柿をもいでくるのは子供達の仕事だった。学校から帰ると近所の仲間達を誘って近くの山へ柿取りに出かけたものだ。
竹で作った(はさん棒)を使って取るか、木に登って取るのだが、柿木はツルツルしていて以外と上りにくい。 柿の木は折れやすいと大人たちから聞いていたがその様な心配は一度もなかった。
もぎ方のコツは柿に小枝を(T字型に残して取る。後でつるす時に縄から外れないように必要なのだ。
皮むきは、お婆やかあちゃん達の夜なべ仕事だ。包丁を使って一個一個むいていく。手の中で柿がくるくる回っている。
皮が渦巻きのようになって取れていく。子供の頃のボクは不思議な光景でも見るように、それを眺めていた。
やがて、200〜300コの裸ん坊の柿が縄につるされて軒下にずらりとぶら下げられる。
これがまた、赤々としてとても美しかったのを覚えている。