十字路で立ち話(あるいはワッツニュー)
最終更新日:2020/12/29年々薄らぐ
年の瀬だが
煤払いから
いつの間に
高い所など
苦手な体に
マスクして
密集避けて
手洗いなど
新しい生活
様式が社会
基準となり
伸びやかな
心身呼吸を
見失なわず
生き生きと
力強くなる
姿勢を質す
スピーカー
ケーブルを
交換すれば
木彫御鏡を
飾るような
肌触りから
骨盤の向き
に釣り合う
胸骨の調べ
未知だった
体内姿勢に
目覚めれば
左右上下を
取っ替えて
引っ替える
兆しがする
使い古した
骨格や内臓
清流に棲む
ヒキガエル
近づく蛇に
体膨らませ
四足を張り
間合いとり
戦わずして
ぶつかった
骨格の向き
角度違えば
両者ともに
すれ違って
出会いなく
成り行きが
乱す姿勢に
向き合うは
整う下半に
上半違えて
暖房車内は
マスク姿に
スマホ操作
南北に走る
積雪歩道に
銀杏の落葉
東西違えて
黄金に浮き
茶色に沈む
換気を装う
隙間風から
取り残され
車窓を抜け
呼吸が届く
遠い山並み
はじまりは
不均衡から
立居振舞い
いきなりの
寒波による
背戸の積雪
長引く腰痛
間に合わぬ
事前の雪垣
老い負担が
重力めいて
集中しがち
力を抜けぬ
子どもらに
伝えられぬ
身体捌きを
どうやって
気づかせた
落ち葉など
払い落とす
老体の除雪
街路樹から
枯れ落ちる
枝葉の隙間
曲がり抜け
風のように
幹を避けて
通り過ぎる
人影の肘が
触った木目
樹液が流れ
根こそぎに
木霊する梢
無意識から
意識に渡る
三層の吊橋
小我からも
大我からも
かけ離れて
打ち込んだ
雪吊り杭が
庭の配管を
壊すなんて
掘りが浅い
手抜き工事
養生が薄く
老いた体が
揺らぎだし
真っ直ぐに
歩き出せば
傾きそうで
右回りから
左回りまで
同時に呼吸
崩れにくく
整う歩きの
重力と権力
両手で回す
錐を頼りに
穴を開けて
嵌め込んだ
板バッフル
スピーカー
腫れあがり
箸が持てず
匙で食べて
レコードを
載せるのに
凹凸合わず
溝を狙った
針おろしも
覚束なくて
鳴り始めた
響きに浸り
痛み忘れて
晴れあがる
庭で眼鏡を
外した眺め
美しからず
呼吸する体
儚からずや
わが身一つ
食を生きる
弁当の旨さ
食べるほか
なにものも
見返りなく
美味いから
それだけを
全うすれば
生命が輝き
存在を試す
自然治癒力
数えきれぬ
斜滑降から
覚えた滑り
伸び縮んで
開いて閉じ
左右の隙間
腹式呼吸で
開いた胸を
背へと担ぎ
上下が開く
背面回転で
自在な左右
肩が働いて
臍が動けば
腹が上下に
高さが違う
左右の間で
交互歩きに
左足を消し
右足浮かす
下駄履きで
踏み散らす
庭の枯葉を
拾い集めて
屈託すれば
身体に障る
関節の痛み
時を費やす
排泄に食も
細くなるか
老い暮らす
疲れ具合が
声を響かせ
身体の上下
左右を試す
姿勢定まり
柘植ならぬ
段作りした
枯れ枝の跡
裏表数える
柿の枝葉の
傾き具合で
真っ直ぐに
接ぎ木枝が
切り込まれ
根付きから
立ち上がる
傾き具合に
忍び込んだ
様々ならぬ
立ち会わせ
降り出した
雨脚が通り
過ぎる傾き
遠い田舎の
祭りの夜の
余興に飽き
祖母が待つ
家に何故か
いつまでも
帰りつけず
怯えそうな
物の怪など
暗がりから
撫でられて
竦む身体で
踏み出した
