十字路で立ち話(あるいはワッツニュー)
雨上がりに
空き地抜け
近道すれば
雑草の種が
纏わり付く
履き物から
零れ落ちて
茂り替わる
庭の雑草に
木の芽時の
不調なども
やり過ごし
あてどなき
頁をめくる
飛び石連休
食の庭から
音の庭まで
ぶらぶらと
路線バスの
車窓越しに
花水木や藤
先立たれた
妻の面影が
窓辺を流れ
行く先々の
馴染みから
振り返れば
早期退職を
過ぎてまた
一人の深化
結婚晩年に
やってきた
不意の別れ
呼び捨てに
できなくて
さん付けに
不調になる
木の芽時が
夏日みたい
心身一如と
いうよりも
乗りこなす
心象風景に
成り切った
身体感覚が
楽器を奏で
歌うように
一眠りして
移り変わる
心象風景に
目覚めれば
透かし見る
葉裏の眺め
気づかされ
初夏めいて
黙っていら
れない暑さ
春を待って
咲く花々が
先を争って
まるで論争
を仕掛けて
いるみたい
ネット上は
歪な徒花が
咲き誇って
傾聴したい
論争などは
どこ吹く風
籠もる網に
這い蹲って
揺れる蜘蛛
サービスを
取りやめる
ブログだが
継続するか
中止するか
どうしよう
チクチクと
右脚の脛や
胸骨の古傷
術後半年も
経ったのに
幻肢ならぬ
幻痛みたい
なことなど
あるのかな
持ち越した
痛みなどの
引越し先は
水鳥なども
見かけない
川縁の並木
自転車下り
満開間近な
花見どころ
川面に映る
残雪の山肌
露出の面影
繋ぎ合わせ
そっと押す
シャッター
鴨や鷺など
飛び去った
過去と未来
撮り終えて
ペダル踏む
陽射しの影
切り詰めて
花もまばら
庭の八重桜
登り勾配を
8キロ余り
殿様林の桜
穴場として
例年の如く
訪れたのに
自転車でも
遠く感じる
術後の体で
タクシー券
の利用など
味気なくて
とりあえず
飾ってみる
見頃の写真
ひらひらと
ちっぽけな
蝶が舞って
動き始めた
庭の雑草の
花にとまり
打ち鳴らす
太鼓の響き
見えない姿
影を踏んで
繰り出した
子ども神輿
鳴き声残し
姿も消えた
花冷えの空
ゆっくりと
起き上がり
東へ流れて
いちはやく
春を感じる
我が家の庭
ではなくて
近所で匂う
川べりの桜
ご近所馴染
の寿司屋に
庭はないが
半世紀以上
季節の旬を
味わう場に
庭を超える
季節の庭を
気づかされ
届けられる
花便りなど
気もそぞろ
野鳥などが
滅多に来な
くなった庭
手に取った
四十雀観察
記録が秀逸
老眼なども
忘れさせる
鈴木俊貴本
庭に飛来し
ていた頃の
野鳥の鳴声
思い出せぬ
からっぽの
老体なども
日々の観察
対象にする
一人暮らし
お出かけの
定期更新や
一部負担金
医療費請求
手続などの
年度末処理
向かい風に
逆らえない
ペダル漕ぎ
もぬけの殻
から抜けた
上の空から
三月なのに
熱中症かよ
みたいな風
飛び火して
山林火災が
あちこちに
乾いた庭の
苔を撫でて
昇る日差し
路傍に咲く
黄色い花が
匂い立つ春
嗅ぎ分けて
軽装靡かせ
漕ぐペダル
28インチは
無理だから
26インチに
乗り換えて
サドル低く
ギアは軽め
亡妻の形見
使いこなす
ヘルメット
雪吊り外れ
融雪管など
片付ければ
三月の空を
舞い落ちて
名残惜しげ
細魚刺身に
並べ買った
春キャベツ
赤にするか
白にするか
ロゼに決め
孤食に慣れ
親しむほど
味わい豊か
’60年代の
ヒット曲を
聴き流して
体が気づく
隣家の梅に
かすかな蕾
本能に従う
頁をめくり
咲き誇るか
縦横思案が
仄かな匂い
貼り合わせ
日々新たに
思い起こす
言葉の行方
書き終えて
納まらない
封筒の中身
便りごとの
重さの違い
日々を数え
両腕で持ち
上げられる
ようになり
万年床とも
おさらばで
ひと区切り
庭の積雪が
隠していた
落ち葉模様
敷き詰める
飛び石伝い
季節の足跡
8分遅れの
太陽の光に
さらされて
乾くまでの
いまここが
浮き上がる
古いPCと
新しいPC
併用の日々
ハードから
ソフトまで
骨董品並み
旧機ゆえの
誤動作など
起こりがち
遅過ぎても
使い心地が
手放せない
身体的にも
間違いなど
頻発しがち
老体なるが
故に許容の
範囲に収め
消えつつも
打ち捨てて
汚れた深雪
寡黙な冬が
拭き取った
氷点下の鼾
吸い尽くす
何もかもが
凍りついて
物流などが
滞留しても
揺るぎなく
有り合わせ
間に合わせ
食い合わせ
幸せなどと
どの臓器が
つぶやくか
灯油を補給
するなどの
寒暖差だが
養生心がけ
不整脈なく
迎えた三月
十数種類の
