韓国

キムチと石焼きビビンバの国

 

昨年、夏のアイルランド旅行から、旅らしいものをしていなかった私、ちょっと、旅心をそそられて、韓国への旅を希望した。

これが従来の旅行代理店ではなくて、バリヤフリーと称する大きな会社の旅で、主に、肢体不自由者が対象であったために、私への対応が慣れていず、いろいろと不満に感じることが多かった。

しかし、サポーターを準備してくれると言うので押しかけ参加のような形になったと思う。

羽田から出発すると言うのも珍しく、全く国内旅行の感覚で申し込んだのだった。

羽田の国際線ターミナルというのも初体験で、出かけたが、国内線ターミナルより、遥かに小さなターミナルだった。

2時間あまりのフライトで金浦空港に到着したが、これも静かな空港で、海外へ出てきたという感覚は全く無い。

空港内で両替をしてバスでソウル市内のホテルへ、この日の夕食も着いていなかった。

プラザホテルは格式のあるホテルですよ、と説明してくれる今回の旅のサポーターの説明を聞きながら、シングルの部屋に落ち着いたが、ベッドはツインだった。

翌朝、9時出発ということで、朝食も付かないホテル、別料金で3000円と言う食事を申し込めば食べられたのだが、何も、朝からそのようなご馳走を食べる気の無い私は室内備えつきのお茶で朝食とし観光のためのバスに乗った。

バスには現地のガイド、若い女性だったが、その案内で李朝の王様の住いだったという、景福宮という宮殿を観光した。

韓国の言葉はよく聞き取れず、宮殿も漢字で書くが韓国流に発音はどうなるか分からない。添乗員が気を遣って、見えない私にあれこれ説明をして手で触れさせてくれた。

そこから移動をして、国立民族博物館へ入館した。ここは韓国の歴史を網羅した伝統の美術品等が陳列されていた。

そして昼食、石焼きビビンバのレストランに入った。

実を言うと、私が韓国への気持ちをそそられたのは、本場のビビンバを食べることにあったのだ。しかし、日本で食べているのと大変わりはしない。と言うことで少しがっかりしたのだった。

午後は南大門市場に案内されて、歩いた。

大勢の人が行き交い、露天に並んだお店が続く。食べ物のお店では蚕のさなぎを煮ていたり、豚骨をお皿に盛ったり、揚げドーナツ風のものが良いにおいを漂わせていた。私も丹波栗ほどの大きさの栗を七輪の火で焼いているのを求めて、皆さんと味わった。

一度ホテルに戻り、夕方、今回始めての夕食、韓定食を食べにバスで出かけた。これは韓国宮廷料理とかで、少しずつ運ばれる料理は日本の会席料理のような雰囲気のものだった。

 

終わったのは夜の9時を回っていたが、ここで韓国の垢すりエステを申し込んで出かけた。

料金は9000ウオン、日本円なら一万円と言うことで、これも聞いていた料金より遥かに高価である。

しかし、裸になることなので、安心の出来るという、ガイドのお勧めの店に出かけた。

韓国人のたくましい商魂にタジタジしながら垢すり体験をして、その日は終わったのだった。

 

ソウル二日目の朝は冷えていた。−4℃とかで日中もそんなに気温は上がらないだろうということで、昨日の黄砂でぼんやりとした風景というのとは違って、非常に寒い空気の中を出発した。

 

バスで先ず民族村という広大な敷地の中に昔の住いなど移転してあり、かつての支配階級の住いや、農民の住いなど説明を受けながら歩くのだが、その寒さに耐え切れなくなり、暖をとりながら熱い人参茶などで一服した。

お昼はカルビ焼肉で済ませ、次なる水原華城、スオンハソンと発音すると言う唯1つ覚えてきた韓国風の発音だが、その世界遺産と言われる城跡に着いた。

万里の長城のミニチュア版とでも言うような場所だったが、これが又、非常に寒風の吹きつける場所で、歩くのも大変な冷たい風の吹き荒れる場所だった。

ここで、総ての観光は終わり、後は自由時間だったので、割りにソウルに慣れているという親娘のペアとご一緒に夕飯をしましょうとデパートの地下街やら他のホテルのレストラン街などをうろついたのだが、目的のお店が見つからず、デパ地下街でそれぞれ、好みの品を求めて自室で食べるということに落ち着いた。

今度の旅で一番感じたのは韓国人の逞しさだった。訪れた観光客に取り付いて、「売らんかな」の精神。私達は多分、彼らにとっては、葱を背負って来た鴨のように見えるのだろう。

日本語も上手で、言葉に関しては不自由しなかった。

 

心に残っているのは、南大門市場の露天で話した店番のお婆さんに、後から又来るからねと言うと、指きりしようと、小指で指切りをして別かれたのだが、その人懐こい様子が思い出される。お隣の国と言う親しさはあるのだけど、最近のノムヒョン大統領の言動など、何か私にはがえんじない思いが強いのだった。

 

20063

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