父親の子育て(下) 〜北國新聞より〜
<西野泰正選手の父・雅博さん>
泰正と兄の貴博、二人のサッカー選手を、私はできる範囲でサポートしてきたつもりです。
将来プロの選手にしたいなどと強く思ってはいませんでしたが、
練習への送り迎えや遠征の手伝いをするうち、私自身が気づいたら
”サッカーの世界に引き込まれていた”という面もあります。
サッカーから学ぶ
少年野球チームの世話をしていた私は、できれば野球をやらせたいと思っていました。
現実には野球に関心を持つ前に、二人ともサッカーに夢中になってしまいましたけれど、
私もスポーツ少年団のサッカーチームで息子たちのプレーを見守り、
遠征のために他の親御さんと他県に連れて行ったり、
旅館の手配をしたりすることが次第に楽しく思えるようになってきました。
サッカーについてのいろいろなことが分かってきましたし、そこの深さも次第に見えてきました。
それが高じて、今では私も審判の資格を取得し、
地域のサッカー少年たちのお世話もするようになっています。
サッカーを通じ、泰正は自分にとって大切なことをたくさん学んできましたが、
同時に「私も学ぶところがあったのかな 」と今になると思います。
向上心を忘れず
泰正も春になれば、Jリーガーとして新しいスタートを切ります。
こうなることを、親として全く期待しなかったと言えばうそになるかもしれません。
しかし、中途半端な部分があれば通用しない、本当に厳しいところと聞いています。
もともと厳しい競争を勝ち抜いて集まった優秀な人たちが、
試合への出場権を競い合う完全実力主義の中に、泰正も飛び込むわけです。
本人は一日も早く、できれば誰よりも早くレギュラー選手として活躍したいと願い
本人なりに気負っているようですが、私とすれば
「あわてず自分なりに頑張っていってくれれば」と思います。
ただ願わくば『試合に使ってもらえる選手になりたい』と
向上しようとする意欲を燃やし続ける!そういう気持ちを忘れない選手でいてほしいですね。
(おわり)