健康メモ
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不妊症

2010年9月   先ず初めに、私は鍼灸で不妊症が治せるとは思っていません。 当院では不妊症を主訴として来院される患者は、まずありませんでした。 中・高年齢者がほとんどですから、不妊症よりも、不眠症の方が圧倒的に多いからです。 NIではなくて、MIです。

ところが、最近4年ほどの間に、あくまで、”偶然の一致ですが、2例の方の妊娠が施術期間中に確認されたのです!











脊柱管狭窄症

2010年7月 80歳代の女性。 腰痛と下肢の痛み、歩行困難を訴えて来院しました。
整形外科では「脊柱管狭窄症」と診断され手術を勧められましたが、手術が怖くて、知人の紹介もあり、来院されました。
 少し歩いただけで、脚が痛み立ち止まる。休むとまた歩けるようになる。これが腰部脊柱管狭窄症の特徴です。腰痛は、それほど気にならないこともあります。
患者さんは上記の特徴的な症状のほか、同じ姿勢が取れない。つまり、横になって休んでも10分で痛みが出て、常に不眠状態でした。また、歳相応に腰部と膝間接の変形がありました。
施術は、10分程度の指圧の後で、腰部と左右下肢の6箇所に鍼灸を行いました。
経過は、3回の施術(1週間後)で歩行時の痛みが改善され、(犬と散歩ができるようになった)と喜ばれました。
現在、(1ヵ月後)同じ姿勢での痛みも緩和され、良く眠れるようになっています。
脊柱管狭窄症も様々です。もちろん、早急に手術を必要とする場合もありますが、鍼灸で改善されることも多いということです。

不眠症

ストレス社会の現代において、「夜になっても眠れない・・眠りたいけど眠れない…」と悩んでいる人は多い。

不眠のパターンにも幾つか有ります。 寝つきが悪い・夜中に何度も目が覚める・朝早く目が覚めてしまう・あるいは、目覚めたときに熟睡感がしない。などと人により様々です。

欝の人や、夜と昼が全く逆転してしまっている重度の不眠症もありますが、中には、「何が何でも8時間…とか、途中で一度も目覚めずに朝まで眠らなければ…」と思い込んでいるケースも有ります。

「地下鉄がどこから入るのか、考え出したら夜も眠れない…」って人もいましたっけ!

不眠症の人には、音や光・温度などの環境や、飲食や運動・お風呂などの生活習慣のアドバイスも大切な要素となります。

一般的には不眠だけを訴える人は少なくて、頸肩こり・手足の冷え・発汗・食欲不振・不安感・などの不定愁訴を伴うことが多いものです。

鍼灸治療は、これらの不定愁訴の改善と自律神経の調整を目的に行ないます。

寝付けない場合は交感神経の抑制を目的として、手三里と合谷・足三里と三陰交。に1ヘルツ15分のパルス通電を行ないます。

熟睡できない場合は副交感神経の抑制を目的として、背部の兪穴や、腹部の募穴に、1ヘルツ15分のパルス通電を行ないます。

不眠症の特効穴としては、百会や失眠の灸。四神総への鍼などがあります。

笑いの効用

友達との会話や落語・コメディーなどを見て大笑いすると、気分がスッキリし気持ちが明るくなるのを、誰もが経験した事だと思います。

「笑いの効用」が世界的に注目を集めるきっかけとなったのが、ノーマン・カズンズ氏の話です。 1960年代のこと。アメリカのある雑誌の編集長であった彼は、当時患っていた膠原病を「喜劇やコメディーなどを見て笑う」という方法で治してしまったのです。

このことが世界的に話題になり、その後「笑い」に関するさまざまな研究が行われてきました。

笑うことで脳内血流が増大し、脳が刺激され、それが神経へ伝わって、神経ペプチドという免疫機能活性化ホルモンが分泌されます。 それにより身体の免疫力がアップし、丈夫な身体になります。

さらに、鎮痛作用と快感作用のある、ベータエンドルフィンやエンケファリンなどのホルモンも大量に分泌されることが分かっています。

また、笑いは、人間の免疫細胞であるNK(ナチュラル・キラー)細胞を活性化させることが、血液の検査など科学的なデータで、はっきり分かるようになりました。

人間の身体には約60〜70兆個の細胞があり、1日に1〜2%くらい死滅して新しい細胞ができます。

新しい細胞の中にはガン細胞もあり、NK細胞はこれらを退治する働きをしています。

「笑い過ぎて顔やお腹が痛い」という経験は、誰にでも有ることと思います。 笑う時には、顔や胸、お腹や腰など、意外とさまざまな部分の筋肉を使っているものです。

笑う事で、適度な全身運動となり、内臓の働きや血液の流れがよくなります。 その結果として、便秘や冷え性、不眠などが改善されたという声も聞かれます。

それでは、「作り笑い」の場合は、どうなのでしょう?

