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「雲上散歩」2000.11.23深秋の室堂〜黒部湖 =1から5までボタンで切り替わります。(Netscape3.0以降をお使いください)
1大観峰から黒部湖と後立山を眺める2室堂から大日を眺める3室堂から立山三山を仰ぐ4黒部ダムから立山三山を仰ぐ5黒部湖と赤牛岳


ご近所@Googleマップ



  オン・オフするスキーと山と


富山市内にも初霜、初氷の11月23日(木)

休日の好天に連れ出されるように

深秋の立山・室堂〜大観峰・黒部ダムを訪ねた

行き帰りの気温の幅は約25度

高度差は約2,500メートル

まるで乗物を連ねた往復約8時間の空中散歩で

夫婦して五体に指圧を受けたみたい



電鉄富山駅7:30発2両の電車はガラガラ

近づく朝靄の中から剣・立山が立ち上がる

立山ケーブルに吸い上げられるスキーヤー

スノーボーダーやアマチュアカメラマンにまぎれこみ

冷え込む美女平駅から高原バスの最前列

白髪のカップルの目線となって年老いた

樹齢数百年数える立山杉やブナの林を抜け

透けて見える称名滝を追いかける



鍬崎山や薬師岳と大日岳を隔て

純白の薄化粧を広げる弥陀ヶ原に揺られ

遙か彼方の山歩きを呼び覚ます

天狗平を抜ければもう海抜3,000メートルに

放り上げられ息も届きそうな立山三山から

剣へと張りつめる眩しいばかりの稜線の彼岸まで

乗り継ぐべきトロリーバスのルートも置き忘れた下界も

真っ白にかき消して広がる午前10時の室堂平



シーズンを予告したように舞うシュプールにエールを投げ

電気モグラの腹に母娘連れと乗り合わせ

アッという間に雄山直下700メートルを貫通したよ

汗もかかずに数分で

お母ちゃんは人捜しにココまで来たんや、オダユウジ!

おませな娘と母の笑い声が暖かい

日差し溢れる大観峰を下るゴンドラの四人の浮遊も

波ひとつない湖面で弾かれ

後立山連峰の屏風にそって舞い上がる



飛ぶ鳥の影ひとつなし秋連山



黒部平を下るケーブルカーの隙間から

こぼれるほどの今日の幸運を分け合って

扇沢に抜ける母娘に黒部湖駅でさよならしたら

息を切らして170段も登った展望台で

昔の山歩きの記憶を辿るように

鹿児島からやってきた夫婦に山々の名前を尋ねられた

見慣れたはずの峰の後ろ姿に戸惑いながら

まばらな人出にわれらの声が弾んだみたい



大観峰の名残で遅れた昼にわさび蕎麦を流し込み

室堂平に傾く日差しを惜しんで凍った雪を踏む

湯加減はどうでしたかと入れ違いの客人に

声をかけられた雲の上温泉は熱かった

まるで宝くじにあたったような今日の日和も

みくりが池荘の湯煙に溶けてもうすぐ閉じてしまう

みどり池に影を落とす二匹のペンギンとなって

終バスが待つ室堂ターミナルへ足跡を刻みつける



餓鬼田が光る航空写真のような景観を滑空する

下りの高原バスの眠気を引き継ぐ下りケーブル

山スキーを愉しんだ人たちでごったがえす車内を見回し

みゃあらくもんの多いことよの〜

山酒で仕上がった御仁のつぶやきに揺られ

夕暮れの立山駅に吐き出された今シーズンの別れ

今日こそ、気が変わらないうちにカービングスキーを

2セット買って新しい冬を迎えなきゃ

                  (2000.11.30)

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