足の左右で
踏み分けた
半身が跨ぐ
中動態から
平常態まで
右から左へ
聞き逃した
爺婆の言葉
忘れた匂い
染みこんだ
教典の汚れ
左右いずれ
脱ぎ着する
着物を畳む
お手玉から
綾取りまで
時空を数え
初歩の夢を
手渡された
動きを託し
尻から胸へ
向きを反転
振り分けて
枝葉に隠れ
左右に開く
幹の開放性
山川草木を
辿り抜けた
等身大の夢
天地が誘う
括れからも
辿り直して
絡み合った
足形と腕形
噛み合えば
立ち所から
体幹に漲る
左右の張り
頭通り抜け
左から右へ
自在に反転
白くなった
山肌に残る
滑走姿勢が
滑ることを
止めた体に
残っていて
一本歯下駄
で立ち易い
右回り姿勢
右に向いた
下半身から
左向く胸板
スキーやら
自転車から
縁が切れて
出生以来の
乗り物たる
身体自体に
一日をどう
過ごすかは
起きてから
目覚めても
朝の運動は
その日だけ
何をしよう
が瞑想など
迷走の極み
ほとんどが
やりたくて
できぬこと
試しにやる
だけならば
自分らしく
生まれ動き
全て自分で
何かを行い
収穫どきの
カボチャを
指で弾いて
体の奥から
跳ね返った
可聴周波数
田舎家から
漏れ聴いた
他人の空耳
脛や腕から
抜き取った
バチさばき
四足歩行を
脱ぎ捨てた
二足の草鞋
歩み忘れた
歩行姿勢が
忘れ形見に
松の梢から
秋の高さが
見下ろせる
徘徊しても
塀より上に
登らない猫
左り回りが
軽快なのに
重い右回り
追いかけて
突き詰めた
匂いの体位
幻の国体に
惑わされて
生成消滅に
草木国土を
見下ろせる
悉皆成仏が
接木をして
蘇った旨さ
指折り数え
座布団返し
花札の陰の
焼け焦げに
めくっても
飾り気ない
日捲りの絵
酒焼けした
記憶の底の
湯呑み茶碗
捲りに捲る
頁に沁みた
茶渋の響き
もぎたての
水島柿から
木洩れ陽が
弾き出され
大風呂敷で
仕切りとり
体ごと持ち
込んでみた
縁側の戸袋
机入れたら
身動きなら
ぬほど窮屈
真っ直ぐが
最短距離で
なかろうに
背中越しに
見下ろせば
立ち上って
頭いっぱい
身体感覚で
満たされて
日陰になる
窓際を離れ
日溜まりへ
多年草から
一年草まで
刈り取られ
むき出しの
庭土を踏む
親指と腰痛
久しぶりの
ギックリ腰
持ち運べば
脛の二骨の
隙間が開き
下駄の横幅
膝曲げない
竹馬歩きに
乗りかかる
演って行く
なんとなく
演って来る
どちらから
でもなくて
こちらへと
倒れかかり
足の指から
頭頂を眺め
両腕両脚に
扇子の扇ぎ
揺らす辺り
左右決まり
身体開いた
限界が作る
確かな形を
得られれば
反転可能に
木犀香漂う
黒々とした
庭土を踏み
草履や草鞋
や下駄など
履き潰した
裸足の指で
水田の底を
探った素足
摺り足から
浮き上がる
主語の在処
握り具合の
手応え忘れ
拳の作り方
第三の観点
が成り立つ
内観と外観
内側からも
外側からも
届かなくて
考えること
静止すれば
倒れなくて
緩衝材なら
教養のあり
無しが要に
先入観から
再起動する
妄想までの
主語のない
無意識から
飛び出して
見落とした
紐で巻いた
意識の回転
見上げれば
雲間を動き
浮かぶ明暗
寝る直前に
気付いたら
デジカメに
イマココの
ズレを覗く
前後左右に
揺れ震えて
下は重くて
上は軽そう
昨日今日を
明日に繋ぐ