作り笑いでも免疫力が高まり、ナチュラルキラー細胞の働きが活発になるという実験結果が報告されています。 これは顔の筋肉が動くことによって何らかの神経伝達物質が作られ、脳へ伝わるためと考えられています。

顔には表情筋が20種類以上もあり、シワを気にし過ぎて使わないでいると筋肉がドンドン衰え、肌の張りや艶にも悪影響を及ぼします。

笑いは脳をマッサージしてくれます。 笑顔でいるだけで健康になれる!こんな簡単で安上がりの健康法は他に有りません。

くよくよと悩んで過ごすも一日、明るく笑って経てても一日です。毎日、お腹をかかえて大声で笑いましょう。

それでは、漫才調で! よ こ や ま・( わ ら え よ)!。(爆)



腹式呼吸で健康:

呼吸には、胸式と腹式の二通りがあり、普通に呼吸をしている状態が胸式で、酸素を多く取り入れようとする方法で、西洋医学的な考えに通じると言えます。

これに対して腹式は、息を大きく出す事を目的とし、自律神経機能に作用させようとする東洋医学的方法と言えます。

「長生き」とは、長く息を吐き出すことに通じます。 腹式呼吸で、息を長く出すことで副交感神経が活発になり、自律神経が安定します。

腹式呼吸には、いくつかの方法があります。

1. 数数え法:誰でも簡単にできる方法です。(いーーち、にーーい、さーーん……)のように、低く長く(10秒程度)腹から息を吐き出しながら数えます。

2. 仰向けで、腹に枕か手を置いて、腹を引っ込めるように長く息を吐き出す。

3.入浴中に、意識的に腹を引っ込めて、水圧を利用して息を出す。

大きな声で歌ったり、賑やかに話したり笑ったりする事も腹式呼吸につながります。 腹式呼吸の効用:

副交感神経が活発になり、内蔵諸器官の働きが促進される。

プロスタグランジン等の分泌が促進され、血圧が安定する。

免疫機能が活性化される。

ベータ・エンドルフィン等の脳内物質により、自律神経が安定する。



耳鳴り、難聴:

いわゆる、突発性の耳鳴り・難聴が鍼灸の対象と思われます。

耳鳴りには,ぶんぶん,りんりん,ごーごー,ぴゅーぴゅー,しゅーしゅー,といった質のものの他、断続的であったり継続的であったり、または、拍動性などのタイプがあります。 また、通常は、耳鳴りに随伴する難聴があります。

東洋医学では、耳鳴りと難聴は同じメカニズムで起こると考えられています。 耳鳴りは難聴の程度の軽いものであり、耳鳴りが進むと難聴に移行するというものです。

ほとんどの人の場合で、頚肩こりがあり、同時に高血圧症のケースが多いものです。

頚肩の筋緊張を緩和させると同時に、自律神経反射を利用して副交感神経機能を高めたりして、血圧を安定させます。

更に、頭痛、不眠、冷え性などの随伴症状を取り除く事で耳鳴りが改善することも多くあります。

鍼灸治療:

耳や目などの感覚器は、それぞれ五臓の機能と密接に関係しており、耳は腎と深い関連があると考えられています。

耳周囲や頚・肩のツボの他、足部の要穴を用いて腎経の偏重を整える治療を行ないます。



便秘:

便秘とは、排泄物が長時間腸内にとどまり、水分が吸収されて排便に困難を伴う状態の事を言います。

健康な人では普通1日一回の便通がありますが、中には、3〜7日に一回と言う話もよく耳にします。

しかし、不規則な排便であっても苦痛を感じない場合は便秘とは言いません。また、毎日便通があっても苦痛や残便感など不快感を伴う場合、「便秘」とみなします。

便秘の原因:

