十字路で立ち話(あるいはワッツニュー)


身の置き所(25.06.24・火)

冷暖房など
頼りながら
経過させる

暑さ寒さも
歳とともに
なすがまま

身体を保つ
秘訣なんて
あるのかな

日焼けする
田畑の作物
日照り梅雨

日陰を伝う
蟻の隊列の
伝言の調べ

草木国家の
悉皆成仏を
唱えながら

照り梅雨(25.06.20・金)

いきなりの
暑さが続く
六月の半ば

涼しさ残る
午前中には
買い物など

軽めの運動
など試みる
午後の屋内

夏本番前に
体を慣らす
暑中前稽古

適度の汗が
乾くほどの
術後の肌に

まだ消えぬ
手術の傷跡
忘れかけて

ゆきずりの(25.06.17・火)

木曜午前は
街中よりの
定番コース

図書館から
ぶらぶらと
百貨店まで

本屋を歩き
昼飯どきの
食堂フロア

買い物後は
バス待ちで
寛ぐロビー

覚えのない
老婦人から
お連れ様は

の声掛けに
他界を伝え
言葉寂しく

梅雨空から(25.06.13・金)

手をかざし
雨粒探せば
梅雨入りに

傘を持たず
所用済ませ
戻れば雨に

戸惑いつつ
気分新たに
ブログ更新

まだ慣れぬ
引越し先の
使い勝手に

遅れがちな
変わり目の
身体モード

掃除したり
片付け物で
整える体調

由無し事(25.06.10・火)

居場所から
引っ越など
無しだけど

20年ほど
続けてきた
ブログだが

サービスの
停止により
引っ越先を

二者択一で
選んだ先へ
データ移行

過去ログを
読み返せば
透けて見え

書いた事や
書けない事
散り散りに

電話診療(25.06.06・金)

近所で歯の
治療を終え
帰宅すれば

やってきた
下痢症状で
脱力状態に

老齢ゆえの
消耗ぶりに
戸惑うだけ

夜間だから
繋がらない
訪問看護医

掛り付けの
医師に訊く
急性の腸炎

吐き気から
解放されて
過ごす一夜

さよなら若葉(25.06.03・火)

梅雨寒感が
吹き寄せる
月の変り目

躑躅の陰で
揺れている
庭石菖から

聴こえくる
一日限りの
R&Bの響き

アイリーン
グッナイト
もさまざま

十人十色に
歌い継がれ
それぞれに

葉裏の緑を
透かし見る
季節の巡り

老いの階段(25.05.30・金)

脱ぎ着する
朝晩と日中
の気温変化

暖房と冷房
切り替えて
やって来て

取り付ける
階段の手摺
現場の確認

ケアマネが
様子を伺う
風呂や便所

介護支援が
必要になり
次第に従う

老いた母や
祖父の姿も
追憶の彼方

平常復帰(25.05.27・火)

術後の薬で
飲食避ける
物などの他

爪切りなど
出血機会を
避けること

再開できた
抜けた歯や
虫歯の治療

昼間不在の
訪問医師が
夜の診察で

抜歯すれば
堪えてきた
痛みも抜け

片寄ってた
食べ方から
解き放たれ

涼風試運転(25.05.23・金)

五月後半に
いきなりの
真夏日とは

術後の体を
順応させる
暑さ慣れに

エアコンの
設定温度を
高めにして

風呂をやめ
シャワーに
切り替えて

冷たい泡で
涼もうにも
冷えてない

発泡ワイン
が恨めしい
午後の一時

残り数え(25.05.20・火)

暖かすぎる
五月の風に
萎れそうに

庭の片隅で
ゆらゆらと
バラの老木

誰の為でも
ないようで
咲きたくて

咲いたから
眺められる
今日がある

残っている
時間を生き
ながらえる

蕾の数から
聴こえくる
数え歌まで

五月散策(25.05.16・金)

遠出などは
まだ体力が
ほど遠くて

車の少ない
道路を選び
自転車散策

新緑の陰に
遠く聳える
残雪の山並

散歩しても
カメラなど
持ち歩かず

音楽などを
聴きながら
でもなくて

吹き過ぎる
ざわめきに
身をゆだね

刈り残し(25.05.13・火)

透き通って
そびえ立つ
残雪の山肌

見えぬ鶯の
鳴き交わす
朝の挨拶が

寒暖差など
吹き消して
飛び去る空

溢れそうな
連休明けの
ゴミ集積所

伸びすぎた
路傍の草が
近隣の手で

刈り残した
庭の草むら
取り残され

別テイクーA・Tに(25.05.09・金)

