焚き木

子供の頃には、どちらの家出も「えんなか」があり、晩秋に入ると冬の燃料となる薪を準備した。
また、風呂の燃料としての「ばんぎ」を作る薪割りも欠かせない作業の一つだ。

くぬぎや樫などの良質材は以前は炭焼き用として使われたようだが、当時は既に炭焼きも村から消えていて、これらも薪として利用したようだ。

それぞれの家の山から薪となる木を切り出して準備する。

「だんなはん」の山では炭焼きにするような良質材が多かった。 良質材は火持ちも良く、風呂も温かさが違うようである。

大きな山を持たない家では間伐材の楢や雑木の他、すんばや竹や豆殻など燃やせる物は何でも「たきもん」として囲炉裏用として使った。

大きなものは鉈を使い小さなものはオノなどで切りそろえた。

適当な長さに切った薪は、縁の下や軒下に積み込んで乾燥させた後で「あま」と言われる屋根裏部屋に上げて保存した。

山里では縁の下や軒下が薪でいっぱいかによって季節が見て取れたのである。


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