1・精神的ストレス。精神的ストレスが自律神経のバランスを崩し、痙攣性便秘となりやすいものです。

2・小食および水分不足。 3・食べ物の繊維不足

4・がまん癖。我慢すると便意が消えて便秘習慣がつきます。

5・運動不足などが考えられます。

便秘の種類

一般的に多い便秘は慢性便秘であり、その中の習慣性便秘のほうです。

習慣性便秘は更に、弛緩性便秘、直腸性便秘、ケイレン性便秘の3つのタイプに分かれます。

1・弛緩性便秘。便秘の多くはこのタイプです。大腸の緊張がゆるんでいて、蠕動(ぜんどう)運動が弱く、便意を感じなくなっています。

内臓下垂の人、病気の後で体力が低下した場合になりやすいです。

2・直腸性便秘。便が直腸に達しても便意が起きず、蠕動運動が始まらない場合をいいます。

忙しくてトイレに行かず、我慢をしたり、痔で排便を抑える、また浣腸を繰り返して年老いて神経が鈍くなったりするとこれにかかります。

特徴としては太くて硬い便で、切れ痔を起こすことがあります。

3・痙攣性便秘。大腸の運動が強すぎ、痙攣を起こし、便の通過を妨げて便秘になるタイプです。

大腸過敏症のタイプ、また精神的ストレス、自律神経失調症が原因でなりやすいです。

特徴としては便意は強いが排便困難、腹痛、腹がゴロゴロ鳴ったり、腹が張ったりします。 便はウサギの糞状の細いものです。

日常生活上の注意:

1・食物繊維を充分に摂る(弛緩性便秘の場合)

2・繊維の少ない、消化のよいものを摂る。(痙攣性便秘の場合)

弛緩性と痙攣性の便秘ではその原因が異なり、対応も全く異なりますのでその見極めが大切です。

3・朝食後に排便の習慣をつける。 食べ物が胃に入ると、胃から大腸へと信号が送られ、大腸の蠕動運動が始まり、便が直腸へと送られ便意が起こります。

4・運動不足を解消し、腹筋等を強化する

鍼灸治療:

腹部・腰部の他、自律神経機能の調整として、手・足の要穴を用います。

沢田流・シンモン、(神門と陽谷の間)は、便秘の特効穴とされています。



冷え性:

冷え性は病名ではなくて、一つの(症候名)です。

本来、人の身体は周囲との温度差がだいたい30度以内なら、暑くても寒くても体温を一定に保つ機能が備わっていると言われています。

冷え症は、この体温調節機能のトラブルが原因で起こります。

外気が冷たくなると、脳や内蔵が正常に働くために必要な熱を確保しようとするため、手足などの毛細血管を収縮させ、血液からの放熱を防ごうとします。

そのために、末梢部分での血行不良が起こります。



冷え症の原因: 冷暖房完備の生活に慣れて、内外の温度差が激しく、このような生活を続けているために、気温の変化を感じる神経が鈍くなっている。

1年中、ビールやジュースなど冷たい飲み物や食べ物をとるため、内臓内の温度調節機能が鈍くなっている。

ストレスなどにより、自律神経失調となっている。 自律神経は、女性ホルモンの分泌をコントロールする神経とも密接な関係にあります。

このため、出産、閉経時などに自律神経のバランスが崩れ、冷え症になる女性が多いようです。

静脈の流れが悪いため、動脈の血液が体中にいきわたる前に冷えてしまう。この現象は、手足のほか下腹部でもよく起こり、女性の腰の冷え症の主な原因と言われています。

動脈硬化などが原因で血管が細くなり、末端の毛細血管に温かい血液が流れにくくなっている。

貧血や低血圧のため、温かい血液が毛細血管まで届かない。



鍼灸治療: 東洋医学では、ほてりや逆上せも冷え性の内と考えます。

冷えで腎や脾・胃が弱くなると陰気が上昇できなくなり、冷え逆上せ状態になると考えます。

筋肉パルスによるポンピング作用で、足部の血流を促進します。

足先が冷える人の場合。1HZのパルスを行う。虚症の場合は、三里・三陰交に拘る必要はなく、反応点が有れば、陰稜泉や地機でも良く、リズミカルな痛みのない筋肉パルスを行います。

同部位への施灸も有効です。



眼精疲労:

最近ではパソコン使用によるドライアイなどで眼精疲労も急増していると言われています。

目の疲れとは目だけの病気ではありません。 肉体的疲労や精神的ストレスから発症する一症状と考えられます。

目の疲れの一般的な症状には、目がショボショボする、目がしみる、目が乾くような感じがする、目の奥が痛む、焦点がぼける、などがあります。また鏡を見ると白目が充血しているというようなことも多いと思います。

更に、全身症状として、頭が重い、頚、肩の凝り感、寝つきが悪い、眠りが浅い、朝起きるのが辛い、根気がなくなった、などの精神的な症状も見られます。

その他に、全身がいつもだるいとか、微熱があるような感じと言った症状を訴えるケースも有るようです。

眼精疲労の諸症状には鍼灸治療は有効です。これらに関係する経絡で重要なのは膀胱経、肝経、腎経です。

鍼灸治療は、これらの関連経絡を中心に、頚肩、背部の循環改善と、筋緊張を取る事を目的に行ないます。



白内障と緑内障:

