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花ことばってなんだっけ?


 丘の上にいっぱいのコスモスが咲いていました。そのコスモスの中にうずもれるように一軒の黄色い壁の家がありました。そしてその黄色い壁の家には一人の女の子がいたのです。
 少女はこんな寂しい丘の上のコスモスに囲まれた生活なんてほんとにつまらないと思いました。
 もっともっと賑やかな美しい生活がどこかにあるに違いない。自分はそれを探しに行こうと決心したのです。ある日、コスモスの花に別れを告げると、少女は人々の憧れる都へ参りました。しかし、そこで見た幾年かの生活は決して美しいものでも楽しいものでもなかったのです。少女はある日、町のはずれに、ふと見かけたコスモスの一輪を見るともうたまらなくあの丘の上の黄色い壁の家がなつかしくなったのです。
 少女は都を出るとまっすぐにあの丘の上へと帰りました。
しかし、そこにはコスモスはなく、小さな家がたくさん建ち並んであの美しかった黄色い壁もすっかりみすぼらしくなっているのです。
 少女は、一度すてた日の夢を再びすてることがどんなに悲しいか初めて知りました。
 そして、また、黄色い壁の家を捨てると、コスモスの花を抱いて、長い長い旅へと上ったのです。

花詩集(はなことば集)中原淳一より


花言葉 乙女の心情
白・・純潔、優美
赤・・愛情

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