十字路で立ち話(あるいはワッツニュー)
ファウルで
粘ってたら
四球になり
なんてのを
よく見かけ
るようだが
20球目を
ホームラン
なんてのは
初めて見た
老練打者と
新人投手の
かけひきが
プロ野球の
TV中継に
球場で見た
名場面など
思い返され
気温が低い
朝のうちに
ペダル踏み
足指の握力
ハンドルを
握る握力も
弱くなって
掴み損ない
取り落とす
たまさかに
蹴つまずき
そうになり
身をこなす
不自由さが
きっかけで
あれこれと
試しながら
綴る身体へ
はるか昔に
孫遊び用の
買い置きが
見つかって
組み立てる
ロボットの
小さな部品
細かいネジ
を扱いかね
小さい活字
薄い印刷の
読みずらさ
電子書籍で
拡大すれば
読みやすく
逆らえない
見る操作や
指遣いなど
霹靂雨やら
集中豪雨の
線状降水帯
タクシーで
買い物した
連日の猛暑
押し流され
たみたいな
束の間の涼
夏バテ気味
の食欲など
取り戻して
晴れ間には
虫交換済み
自転車乗り
買物済ませ
無事生息を
ライン通知
独り住いに
三人掛けの
マットなど
忘れていて
今はいらぬ
と思っても
やがて来る
頼れるもの
など失われ
身体と心は
真逆の求め
方をするが
身体感覚は
その間隙を
埋める働き
経験の中で
こそ分かる
求める感覚
庭木も騒ぐ
久しぶりの
雨脚の通過
今度は前輪
空気抜けで
乗り損ない
傘をさして
出かければ
雨もあがり
蒸し暑さに
日傘代わり
さして帰る
昼下がりに
蝉も鳴かず
雨跡も乾き
夏の手錠が
引用された
頁は何処へ
地震や津波
そして台風
の天変地異
体調などに
なんらかの
影響が及び
買い物など
外出しても
へばりそう
呼び水して
動き出した
新調ポンプ
井戸の底で
狂いが生じ
てきたのか
半世紀前の
掘削構造を
問われたが
数日前には
快調だった
後輪に漏れ
パンクより
へたった虫
の点検交換
する暇なく
ママチャリ
に乗り換え
行き帰りに
蝉時雨など
無縁の熱風
買い物帰り
を出迎える
虫なき庭に
ひらひらと
迷い込んで
何処へ消え
じわじわと
暑さを増す
午前の一時
熱いカップ
なみなみと
冷めるまま
飲み干せば
涼しくなる
身体の基層
保冷庫から
取り出した
ハウス蜜柑
半冷凍した
バナナから
トマトまで
内蔵の層も
冷ややかに
午後の一時
老朽化した
家の水回り
トラブルで
止まっても
数時間後に
自然復旧し
たポンプの
交換する間
もないのに
引き続いて
水洗トイレ
も壊れたか
取り急いで
メモを探し
状況を話す
電話依頼の
業者の手際
に期待して
梅雨入りも
梅雨明けも
暑さの彼方
二階の書斎
壊れ動かぬ
ブラインド
随分古くて
代替品など
見つからず
取り替えた
カーテンで
遮光すれば
程よい暗さ
程よい空調
もたらされ
老いた体に
大きすぎた
窓外の眺め
入院してて
覚えのない
昨夏の猛暑
そのせいか
一際堪える
暑さこの頃
細りがちな
食をつなぐ
ワインなど
適度に保つ
冷やし加減
室温涼しく
心地よくて
身体に響く
音楽なども
ゲロッパの
J.ブラウン
夏に響かせ
先を思うと
うんざりな
季節なんて
夏に生まれ
夏に逝った
家族を想う
半夏生から
芙蓉までの
佇まいから
鮎の唐揚げ
から塩焼き
までの香り
引っ越して
有り余った
母との別れ
心から溢れ
委ねられた
無意識の闇
居つかずに
日々を送る
手の温もり
調子悪くて
あたりまえ
のようでも
老体ならの
過ごし方を
楽しむには
よく食べて
良き睡眠が
何よりだが
好きだった
ビールから
見放されて
発泡ワイン
に移行した
嗜好の変化
老いてなお
変わらない
音楽の好み
微妙に違う
家の二つの
階段の勾配
退院直後は
階段を上る
のもやっと
回復しても
なんとなく
不安が残り
転ばぬ先の
杖みたいに
手摺り設置
デザインを
同じにして
もらったら
触るだけで
無くなった
勾配の違い
娘夫婦から
お祝いにと
誕生日の宴
独り住いの
夕べに訪れ
手料理から
ケーキまで
取り揃えて
もてなされ
よく冷えて
喉に美味い
発泡ワイン
揚げ物など
腕を上げた
美味しさに
妻の料理を
思い出して
飲み干せば
半期ごとの
立ち話頁の
更新作業も
二十五年で
五十回目を
数えるなど
バカの一つ
覚えみたい
な単純作業
生き延びら
れた半年が
冴え渡れば
過去の話を
掘り起こす
アクセスに
書き忘れが
老いの印を
呼び覚ます