十字路で立ち話(あるいはワッツニュー)

最終更新日:2012/07/03

ご無沙汰(12.06.29)

熱気を帯びた静けさ
耳鳴りのような虫の
鳴き声はまだ届かず。

本気で打ってきてね
スポ少に入りたての
小1の女の子が言う。

打ち返しやすいよう
手加減して山なりに
上げない打球で相手。

宜しくお願いします
基礎打ち前に挨拶を
忘れない小4男子も。

5年余り通い辞めた
中学の部活の男女に
かけられた挨拶言葉。

すっかり夏の装いの
教室の学生に挨拶を
残し知人の車で帰る。

衣替え(12.06.26)

文芸誌など吉本さんの
追悼特集が次から次へ
追いかけられないほど。

PCのアップグレードは
教材ソフトが対応せず
とりあえず見送ったが。

今月限りでクラウドが
使えなくなってしまい
どうしたものか板挟み。

自転車でこけたヨメは
受け身がうまく出来ず
打撲と擦り傷が目立つ。

デスクトップPCだけを
アップグレードしたら
ノートPCと共存できず。

反省的な意識家は常に
肯定断言的な輩に遅れ
衣替えの時期を見失う。

梅雨花散策(12.06.22)

いつも刈り込み過ぎ
庭の紫陽花を見れど
花盛りを逸したまま。

生気が戻らぬままの
街中に出たりすると
軒端に珍しい鉢植え。

トイレ休憩に立寄った
ビル内の店で見つけた
カミキリムシTシャツ。

昆虫少年の背格好で
薪割りを手伝っては
マダラカミキリ探し。

柘植の茂みに濡れて
隠れるカタツムリが
記憶する肌寒梅雨に。

その日限りの夏椿が
凍りついたみたいに
落花をふみとどまる。

中休み(12.06.19)

梅雨の中休みどころか
台風が迫ってますます
鬱陶しさが増すばかり。

相変わらず吉本さんの
追悼特集や記事を探し
目を通して書誌づくり。

途中著作書誌データの
まとめ仕事が入ったり
ヨメのあきれ顔が支え。

刷り上がりの凡例だが
使った書誌典拠用語の
「著者名典拠」に誤植。

“そんなもんなの”だと
由紀さおり『1969』が
聞えてきたような響き。

書誌の網の目を張れば
何処かこぼれてしまう
息抜きみたいなミスも。

夏への補助線(12.06.15)

梅雨時の映画鑑賞だが
5月の東映任侠劇から
米5,60年代の西部劇へ。

録り置きからの選択で
ウエットからドライに
部屋の空気も変わるか。

猛暑になれば二人とも
快適空調室内で怪談や
ホラー映画など愉しく。

あの日の夕刻に出かけ
落語を聴いた会館での
座席の座り心地の悪さ。

消火器は取り替えても
いざという時のための
緊急避難用物資備えず。

目先や孫子の暮らしも
夏バテ夏やせ知らずへ
日盛り避けて草むしり。

滞留前線(12.06.12)

梅雨入り宣言前から
日めくりの肌触りが
梅雨前線滞留モード。

フクシマの総括無く
時の首相があっさり
原発再稼働を宣言し。

ビジネスマンに習う
真似事でお茶を濁し
グローバルに逃込む。

学ぶべき前例もなく
踏襲すべき事例など
無いのをきっかけに。

オウム事件容疑者が
出頭したり隠れたり
同世代の生活前線は。

雪吊り支柱を外さず
そのままにしていた
庭の南天が立ち直る。

不首尾(12.06.08)

カエルの合唱なんて
滅多に聞かないのに
鶯だけが鳴き叫んで。

去年の今頃は自殺者が
被災地に集中しないで
全国的に2割も増えた。

大震災後の物心不安が
地域的に偏ることなく
小鳥や昆虫にも響くか。

1枚持ってた万札だが
半額だけチャージする
返金ボタンを押し違え。

出かけた先の教室では
しつこいくらい日本の
不備な二次資料事情を。

校正して編集に戻した
人物著作書誌データが
1件だけ抜けていたり。

渦つなぎ(12.06.05)

分厚く蒸し暑い曇空に
窓際の太陽光自転車の
置物がゆったり足漕ぎ。

5のつく日のドンツク
鶯に郭公の鳴声もして
近所の教団分室の響き。

朝方の庭先で見かける
毛虫の形も蠢く様子も
デジカメには残らない。

動画にしたって止まぬ
いのちの動きを複製し
蝶の彼方が閉ざされて。

穴堀を取りあげられた
モグラが栄養過剰など
知る由もなく死に絶え。

何処からか庭先に続き
床下を覗き込むような
蟻の行列の擬態を退治。

本日の花(12.06.01)

通勤先で草ぼうぼうの
中庭の花壇もようやく
普段着のまま化粧直し。

わが庭に数ある躑躅の
植え込みの葉は繁れど
花が少ないのは樹齢か。

いずれも自分の年齢を
超えるものばかりだが
居座り動かぬ猫のよう。

枯れてきた仏壇の花が
なぜか散り際のお袋の
佇まいを鮮やかに見せ。

庭木と共に引越したが
四季折々庭花を手折り
暮らしを飾る事もなく。

1週間前に覗いた時は
イマイチのFさん前庭の
バラの盛りを見過ごし。

乗り継ぎ(12.05.29)

