出雲の国 島根へ

東日本大震災発生の年、日盲連大会は島根県での開催だった。

大会参加を兼ねたツアーの出発の早朝2時に、島根、鳥取方面に震度4の地震という速報を聞き、これは又と少しばかり驚いたのだが、さしたる被害報告も無く、出発をすることとなった。

JRで、岡山迄行き、此処からは中国JRバスが岡山駅等迄迎えに来ていて島根県へと向かった。朝、松江を出て迎えに来たと言うバスのドライバーは自身で挨拶をしてくれる若々しい声の持ち主である。山陰名物で評判の良いと言う蟹、シジミもぐり弁当というのをバスに積んできてくれていたので、乗り換えた我々一同はこの甘酢味の寿司弁当を早速食べ始めたのだった。朝早く富山を出発しているので、ちょうど昼に、このお弁当を頂くこととなり、皆「美味しいね」とご満悦である。

バスは幾つもの高速道路を走って松江へと向かったのだが山陰自動車道に入って間もなく事故渋滞というのに巻き込まれノロノロ運転となった。山陰では珍しい渋滞なので、ようやく出口の一つから高速を降り、一般道で走った。予定の一つであった松江城見学は割愛して、小泉八雲記念館と旧居のみの見学となった。私はここをかなり昔訪れたことがあり、旧居等は外で皆さんの見学の終わるのを待った。大きな鯉が泳いでいる水路は変わらないが、車の通行量は随分多くなったなと感じたのだった。

見学後、この夜の宿泊地宍道湖温泉の宿に入った。

翌日はいよいよ64回目の大会が島根県民会館で開催、日本で一番知名度の低いと言われる島根県だが、来賓は衆参両院の先生方の出席が多いように感じた。来年の開催地は千葉県と聞き、この会場を後にしたのだった。

昼は地ビール館で美味しいビールを頂きながら土地の料理を賞味した。午後、出雲大社の参拝となったのだが、平成の大改修とかで本殿の方はシートがかけられて参拝は叶わなかった。しかし、神楽殿で、神官の祝詞や巫女の神楽舞を身近で感じることが出来た。特に今回は富山のライトセンターの職員の一人がウエイトリフティングの日本代表となって秋に世界大会に出場するとかで、彼の必勝祈願を特別にしていただくと言うサプライズもあった。

大社参拝後、この夜の宿泊地、玉造温泉に着いた。夜は安来節のショーを見に行くと言うスケジュールもあったが、私はパスした。宿の庭で光と音のファンタジックショーもあったようである。

旅の最終日、安来町にある和鋼博物館の見学から始まった。日本古来の製鉄の様子が分かる博物館で、日本刀の材料になる鋼の鍛錬の様子が展示され館長自らの説明で館内を一巡した。昔のたたらを踏むといった経験を体験する人もあった。

次は、昨年の朝ドラで有名になった「ゲゲゲの女房」の原作者武良 布枝さんの生家訪問だった。現在の当主は原作者の甥ごさんとかで、店頭に出て我々見学者にお話もなさる。有名税とは大変だなとも思った。

次は、広大な敷地にある足立美術館の見学だった日本庭園が幾つも作られ、横山大観の作品が多いようだった。これで午前の観光は終わり昼食をその近くのレストランで摂った

午後、岡山駅へと復路を急いだ。お天気に恵まれた良い旅だったと思う。JRを利用して、夜の高岡へ無事に帰りついた。

今回の旅は乗り換えが幾つかあり、その待ち時間などに、違う支部の会員とも話しが出来る機会が幾つかあり、交友を深めることが出来たように思う。島根は富山と同じ日本海に面しているので、食べ物等は共通のモノが多いようだった。ただ、宍道湖のシジミは相当喧伝され、いろんな加工がされていた。名物のシジミ汁は小粒で期待外れのように思えた。「板わかめ」という乾燥させたワカメも美味しいのだとバスガイドは盛んに言っていたがどんなものでしょうね。

安来節のドジョウ掬いの踊りに殉じてか近頃はドジョウの養殖も盛んにおこなわれているとかで、玉造温泉の宿で食べた柳川鍋が美味しいように感じた。

とにもかくにも、こうして皆さんと一緒に旅することの出来る健康に恵まれていることを有難いと思うのでした。

2011年6月

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