ニュージーランド

自然が一杯のニュージーランド

 

南半球の地図は訪れたことのあるオーストラリアとフィージー島くらいしか分からずニュージーランドがどんな形をしているかも知らないままにツアーの申し込みをしてしまった。

後からいろいろと聞いてみると北海道と九州を除いた本州の形をして南島と北島に分かれているらしいことがやっと理解の出来たおっちょこちょいの私が先ず、北島にあるオークランドに到着した。

ここで又おっちょこちょいは北と言えば寒い、南と言えば温かいと言う北半球に住む意識を変えなければならない。南が寒くて北が暖かいと言う概念を頭にインプットするのにかなりかかった。

長いフライト時間の後、国内線に乗り換えて南島のクイーンズタウン迄一気に飛んだ。そこからファームステイをするファームのあるラムズデン迄バスで移動してわがツアー一行を受け入れてくれるホストファミリーの出迎えを受けてそれぞれ1家庭に4名の分宿つまり6家庭に向かった。私たちのグループは車椅子使用の20代女性とそれをサポートする30代のトラベルボランティア、それに私と私のトラベルボランティアだった。私は若い人たちが英語を使用してくれるから安心とばかり思っていたのだが彼女たちは一向に車で迎えに来てくれたホストファミリーに話しかけない。仕方なく妻の名前はなんと言うのかと聞き出し彼らがケンとトレッシーと言う夫妻であることを理解した。

このおっちょこちょいな私はファームステイをするということも直前に知ったと言う迂闊者で出発前に随分悩んだ。英語は話せないし、ボディラングエッジは見えないしどうなるだろうとの不安を抱いたのだがそこはそれ、何とかなるさのやけっぱちでの出発だった。

到着した農場の持ち主の牧場は羊、牛、鹿、アヒル鶏などを持っている大きなファームである。トレッシーは昔小学校の教師をしていたと言い、家族は今12才の娘と勉学の為に家を離れている息子がいるという。

まあ、何とか彼らと夕食を共にしてワインが入ると饒舌になり始めたと言ってもかなりなブロークンイングリッシュを話す30代のトラベルボランティアとそれなりの会話を楽しんで第1夜を過ごした。この家庭には3泊をすることになっていて翌日の朝早くツアーの一行は集合してバスでフィヨルドランドへの観光となった。バスで走り観光船に乗り換えて氷河が削った絶壁の所を落ちる滝が素晴らしい。船内の案内は英語、日本語、韓国語で行われていた。こちらの山は岩肌で木は生えて居ず苔のような物が生えているらしい。日本まで9千qだと案内していた。

 

南島2日目は私が楽しみにしてきたトレッキングの日。先ず湖を水上飛行機で渡りブナの原生林の中を歩くトレッキング10キロメートルである。水上飛行機は20分位乗るのだが6人乗りのセスナ機で私は操縦士の横の席に座らせてもらい、ヘッドホンをつけ彼のレフト、ライトと指示する言葉に従って操縦桿を動かす。勿論、少しだけしか動かないようにしてあり操縦士が本当に操縦しているのだがユーアーグットパイロット!などとお世辞を言ってもらって楽しいフライトだった。降り立った湖岸にはブヨの一種のサンドフライが刺すのではなくて噛みに来るので皮膚は見えないようにおおわらわで軍手をはめるやらタオルを巻くやらそれでも数箇所噛まれて今田にその跡が残っている。この日のサポートは現地で募集したサポーター、勿論日本女性でニュージーランドが大好きで5度目來島の人だった。

ここは国立公園で1日に入れる人数を制限してあり自然が荒らされないように守られている。見上げるような大きなブナの木、上からぶら下がっている茸の一種シダ類流れている川には2メートルくらいの鰻や魚が見えると言う世界一素晴らしい散歩道をトレッキング10キロメートル歩いた。

この森を荒らさないために、1日に入る人の数を制限してあり、雨が降ったから次の日に等と日がるに変更は出来ないのだという。

私たちは10キロメートルの日帰りコースを選んだが2泊三日のコースの人は大きな荷物を背負っている様子だった。帰りの湖は船で2時間近くかけて戻った。ファーム滞在最後の日は朝早く車でファームを案内してもらい阿比留に餌を与えたりちょっとだけのファーム体験だったのが残念である。時間がもっとあれば家族とのふれあいももう少し楽しめたのにとの思いが強い。でも外国では客をどのようにもてなしてくれるのかを体験できたのはそれなりに嬉しいことだった。お日様の匂いのするベッド、手作りの料理屋ケーキよく働く男性。

余談だがこの国に住むキーウイと言う鳥の雌は卵を産むだけで後の子育ては全て牡がするそうで家庭でよく働く男性をキーウイハズバンドと言うそうだ。ケンもまさしくキーウイハズバンドだった。

そしてオークランドへ国内線で戻り今度はきた島の観光である。バスでラッセルと言うリゾート地のホテルへ向かった。途中90マイルビーチ、干潮の時は200メートルほどの砂浜を100キロくらいのスピードでバスは走った。つまり千里浜をダイナミックにしたようなビーチの途中で車を止めて潮干狩りをした。砂を2センチくらい掘ると3・4センチくらいのハマグリに似た貝がどれだけでも拾うことが出来る。バスのドライバーに教わって、海水で貝を洗い、両手に1個筒持ちラッコがするように右手の貝で左の貝をぶっつけて割り、中身をほじって食べる。生きている貝を食べるのだからそれは美味しい!!私たちが食べ散らした貝は私たちが去ると海鳥が群れてきてついばんでいるようだった。割る手間が省けて海鳥には有りがたいことだったろう。砂山からボードに腹ばいになって滑り降りたり沢山拾った貝は翌日のバーベキューにしようと持ち帰った。

翌日は魚釣りをすることになっていたが雨が強くずぶ濡れになりながら、桟橋で生まれて初めて釣竿を手にした。餌は昨日拾った貝である。上手な人は10尾も釣ったと言うが私は餌ばかり取られて釣り上げることは出来なかった。でもぴくぴくと引く感じは分かるのに持ち上げるタイミングが分からず悔しい思いをした。私のトラベルボランティアは20センチ位のを1匹釣り上げて羨ましかった。昼はその釣った魚と貝でバーベキューをして楽しんだ。人数分の魚が釣れた事は目出度いことだった。

その翌日は北の1番端の岬への観光だった。岬と言うのはいずこも風が強い。

そして北島の観光も終えてオークランドへ戻ったのだが帰りの道路で牛の移動と出会い、その牛の中野幾組かが道路の真ん中で交尾を始めたとかでバスがしばらくそれが終わるのを待つと言うハプニングもあり、まさに自然が一杯の国だった。

今回訪れたこの国は私が訪れた国の中で1番自然を堪能でき印象に残る国となったがオークランド以外の宿での水の不足には困った。湯水のように使うとの言葉のある国で育った私たちがファームでは雨水を貯めて使うのだからシャワーは5分以内に等と事前に注意を受けているととても使いつらかった。ラッセルのホテルの水も水圧が低く使いにくい。旅の始めに両替したニュージーランドの紙幣を触ったときに、今までの紙幣とは全く違った手触りで説明をしてもらうと、プラスチックが使われている。紙幣の中に透明な部分がありこれは目の悪い友に是非触らせて上げたいと思い10ドル紙幣を残してきた。希望者には触ってもらいたいし、これからニュージーランドへ旅する人にこの紙幣をプレゼントしたい。ちなみに為替レートは私が両替した時は1ドルが約70円だった。

 

2003年4月

メールはこちら

ホーム