週明けの通勤時間帯を
狙い撃ちする意地悪な
雷雨に窓の眺めも歪む。

ブルーマンデーに乗る
自転車の行く先々から
本日閉店で追い返され。

ローカル線を乗継いだ
年度末のひとり旅から
書き写した便りが届く。

野宿はいけないからと
阿波踊りを型抜きした
人形の腰つきに誘われ。

色白の声が眼鏡の奥で
囁くように公衆電話に
語りかけるのを眺めた。

自転車から列車に換え
夢列車の頁を閉じたら
どうやら雨も上がって。

回覧板(12.05.25)

人っ子一人いないような
バス停から路線バス内に
乗り込めばもう空調され。

カエルが鳴き始めたのを
耳にしたみたいな翌日の
電線に小雀が群がり鳴く。

あたたかな日より続きで
窓を開け放った歯医者の
治療台から傾いた眺めに。

スキー靴を足に合わせた
手際のようにブリッジの
噛み合わせを確かめつつ。

夕暮れどきに近所で遊ぶ
ちっちゃな子どもの声が
回覧板からこぼれ落ちて。

世代が代わったとたんに
軒先の雑草も伸び放題で
在りし日の草むしりの影。

落ちこぼれ(12.05.22)

若葉が秘かに揺れ動いて
好天気だった金環日食で
五月晴れが甦ったみたい。

庭に出て木立から洩れる
三日月型の影を眺めると
連れ戻される日食初体験。

九割ほど欠けたにしては
子供心に残った薄暗さも
ざわつき感も違うようだ。

松や柘植の影が映ってた
東向きの部屋の障子にも
無数の爪痕のような影が。

一段落した書誌データの
とりまとめ作業の手から
こぼれていた本は何処へ。

数日がかりで見つけ出す
落ちこぼれ司書のように
書物の空に透かして見る。

埋め合わせ(12.05.18)

新芽が出ない月桂樹が
庭の若葉を揉みし抱く
雨降りからも取残され。

風雨にさらされ勢いを
増す庭の新緑に際立つ
泰山木の生気のなさも。

歯の治療は復活したが
皮膚アレルギー症状が
スッキリ治らないまま。

なんだか過換気体質と
入れ替わったみたいに
過呼吸から遠のいてる。

急いで治らないことで
それがほかを治したり
なんてのも身体の内に。

手当たり次第の映画で
根をつめた作業後など
煮詰まり気分を解して。

食いしん坊(12.05.15)

老いの暇つぶしに空いた
土地を貸しますよなんて
やる気なしを見透かされ。

5月半ばと思えなかった
先週後半の寒さに振返る
田植えを手伝わされた頃。

山田は作業が大変だけど
里田に比べてひと味違う
なんて子供心で噛みしめ。

季節を選ばない野菜など
自作していた頃のものに
比べようもない味変わり。

目が点になる作業から
引きはがされるように
ヨメにそば屋に誘われ。

食は細くなってきても
好物のこだわりが残り
笊は一枚でも冷酒追加。

緑陰道草(12.05.11)

まるで梅雨のようだねと
話しかけられたバス停に
濡れそぼった若葉が揺れ。

緑の欲望を解放しながら
見果てぬ紅葉を通り越し
スーパームーンの裏側へ。

いつの間にか切り倒され
誰がどこをどう歩いたか
街路樹が道端に置き忘れ。

手入れなく雑草で覆われ
中庭に残った昨年までの
花壇に放置された眼差し。

半月前の忘れ物を探して
人気のない教室に入れば
寸分違わぬ場所で見つけ。

雨脚が遠のいているうち
図書館の借出し本を返し
やりかけ作業に座り込む。

GW明け(12.05.08)

小鳥鳴く庭木の若葉が揺れ
ちょっと冷やしたトマトや
果物がおいしくなってきて。

思うこととなすこと違って
岩瀬水上ライン運河遊覧も
録り溜め映画鑑賞もやらず。

国内の原発すべて止まった
連休の終わりは子どもらの
スポ少交流会場で付き添う。

ライトを浴びてコート内に
登場する子どもらも減って
ゲームのレベルも伸び悩み。

少数精鋭は成立たないから
ピンキリを旨く組織化して
全体的に底上げするように。

手持ちに無い資料の同定が
身近な図書館でままならず
ネット頼りの書誌確認作業。

新緑補助線(12.05.04)

傘を忍ばせて出かければ
曇り空高く飛び交う燕が
自転車だと良かったのに。

玄関の鉢植えから軒先の
藤棚まで一斉に花開いて
閑散とした連休の人通り。

シャッターが下ろされた
商店街の裏側で古本屋が
掘り出し物もなさそうに。

行く手を遮って止まった
宅配便の後部扉が開けば
密林ロゴの段ボール箱が。

開店を見計らったように
目指す音盤屋に近づけば
ヨメが今日は定休日だよ。

再開発ビルに誘致できず
病院の代わりに入ってる
大型書店はまだ経ち残る。

三日坊主(12.05.01)

