6月15日 レジナ・チェリ
第1曲のレジナ・チェリに入る。まさか、いきなりレジナ・チェリに入るとは思っていなかった。
第3曲のタントゥム えるごを復習するものと思っていたので全く予習ができていない。
こうなると楽譜の読めない私はお手上げだ。テープに録音をとりながら、先生の言葉やパートの歌声を聞いているのみである。
そして時々、覚えた手の短いフレーズのメロディーや歌詞を小声で口ずさんでみる。
レジナ チェリは、アレグロ・アンダンテ・アレグロと3部構成となっている。アレグロとかアンダンテとか、どういう意味か知らずに歌っているのだが…
それにしても、皆はすごい。楽譜を読みながらではあるが、すぐに階名で読み、2・3回の繰り返しの後でラテン語の歌詞をつけて歌ってしまう。大したもんである。
レジナ・チェリは単語が5・6こと少ないので、その点は他に比べて楽な曲である。
アンダンテからはソプラノのソリストが主体となっていて、合唱団の出番は時間的には長くはない。
カナリアのようなソプラノの澄んだ響きを存分に堪能したい。
6月16日。妻の協力を得てレジナ チェリのテキスト楽譜を作成する。
最初のアレグロは軽快なリズムで始まる。4分の4拍子なので実に歌いやすい。
「レジナ チェリ レタレ アレルヤ」と、この三つの単語で歌われている。
まだ採譜しただけで実際に歌っていないので分からないが、バスのパートはそれほど難しくはなさそうだ。
長調の曲ということもあり、少年時代のモーツァルトの無邪気さや希望を感じさせられる曲のようだ。
6月22日。レッスンの合間に飛び出す講師のm先生の話が実にユニークだ。
いわく、高い声をもっとおもいっきり、「きゃー〜」と言いなさい。痴漢に襲われたときのように。なに!襲われた経験ないがか?男どもは、どこに目つけとるがよ。もったいない……
いささかセクハラ気味で危なっかしい発言もあるが、おばさん連中の女性パートには、これがなかなかの人気でもある。
2時間を、ただ歌っているばかりではなくて、時々のユーモアが潤滑油となって合唱団を長続きさせている要因なのかもしれない。
アンダンテ以降に出てくる言葉は、「レズルレクスィトゥ シクトゥ ディクスィトゥ アレルヤ」。ただこれだけ。この四つの単語だけ。 ほとんどが、「アレルヤ」の繰り返しなのである。 アレルヤ・アレルヤ・アレルヤ…。なんだか楽しい気分になる。 青年モーツァルトは夢と希望に満ち溢れているかのようである。
前半のアレグロは4分の4拍子で、実に軽快なリズムで歌いやすいが、後半のアレグロは8分の3拍子なので、なかなかリズムが取りにくい。
おまけに、途中に出てくる1拍の休符が絶妙のタイミングで、一層リズムを難しくしている。
パート練習では、それほど苦にならないのだが、cdの合唱に合わせようとすると、このアレグロが思うように歌えない。
こんなにもリズム音痴だったかと、自分ながら呆れてしまう。
アレグロのフーガのフレーズとか、曲の終わりの、上ど4下ど8ふぁ8そ8そ8ど4・のリズムは、いかにもモーツァルトらしい。