小笠原スプリングクルーズ

お邪魔虫旅行

日本丸での5泊6日の小笠原スプリングクルーズに参加が出来たのは、昨年古希を迎えたご夫婦の好意からだった。トラベルフレンドと私が思っているこの旅慣れたカップルのご好意に甘えて、船旅でしか行けない小笠原へ出かけた。

 

と言っても実際に小笠原の父島に上陸が出来たのはたった一日だけだった。低気圧の影響でうねりが大きく二見港へ大型客船が入港できず、湾外で待機をするという状況だった。上陸初日に計画をしていたオプショナルツアは総て実行が叶わなかった。故に、旅の殆どを船内で楽しむというまさにクルーズだった。

 

同行をして私を助けてくれたカップルは日本丸のご常連。船内の行事を初めとしてあらゆることに精通をしていられるので、私は安心して彼らの後に続くという旅だった。私専用の介助者が無いので、一人で動けない私は、船内でのイベントも彼らに合わせて行動をした。

 

私自身もこの日本丸は三度目の乗船になるので船内での流れは大体承知をしている。朝の体操参加から始まり、朝食初日はNHK学園の講師による小笠原についての講義。その後ちょっとゲームなど楽しみ、私は初めて船内発行のカジノ券を使って1100ドルをもうけたのだったかな?これまでのクルーズではカジノ券のあることも知らずに過ごしていたので、今回初めてこのようなゲームに参加をしたのだった。その後ビンゴゲームではバンダナの賞品を貰ったりもした。

 

趣味豊かなカップルは俳句教室、デジカメ教室等と多いに楽しんでいられるので、私は気ままに昼寝などさせていただく。夜の落語は柳亭燕路という落語家が何回か寄席を開いていたし、多くのイベントが企画され、船客が退屈をしないように計画されている。

 

乗船して三日目に父島へ上陸をするはずだったのができなかったので、船内で青海亀に標識をつけて放流する準備をした。その他、次から次へと興味をそそる計画が行われた。

 

上陸の叶わなかった日の夕食では、お飲み物が船長の驕りだった。船長も気を使われるのだなと自然相手のお仕事を思うのだった。

 

ようやく上陸の出来た日は素晴らしい晴れに恵まれ、通船を使って上陸。ファッションフルーツのリキュウルの歓迎を受け、それぞれのオプショナルツアに出かけたのだった。

 

私達は島内の植物を観察するというコースを選んでいたので、小さな7・8人の乗れる車で島内を案内してもらった。珍しい植物など触ったり300メートルくらいの小山に昇ったり、眺望台に昇ったりと汗びっしょりになったのだった。オプショナルツアでは、小舟で歴史のある島々の間を尋ねて回るものや海底を覗くツアなど、それぞれの趣味に合わせての島内探索だった。

 

もうその日の夕刻5時には父島から離れて帰路のクルーズになった。呆気ない小笠原訪問の旅だった。

 

五日目も船内でのイベントに参加をしながらフェアウエルディナーになったのだった。船内での食事は豪華多彩で、世界の珍味を味わわせてもらった。船客は船旅が好きな人たちらしく、他の船での様子など情報交換も盛んにされていた。私はウエルカムパーティやフエアウエルパーティなどにインフォーマルな服装をしなければならない船旅は苦手だなとしみじみ思うのだった。女性の装いを見ているだけでも楽しいと言われるけれど、もうフォーマルな生活に無縁の人となっている私には荷の重い服装指定の旅は億劫である。

こうして念願だった小笠原訪問は終わったのでした。

2009年3月

 

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