服用錠剤も
忘れがちに
心臓などの
臓器をどの
ようにして
身体の使い
方に生かせ
ているのか
前後左右に
上へ下へと
探る稽古に
薄氷を割り
ゴミ出しの
朝の気配に
どこか春の
響きが漂う
東の山際の
隅あたりで
見つかった
手紙の束に
残っていた
結婚する前
の妻の手紙
一緒になり
必要がなく
なったねと
おたがいに
捨て去った
はずなのに
歩き慣れた
路地の雪が
圧雪で硬く
老齢化から
辿り始める
初心の歩き
立つことや
歩くことを
やり直せば
いつの間に
立ち直った
バランスで
寒さからも
弾むような
息づかいで
疲れにくく
楽な物腰に
まとまるか
今シーズン
第二波かな
寒波来襲に
孤食ならぬ
会食でもと
いうことで
娘夫婦らと
久しぶりの
天ぷら屋へ
揚げたての
春野菜なる
旬を味わい
数量限定の
白ワインの
美味しさが
売り切れで
おかわりが
いただけず
降りやまぬ
降雪の間を
忘れさせて
屋根雪から
庭の雪まで
消えかかり
除雪された
車道の雪が
歩道を隠し
こんもりと
積み上げた
駐車場の雪
輸送がらみ
滞った食品
の宅配など
食いつなぐ
保存食品も
底をついて
雪解け道の
日溜まりに
群れる子雀
陽当たりな
融雪路地を
辿りながら
遥か彼方の
日陰で凍る
残雪の記憶
見えずとも
芽吹いてる
蕗の薹の色
途絶えてる
音信の彼方
眩しい甍に
覆い隠して
降り積もる
無言の行方
軒端からは
せり出した
落雪の響き
久方ぶりに
すっぽりと
埋まった庭
天空めがけ
引き絞った
雪吊の孤立
氷点下でも
凍らせない
庭先の散水
着雪落とし
背伸びする
雪煙の翳り
孤食を彩る
雪見酒から
温まる身体
起き抜けの
厳冬模様に
失せた暖冬
降り積もる
庭雪の嵩に
反応せずに
臨機応変に
対応させる
身体が肝心
融雪散水を
覆うように
雪を盛上げ
それ井戸水
なんですか
の声掛けに
道を挟んで
肯きかえす
立春後の雪
四十肩やら
五十肩など
忘れた歳で
ぶり返した
肩や首筋や
腰の強張り
老化による
バランスの
崩れなのか
あれこれと
探り試せば
枕いらずに
敷き布団や
胴体からも
浮くようで
強張りから
なんとなく
解放されて
iPm三昧で
媒体を弄る
手間隙薄れ
CDに焼いて
印刷しない
ことになり
記載もない
アルバムの
クレジット
便利すぎて
面白みない
ネット視聴
とは言えど
唄ものでは
歌詞が現れ
LP再生とは
一味ちがう
楽しみ方も
ただ一本の
庭のバラが
目を覚ます
なんて事も
ないような
一月も末に
ありのまま
なんてない
人と自然の
かかわりで
軒端の先を
取り囲んで
移り変わる
植え込みや
樹木と下草
出入りする
野鳥や虫の
姿も消えて
一月なのに
自転車でも
買い物出来
リハビリの
散歩が疎か
になる日和
心臓手術後
4ヶ月経ち
重い物など
運べる様に
体を慣らす
日々を迎え
一旦止めて
再び動いた
仕掛けから
生かされて
いる驚きが
確かに響く
G.デッドと
ザバンドの
ある楽曲の
距離感など
気にしたり
歳とともに
知らない事
分からない
事が増えて
拘っている
どうにでも
いい事など
順調に回復
しているか
それとなく
老衰と相殺
されている
のだろうか
どんよりと
霙混じりの
鬱陶しさに
茶碗を洗う
手を止めて
聞く朝電話
豆餅を食う
かどうかを
たずねる娘
ここ数年は
雑煮なども
食べないで
家風の味も
縁が切れた
新年早々に
近所馴染み
の寿司店で
味わう初春
ビル風吹き
寒さ沁みる
街へ出かけ
本人と印鑑
確認などで
繁雑極まる
銀行窓口を
後にビル内
の百貨店へ
所要も済み
バス停では
だしぬけに
スマホ画面
翳して訊く
中国観光客
そこを右へ
入った角に
老舗寿司店
出かけ先や
HPの訪問者
数などの他
昨年聴いた
洋楽などの
音源までも
並べたてる
システムの
お節介にも
ほどがある
と思いつつ
気にも掛け
入院したり
聴かない日
々もあって
それなのに
一万五千曲
も上回って
会食予定の
娘夫婦から
キャンセル
二人揃って
悪い風邪に
感染すれば
一人お節を
頂くなんて
初めての春
お重に合せ
紅白ワイン
いずれかを
飲み分けて
松の内から
微酔い気分
積雪もなく
庭の雑草が
背伸びして
そこはかと
独り住いで
迎える新年
飾ろうにも
見つからぬ
木彫り鏡餅
先立たれた
妻に何かと
頼っていた
というより
任せてきた
あれこれが
懐かしくも
あり愛しく
紐解かれて
この世から
あの世への
間合いの香