おちらし

懐かしい食べ物の一つに「おちらし」がある。
村では「えっこ」ともいい、これを作ることを「えっこかき」とか言っていた。

えっことは「炒り粉」のことで、精米時に出るくず米や米以外の雑穀を囲炉裏で一度炒った物を石臼でひいて粉にしたものである。

この粉に熱湯を加えて手早くかき混ぜて作る必要がある。お湯がぬるかったりかき混ぜるのに手間取ると美味しくなくなってしまうのである。

えっこのかけない者はかいしょ無しとも言われた。

米が思うように収穫できなかった当時は、くず米や雑穀をこのようにして代用食としたものと思われる。

当時は貴重品だった砂糖を一つまみ入れて作ってもらった「えっこ」は、ねはん団子やちまきなどと共に忘れられない食べ物の一つである。


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