朝陽に庭の柔らかい青葉が
眩しく揺れる塀際の陰伝い
家猫らしき一匹が覗き込む。

連休だからこそ二人出歩き
などしないのだがどうやら
運動不足が気になってきて。

週に三日ばかり5年ぐらい
続けた近所の中学の部活へ
出かけるのをやめたからか。

男女約20名ほど新入部員が
あったそうだが7名ばかり
ベンチ入りできる力がつき。

なんとか勝てそうな選手が
二人ほど育てば部員全体で
応援して団体戦に臨めよう。

とうとう刊行年の全領域の
データ掲載を先延ばすうち
著作リストの主に先立たれ。

復興前線(12.04.27)

なんだか今年の春は風が強く
街中を通れば店先の鉢植えや
駐輪場の自転車がなぎ倒され。

よく立ち寄った本屋はさびれ
掘り出し物を漁ったりできた
レコード屋など面影も残らず。

身の丈にあった買物ができた
商店街で途方に暮れた頃から
密林に出かけてネット買いを。

国内法人税を納めない会社で
買物などしたくない思いなど
蓋をしてしまうような品揃え。

ヒヨドリの鳴声が波形を描き
庭木の花を啄むのに飽きたら
小屋根の雨樋でしばし水浴び。

咲き揃った梨花の絨毯を望む
高架橋を過ぎる列車に乗換え
桜前線は東北辺りを視察中か。

花見鳥(12.04.24)

週末の朝っぱらからうるさい
キジの鳴き声に送り出されて
街中ではなく山裾の桜名所へ。

スーパーマーケットに立ち寄り
買物休憩してからがきつくなる
爺婆サイクリングのペダル漕ぎ。

相容れないからこそ隔たりを
計って互いに速度を合わせる
男女の歩み寄りが自立の原点。

海抜30mの庭先から一走りだった
120mも高い土手の松並木に連なる
こじんまりした桜並木が今年は遠い。

耕耘機が唸り始めた田圃の上で
ヒバリの初鳴きがこぼれるのに
残雪の山肌に姿を隠して見えぬ。

桜花に群がる嬉しそうな小鳥の
鳴声に望遠レンズを向けたなら
花枝の裏へまわって写させない。

架け替え(12.04.20)

春の小鳥が弾丸のように飛び
この冬の積雪に耐えた庭木の
八重桜や木瓜が一斉に花開き。

バス乗継ぎ待ちに花見がてら
街中を横切れば土手も丘陵も
分け隔てなく一斉に花開いて。

1年前の自粛騒ぎが嘘の様で
昼前だというのにこの人出は
行き場を見失った花筏のよう。

被災地でパチンコ屋と風俗が
儲かっているみたいに茶屋が
繁盛し遊覧船が花影を散らす。

咲き時や見所を見失いかけた
この春の身の程を切るような
夕暮れの風が吹き過ぎる川縁。

夜桜見物の賑わいをよそに
満員電車や満員バスを渡し
続けた大橋は架け替えられ。

春支度(12.04.17)

冬はやっぱり火燵でしょうと
4畳半に設えたのに転寝など
貪ること少なく出番を終えた。

空焚きしてタンクが空っぽの
ファンヒーターを片づけたり
した後とは違う部屋の居心地。

どうにもやりきれなくなって
近所の中学の部活コーチから
解放されたみたいな平日午後。

小・中・高を抜けてきた先で
この問題の答えはどこにある
みたいな質問ばかりが目立つ。

玄関に自転車を留め置き始め
裏の物置から引き出さずとも
すぐに乗り出せる心地よさが。

声がかかったりしたら応える
やりとりがうまく運ぶような
定年後の居場所探しから帰る。

三回忌(12.04.13)

遅まきながら桜がほころび始め
梅やコブシが咲き揃っていたり
予報とは大外れの眩しい日和に。

お袋の満中陰で数少ない縁者や
檀家のお寺さんとのかかわりも
途絶えてしまっている仏間の朝。

仏壇の花器から溢れそうな花に
好物だった煎餅を供え二人とも
お経はできないからiPodで代行。

葬式の次の日に授業に行ったり
費用を義援金に回してしまって
一周忌を営まず不義理を積重ね。

始まったばかりの授業2コマを
済ませて帰ったバス停でヨメと
待ち合わせ近所の寿司屋で寛ぐ。

お土産にお袋の好物の巻寿司を
仏壇に供えて手を合わせた傍ら
お昼にヨメが供えたどら焼きも。

追悼(12.04.10)

桜の開花も遅れているようだが
朝方に小雪が舞ったり自転車に
乗れば天気雨に見舞われそうに。

週刊から月刊誌へ移った追悼文を
図書館だけでなく近所の本屋でも
手に取れなくなった文芸誌の距離。

いま・ここに生きて在るがままを
昭和30年代の末に雑誌で出会った
吉本さんの文体で肯定されたのか。

小六からバイトで小遣いや学費の
たしにもならない様なことを続け
神武景気の右肩上がりで後押され。

戦後の経済成長が底をついていた
札幌冬季五輪や浅間山荘事件など
遠く眺めながらどうにか所帯持ち。

子育てを終えた先に待受けていた
母の在宅介護を中断させた死から
始まった朝の黙祷に新たな深まり。

接続不良(12.04.06)