テーブルに
テキーラの
瓶とグラス

夕日を眺め
ワインバー
を夢想して

見通せない
後先の事を
語り合って

離れ離れに
未完のまま
飾られたか

アルバムの
写真の裏へ
仕舞い込む

演奏されぬ
譜面が風に
ひらひらと

聴き渡り(25.05.06・火)

初音の庭で
一声鳴いて
飛び去れば

石楠花から
手渡される
躑躅の開花

数えきれぬ
600種もの
日本の野鳥

どれくらい
去来したか
見果てぬ夢

巻き戻せず
早送りする
様々な鳴声

江戸期以来
聞きなして
留め置く姿

雑草散策(25.05.02・金)

雨上がりに
空き地抜け
近道すれば

雑草の種が
纏わり付く
履き物から

零れ落ちて
茂り替わる
庭の雑草に

木の芽時の
不調なども
やり過ごし

あてどなき
頁をめくる
飛び石連休

食の庭から
音の庭まで
ぶらぶらと

別れの後先(25.04.29・火)

路線バスの
車窓越しに
花水木や藤

先立たれた
妻の面影が
窓辺を流れ

行く先々の
馴染みから
振り返れば

早期退職を
過ぎてまた
一人の深化

結婚晩年に
やってきた
不意の別れ

呼び捨てに
できなくて
さん付けに

葉陰の新緑(25.04.25・金)

不調になる
木の芽時が
夏日みたい

心身一如と
いうよりも
乗りこなす

心象風景に
成り切った
身体感覚が

楽器を奏で
歌うように
一眠りして

移り変わる
心象風景に
目覚めれば

透かし見る
葉裏の眺め
気づかされ

季節紛れ(25.04.22・火)

初夏めいて
黙っていら
れない暑さ

春を待って
咲く花々が
先を争って

まるで論争
を仕掛けて
いるみたい

ネット上は
歪な徒花が
咲き誇って

傾聴したい
論争などは
どこ吹く風

籠もる網に
這い蹲って
揺れる蜘蛛

引越し思案(25.04.18・金)

サービスを
取りやめる
ブログだが

継続するか
中止するか
どうしよう

チクチクと
右脚の脛や
胸骨の古傷

術後半年も
経ったのに
幻肢ならぬ

幻痛みたい
なことなど
あるのかな

持ち越した
痛みなどの
引越し先は

春の息吹(25.04.15・火)

水鳥なども
見かけない
川縁の並木

自転車下り
満開間近な
花見どころ

川面に映る
残雪の山肌
露出の面影

繋ぎ合わせ
そっと押す
シャッター

鴨や鷺など
飛び去った
過去と未来

撮り終えて
ペダル踏む
陽射しの影

花にはロゼ(25.04.11・金)

切り詰めて
花もまばら
庭の八重桜

登り勾配を
8キロ余り
殿様林の桜

穴場として
例年の如く
訪れたのに

自転車でも
遠く感じる
術後の体で

タクシー券
の利用など
味気なくて

とりあえず
飾ってみる
見頃の写真

  • 江戸時代の言葉を話すAIチャット「からまる」 Sakana AIが公開 古文書の2500万文字を学習(ITmedia AI+) https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2504/01/news152.html
  • 株式会社ボイジャー、電子書籍制作ガイドブック『アクセシブルなEPUB制作 8つのポイント』を無料公開(カレントアウェアネス・ポータル@国立国会図書館) https://current.ndl.go.jp/car/250897
  • ソニーもBD生産終了、近づく”テレビ保存文化”の終焉 「残し続けたい」を阻む大きな壁とは:小寺信良のIT大作戦(ITmedia NEWS) https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2504/03/news158.html
  • DH権利問題支援ツール検討会、「デジタル・ヒューマニティーズ(DH)研究に関する権利問題ガイド」の「追加Q&A」を公表(カレントアウェアネス・ポータル@国立国会図書館) https://current.ndl.go.jp/car/251254
春の手触り(25.04.08・火)

ひらひらと
ちっぽけな
蝶が舞って

動き始めた
庭の雑草の
花にとまり

打ち鳴らす
太鼓の響き
見えない姿

影を踏んで
繰り出した
子ども神輿

鳴き声残し
姿も消えた
花冷えの空

ゆっくりと
起き上がり
東へ流れて

味わう庭(25.04.04・金)

