出会い、ふれあい

 

爽やかな秋風の吹き始めた秋分の日、会費制の結婚を祝う会と言うのに、初めて参加した。新郎とは10年位前からの知り合いで彼は私をお母さんのような存在と言ってくれているので、私も重い腰を持ち上げてこのパーティに参加したのだった。

魚津の会場に着くまで、少し、ためらいがあった。が会場に着きこの会を計画して実行に移していらっしゃるボランティアの方々の手厚い行き届いたもてなしを受けて着席をした頃からためらいは消え去った。

新郎、新婦は共に視覚障害者だがそれを取り巻く周囲の方達が実によくお世話をなさっているのが感じられるのだった。会場には地元で名の知られているミュージシャン二人も参加して生の歌や演奏を聞かせてくれて会は盛り上がった。

ボランティアをなさっている方の中にも私の古いお知り合いがいて、声をかけてもらい、懐かしいお話なども交わせて心から楽しめる会だった。

この月に入って私は何かと忙しい充実した日を送ることが出来た。先ず、ケニアへ行った時に介助をしてくれた当事の大学院生が今は研究室の研究生となって全国の学校調査をしているのだが、今度は富山の調査に来るので私宅に一泊をするとの連絡を受け、前回来宅の際は市内を案内したので、今回は海の辺りが良かろうと伏木、氷見方面へ案内した。私から見ると、彼女はエリート中のエリートなのだが、私には気楽に話し合いのできる女同士のように接してくれるのがあり難い。もう、知り合って3,4年経つのだが殆ど毎日のようにメールを交換しているのでお互いのことがよく理解できる。娘を持たない私は、彼女を恐れ多いが娘のように思っている。

そして今年も市が主催してくれる「ふれあいの旅」に参加が出来、淡路島、鳴戸の渦潮などを訪れる機会に恵まれた。これは1対1で障害者に介助者が着いてくれるので安心して行動が出来る。今回は以前にも着いてもらったことのある人だったので安心して出かけることが出来た。JRのサンダーバードを利用し新大阪からバスで淡路島内を観光しイングランドの丘と称するファームパーク内では動物たちとも出会い、コアラの様子なども観察が出来た。私はオーストラリアへ出かけた時にコアラを抱かせてもらい、羊にも哺乳瓶でお乳を飲ませた思い出があるので、懐かしく園内を散策し時間があれば芋掘りの体験もしてみたかった。

阪神、淡路震災記念館内には、野島断層や震災に見舞われた建造物が見学でき、これからの生活にも役立ちそうだった。

渦潮は橋の上からと観潮船の両方で見ることが出来て、特に船の上から見た際はそのしぶきを顔に浴び、実感があった。9月の瀬戸内海と富山湾を存分に味わってこの月は終わろうとしている。

 

もう真夏の海に出かける機会はなくなったが、このような暖かい人々と、潮風を体験でき満足している。

2004年9月

 

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