点字
点字を習って始めてした事
1994年12月
文字が私の視界から遥か遠くに消え去ってから何年の月日がながれ去った事でしょうか。
読む事、書く事が好きだった私の心は、何か満たされない思いで一杯でした。
今少し点字の読み書きが出来るようになって私の最初にした事は、月月の生活費を入れる封筒にその費目名を書き込む事でした。
それが出来た時私はひとりにこにこしながらその封筒にお金を入れました。
1995年12月
あれから一年の月日が流れました。そして私は今パソコンでこれを書いています。
この一年間は、私にとって記憶に残る年となりました。
点字を修得した事は言うまでもなくそのために白い杖を持って富山のライトセンターへ一人で出かけた事です。
その際に見知らぬ人から受けた親切の数々が私にある種の自信を与えてくれました。
「これならなんとか一人で行動できる」という思いがしました。
そして春、私は介助者無しで海外旅行のツアーに参加しました。この旅行は私にとってとても有意義なものでした。
今までとは全然違う世界の人々とお知り合いになれたのです。
一週間余りの日々を共に食べおしゃべりを楽しみ学ぶ事の多い旅でした。
そして十月パソコン教室が始まったのに参加してどうやらこれが書ける様になりました。来年は是非これを印刷出来るように頑張りたいと思って居るのです。
1996年 11月
そして1996年の今、私は念願の印刷も封筒の表書きも一人で出来る様になりました。嬉しくなり新聞の投書コーナーに送った雑文の何編かを掲載して貰う事も出来ました。自由に思った事を書き、それを皆に読んでもらえると言う事は長い間文字から遠ざかっていた私にはこの上の無い喜びでした。大げさに言えば人生が明るくなった様な気がします。
これからも、とつとつと思った事を書いてみたいと思っているのです。