急遽FAX受信が必要になって
気付いた手持ちプリンターの
機能設定で接続を済ませたが。

昨秋から1年部員がサボって
近所の中学バド春休み部活が
冬眠から冷めない動物みたい。

先輩部員たちや顧問の先生も
そ知らぬ顔だがコーチすべき
相手がいなくなればおしまい。

5年前に女子部員に頼まれて
続けたが後輩部員が皆無では
今年度の電話依頼に応じない。

武道の必修科目化をいう前に
子どもの自由な意思力発揮の
場となる運動部活の見直しを。

FAX通信が駄目だったようで
近所のスーパーへ出かけたら
未受信記事の掲載誌があった。

春嵐(12.04.03)

朝から南風が吹き荒れ放題で
近所の中学校の体育館までの
行き帰りもまっすぐ歩けない。

隙間風が気になる築40年の
我家の2倍以上の年輪になる
剪定済みの庭木も揺れが凄い。

ガタがきているけど新築時に
防音を施しておいた部屋なら
暴風や雷鳴もさほど感じない。

収集ゴミが道路に飛散したり
低気圧が被災三県に近づけば
未処理の瓦礫も飛ばされよう。

被災地とそうでない地域とで
二分されたみたいな色分けは
事故後の汚染に対する恐れに。

わずかでも危険性が残るなら
万が一はないということから
なんでもありに切り替わって。

空き地めぐり(12.03.30)

製氷皿を傾け不揃いの区切りに
均等に井戸水を流し込むうちに
端っこから溢れるようにこぼれ。

メジロどころか雀も見かけない
電線が揺れる曇り空に煽られて
飛んでいるのはカラスばかりに。

とっくに昆虫が消えた侘しさも
あたりまえみたいに眺めていた
空き地に家を建てる槌音が響き。

久しぶり夕飯前の自転車散策で
急ごしらえの介護施設ばかりか
空き屋となった住宅も目立って。

ギアをローに入れ替えた先では
夕陽に染まった残雪の山肌遠く
野焼きらしき煙が春霞のように。

写したい風景に出会わなくとも
田畑に沿った二本の道路を繋ぎ
砂利で埋めた更地を抜けてみる。

冬の出口(12.03.27)

融雪ホースはとっくに片づけたが
朝方の通りすがりの雪化粧の庭で
とまどうように鶯が鳴いたりして。

春分の日を過ぎたあたりの朝陽が
2階の書斎の窓から差込んできて
ようやく身体が越冬気分から抜け。

過換気体質と入れ替わったような
この冬の化繊アレルギー体質だが
鼻炎は免れ風邪もひかない日々に。

冬もお袋の在宅介護をやってから
灯油と電気のハイブリッド暖房で
乾燥し過ぎない冬越しを心がけた。

新聞から週刊誌へ追悼記事が移り
風邪をこじらせたみたいな肺炎で
亡くなった吉本さんが惜しまれる。

堆く積もった庭の残雪も跡形無く
何時でも何処でも吉本さんの背が
見え隠れしていたような安心感も。

試し乗り(12.03.23)

不安定な季節の空模様を伺いながら
組み立てが終ったばかりの自転車で
あたりを走れば梅が膨らみ鶯の声が。

木製のラケットをスチールにしたり
単板のスキーを合板に履き替えたり
30年乗ったサイクリング車との違い。

クロスバイクの組み立て中に無理な
体勢で作業したつもりはなかったが
組み立て終わった晩の運動で痛みも。

内申書に部活歴を残す以外のことは
いっさいやろうともしない子どもや
追・再試も試さない学生が目立った。

クラスの大多数が塾で勉強してるから
じぶんはしなくていいと突っ張っても
現場の誰が本気で受けとめてくれるか。

家庭や学校を尻目に未踏のロードへ
最低限の出席日数と60点ぎりぎりが
努力の限界みたいな調整済みギアで。

越せなかった冬(12.03.20)

寒さがきびしかった冬の名残り雪が
消えるのを待ってたみたいに庭師が
雪吊りを外して片づける手際のよさ。

吉本さんを悼む記事が載った夕刊や
朝刊を各紙取りまとめて横浜に住む
知人から送られてきて元気づけられ。

昭和の終わり時もスキー場にいたが
望みどおり昭和天皇より長生きでき
親鸞の91歳に近づきつつあったのに。

20年前の書家との対談が本になって
届いたばかりのページをめくっても
著者と呼吸するいま・ここは何処に。

スキーからサイクリングへ乗り換え
半製品のクロスバイクをできるだけ
日にちが過ぎるように組立てながら。

新著の書誌事項を吉本著作リストに
アップデートし続ける日々の終焉を
猫々堂主人の吉本資料集が越えゆく。

お疲れさま(12.03.17)