いちはやく
春を感じる
我が家の庭

ではなくて
近所で匂う
川べりの桜

ご近所馴染
の寿司屋に
庭はないが

半世紀以上
季節の旬を
味わう場に

庭を超える
季節の庭を
気づかされ

届けられる
花便りなど
気もそぞろ

から属観察(25.04.01・火)

野鳥などが
滅多に来な
くなった庭

手に取った
四十雀観察
記録が秀逸

老眼なども
忘れさせる
鈴木俊貴本

庭に飛来し
ていた頃の
野鳥の鳴声

思い出せぬ
からっぽの
老体なども

日々の観察
対象にする
一人暮らし

三月の乾き(25.03.28・金)

お出かけの
定期更新や
一部負担金

医療費請求
手続などの
年度末処理

向かい風に
逆らえない
ペダル漕ぎ

もぬけの殻
から抜けた
上の空から

三月なのに
熱中症かよ
みたいな風

飛び火して
山林火災が
あちこちに

匂う春に(25.03.25・火)

乾いた庭の
苔を撫でて
昇る日差し

路傍に咲く
黄色い花が
匂い立つ春

嗅ぎ分けて
軽装靡かせ
漕ぐペダル

28インチは
無理だから
26インチに

乗り換えて
サドル低く
ギアは軽め

亡妻の形見
使いこなす
ヘルメット

なごり雪(25.03.21・金)

雪吊り外れ
融雪管など
片付ければ

三月の空を
舞い落ちて
名残惜しげ

細魚刺身に
並べ買った
春キャベツ

赤にするか
白にするか
ロゼに決め

孤食に慣れ
親しむほど
味わい豊か

’60年代の
ヒット曲を
聴き流して

瞳の奥から(25.03.18・火)

体が気づく
隣家の梅に
かすかな蕾

本能に従う
頁をめくり
咲き誇るか

縦横思案が
仄かな匂い
貼り合わせ

日々新たに
思い起こす
言葉の行方

書き終えて
納まらない
封筒の中身

便りごとの
重さの違い
日々を数え

時間の窓(25.03.14・金)

両腕で持ち
上げられる
ようになり

万年床とも
おさらばで
ひと区切り

庭の積雪が
隠していた
落ち葉模様

敷き詰める
飛び石伝い
季節の足跡

8分遅れの
太陽の光に
さらされて

乾くまでの
いまここが
浮き上がる

老いも力に(25.03.11・火)

古いPCと
新しいPC
併用の日々

ハードから
ソフトまで
骨董品並み

旧機ゆえの
誤動作など
起こりがち

遅過ぎても
使い心地が
手放せない

身体的にも
間違いなど
頻発しがち

老体なるが
故に許容の
範囲に収め

啓蟄の朝(25.03.07・金)

消えつつも
打ち捨てて
汚れた深雪

寡黙な冬が
拭き取った
氷点下の鼾

吸い尽くす
何もかもが
凍りついて

物流などが
滞留しても
揺るぎなく

有り合わせ
間に合わせ
食い合わせ

幸せなどと
どの臓器が
つぶやくか

寒の戻りに(25.03.04・火)

灯油を補給
するなどの
寒暖差だが

養生心がけ
不整脈なく
迎えた三月

十数種類の
服用錠剤も
忘れがちに

心臓などの
臓器をどの
ようにして

身体の使い
方に生かせ
ているのか

前後左右に
上へ下へと
探る稽古に

春便り(25.02.28・金)

薄氷を割り
ゴミ出しの
朝の気配に

どこか春の
響きが漂う
東の山際の

隅あたりで
見つかった
手紙の束に

残っていた
結婚する前
の妻の手紙

一緒になり
必要がなく
なったねと

おたがいに
捨て去った
はずなのに

寒空散策(25.02.25・火)

歩き慣れた
路地の雪が
圧雪で硬く

老齢化から
辿り始める
初心の歩き

立つことや
歩くことを
やり直せば

いつの間に
立ち直った
バランスで

寒さからも
弾むような
息づかいで

疲れにくく
楽な物腰に
まとまるか

旬と美酒(25.02.21・金)

今シーズン
第二波かな
寒波来襲に

孤食ならぬ
会食でもと
いうことで

娘夫婦らと
久しぶりの
天ぷら屋へ

揚げたての
春野菜なる
旬を味わい

数量限定の
白ワインの
美味しさが

売り切れで
おかわりが
いただけず

雪中休み(25.02.18・火)

降りやまぬ
降雪の間を
忘れさせて

屋根雪から
庭の雪まで
消えかかり

除雪された
車道の雪が
歩道を隠し

こんもりと
積み上げた
駐車場の雪

輸送がらみ
滞った食品
の宅配など

食いつなぐ
保存食品も
底をついて

匂う雪解け(25.02.14・金)