シャッター
もしかして
たらればで
ズレる時間
手で考えて
土踏まずで
思いを馳せ
足の甲から
立ち上がる
想念の伏流
体感すれば
心身が噛み
分けた経験
しゃがんで
肘を合わせ
スッポンで
水抜きして
水洗便器の
洗浄復旧で
身体動作を
洗い出して
揃える隙間
帰り道など
占ってみる
三本の道に
待ち伏せる
いじめっ子
避けたくて
街道筋より
裏道抜ける
か通学農道
走り抜ける
術もなくて
固まらずに
意に介せず
歩き続ける
自分の足が
刈り残した
庭の夏草が
剥ぎ取られ
剥き出しの
庭木の間の
間隔を抜け
近所の猫が
自粛を解き
往来を再開
刈り込まれ
整えられた
隙き間から
樹間を繋ぐ
蜘蛛の巣も
一網打尽に
樹皮を覆う
割れ裂目が
閉ざす眺望
盗み見るも
事程左様に
見様見真似
箸使いから
歩く姿勢も
駒落としで
再生すれば
見落とした
歪みと力み
使い続けて
気づかない
経年劣化に
艶消された
隙き間から
筒抜けても
漏れてくる
新しい響き
繋ぎ合わせ
手の消毒に
マスクなど
街ブラの枷
左右が違う
訳も知らず
妻の靴選び
猛暑も去り
下駄履きで
裏の草刈り
腰にわ紐を
巻くだけで
腰痛も緩和
身体を選ぶ
靴と違って
左右のない
下駄履きで
身体の働き
なごやかに
拳振り上げ
ても届かず
触れなくて
癇癪起こし
身悶えたら
解けなくて
骨董品から
鉢植えなど
委ねられて
宛先不明の
手紙に包む
末期の呼吸
吹き抜けて
舞い上がる
夜の帳から
露わになる
生きながら
卑怯な秘境
虹が見えず
消えた休み
を追いかけ
庭を掘って
泳ぐ練習を
夢見ただけ
どれくらい
掘り下げる
深さの試み
呼吸を忘れ
意識しない
本当の呼吸
距離だけが
浮かばせる
間合いから
さまざまな
生きものが
無意識変化
図書館から
一歩出れば
街中の灼熱
夏戸に替え
開け放った
田舎家の夏
鼠を追って
梁を曲がり
くねる嗅覚
肥え太った
青大将から
垂れる味覚
遠隔触覚の
枠の内外で
様変わる運
今を生きる
老若男女の
生活度合い
観天望気の
ログインが
途絶えた体
度重なった
割損ないの
方向音痴が
遅れ気づく
できなくて
あたりまえ
振り下ろし
呼び覚ます
主客転倒で
斧が身体の
感性を使い
真っ二つに
納屋の奥に
積み上げた
薪の隙き間
遠い山並み
高空の巻雲
来りなば秋
祖父由来の
庭に立てば
灼熱の雑草
花咲かせて
際立たせる
花のない庭
表替えした
畳や障子の
張り替えに
乗り遅れた
ぼろエッジ
スピーカー
母の手指が
草抜き続け
苔庭もどき
カバーして
持ち出した
立ち読み本
大型本など
買えなくて
棚埋まらず
作り付けた
書架が崩れ
落ちそうに
本は読むな
祖父の声が
仏壇の奥で
そんな暇が
ないほどに
身体を使え
擦り切れて
めくり難い
教典が3冊
訛りがない
のはなぜか
気がつかず
地元言葉に
消息を隠し
穿つ身の程
場を探して
修行すれば
唄い舞うか
鼻歌ひとつ
漏らせない
壊れた風呂
盥を水鏡に
聴き損なう
出自を尋ね
踏みしだき
孤から個へ
踏み分けて
長い梅雨を
忘れ去って
汗ばむ日々
孫と遊んだ
記憶のない
ロボットは
歩行以外に
寝起きして
回転したり
個でもなく
汗もかかず
孤でもなく
お座りして
手を合わせ
る姿勢など
命令以外の
縁や運など