シーズン2度目の日帰りスキー帰宅後
NHKの7時のニュースに思わず夕食の
箸が止まってわけもなく涙ぐみそうに。

十数年前の夏に吉本さんが溺れて重体
のニュースに著作でしか知らない人の
死におそれおののく我が身に出会った。

この日を迎える練習など糸井さんだけ
とても真似られないからさしあたって
ネットで手当り次第に訃報を探したり。

吉本さんが好んだらしいジャガイモの
ソース煮込みやレバカツじゃないけど
ヨメの手料理を肴に立山を酌み交わす。

三歳で父を亡くし育て上げてくれた
母の死に際に思い知らされた不在の
父の死がもたらす父性との別れとは。

ありがとうございましたなんてまだ
いえないくらいとまどうだけだから
ありがとうございますと口ごもって。

雪衣(12.03.13)

まだ片づけるには早すぎるのに
先週末の雪をともなった春一番で
背戸の雪垣が呆気なく吹き倒され。

落ちた屋根雪の押さえも消えて
軒端に立てかけた4本の柱ごと
引きはがされるなんて久しぶり。

裏返された上に積もった新雪で
重くなってヨメの手をかりても
引き起こすなんてとてもできず。

4度目の大雪はなさそうだから
とりあえず柱から板を取り外し
軒下に立てかけるようにしまう。

瓦礫を覆い隠した雪が融けても
一向に片付きそうにない東北に
春を先き延ばすような寒波だが。

久しぶりに読んだ詩集の中から
3.11を弔うかのように舞い落ち
血汐の中まで雪は万遍なく降る。

ちぐはぐ(12.03.9)

数年ぶりの歯の治療が長引いて
上下の歯ぐきの老化の具合だが
どうやら天地の違いがあるのか。

歯科の予約日がスキー日和になる
めぐりあわせの日々を数えながら
シーズンも残り少なくなってきて。

ある程度の繰り返しがないと滑る
技の気付きも少なくなってしまい
現状維持そのものが途切れそうに。

出かけられたとしても夫婦ともに
とても以前のように滑りこなせず
互いの衰えを確かめ合うことにも。

来週あたり雪になりそうな予報に
コンディションのいいゲレンデを
期待しないではおられないのだが。

さしあたってできるかぎり愉しみ
夢中になって空っぽになるような
ひと時を暮らしの中で保てないと。

店じまい(12.03.06)

出歩いたら雨に濡れるというよりも
大雪の跡を消し去るようにあたりに
たちこめた雪融け濃霧にぐっしょり。

学科の懇談会に出て嬉しかったのは
司書科目をとった卒業生の数名だが
公共図書館でほぼ働けそうな運びに。

若いクラス担任教官がかいがいしく
煮えた鍋料理を小鉢に取り分けたり
年に一度の合席を男手が繋ぎ合わせ。

学科の年配者と若手のパスワークが
自在に回るように時間講師の後釜に
狙った人材が先輩講師に先を越され。

40年前に引っ越してきてから家電の
おつきあいが続いていた小売店から
この3月いっぱいで店じまいの挨拶。

焦土となった戦後の市の中心部から
生活を復興する働きを示した大人の
指標の後の世代が実感する価値観は?

何食べたい(12.03.02)

近所の屋根雪の残り具合が様々でも
月が変わったとたんにあの大雪など
どこか忘れ去ったみたいな暖かさが。

カニ漁に取って代わった蛍イカ漁の
点滅するLEDもどきのテレビ画面に
ワケギを添えた酢みそ和えが重なる。

北陸の冬の味覚のほとんどをヨメが
愉しませてくれた食卓からこぼれた
アンコウ鍋にようやくありつけたが。

冬場も食堂メニューに冷や奴を置き
続けてもらったりしたがことのほか
ウニにもアンキモにも相性が良くて。

まだ解しきれない運動疲れのような
割り切れなさを纏ったみたい心身を
賄い続けてくれる食卓があればこそ。

おんぶにだっこで食いっ逸れもなく
お昼に鴨ネギと穴子と稲荷うどんの
どれがいいなんて迷ってしまいそう。

冬場を愉しむ(12.02.29)

昨日みたいに歯医者や部活の予定もなく
見事に晴れ上がった冬の朝を待ちかねた
みたいに車を呼んで近くのスキー場まで。

歯科の医者と技工士の夫婦が二人三脚で
営む近所の歯医者の立ち姿と違うけれど
いつの間にやらスキー仲間が夫婦だけに。

シーズンオフのバドミントンにしたって
二人とも冬場を愉しむ体力を保てるよう
続けてるだけで自在な上達にはほど遠い。

季節外れの真冬日みたかった立山山麓の
上質ゲレンデで何組か夫婦スキーヤーが
中高年のキャリア・シュプールを読ませ。

斜面の分岐点にあって旨いコーヒーや
ビーフカレーや山菜漬などシーズンを
味で繋いだ小屋を眺め起こす跡形なし。

筋肉疲れより初滑り感が勝ったような
デジタル双眼鏡で撮ったゲレンデ姿を
PC画面に映せばヨメの笑いを誘い出す。

読み人いずこ(12.02.24)