雪解け道の
日溜まりに
群れる子雀

陽当たりな
融雪路地を
辿りながら

遥か彼方の
日陰で凍る
残雪の記憶

見えずとも
芽吹いてる
蕗の薹の色

途絶えてる
音信の彼方
眩しい甍に

覆い隠して
降り積もる
無言の行方

雪篭り(25.02.11・火)

軒端からは
せり出した
落雪の響き

久方ぶりに
すっぽりと
埋まった庭

天空めがけ
引き絞った
雪吊の孤立

氷点下でも
凍らせない
庭先の散水

着雪落とし
背伸びする
雪煙の翳り

孤食を彩る
雪見酒から
温まる身体

温む水に(25.02.07・金)

起き抜けの
厳冬模様に
失せた暖冬

降り積もる
庭雪の嵩に
反応せずに

臨機応変に
対応させる
身体が肝心

融雪散水を
覆うように
雪を盛上げ

それ井戸水
なんですか
の声掛けに

道を挟んで
肯きかえす
立春後の雪

枕いらず(25.02.04・火)

四十肩やら
五十肩など
忘れた歳で

ぶり返した
肩や首筋や
腰の強張り

老化による
バランスの
崩れなのか

あれこれと
探り試せば
枕いらずに

敷き布団や
胴体からも
浮くようで

強張りから
なんとなく
解放されて

長短半ば(25.01.31・金)

iPm三昧で
媒体を弄る
手間隙薄れ

CDに焼いて
印刷しない
ことになり

記載もない
アルバムの
クレジット

便利すぎて
面白みない
ネット視聴

とは言えど
唄ものでは
歌詞が現れ

LP再生とは
一味ちがう
楽しみ方も

庭の移ろい(25.01.28・火)

ただ一本の
庭のバラが
目を覚ます

なんて事も
ないような
一月も末に

ありのまま
なんてない
人と自然の

かかわりで
軒端の先を
取り囲んで

移り変わる
植え込みや
樹木と下草

出入りする
野鳥や虫の
姿も消えて

拍動確かに(25.01.24・金)

一月なのに
自転車でも
買い物出来

リハビリの
散歩が疎か
になる日和

心臓手術後
4ヶ月経ち
重い物など

運べる様に
体を慣らす
日々を迎え

一旦止めて
再び動いた
仕掛けから

生かされて
いる驚きが
確かに響く

それとも(25.01.21・火)

G.デッドと
ザバンドの
ある楽曲の

距離感など
気にしたり
歳とともに

知らない事
分からない
事が増えて

拘っている
どうにでも
いい事など

順調に回復
しているか
それとなく

老衰と相殺
されている
のだろうか

初会食(25.01.17・金)

どんよりと
霙混じりの
鬱陶しさに

茶碗を洗う
手を止めて
聞く朝電話

豆餅を食う
かどうかを
たずねる娘

ここ数年は
雑煮なども
食べないで

家風の味も
縁が切れた
新年早々に

近所馴染み
の寿司店で
味わう初春

繁雑厭わず(25.01.14・火)

ビル風吹き
寒さ沁みる
街へ出かけ

本人と印鑑
確認などで
繁雑極まる

銀行窓口を
後にビル内
の百貨店へ

所要も済み
バス停では
だしぬけに

スマホ画面
翳して訊く
中国観光客

そこを右へ
入った角に
老舗寿司店

ほどほどに(25.01.10・金)

出かけ先や
HPの訪問者
数などの他

昨年聴いた
洋楽などの
音源までも

並べたてる
システムの
お節介にも

ほどがある
と思いつつ
気にも掛け

入院したり
聴かない日
々もあって

それなのに
一万五千曲
も上回って

独り宴(25.01.07・火)

会食予定の
娘夫婦から
キャンセル

二人揃って
悪い風邪に
感染すれば

一人お節を
頂くなんて
初めての春

お重に合せ
紅白ワイン
いずれかを

飲み分けて
松の内から
微酔い気分

積雪もなく
庭の雑草が
背伸びして

匂う年に(25.01.03・金)

そこはかと
独り住いで
迎える新年

飾ろうにも
見つからぬ
木彫り鏡餅

先立たれた
妻に何かと
頼っていた

というより
任せてきた
あれこれが

懐かしくも
あり愛しく
紐解かれて

この世から
あの世への
間合いの香


ご意見・感想:keikichi111i@mac.com

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