「新党さきがけ」の主張を聞く会

中川外司代表の挨拶


 私達が主催いたしました「新党さきがけ」の主張を聞く会にご出席くださいました皆様に、発起人を代表して心から感謝し、ご挨拶を申し上げます。

 我が国の政治は、昨年夏の総選挙を境にして、その枠組みは大きく変わりました。
 既成政党の求心力は消滅し、幾つもの新党が結成されました。しかし、私には、新旧を問わずほとんどの政党は、私達が一番知りたい「変革した日本が進むべき正しい道」を直接、国民に語りかけることをしないばかりか、その用意も努力もないように思われます。
 国民の多くは、この混沌とした政局を見て「果たして今のこの動きが、我が国の将来に正しく続くのか」との疑問をもっています。
 地方に住む私達は、今こそ、ただ東京を眺めているのではなく、足元から政治を問い直し、作り上げて行くべきではないかと、私達は考えています。

 このような考えにもとづき、私達はかねてから、新しい政治の地方組織を作るには、まず、その指導者から誰もが参加できる開かれた場所で、直(じか)に主張を聞くこと。そして、その主張に賛同した人達が、地方独自の状況を踏まえながら、自らの判断で組織作りを進めること。この二つが、私達が真に願う地方分権の時代に一番ふさわしい組織作りの基本だと考えてきました。

 その考えに基づいた実践の第一歩が、本日の、全ての政党に先駆けて地方に出て、その主張を国民に語りかけている「さきがけ塾」の開催であります。

 皆様もご承知のように、ここ金沢市には、政治家が直接、県民、市民に訴えて、政治の流れを大きく変えた歴史があります。
 その評価は、人それぞれで異なるでしょうが、戦前では、総選挙に破れた直後に、兼六園の長谷川邸跡で行った永井柳太郎氏の演説会、戦後では、辻政信氏が同じ場所で行った演説会がそうでありました。

 しかし、55年体制といわれた政治の仕組みが40年近くも続く中で、本来、多くの県民、市民が持っていた、政治に対する純真な参加意欲を汲み上げる努力を、政党や政治家が忘れてしまっていたようであります。
 時代の転換期である今こそ、政治の原点であるこの歴史の事実を思い起こさなければなりません。

 私達の力は、まだまだ小さくて弱いものです。しかし、私達が胸を張って誇れるのは、真剣に政治に取り組み、日本を少しでも良くしたいという情熱を誰よりも強く持っていることであります。これだけは、いかに弱小といえ、どんな大政党にも劣らないと、私達は自負いたしております。

 これからご講演いただく、さきがけ代表代行の田中秀征さんは、現在の国政を実質的に主導しておられる方であることは、私からご説明するまでもなく、皆様もご承知のとおりであります。
 本日の講演を契機に、我が国の将来を真剣に考える県民、市民が一人でも多くなれば、私達の蒔いた種は、必ず将来、大きく実を結ぶものと確信いたしております。

 私達の願いは、今日の講演をお聞きになって賛同された方々とともに、一日でも早く、石川県にふさわしい組織を作りたいということであります。
 どうか、私達のこの思いにご理解ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、重ねて、本日のご参加を感謝し、開会のご挨拶といたします。