しっとりした雨が降り出してまもなく
もやっとしたあたりの雪の原っぱから
薄ら立ち上ってくる春一番の前ぶれが。

“融雪雨”と“融雪霧”との違いを見分ける
沈黙の吐息を肉声のように聞き分けたら
冬モードの身体から抜け出てしまいそう。

かろうじて生き残ってる校下バド仲間と
袖擦りあうようなゲームを愉しんだ晩に
幼かった頃の友だちの事など浮かび消え。

疾病利得などあり得ない季節感が漂った
大野更紗『困ってるひと』は難病女子の
闘病記の書棚を突き抜けていま・ここへ。

追・再試課題提出が半数を切っていた
自称本好き司書課程選択学生の目線は
大正期以前に触れたりする前に巣立つ。

200万冊もあるといわれる明治以前の
書き物の1パーセント余りしか今様の
母国語で読めないという神保町に佇む。

ほどほどに(12.02.21)

スキーに出かけたくなるような日もなく
二月半ばもすぎてようやく冬の天蓋から
日差しが漏れるようになって庭木も一息。

屋根から滑り落ち縁側や背戸をふさいだ
除雪もそこそこ晴れた界隈の散歩がてら
二人だけの寿司屋で一足先に春を味わい。

長引きそうな歯の治療の合間に愉しんだ
食のひとときのあとは由紀さおりの声で
配膳された1969年ヒット曲がデザート。

一気に禁煙したり2年ほど断酒できたり
歯茎の麻酔後の痛みも鎮痛剤に頼らずに
やり過ごすうちにどうでもよくなりそう。

あれほどのこだわりをどう通り抜けたか
なければないであればあるように付かず
離れずおのずから身のほどが立ち行けば。

狭い部屋での木刀の扱いが侭ならずとも
雪かきは三度目位から腰や身体の節々が
あまり痛んだりしないような捌きを覚え。

  • British Library Sounds(音楽資料や録音資料、環境音等5万点を提供するウェブサイト) http://sounds.bl.uk/
  • 米国国立公文書館の館長が挙げた、アーキビストに求める12の能力(カレントアウェアネス・ポータル) http://current.ndl.go.jp/node/20200
  • 大阪市立中央図書館「電子書籍はじめのいっぽ」に行ってきた。(みききしたこと。おもうこと。) http://d.hatena.ne.jp/xiao-2/20120218/1329579823
  • 無料であらゆるファイル再生可能&コーデック不要なプレイヤー「VLC」(GIGAZINE) http://gigazine.net/news/20120220-vlc/
  • なぜWebではなく電子書籍なのか?(@IT) http://www.atmarkit.co.jp/fwcr/design/ux/d89clip39/01.html
  • 【小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」〜世間に転がる意味不明】:例のアンケート調査とハシズムの“善意”(日経ビジネスオンライン) http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20120216/227276/
  • 時代の風:公文書の不在=東京大教授・加藤陽子:根幹に政治の不在(毎日新聞) http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/news/20120219ddm002070081000c.html
  • 近代礼法書にみる図書館のマナー/呑 海 沙 織(図書館情報メディア研究第9巻1号)[PDF] http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/limedio/dlam/M10/M1089140/8.pdf
  • 光市母子殺害事件 本村さん「皆、敗者」(nikkansports.com) http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20120221-906823.html
  • 【HTML5 Dev】5分で学ぶ HTML5:旧式 Web ブラウザとの後方互換性(japan.internet.com) http://japan.internet.com/webtech/20120215/1.html
  • 配架作業(12.02.17)

    予報外れの昨日の昼前からの好天気が
    大間違いだったみたいにいま・ここを
    埋め尽くさんばかりに降り積もる雪が。

    スキーやサイクリングは4〜5時間も
    あれば充分愉しめるが一本の映画だと
    ちょっとどこかへ旅したような気分に。

    昨年暮れから録り置いた長尺映画の
    『ヘヴンズストーリー』を見終わり
    家族のいま・ここが聞こえてきそう。

    後期授業絡みで評価表の提出も終え
    どこか為にする読書から解放された
    平川氏の新刊2冊が合わせ鏡のよう。

    3.11以後の経世済民を考える志と
    父の介護とが糾える縄のごとくに
    いま・ここをあぶり出し語りかけ。

    点と点をつなぐように線引けない
    生と死を並べて閲覧できる書棚の
    文学のあたりに配架するとしよう。

    横筋が走る(12.02.14)

    例年にない厳しさを感じる昼間の
    寒さで溶けにくい屋根雪の厚さは
    屋根瓦一枚毎の重みを記憶するか。

    棄てた映画の録画テープの題名が
    大体どこに置いたか並べた場所に
    記憶されてその面白さのまま残る。

    VHSに取って代わって増えてきた
    録画ディスクをベンチ裏側の箱や
    空箱におきっぱなしで何が何やら。

    昨年暮れあたりからテレビ画面に
    横筋が走ってよく見れば二本線が
    左から右へ薄くなって消えてゆく。

    引き込まれるようないい映画だと
    見えないようだがどうしようもなく
    つまらないと場末の映画館みたい。

    それぞれふたつの点を結ぶ二本の
    線で切り取られた画像の幅が狭く
    一本の線のような面積が気になる。

    噛み合わせ(12.02.10)