近年の著しい人口の高齢化に伴い、白内障と共に、緑内障も増加傾向にあるようです。

白内障は、(白そこひ)とも言われ、一般的には、高齢化に伴う水晶体の混濁による緩やかな視力障害が特徴で、物がかすんだり、濁ったりという自覚症状が有るので比較的に判断しやすいものです。

また、メガネを処方する事で、ある程度の視力を維持する事もできます。

手術は、一般的には、視力障害が相当程度進行した段階で行われ、術後の視力回復も比較的良好と言われています。

緑内障は、(青そこひ)とも言われ、一般的には、眼圧が高くなって視神経が委縮し、網膜に映る像が脳に伝わらないためとみられています。

急性期では、激しい眼痛のほか、頭痛や嘔吐といった症状が出現しますが、徐々に進行する場合や、正常眼圧緑内障では、自覚症状が出にくく、見つかった時には失明寸前のケースも有るという怖い病気なので注意が必要です。

白内障や緑内障に対する直接的な鍼灸治療は難しいと考えています。

東洋医学では、眼科症状は身体状態の一つであり、疲労や老齢化と密接な関係があると考えます。

眼と老化に関係する経絡で重要なのは膀胱経です。また、(肝気、眼に通じ、腎気、生を宿す)と言われるように肝と腎は身体の抵抗力を作る役目を果たす経絡とされています。

鍼灸治療は、これらの関連経絡を中心に、頚肩、背部の循環改善と、筋緊張を取る事を目的に行ないます。



こむら返り:

(今朝、布団の中で、少し足首を回しただけなのに、(こむら返り)が起こり、とても痛い思いをした)。来院される患者さんからも時々こうした話を耳にします。

どうして、(こむら返り)は起きるのでしょうか?

足のふくらはぎの事を(こむら)とも言います。 骨格を動かす働きをする筋肉を骨格筋といい、これは、腕や脚・体などの骨格に付いている筋肉の事です。

この骨格筋は、たくさんの筋細胞の束からできていて、それぞれの束は、太い筋と細い筋の2種類から成っています。

(力を入れろ)という命令が、大脳から発せられたとしましょう。すると、その命令は、筋肉の細胞に伝わり、太い筋と細い筋が互いに引き合って、筋肉が収縮し、力が入ります。

私たちは運動を続けている間に(乳酸)と言う疲労物質がたまっていきます。ふだんはあまり問題なくたまっては排出されていくのですが、筋肉が疲れたり、あるいは、冷えたりすると、この乳酸の排除が不十分となって、乳酸がたまりやすくなるのです。

筋肉に乳酸がたまると困るのは、先ほどの太い筋と細い筋の引き合いがうまくいかなくなって、時には、収縮しっぱなしという状態になってしまうのです。

これが、いわゆるこむら返りの現象と考えられます。

こむら返りを繰り返して硬くなった筋肉に針治療を継続する事で、血流が改善し、筋緊張が緩み、こむら返りを予防することが可能です。



皮膚筋炎:

(皮膚筋炎)という特定疾患の方が来院された。

これは、多発性筋炎とも言われ、筋肉の障害(炎症・変性)により、力が入らなくなったり、疲れやすくなったり、筋肉が痛くなったりすることを基本的な症状とする病気です。

また、肺、心臓、関節、消化管、などの他の臓器障害も合併することがあり、膠原病や自己免疫疾患{自分の身体に対する抗体などを持ち、免疫のアンバランスがその病因と考えられるようです。

このような重症な方の来院は当院では珍しく、当初は、(どのように施療していいものか…。)と悩みました。

なにせ、車から降りて治療室のベッドに上がるだけで、ぜいぜいとして息苦しくなり、手もチアノーゼ状態(紫色になる)というのですから。

もとより、患者さんはステロイドや免疫遮断薬を内服しておられます。

今、最も辛いのが、(腰痛)との事なので、患者の訴えに一つずつ対処することにしました。同時に、免疫力向上や体質改善も期待できるかもしれません。

鍼灸治療:

初回は、鍼灸に対してどの程度の反応があるか予測が困難なこともあり、経絡的指圧の後腰部、両手、両足のツボに軽くはりを行い、腰に2箇所お灸をして終了としました。

2回目は二日後に来院され、前回の施療後は特別な変化がなかったとの話だったので、前回の治療点の他、背中、おなか、胸のツボを追加し、灸も腰と背中の2箇所に行い施療を終了としました。

3回目: 腰の具合が少し楽に歩けるようになったと喜ばれましたので施療は前回同様としました。

以後、週に1・2度の治療を継続しています。 状態は一進一退というのが正直なところでしょうか。

それでも、患者さんからは、(はりをすると身体が暖まる)とか、(以前よりも楽に歩けるようになった)などと喜ばれています。

(案ずるより産むが安し)で、以外と経過が良いのにこちらが驚いています。


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