京都御所一般公開と正倉院展('09.10.31〜11.3)



11月1日(日) 京都御所一般公開

前日の午後には京都に入り、下調べに京都御苑とその周辺を散策した。
建礼門

今年は天皇陛下即位20年を記念した特別公開である。
地方にいるとこうした機会があってもなかなか出てこられない。
今回は京都で昔の仲間が集まる機会があり、そのタイミングで京都御所の一般公開と奈良の正倉院展が同時開催されたので、この機会は逃せないと思い楽しみにしていた。
建礼門は、京都御所南側の正門であり、桧皮葺の切妻屋根が美しい。
建春門は、最近になって改修されたのだろう。屋根の葺き替え金具建具が真新しい。
建春門

京都御所の一般公開は9時からで、開門の10分ほど前に着いたが、すでに多くの方が並んでいる。
団体客の観光バスも次々と入ってきた。
午後には雨が予測されているのだが、すばらしい快晴の中、御所の桧皮葺の建物が青空に映える。

宣秋門から入り、御車寄、諸大夫の間、新御車寄と見学。天候に恵まれたから良いが、雨の日に傘をさしての見学となると大変だろうなと思う。この人出だとカメラを構えて前に出るのも難しい。

回廊から見た紫宸殿 紫宸殿を取り囲むように朱塗りの回廊が造られている。紫宸殿は、御所の中で最も重要な建物で、昭和天皇まではここで即位の礼が執り行われている。
中央に天皇の御座「高御座(たかくみら)」が置かれ、その隣に皇后の御座「御帳台(みちょうだい)」が置かれている。現天皇の即位の礼は、この「高御座」が皇居に運ばれて執り行われたそうである。

紫宸殿の前庭は白砂が櫛目をつけて一面に広がっているが、我々が歩くところだけはそれが取り除かれていた。
御池庭と御内庭は、簡単な塀で区切られているものの、一続きの庭だ。すばらしい日本庭園で、その中も歩いてみたいが一般公開の対象になっていない。

御内庭に面して御常御殿や御涼所があり、奥向きの建物で、天皇の日常の住まいとなっている。
見学時間は1時間半ぐらいであった。地下鉄に乗って烏丸のホテルに戻り、11時頃マイカーでホテルを出発。

御池庭前面の州浜 御内庭 御涼所

正倉院展・奈良国立博物館


平城宮跡・朱雀門 奈良の宿にはちょうど12時に着く。宿は猿沢池のそばに在り、正倉院展の会場である奈良国立博物館が近いので、車と荷物を預けて歩いていくこととした。
そのころから冷たい雨が降り出す。
奈良公園は、正倉院展の関連テントで一杯である。鹿たちもカメラ目線で出迎えてくれた。
博物館を背にカメラ目線の鹿 雨が一段とひどくなり、早々に博物館に入ることとした。
天皇陛下即位20年を記念し、正倉院宝物を代表する名品が数多く出品されているのだそうだ。
そもそも正倉院は東大寺の倉庫であるが、奈良時代(8世紀)の聖武天皇・公明皇后ゆかりの宝物が納められており、明治時代に皇室に移管されたとのことである。
ローマやペルシャ、インド、中国さらには朝鮮半島などを通って、シルクロードの最後の終着点「正倉院」に納められた昌に世界の宝がこの展示に凝縮されている。

11月2日(月)

唐招提寺・開山御廟(鑑真和上墓)の苔庭 前日の雨も上がり、気持ちの良い日となった。
車で平城宮跡・朱雀門を見学し、近鉄奈良線を渡って北側にある遺構展示館に行くも、月曜日ゆえ休館であった。こうした飛び石連休に休館というのも如何かと思う。
鑑真ゆかりの唐招提寺に行くと国宝金堂が11月1日から3日間の落慶法要がおこなわれており、金堂の見学ができない。
天平の甍といわれる国宝の講堂や、開山御廟などを観て回った。
高額寄付者などの招待客様以外は、厳しいガードで金堂周辺には一切立ち入り禁止に。
猿沢池と興福寺・五重塔

車を置いて唐招提寺から南都七大寺のひとつ薬師寺まで歩く。
薬師如来、日光菩薩、月光菩薩の薬師三尊を拝し、玄奘三蔵院伽藍では、平山郁夫画伯の「大唐西域壁画」を鑑賞。玄奘三蔵の旅を描く迫力ある壁画に圧倒される。
午後には、法隆寺周辺を散策し、飛鳥時代に創建されたという聖徳太子ゆかりの法輪寺に寄ってみた。
たまたま聖徳太子の生涯を描いた絵解き屏風が展示されており、興味深かった。

11月3日(火)
奈良奥山ドライブウェーから見た大仏殿 来年は平城遷都1300年祭である。全国から多くの観光客が集まるだろうからと思い、この機会を捉えたが、正解であった。少しはあちこちをゆっくり見学できたと思う。
帰りは、正倉院の近くから入る奈良奥山ドライブウェー(新若草山自動車道)に入る。
途中若草山山頂から、奈良の街に別れを告げた。通常のドライブは、ここからまた街中へ戻る往復コースが普通らしい。
しかし私は、途中未舗装の奥山コースを通って、天理方面の日本最古の道「山の辺の道」を目指すこととした。
竹之内環濠集落 崇神天皇陵 大神神社
山之辺の道周辺には、竹之内環濠集落の痕跡を見学した。環濠集落はもっと古い時代のものと思っていたが、室町時代のものであることをはじめて知った。戦乱の時代、集落を守るために造られたらしい。
目の前を通る「山之辺の道」では、多くの人がウォーキングを楽しんでいた。本来、こうして古墳などの遺跡を巡るのが良いのだろう。
時間と地理に明るければそうした遺跡をじっくり見学したいところだが、車で国道169号を走っていると、案内看板を見過ごしてしまう。
かろうじて崇神天皇陵を見つけて見学する。さらに走ると大きな鳥居が見えてきた。
大神神社(おおみわじんじゃ)である。日本神話にも出てくるそうで、「日本最古の神社」と言われているらしい。ご神体は裏山の三輪山である。

長谷寺全景 この大きな日本最古の神社にお参りし、奈良大和路の花の総本山とも言われる長谷寺経由で帰ることにした。
春には桜に牡丹、夏に向けての新緑から紫陽花、秋の紅葉など四季折々の景色に包まれる伽藍。
残念ながら、紅葉には少し早かったが、延々と続く登廊やその途中途中の牡丹などの植栽が花真っ盛りにおける華やかさを想像させる。

長谷寺を見終わるころには午後2時ころになっていた。 針インターから名阪国道に入り、亀山インターから東名阪自動車道、名古屋高速、名神高速道路に入り、一宮JCT経由で東海北陸自動車道に入った。
長谷寺の登廊

ひるがの高原あたりに来ると、周辺がうっすらと白くなっている。気温もマイナス2度と、その冷え込みに驚く。
山陰から月が上ってきたが、あまりの大きさに驚いた。花札の坊主だ。
小矢部JCTから北陸自動車道に入り家に着いたのは6時40分であった。 今回の走行距離840Km。 長谷寺三重塔