刈り取った稲を天日で乾かすための木や竹で組んだ棚を「はさ」といいますが、村ではこれを、「はぞ」といいます。
はぞの支柱に使う木は、欅とか樫なので野晒しにすることも多かったが、竹は翌年も使うために取り込んで縁の下などに片付ける必要がある。
兄は既に中学生の頃からそのような作業も手伝っていたが、体力のなかった私には無理な仕事だった。
それでも、17・8歳頃には、そんな仕事も何とか間に合うようになっていた。
竹を7・8本ずつまとめて縄で縛り、これを肩に担いで家まで運んで行く。
起伏の有る山道やあぜ道を、天秤棒のようにバランスを取りながら運ぶのは身体の小さな私には結構難しい事だった。
竹が肩にくい込んで痛かったが、何となく大人になったような気がしたものだ。