点字文化

 2月27日「日曜日」、ふれあい福祉センターにおいて、視力部会の室内競技会が行なわれ、点字競技とオセロゲームに多数の会員の出席がありました。

点字競技には、、め撃ち・50音書き・短文記憶書きの3種目があり、それぞれの種目は2分の制限時間で行なわれます。

ここで、それぞれの種目について簡単に説明しましょう。

め撃ち: ご存知のように、点字は六つの点の組み合わせで成り立っています。 この六つの点を全部打つと、「め」の文字になります。

め撃ちは、一行を全て、「め め め め …」と打ちます。

50音書き: あいうえお・かきくけこ…と、50音順に書きます。

記憶書き: 川柳などの短文を記憶した後で一行に一文を書きます。 

ちなみに、今回準備された短文は、「試験 おえて 青菜に 塩の 一夜漬け」というものでした。

競技が始まると静まりかえった室内に点筆「てんぴつ」を撃つ音だけが響きます。 コツコツコツ・ダダダダダダ…速い人になると、それはもう、機関銃のような速さです。

私などは、ぽっつんぽっつんで、さしずめ、パッキンの古くなった蛇口の水漏れってところでしょうか。 同じような手を、同じ10本の指を持ちながら、一体どこが違うんでしょうね。

成績は?といいますといずれの種目も一行書くのがやっとこさいで、b5サイズの点字用紙には名前が一行・答案が一行という、誠に情けないというか、環境保護に反するような有様でした。

デジタル社会の現代、ITの発達により、視覚障害者も音声ソフトを使用してパソコンが操作できるようになりました。私もユーザーの一人です。

それに伴い、日常生活に於いて点字に触れる機会が少なくなりました。これまでの、点字だけの視覚障害者の文字文化が、パソコンによる活字に変わりつつあるのです。

点字の書物などは方々から郵送されてくるので、「点字を読む」機会は時々ありますが、点字板と点筆で「点字を書く」ということは滅多にありません。

私の場合、年賀状と選挙での投票、それに、この室内競技会だけなのです。

点字は視覚障害者には欠くことのできない文字文化です。 視覚障害者が自分で読んだり書いたりできる素晴らしい文字なのです。

また、利用者相互のコミュニケーションとしても極めて優れた手段ともいえます。

それは、パソコンが普及しつつある現在も、そして、これからも同様でしょう。

私達は、この貴重な点字文化を大切に考えていく必要があると思います。


エッセイ トップへ

ホームへ。