初秋の北海道

 

憧れの船旅

豪華客船の船旅の話を、聞く度に、参加してみたいなと願っていた。

今度、北海道へのささやかな船旅のあることを知って、申し込みをした。

サポートをしてくれる人も、早くから決まり、心うきうきと出かけた。

羽田から横浜への移動には、高齢の方のサポートを受けて集合場所の大桟橋に到着した。

出港は午後5時、少し雨になり、デッキでの足下が滑るからあの華やかなテープを投げる出港式は取りやめると言うアナウンスを船室で聞いた。少し残念である。

私達の船室は3階で、進行方向に向かって、右側、つまり太平洋側で、日の出を窓から見ることが出来た。

翌日の朝、水平線から顔を出す太陽の、刻々と変わる様子を説明してもらったが、私の視力は、もう、太陽がすっかり顔を出してからでないと分からないほど、光覚も怪しくなっている。

夕食の前に、簡単な船内のオリエンテーションがあった。翌日の船内での行事を船内新聞にして、前夜配られ、それを見て1日のスケジュールを決めるのだと教えられた。

乗船して最初に感じたのは、日本語のアクセントが少しおかしい会話が聞こえる。聞いてみると、船内の乗務員は、東南アジア系の人が多いのだそうである。

乗船した当日は、カジュアルな服装でよいとの案内だったので、着替えもせずに初めてのディナに臨んだ。

最初の夜は夕食の後、ラテン系のミュージシャンの生演奏を楽しんで、後の行事はパスして眠りに落ちたのだった。

 

翌朝は元気を回復して、サンライズを見た後、船内の探検に出て、方々散歩をし、朝のオハヨウ体操でウォーミングアップし、朝食へ。

8時には船長のお話を聞き、今日の最初のスケジュール、ダンス教室に出かけた。

ここでマンボとチャチャチャのステップを習い、次はビンゴゲームを楽しみ、昼食。

ダンス教室ですっかり汗をかいたので、夜の行事に備えて、お昼寝を決め込んだ。

夕方の、船長主催のカクテルパーティの前に、ストレッチの講習をプールの脇のフィットネスルームでプールの波音を聞きながら受けた。背中美人になる為の、ストレッチを熱心にしたのだった。

出発前に悩まされたインフォーマルな服装でのカクテルパーティお終え、ウエルカムディナー、癒しの歌姫、ミネハハのコンサート、そしてソシアルダンスパーティと続き、一日は終わった。

勿論、お天気は良く、三陸沖4キロメートルの海原を航行して津軽海峡を渡って日本海に入った。

船の最終日の朝は、オハヨウ体操から始まり、朝食、そして下船の準備と短い船旅は終わり、小樽港に上陸した。

 

ここからは専用バスで、小樽市内観光、鰊御殿別館で、鰊お重の昼を食べ、層雲峡へとバスを走らせた。

途中、アイスパビリオンでマイナス41℃を体験したり、賑やかなバスガイドの話術の巧みさに感心したりしながら、宿に着いた。

旅の最終日はこの地の流星、銀河の滝、黒岳のロープウエイに乗り、沢山の階段をのぼって、展望台に達した。

こうして、層雲峡のハイライト巡りをして、お昼は地ビールとジンギスカンを食べ、旭川の展示方法が新しいと評判の旭山動物園でペンギン、ほっきょくぐま、アザラシ等のメインのものだけを見て一路千歳空港へ走った。

私一人が、富山へ帰るため、日航機ではなく、全日空を利用して皆さんより早い出発になった。羽田、富山へと乗り継ぎをして最終便で無事に帰宅した。

短い豪華船の体験だったけど、非常に満足感を得た旅になった。

高齢になると、船旅は良いなとしみじみ思ったのだった。

2006年9月

 

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