同窓会

 

 同窓会たけなわのシーズンである。私も先日世話役の一人から強く誘われ小学校時代の同窓会に出席した。終戦直後に卒業した私たちの世代は行方不明者も多く、その現住所を探す事も容易でなかった事と推察する。それだけに四十数名の参加者は遠方からの出席者も多く恩師のお元気な姿に接し、又、お話を聞き、同室となった友人の小説の様な波乱万丈の人生や、現在娘の結婚についての悩み等も聞き懐かしい一夜を過ごした。心残りなのは視覚障害の私にとって出席者全員の声が聞けなかった事である。舞台の上で演じられる踊りや歌よりも、三十秒でもいいから出席者全員の生の声を自己紹介の形で聞きたかった、と残念に思っている。

 

1996年 8月 

 

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