縄文杉に逢いたい(09.7.11〜14)

 同期の仲間たち6人と屋久島に行くこととした。
定年を目前にした仲間の中には、膝や腰を痛めている者もいるので、縄文杉の13時間コースには3人だけの参加である。

11日に富山空港・羽田経由で鹿児島空港に降り立つ。滑走路が雨でぬれていたものの、午後から回復し、梅雨明けが宣言されたようである。

水中翼船ジェットフォイルトッピー 高速バスとタクシーで鹿児島港に着き、ジェットフォイルトッピーで屋久島に3時頃に到着した。ジェットフォイルトッピーは、鹿児島本港と屋久島宮之浦港を1時間45分で結ぶ水中翼船である。
島の第一印象は蒸し暑さであった。

 12日は、早朝5時前に目覚めフロントに下りてみると、トレッキングへ出かける人たちが集まっていた。
私は、明日縄文杉までのトレッキングに出かけることとなっているので、足慣らしのためにもと習慣となっている早朝の散歩を2時間近くおこなった。
とてもさわやかで、空気もおいしい。朝日が周辺の緑を鮮やかにしてくれる。
途中、猿軍団に驚かされた。一人での散歩で、車などの通行もないところなどで、おっかなびっくりである。幸いにも猿たちのほうが逃げてくれたので良かった。
さらに進むと、山側の森で動物が駆け出した。驚いて森の中を覗き込むと、鹿たちの群れである。意外と小ぶりな鹿たちであった。
さらに驚いたのは、沢蟹である。アスファルト道路をのんびりと横断している。近づくとさすがに森の中へ駆け込んでいったが、2匹目は草むらでじっとして草に溶け込もうとしている。


森の中から見つめる鹿 子供を隠す母猿 散歩中に見つけた沢蟹

 宿に戻るとちょうど7時であった。
推定樹齢2000年の紀元杉 今日の一日は、レンタカーで島巡りをすることとした。まず目指したのが、ヤクスギランドである。その先の推定樹齢2000年の紀元杉が私たちが最初に目にした屋久杉の大木である。聞きしに勝る大木である。
次に屋久杉ランドを散策する。体力に応じて150分コースまであるのだが、30分コースで充分屋久杉のさまざまな姿を見ることができ満足した。
後は、海岸線を走り、トロッキーの滝見学、平内海中温泉での足湯、大川の滝を車窓からの見学のうえ、西部林道に入ったが、これが予定の時間を大幅に狂わせてしまった。
西部林道のほとんどが狭隘なままで、対向車に気をつけなければならない。スピードの出せない道路であった。林道を抜けると海がめの産卵で有名な永田地区である。志戸子カジュマル園を巡って宮之浦港へと一周した。
じっくり観光していけば、おおよそ9時間で一周の観光ができるようである。

13日は、待望の屋久杉に逢いに行く日である。
朝の5時前に宿を出発し、途中の宿でも同行者を乗せて、荒川登山口まで急いだ。今回のガイドは、屋久島に移り住んでいる野々村さんである。われわれ男3人と女性4人の合わせて7人のガイドをしていただく。

推定樹齢3000年の大王杉 荒川口で朝食とトイレを済まし、トロッコ軌道を大株歩道入口まで歩く。トロッコ軌道は、今でも屋久杉の切り株搬出に時々使われているとのことだ。
 小杉谷集落から先は、屋久杉やヒメシャラ(サルスベリの木に似ている)の大木に日差しが閉ざされて、帽子もいらない。
大株歩道入口からが本格的な登山道となる。
推定樹齢7200年ともいわれる縄文杉の少し手前に、大王杉がある。縄文杉の発見前には推定樹齢3000年で、最も古い屋久杉といわれていた。その後の科学的検証により、縄文杉は根廻りが43mと太いが、推定樹齢は2100年程度でないかともいわれている。それが正しければ、大王杉がまさに王座に復活することになる。

仲間と屋久杉 このルートには、一日どれくらいの人々が入山するのだろうか。バスや乗用車の駐車状況からして、千人近くは入山しているのではないかと思われる。

今回のトレッキングのタイム
宿の出発4;50→荒川口(朝食)出発6:05→小杉谷集落跡7:15→三代杉7:55→大株歩道入口(トイレ)9:00→昼食(ウィルソン株・大王株中間点。リュックを置く)10:45→縄文杉11:50→縄文杉出発12:25→リュックを担ぐ13:05→ウィルソン株13:45→大株歩道入口14:15→河原で一服15:10→小杉谷集落跡16:00→荒川登山口16:50→ホテル着18:10


力強い生命力を見せ付ける縄文杉。樹高30m、根廻り43m、推定樹齢7200年ともいわれ、世界最古の植物と言われている。

 14日、帰路に着く。3泊4日の旅もこれで終わるが、天候に恵まれた楽しい旅であった。 世界遺産記念碑前にて 遠ざかる屋久島 宿泊した田代別館前にて