料理に宿し
田舎の庭で
姉が植えた
実生の栗が
引越し先の
裏庭で育ち
伐り倒され
連れ添った
イチジクや
柿の木など
西陽を遮る
夏の木陰を
裏切る歳月
雑草が覆う
垣根越しに
迷走する蝶
紫外線まで
可視光線に
織りあげて
時と所など
想い出さず
忘れ果てた
LP再生でも
復活したら
蘇る部屋で
いつの間に
慣らされた
人工の音響
針を落とす
緊張感から
解放されて
聴こえない
サウンドや
輝きに触る
経絡を流れ
集い出逢う
体感と体観
山間を辿り
歩き疲れて
引き返せば
街道沿いに
灯り始める
家屋の明暗
鬱蒼とした
神社の杜が
閉じる息を
左手に聴き
お寺の裏へ
回り道して
山の匂いを
消し去って
村の裏道へ
身体記憶を
辿りなおず
呼吸の遍歴
嘘で固めた
シーソーの
両端踏めば
視点挟んで
いずれ傾く
自罰と他罰
騙し騙され
責任回避が
射程の範囲
先入観から
心身の歯車
噛み合わず
的を外せば
外すほどに
芯が増えて
身体に兆す
多元化する
中心性の実
桐の花匂う
木陰で習う
薪割りの音
炭の爆ぜる
寒さが乾く
火鉢の灰に
火箸で描く
植物採集や
虫捕りまで
引っ越して
庭木を移す
庭土を盛り
枯死を免れ
緑鮮やかな
松の根回り
風雨を聴き
傾く灯籠も
地震で崩れ
囲炉裏端で
こんがりと
焼かれた蝗
日露戦争に
駆り出され
なかったか
分からない
祖父の料理
の腕前の謎
煮て焼いて
蒸すほかに
下手物まで
料理の三角
はみだして
揚げ物なし
無くて七癖
魚嫌いなど
以ての外に
長靴履いて
草っ原から
昆虫少年が
孤独の虫を
補虫網へと
解き放った
身体を感じ
私でもなく
貴方でない
その間から
生まれくる
エネルギー
でもなくて
それら全部
ひっくるめ
広がる視野
が次の世界
に届く場所
職場からの
半ドン帰り
の横断歩道
渡る途中で
撥ねられた
車種コロナ
整形外科に
運ばれたが
打撲傷だけ
壊れた板を
担ぐ帰りで
雪崩に遭遇
凍結階段で
見事に転び
山では滑落
運なるもの
体のどこに
張り付いて
河原遊びや
山歩きでも
石を積んで
26個なんて
とてもじゃ
なかったが
竹馬に乗り
静止できた
覚えなんか
一本歯なる
下駄履いて
想いだせば
土踏まずで
拾い上げた
地軸の傾き
仙骨に乗る
骨の数から
紐解く母体
匂いを頼り
風に乗って
彷徨う身体
昆虫少年が
体位を翻し
体内観察へ
重箱の隅に
潜む鍵穴を
捜し回って
肢体ぐるみ
羽ばたけば
鳥だったり
こきざみに
もがくだけ
魚だったり
通ってきた
時空を巡り
騒めく無が
訪ね歩けば
剥き出しの
肌の微発泡
折り畳まれ
切れ切れの
家系の名残
川の土手を
迂回したら
山小屋まで
別離の瞳を
見比べたら
擦れ違って
駅のホーム
から漁港の
突堤までも
ことごとく
断ち切られ
エロスの網
縦横無尽に
分かたれて
分かちあう
はじめての
線分を刻む
幼い掌から
握りしめた
1を呑めば
どこまでも
探りあてた
0を埋めて
あてどなく
脇を締めて
隙を見せる
攻めと守り
自知欲から
身体知まで
加減を質す
水族館なら
なによりも
小魚の群れ
夏に向かう
庭の蜻蛉の
ホバリング
常に動いて
定まらない
基準の更新
恥を知らぬ
血が流れる
空席の眺め
身体知から
飛び去った
意識の行方
取り残され
抜け殻こそ
加減できる