音声万歩計

 

2・3年前に音声に対応する万歩計があることを知った。少し心が動いたが手に入れるまでのわずらわしさを思うと億劫で手が出なかった。そこへ昨年携帯電話に音声万歩計が組み込まれたものが発売になるとの情報を得た。一人暮らしの私には携帯電話なる代物は不必要に思うが、世の中携帯ばやりでマスコミは五人に何人かは持っていると報じる。持っていない者は遅れているような気分にさせられる。ミーハー族の私は少し心が揺らいで万歩計の組み込まれた携帯を買おうかしら?と考えている時に知人が音声万歩計のみの書かれたホームページを紹介してくれた。ウーンこれの価格はそんなに高価でないし携帯電話ほど維持費もかからない。ちょっとお遊びの感覚でこれにしようと注文をした。注文してから一週間目、私の郵便受けにしっかり包装がされ5枚の点字用紙裏表にびっしりとその形態、使い方を書いたものが入った封筒が届いた。

心を落ち着けて読んで見ると左右の側面にある4個のボタンを操作して歩数、消費カロリー、距離、時間等が音声で知らせてくれることになっている。その為には体重、歩幅を入力しなければならない。歩幅を測るのは私一人ではちょっと無理に思えるのでヘルパーの来宅を待った。書かれた仕様書によると歩幅は身長160センチの人で60センチ位と書かれているが、これだけの歩幅で歩くには相当努力した大股でないと無理のように思える。ただでさえ白い杖持参で歩く私は人目を引きやすいのに不自然な大股で歩いていれば目立つに違いない。これは困ると40センチくらいの歩幅をヘルパーに入力してもらった。

そして初散歩に出るのが楽しみだったのに、翌日は雨。次の日は穏やかに晴れ、今朝こそは、と意気込んでいると、折よく友から電話で暖かくなったので一緒に歩きましょうと言って来た。喜んで私は彼女と初航海ならぬ初散歩に出た。手を貸してくれる人があるので思い切った歩き方が出来約1時間歩いて帰宅すると6700歩位である。距離は3キロ無いのでがっかりした。昔1時間歩くと4キロ以上距離があったように記憶しているのだがどうしてだろう?等と不満に思うのである。1度はっきりした距離を何歩で歩くかを測定して正確な歩幅を出せば私の満足する歩数、距離が出るのだろうか?

それに本体が到着した時、歩数は七百数十歩と音声が告げたのに驚いた。私はスイッチオンにして始めて記録が始まるのだと思っていたのに発売元から私の手元に来るまで何処を誰の手で運ばれたのかちゃんとカウンターが働いているのも主婦のケチ根性のしみこんだ私はちょっと気になる。そしてこの間、同道してくれた友が、1万歩はどの程度の時間距離があるかを私に体験させて上げたいと又誘ってくれて、歩いた。今度は本当に歩いたと言う感覚が持てる1時間20分位で歩数は1万歩をオーバーしている。距離も4キロを越していた。

これで私は1万歩がどの位の時間がかかり距離もどのくらいかとの感覚をつかめたように思う。飽きて放り出すまで少し私を楽しませてくれそうである。

2004年3月

 

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