ライフマネージャー

がっかりした。そして驚いた。新しいライフマネージャーを迎えて三日目のことだった。外出から戻った私に、管理人質へ届いている点字本を受け取りに来るようにとの連絡が入った。今まではマンションの郵便受けに入らない大きな郵便物は配達人が私のドア迄届けてくれて、もし、留守にしている時には管理人に預けて行ってくれたのだった。帰宅時に管理人が知らせてくれるか、もしくはドア迄届けてくれた。自分で取りに来いという連絡の仕方は初めてであった。そこで受け取った際に聞いてみた。従来なら郵便局へ持参しなければならないこのような点字本のような荷物はその日に来る配達人に持ち帰って貰うため管理人質の前の出窓において置くと用が足りた。勿論オートロック内のおき場所だったから安心してそれをお願いしていた。ところが新任のライフマネージャーは郵便配達人の来る時に自分が在室しているかどうか分からないからそれは出来ないとの返事だった。そこで私の気持ちは一度に暗くがっかりしたのである。私は甘えすぎていたのかも知れない。近いとは言え、郵便局やポストまで出かけるのが億劫なときに、気安くライフマネージャーの好意に甘えて差し出す郵便物をお願いして来た。今回のライフマネージャーはそのようなことは出来ないとはっきり明言された。

やる気、人柄、技術共に優れた人との前振る舞いで登場なさった方だったので従来のようにしてもらえると思った私が浅はかだった。

技術が優れていると言うことはマニュアル通りにきちんとすると言うことで規則に反することには手を出さないと言うことが了解できた。そこで私は何処までするのが管理人の職域なのかを知りたく、派遣している管理会社に問い合わせのメールを出してみた。

返信された回答にはまさしく新管理人の言うとおり私が従来してもらっていたことは規則としてしないと言う。ただ、私の立場を考慮して特例として検討すると言う回答だった。私は我がまま者である。特例として、してもらうのは嬉しくない。心でしてほしいのである。コミュニケーションの出来なくなった寒々としたエントランスホールと化した場所を冷え冷えとした気持ちで往来している。

2004年12月

 

メールはこちら

ホーム