File Created Date 99/10/31

 

破壊された惑星

 


 宇宙空間――それは何もない空間である。目に見える物質はおろか、気体さえも存在していない。しかし、広大な宇宙空間には例外もある。彗星の巣とされるオールト雲や冥王星の外側数百億キロを円盤状に取り囲んでいる『カイパー・ベルト』などが良い例だ。しかし、これらの彗星の巣が存在する原因は、いちおう理論的な説明がついている。太陽系創世の初期、恒星を中心とした回転運動に取り残され、惑星へと成長する道を断たれた岩石群であると考えられる。
 
 しかし、この理論だけでは説明できない岩塊の集まりが、この宇宙空間には存在する。太陽系を取り巻く岩石群としてではなく、内惑星帯に群れをなして漂う、いわゆる『小惑星帯(アステロイド・ベルト)』である。具体的に、太陽系第4番惑星『火星』と太陽系第5番惑星『木星』の間に、軽く数十万個は越えるであろう無数の小惑星、宇宙塵が帯のように分布している。1801年、イタリアのピアッツイが小惑星第1号『ケレス』を発見したのを皮切りにして、翌1802年には小惑星第2号『パラス』が、続いて『ジュノ』『ベスタ』……と、現在に至るまで無数の小惑星が確認されている。
 
 しかし、今の宇宙論を基に考えるとこれは不可解なことである。先述したように、宇宙は基本的には空っぽだ。惑星なら納得もできようが、なぜここにだけ無数の小惑星が存在するのか?これには、さらに謎を深める事実が存在する。小惑星帯の公転半径は『ティティウスの数列』の第5項にほぼ一致するのだ。ティティウスの数列とは耳慣れない言葉かもしれないが、簡単に言えば水星〜冥王星へと至る惑星の公転半径の増加を一つの数列で表したものである。
 
 ドイツのウイッテンベルク大学の教授「ダニエル・E・ティティウス」が発見した数列だが、当時は完全に無視されている。現在でも正式に認められたわけではないが、ある程度の評価は受けている。天文学に関する本を読めば必ず紹介されているといっていいだろう。具体的に、ティティウスの数列の初項は0、2項目が3であり、n番目の数をAnとすると、An=2An−1という一般項が得られる。これを惑星の公転半径と見比べてみると、驚くべきことが分かる。

惑星 水星 金星 地球 火星 小惑星帯 木星 土星 天王星 海王星 冥王星
惑星の公転半径 3.9 7.2 10 15.2 27.7 52 95.4 191.9 300.6 395.3
ティティウスの数列 10 16 28 52 100 196 388 772

 一目瞭然、両者の一致点をただの偶然と考えるわけにはいかないだろう。ただし、海王星や冥王星には大きなズレが見受けられる。これはかつて太陽系を襲った宇宙的大激変と密接な関係があると考えられる。詳しいことは冥王星の謎を参照願いたい。
 
 ティティウスの数列に沿う以上、小惑星帯は本来は惑星だったのではないかと考えたくなる。すなわち、小惑星が分布している空間には、かつて一つの惑星があった。それが何らかの宇宙的な大災害によって、粉々に破壊されたのではないか。現在の小惑星帯はその名残であるとする考え方だ。ちょっと奇抜な発想に聞こえるかもしれないが、現在のロシア科学アカデミーは小惑星帯の起源についてこの見解をとっている。つい最近も、シューメーカーレビー第9彗星が木星に次々と衝突する事件が起きたが、このような宇宙的激変は長い太陽系の歴史の中では決して珍しいものではないのである。
 
 小惑星帯を第5番惑星(火星の次だから、本来は第5番惑星となる)の名残であるとする説は、特別に『単一大型母天体破壊説』と呼ぶ。旧ソ連の科学者セルゼイ・オルローフは、この仮説をいちはやく理論化し、失われた第5番惑星を『惑星フェイトン』と命名した。フェイトンとはギリシア神話に出てくる神の一人で、太陽神アポロンの息子に当たる。フェイトンは太陽の車を御して天空を駆け回ったが、操縦を誤り、地上に落下して消滅してしまう。セルゼイはフェイトン神話を惑星フェイトンの業火による破滅になぞらえたわけだ。さて、アカデミズムにおける惑星フェイトンの実在性はどんなものなのだろうか?
 
