相棒のこと

 

 相棒が一人で旅立って4年の月日が流れた。生前の彼は私が下手な雑文を書いていると「俺のことは書かないのか?」と聞いた。私は即座に今、書くと悪口ばかりになるから書かないと宣言したものだった。

 今、思い起こして見ると彼は昭和一ケタ最後の生まれで姉妹3人の中に一人の男の子として生まれたために、周囲からちやほや甘やかされて育てられたせいで、現在の男性から見れば、まことに度し難い人物だった。それを彼自身も認識をしている所がまあ救いと言えた。

 私たちの子育て時代、幼い息子に異常とも思えるくらい厳しい面を見せて、それに抗議する私に「甘やかすと、俺みたいのになる」と言うのだった。

 息子が私たちの懐から巣立った日、彼は初めて私に「良い子に育ててくれて有難う」の言葉をくれた。40年近い結婚生活の中で只1度の言葉だったように思う。

思い出せば花の区別はチューリップと桜位しか分からず色もピンクも赤も区別が無いのでは無いかと思える威張りやの男性だった。古いMLの整理をしていて下記の物を見つけたので移してみた。

 

 

 花瓶の水を換えようとして気がつきました。活けた覚えの無い花が1輪増えているのです。触ってみると寒椿の様な気がします。パートナーのところへ行き「誰に花貰ったん?」「トトヤの婆ちゃんが造った言うてくれた」ギョぎょっとして花のところに戻り、よく見ました。貰った花は必ず水に漬ける様に日頃しつけた私の教えを忠実に守って造花を花瓶に差し込んでいるのです。

そこで依然友人が外出中に華やかな花束が届いたのを留守居の旦那様がバケツにたっぷりの水を張りそこに入れてあったそうです。

帰宅した友は布で出来た花束がぐっしょり濡れてみる陰もなくなっているのをみて旦那様を怒りつけたと言うのを思い出したのです。

男性とは気が利き過ぎて間の抜けた事をままなさいます。

ここへ来てくださった男性群は、そんなへまはなさらないでしょうね。届いた花はしっかりとその素材を確かめてから、次なる行動に移って下さいね。

最近は人形や花、押し絵等を手作りするのが女性の間で静かなブームになってますから、頂く機会も多いと思いますので老婆心ながらちょっとご注意まで。

1997年12月

 

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