
速さと距離
翳す忘却の
湾岸自転車
ロード地図
神棚が庭で
庭が神棚に
置き変るか
量と質から
極めにくい
睡眠や食事
動物的にも
植物的にも
見計らって
生産性など
問われない
料理の稽古
食材求めて
凍結歩道を
回避すれば
楽しい事や
不愉快事も
漕ぎ分けて
手をつなぐ
図鑑好きの
孫との散歩
出会う虫の
名前は言え
ても触れず
蟷螂を掴ん
で見せたら
泣きだした
祖父の躯に
身を背けた
甥や姪たち
吐瀉物から
排泄物まで
鷲掴みする
感覚経験が
我ならざる
我を演じて
張りつめた
線から点へ
差し合わせ
始まるのが
事物が先で
言葉が後で
揺れ柳腰に
結ばれた個
から他まで
命と身体の
はじまりが
外界を計り
言葉に至る
人間の頭を
植物の心に
動物らしい
人間を身体
に絡ませて
お鏡は木を
削った物で
間に合わせ
注連飾りは
水引を丸め
てぶら下げ
老いゆえの
逃げ口上も
見掛け倒し
引き攣った
目元や顎の
噛み合わせ
不具合など
細い丸紐で
烏帽子巻き
伸びすぎた
髪を切った
軽やかさに
掘り返され
埋め戻した
季節限定の
山小屋の夜
跡形もない
登山ルート
鞍部に出て
振り返れば
見え隠れて
揺らぐ夜景
跨ぎ越して
見上げた星
住居からも
小屋からも
立ち退いた
短冊に匂う
一期一会の
囲炉裏端で
身を震わせ
払い落とす
庭木の着雪
家に留まる
身体細胞の
息苦しさに
気づかない
楽チンさを
纏った肉体
根元露わな
松の梢から
広がる吊縄
添え丸太を
縛り付けた
幹の手解き
生を活かし
班に溶ける
暮らしの底
曇天の玄関
センサーの
チャイムで
覗き込んだ
モニターに
一条の朝陽
冬場を凌ぐ
日溜まりと
南中の角度
溶けだした
庭雪の過剰
或は過小に
隙間を殺す
憑依の影を
埋め合わせ
建設的から
不毛までの
地獄の方位