 残念ながら、彼らは惑星フェイトンの存在を認めていない。小惑星帯が惑星だったのなら、全小惑星の質量を合計すれば1個の惑星に足るはずだ。しかし、実際にはとても1個の惑星の質量には及ばないのだ。具体的に、比較的小さな惑星である火星の半分にも満たない。現在、アカデミズムの定説となっているのは『複数小惑星衝突説』である。根拠となっているのはその位置だ。小惑星帯のすぐ側には太陽系最大の惑星「木星」がある。この場合、木星の巨大な重力に捕らえられた小惑星は、互いに何度も衝突を繰り返すうち、そのままごみ溜めのような岩塊の帯を形成していったと考えられるのだ。
 
 しかし、この説には致命的な欠陥がある。惑星を構成しない岩塊の集まりでは、超高熱と重力を持ち得ない。すなわち、天体形成時に元素が分離される過程を経ないため、軽い物質である地殻をつくりだすことができないのだ。一方で、小惑星帯にはスカスカの岩塊、すなわち軽石が豊富に存在する。この問題が解決されない限り、『複数小惑星衝突説』にしてもしょせんは学者が頭の中で考え出した机上の空論に過ぎなくなる。また、小惑星の質量が1個の惑星には満たないという問題にしても、それは『単一大型母天体破壊説』を完全に否定できるものではない。現在の小惑星帯に、本当にすべての岩塊が集まっているかどうかは誰にも証明できないからだ。
 
 1個の惑星が破壊されるエネルギーは並大抵のものではないだろう。超新星爆発にしても、とてつもない高速で物質が四方八方へと拡散していく様子が観測されているのだ。惑星フェイトンの破壊にしても、凄まじい内部爆発によって、多くの破片が遥か宇宙の彼方に吹き飛んでいったはずだ。また、観測できる小惑星にしても限界がある。なにも、数百キロメートル単位の巨大な岩塊ばかりがゴロゴロと漂っているわけではないのだ。なかには数百から数メートル、石ころのような宇宙塵も多分に含まれている。塵も積もれば山となるで、これらの微小破片を寄せ集めればかなりの質量が得られるはずだ。

◆カラクム・テクタイトの正体

 この太陽系には本当に破壊された惑星が実在したのか?証拠はある。それが『カラクム・テクタイト』と呼ばれる岩石だ。1975年、カラクム砂漠で発見されたテクタイト(高温でガラス化した岩石のこと)は、計算によると数百万度という超高温で溶解したことが判明した。テクタイトの多くは、地球の大気圏に突入した岩塊がその摩擦熱で溶けた代物であるため、どんなに高くても溶解温度は数十万度が限界である。とすると、カラクム・テクタイトは大気圏突入以前にすでに超高温で溶けていたことになるのだ。さらに、カラクム・テクタイトの構成物質はベリリウムをはじめとする重金属であり、基本的には天体の内部にしか存在しない物質である。

 このことを考慮すれば、カラクム・テクタイトはまさしく惑星フェイトンの破片であると考えられるのだ!

◆惑星フェイトン破壊の原因

 1個の惑星を破壊するには、いかほどのエネルギーが必要か考えたことがあるだろうか?一般人が惑星の破壊を想像したとき、たいていは彗星もしくは小惑星の激突を原因に挙げるに違いない。しかし、先述したように宇宙空間は基本的に空っぽなのだ。そこらを巨大な岩塊がゴロゴロと漂っているわけではない。NASAのエイムズリサーチセンターの研究によると、一つの天体を破壊するには最低でもその天体の三分の一の大きさが必要であるという。ちょっと考えれば分かると思うが、惑星の三分の一もある岩塊など惑星フェイトンの破片以外に存在するとはあまり考えられない。惑星を破壊するのは物理的な衝撃だけではない。
 
 非物理的に潮の満ち引きを生じる力――すなわち、潮汐力によっても十分に可能なのである。かつて、巨大な天体が惑星フェイトンに向かって超接近を開始した。その暴狂星は、自身が有する巨大な潮汐作用によって、惑星フェイトンを粉々に破壊したのである。具体的に、その暴狂星とは『惑星ヤハウェ』。約4500年前、太陽系中を荒らしまわった張本人である。惑星ヤハウェは、木星の大赤斑が吹き出した巨大な火山岩であり、火星に超接近した際そこに住んでいた生物及び知的生命体(別項で紹介する予定)を死滅させ、次いで地球の衛星である月の地殻を破壊し、地球に未曾有の天変地異『ノアの大洪水』を引き起こした黒幕である。
 
 惑星フェイトンの破壊は、地球や火星における堕落した人類の淘汰と同じく、絶対神ヤハウェの最終的な決断によるものだった。この三つの天体『地球』『火星』『惑星フェイトン』には、かつてある場所から人類が移植されていたのだ。しかし、彼らは良心の基となるべき絶対神から離反したため、倫理観や道徳心が荒廃し、全地には不義と殺戮、姦淫と欺瞞がはびこった。さらには、巨人族ネフィリムをはじめとしたあらゆる民族が全土で未曾有の大戦争を開始したため、とうとう絶対神の決断により、人類全体に制裁が下されたとされる。その最大のものが、惑星そのものの破壊によるフェイトン人の滅亡なのである。

 



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Last Modified Date 03/04/07

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