    もうスキーに行ってもいいよという
    お言葉で皮膚科通いもおしまいだが
    初滑りを先延ばすように降り止まず。

    歯が抜けて通い始めた歯医者の方は
    ガタついてる歯の治療も必要になり
    近所の寿司屋行きも間遠になりそう。

    われながら口蓋内の順応性が良くて
    5本まとめてかぶせた仮歯が馴染み
    人工物を加え込んだ違和感も薄らぐ。

    ヨメが気を利かす料理も柔らかそう
    なのに噛むとなると治療中じゃない
    片側に片寄ってしまったような癖が。

    人それぞれ齧り続けなきゃならない
    日常に何も起こらないのがとっても
    いい噛み合わせとなるような日々に。

    数少ない歯で食べ続けた母の介護を
    いささか齧ったりした事もあったが
    憶えのない父の介護は見当もつかぬ。

    音声不良(12.02.07)

    第2波の寒波も去ったし年度最後の
    授業のほうも一段落して後は学生の
    課題や演習結果を見て評価するだけ。

    体調不良で後期授業を休んだ学生ほか
    幾人かが履修をリタイアしたみたいな
    消え方をした教室に残された沈黙の声。

    できなかったことができるようになる
    面白さや不分明さがはっきりしてくる
    子どもや学生の沈黙を聞き損なったか。

    ポコンツオーディオ機器も不調なのか
    なかなか音が出なかったりしたせいで
    見始めは冷めた感じで盛り上がらない。

    昨日は朝一で近所の皮膚科治療を終え
    スーパーボウル中継を楽しみに帰れば
    今シーズンの放映を見ていない自分が。

    レギュラーシーズンの展開を見てきた
    沈黙の時間が欠けてなかったらもっと
    聞こえたり見えたりしたはずだろうに。

    帽子に杖(12.02.03)

    持ち越した除雪疲れを解すように
    差し込んできた朝日に輝きながら
    あちこちで着雪が舞い落ちてきて。

    払い落とす庭木の綿帽子が重くて
    暖冬続きで縮小均衡の吊り具合の
    庭木の雪吊りの支柱も傾いてるが。

    雪吊りなども業者任せにしなかった
    祖父の冬の出で立ちといえば帽子に
    マントを羽織って杖を手にしていた。

    38豪雪の頃にどこか名残があって
    真冬日ならずとも世のお父さんの
    通勤姿にまだ帽子を見かけたもの。

    背広やネクタイに縁が無かったが
    色褪せた祖父の中折れ帽の下には
    祖父の生きた明治・大正・昭和が。

    竿竹で庭木をはたきながら響くか
    手ぶらの外出を嫌がったみたいな
    祖父の杖に仕込まれていた何かが。

    雪かき(12.01.31)

    「よく降りますね」を挨拶代わりに
    断続的に1週間降り続いて中休みの
    晴れ間にあちこちで高齢者の除雪姿。

    滑り落ちた屋根雪が小屋根に届き
    埋まって見えなくなった雪囲いや
    冷暖房用の室外ユニットの雪かき。

    戸別負担で融雪道路が普及したが
    男手の足りない家族の除雪作業を
    地域で助け合う習慣は溶け去って。

    老人のいる引き揚げ寡婦家族への
    いじめもあったが貧乏なるが故に
    隣近所が助け合う豊かな関わりも。

    高齢者の住まいの雪下ろしなども
    一升瓶ぶら下げたお礼で済んだが
    この頃は1時間3千円出さないと。

    三反百姓の農作業から縁談までの
    手助けや配慮もあたりまえの如く
    お返しなどひとつもなさぬままに。

    気まぐれ雪(12.01.27)

    市内を二分する河川と丘陵地をまたぎ
    路線バスで往復したりすると西と東で
    積雪が随分違って渋滞予想も外れがち。

    皮膚科と歯科のハシゴをした近所の
    幹線道路は圧雪ででこぼこしていて
    融雪装置のある生活道路を選び歩く。

    歯の被せ物がぐらついて抜けそうで
    そのうち治療になどと構えていたら
    歯ごとぽろっと抜け落ちてびっくり。

    痛みもなく外れないようにしていた
    食事時の感覚なんてどうでもよくて
    的外れの思い込みに頼っていただけ。

    十数年悩まされた左肩の痛みが消え
    長年使い続けてなにごともなかった
    化繊の浴用タオルや下着アレルギー。

    心身感覚に頼るというよりどうして
    生活感覚をやしなうかで人それぞれ
    喜怒哀楽の感じそのものが違いそう。

    螺旋開き(12.01.24)

    朝のラジオのローカルニュースだと
    市内の積雪は5センチといったのに
    家のあたりは30センチでまぶしい。

    この冬2回目の寒気が屋根を覆って
    白いカバーをかけたまま読みさしの
    本を伏せた主人はどこへ除雪に行く。

    半袖短パンで寒がらない部活の子の
    半数以上がクラブの子が占める日は
    部活動の根拠も消えてなくなりそう。

    冬の片隅から夏の季節を開くように
    全豪オープンテニスをのぞき見たら
    錦織選手がベスト8に勝ち上がった。

    開いたまま置いたのに頁が閉じない
    宅配で届いた本の製本が素晴らしく
    電子書籍みたいに開き癖不要なのだ。

    長いことラケットのガット張りなど
    やっていないが貸出に貸出を重ねて
    背が傷んだ本の修理も忘れたようだ。

    暗箱(12.01.20)

    まあ一杯ぐらいならいいですよなんて
    医者のお許しで1週間ぶりのワインが
    おいしく感じないのはどうしてだろう。

    右手でラケットを振り抜き出す身体の
    左手や肘の扱い方や両足で滑り降りる
    斜面で両腕のバランスや杖の握り方を。

    気力も体力も落ち目になってはじめて
    まだ残されている力を力まず滑らかに
    発揮する面白さに気付かされたりして。

    選択制とはいえ司書科目の後期めがけ
    ドロップアウト履修生が目立ってきた
    なかに体調不良による離脱者がいたり。

    他県からやってきた学生だったようで
    クラス担当教官から言付けがあったが
    履修取消届けの文字が細かに震えそう。

    はるか窓の向うの冬木立ちで越年した
    枯葉と見まがうばかりに枝から枝へと
    群がり動いている鳥の鳴声は聞こえず。

    骨休め(12.01.17)

    朝早く立山山麓スキー場の空あたり
    晴れ上がってきたのがうらめしいほど
    初滑りは皮膚疾患が治るまでおあずけ。

    近所の皮膚科で処方された塗り薬と
    飲み薬の併用で症状が良くなるほど
    化繊アレルギー抵抗力は身につくか。

    顔や身体の関節あたりに症状が残り
    薬や断酒を止めても再発しなければ
    大丈夫ということなんだろうけども。

    巻き添えを食らったみたいに飲酒を
    自粛気味のヨメにジントニックなど
    作ったりしても欲しがらない自分が。

    痛い痒いで眠られそうにない左手を
    右手はどう感じているのだろうなど
    両膝や両肩や股関節の連動を夢見て。

    晩年に身体の痛みを訴えること多く
    祖父やお袋が嘆いていた頃の想いが
    様々な層をなして冬景色を吹き抜け。

    時を着込む(12.01.13)

    凍てついたような川原の立ち木や
    鉄塔でじっと動かない鳥の姿から
    藁靴や雪下駄の遠い時間の面影が。

    寒さ続きで防寒ブーツを新調したが
    保温性の高い化繊物の下着も替えて
    アレルギー性皮膚疾患を治さないと。

    正月酒をのめるだけのんで近所の
    皮膚科に出かけたら酒だけじゃなく
    摩擦しやすいスキーも控えるように。

    スポ少や部活の子どもらや授業時の
    学生らにうつったりしないものだと
    確認できたがオマケももらうことに。

    動植物的なものから化学的なものへ
    衣食住の生活時間の変化が時として
    身体に蕁麻疹みたいに現われるのか。

    農耕的な春夏秋冬の暮らし向き深く
    ものごころに刷り込まれてしまった
    時間感覚とせめぎあう都市の暮らし。

    タイムラグ(12.01.10)

    授業や部活が始まる前の初滑りも
    足止めするような空模様の毎日で
    三寒四温の冬のメリハリは何処へ。

    暖冬で始まった冬も寒さが続くと
    葉もの野菜が高値続きで鍋物など
    食卓の愉しみ方も様変わりしそう。

    成人式を終えた若者がTVカメラに
    異口同音に年金や節電のことしか
    喋らないのはやらせインタビュー?

    所得倍増など右肩上がりし始めた
    頃の若者は成人を迎えどんな事を
    語り合っていたか思い出せないが。

    先の見通しなどまったくないまま
    その場限りでどう生き延びるかに
    振り回されたような日々を繋いで。

    先の事など眼中になかったような
    先行世代のとばっちりを受けても
    シックスセンスを発揮する若者に。

    橋と冬鳥(12.01.06)

    正月の休みモードから身を起こして
    昼時を跨ぐ春休み部活に顔を出せば
    “アケオメ”や“コトヨロ”に迎えられ。

    言葉を呑み急いではしょったみたい
    ゴミ集配所に折り重なる酒瓶の山を
    数えるように雪が降り積もってきて。

    年賀でもらったお菓子の名から知る
    自転車散策で馴染んだ松川に架かる
    七つの橋が南北に通わせていた名前。

    買って読んだ本を著者から献本され
    夫婦で重複購入してしまったCDなど
    棄てがたい品々を喜んでくれる氏名。

    逃亡の橋桁を数えながらくぐり抜け
    17年ぶりに出頭してきた容疑者など
    とっさに見分けられる勤め人の顔付。

    しめ飾りを数えたりした行き帰りに
    行き先が知れず飛び去る冬鳥が鳴き
    架け損ねた橋に言葉を仮橋に渡して。


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